吉村昭の作品一覧
「吉村昭」の「雪の火祭り 吉村昭初期中篇・短篇集」「羆嵐」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「吉村昭」の「雪の火祭り 吉村昭初期中篇・短篇集」「羆嵐」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
私立東京開成中学校卒。1958年『密会』でデビュー。『星への旅』で第2回太宰治賞、『深海の使者』により第34回文藝春秋読者賞を受賞。『ポーツマスの旗』、『最後の仇討』などがTVドラマ化された。その他作品に『戦艦武蔵』、『ふぉん・しいほるとの娘』、『破獄』などがある。
Posted by ブクログ
リアルとは実に厳しいものである。
フィクションであればこうした展開には、けしてならないだろうという流れになった。
徹底的資料に基づいて史実に忠実に書いていこうとする吉村昭氏のスタイルがふんだんなく発揮されている作品である。
主人公の二宮忠八は、こうした小説には珍しいほどの非の打ち所のない性格である。
しかしそれは、あまりにダメな兄によって築かれたところも大きい。
ネタバレにならないように注意しながら書くが、どんなに優れた才能と情熱があったとしても、それが簡単に理解されるわけではなく、国として持つ時代背景が制限された場合、その実現は難しいというおよそ小説にはないパターンの展開となった。
もっと飛
Posted by ブクログ
吉村昭の小説は軒並み好きで、『羆嵐』をはじめとして何冊か読んできた。
この小説の内容は知らず、黒部の発電所という最低限の前情報から、戦後の黒部ダムを描いたプロジェクトX的な小説なんだろうなと思っていた。ところがどっこい、読み進めるととんでもない小説であることが明らかとなり、度肝を抜かれた。あらゆる意味で現代の常識が通用しない、凄絶極まる物語だった。
まず、その過酷な環境。岩盤の温度が165度、体は腰の辺りまで45度の湯に浸かるというとんでもない状況で岩盤の掘削等の業務を行う……とのこと。平均月収の10倍と言われる給与を貰ってなお割に合わないような、意味不明な労働環境だ。
次に、それ
Posted by ブクログ
リアルが描かれている本である。
漂流ものの本や漫画は多いが大抵がフィクションであり、そう都合よく行かないだろうというような設定ばかりが見られるとテンションが下がる。
家族ロビンソン漂流記『ふしぎな島のフローネ』は、子供向けの有名なアニメだが、大人の目線で見ると「そんなわけないだろう~」ということばかりの連続である。
『ロビンソンクルーソー』にしても同じである。 都合の良い想像力でしかない。
しかしこの書は違う。
作者が徹底的な資料をもとに描くだけのことはあり、そのリアルさが極めて素晴らしい。
漂流とは本来このようなものだ。
小説や映画であれば「こうなったらこうであろう」というような前振りのよう
Posted by ブクログ
白子廻船の船頭頭職を世襲する大黒屋の婿養子となった光太夫は沖船職の役目を引き受け、その航海の途中に見舞われた暴風雨によって、遭難してしまう。絶望的なサバイバルの中、ほとんど奇跡のような形でロシアへと漂着することになった光太夫たちだったが、極寒のロシアを彷徨う中でひとり、またひとりと倒れていき……。
ということで本作の主人公は、ロシア使節のラクスマンによってロシアから日本に送還されてきた船頭大黒屋光太夫の数奇な人生を描いた一冊です。抑制された文章の隙間から立ち上がってくる漂着劇の壮絶さと絶望的な状況にあっても決して日本へ帰りたい、という思いを捨てなかった光太夫の強い意志が魅力的でした。