吉村昭の作品一覧
「吉村昭」の「深海の使者」「磔」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「吉村昭」の「深海の使者」「磔」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
私立東京開成中学校卒。1958年『密会』でデビュー。『星への旅』で第2回太宰治賞、『深海の使者』により第34回文藝春秋読者賞を受賞。『ポーツマスの旗』、『最後の仇討』などがTVドラマ化された。その他作品に『戦艦武蔵』、『ふぉん・しいほるとの娘』、『破獄』などがある。
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Posted by ブクログ
世界で初めて胃カメラを開発したオリンパスの技術者たちと東大の医師の実話に基づく物語.
光ファイバーがない時代なので,樹脂チューブの先端にフラッシュがわりの電球,フィルムカートリッジ,特殊レンズを据え付けた胃カメラの開発に成功する.遠隔操作のためには三味線の弦を用い,レンズと胃壁の距離の確保のためにはコンドームを使う,等々の試行錯誤を繰り返し,ついに1950年,胃カメラが完成する.
オリンパスは今では一般的なカメラを作るのをやめてしまったが,内視鏡の分野では世界の売り上げの70%を占める超ガリバー企業である.
ところで気になったのは,東大の「犬」である.フラスコで実験を繰り返したのち,人に使う前には「茶色い毛をした大きな犬」で動物実験が繰り返された.
この犬で実験を行なう様子が何度も描かれるのであるが,この犬は全人類の大恩人(犬)であるにもかかわらず,名前がなく,ずっっと「犬」と書かれている.
「意識がわずかに戻ったのか,犬は薄く目を開けてしばたたいていた.」
「犬は,ふらつく足取りで,作業員にひかれて廊下に出ていった.」
「その瞬間,犬の腹部が円形に光り,消えた」
ああ,名前のない犬よ!!本当にありがとう!!
Posted by ブクログ
博物館網走監獄で紹介されていたので、手に取った。
明治初期、新政府の敵となった旧幕府軍などの政治犯が全国的に増えており、それらを収容する施設が不足していたので、極寒の北海道に新たな監獄を作るという背景から始まる。
監獄の建設は、赤い囚人服を着た囚人によって原野の森林を伐採し、それを材料にして作られた。
北海道月形という地名は、初代監獄となった月形潔の名前に因む。
樺戸郡月形の監獄は、樺戸監獄として、北海道監獄の中心となる。
その後も、囚人を使った監獄の建設が北海道各地で行われ、空知監獄では三笠で危険な炭鉱作業に従事させて多数の死傷者を出したり、釧路監獄では、アトサヌプリ(硫黄山)で硫黄の採取により失明者を多数出したりした。これらの鉱物を運搬するために鉄道が敷かれ、それは幌内鉄道や釧路鉄道となる。
また、網走から旭川に至る道は、鎖を繋がれた囚人が開いた道であり、工事の過程で亡くなった囚人が葬られている鎖塚が、沿道にひっそりと佇んでいる。
北海道は、広大な風景、美味しい食べ物、全ての体験が魅力的である。しかし、北海道開拓の歴史はこのような囚人の存在があるということを忘れてはならないと思った。