関東大震災

関東大震災

730円 (税込)

3pt

大正12年9月1日午前11時58分、大激震が関東地方を襲った。直後に大規模火災が発生、首都圏一帯は一瞬にして地獄となった。絶叫し、逃げまどう人々──飛び交う流言が、自警団による陰惨な朝鮮人虐殺という悲劇をも引き起こす。本書は、地震予知を巡る抗争にはじまり、被害状況、死体処理、被災者のバラック街の様子から糞尿の処理にいたるまで、未曾有の大震災の真実を掘り起こす。20万の命を奪った“天災”と“人災”を浮き彫りにする、菊地寛賞受賞の名作。

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関東大震災 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年09月14日

    吉村昭の小説はいつもながらリアルです。表目的な事柄だけでなく、どのように被害が拡大してひとびが些細なきっかけで凶暴になっていくのかが描かれている。

    戦争、震災、パンデミック、天災
    いつ起きてもおかしくない。理性を失った時、人はこんなにも簡単に人を殺める。
    そのことが淡々と数字を絡めて書かれている。

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    Posted by ブクログ 2023年08月31日

    今年で関東大震災からちょうど100年。その間にも大きな地震を何度も体験してきた。将来、また大きな地震が起こると言われているが、過去からどれだけのことを学べているのだろう。

    本書は、関東大震災の発生前、発生後の様子、それによって起こったデマ、どさくさ紛れに起きた甘粕事件について、まるで見てきたかのよ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月20日

    100年前に起きた関東大震災の状況を丹念な取材と著者の筆力で当時の惨状が生々しく再現されています。
    飛んできたトタンで首が切り落とされた話や火災旋風やデマの恐怖などこれから起こると言われている大地震のイメージトレーニングとしても役立ちそうです

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    Posted by ブクログ 2022年12月30日

    有名な関東大震災ですが、実際にどうだったのか?というのが克明にわかる小説でした。怖いです。本当に怖いです。よく復興したなあ、と感心するくらい未曾有の災害でした。が、人災の部分も多かったと思います。

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    Posted by ブクログ 2019年01月30日

     『戦艦武蔵』『羆嵐』などで有名な記録文学作家による、1923年に起きた関東大震災の記録。
     以前、日本の著名な3つの大震災を比較し、東日本大震災は津波、阪神淡路大震災は建物倒壊、そして関東大震災は火災により被害が大きいものになったとまとめられていた。犠牲者の約9割が火災によるものである以上、これは...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年12月31日

    2012年95冊目。満足度★★★★★ 菊池寛賞受賞作。これは必読です。常軌を逸した人間の行動に驚くばかりでした。

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    Posted by ブクログ 2018年10月12日

    阿鼻叫喚のカタストロフや各種の事件騒動よりも、震災後の公的機関による処理及び復興への取り組みがとても興味深かった。この部分にもっと紙幅を割いてくれたら良かったのに。また大森房吉と今村明恒という二人の地震学者の言動も面白い。

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    Posted by ブクログ 2012年07月14日

    大正12年9月1日正午に起こった大地震での死者は約20万人。その多くは地震による直接被害よりもその後の火災や逃走中の事故によるもの。

    中でも悲惨なのが、2万坪の空き地である被服廠跡地での災害。広大な空き地は絶好の避難地として、多くの人々が大量の荷物を抱えて逃げ込んでくるが、そこに巨大な竜巻が発生し...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年10月12日

    NHKスペシャルで関東大震災の特集を放送した。
    積読に成っていた本書を読みながら、テレビで見た映像を思い出した。
    火災旋風により、人や物が宙を舞うという。まさに地獄絵図だ。
    持ち出した火災道具に火が付き、災害を増加させる。江戸時代には守られていた火災時の教訓が、大正になって守られず、むしろ後退してい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月21日

    膨大な事実を淡々と積み上げる手法が特に際立つ小説だった。
    時代を重ねるにつれ豊かになっていく事の裏返しなのか、震火災への人々の対応が江戸時代より退化していた、というのが印象的だった。

    小説の最後で、冒頭のエピソードの続きが始まり、ここで初めて表現された個人の心情が沁みた。

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