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終戦の詔勅が下った昭和20年8月15日、福岡の西部軍司令部の防空情報主任・清原琢也は、米兵捕虜を処刑した。無差別空襲により家族を失った日本人すべての意志の代行であるとも彼には思えた。だが、敗戦はすべての価値観を逆転させた。戦犯として断罪され、日本人の恥と罵られる中、暗く怯えに満ちた戦後の逃亡の日々が始まる――。戦争犯罪を問い、戦後日本の歪みを抉る力作長編。
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Posted by ブクログ
吉村昭の作品は本当に外れない。
こぎみ良いテンポとそれでいて非常に重苦しい雰囲気が絶妙に交わり独特の作風を際立たせている。
戦争を反省するための学びの本にもなれば、思想的な部分では、ある種の戦犯への同情的な心理を呼び起こすことで国家主義的な情念も駆り立てられうるため、読者側の心情もかなり複雑になり、動揺させられる。
吉村昭の得意分野である逃亡や漂流における主人公の孤独な内面性、葛藤をこの作品もまた緻密に描き出している。
正義とは何か、それは絶対的なものではなく、あくまで時代状況や国家間の関係性に左右される相対的なものでしかないことを断定する教育的利用価値のある作品である。
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