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記録文学の第一人者である著者が全国を巡り、類稀なる観察眼から生まれた数々の名作。その舞台となった土地の記録、人々との出逢い……。北は北海道から南は沖縄まで、未収録の旅の記録を収めたエッセイ!
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Posted by ブクログ
記録文学の巨匠が全国各地を歩き、その風土や歴史、人々との出会いを語る。
過去に様々な雑誌、情報誌、新聞に掲載されたエッセイを集めている。
戦争の記憶を呼び起こす沖縄、江田島への旅、起動車から目にする黒部渓谷の秋、北海道の原野でのキツネの生態観察、“浮かぶ箱庭”に相応しい小豆島の風景などが著者ならではの知性や感性によって、立体的に浮かび上がる。
著者の代表作である「熊嵐」、「高熱隧道」、「桜田門外の変」、「戦艦武蔵」、「破獄」などの原点となる場所の紹介も随所に出てきて興味深かった。
小学校6年生の時、沼津の海水浴場で大きな波に巻き込まれ「死」を実感し、海に怖れを抱くようになったこと、20歳で肋骨を切断する結核手術を受け、すさまじい激痛と苦しみを味わったこと、飛行機恐怖症でもあることなど、自身を振り返る箇所もあり、人間的な側面も垣間見れた。
また、著者の創作の背景に、各地での熱心な取材はもちろん、第三章「物語の生まれる場所」で、触れられているように県、市、町、村史調査を不可欠と位置づけるなど、徹底的な史料収集があったことを改めて認識し、真摯な姿勢や誠実な人柄を感じ取った。
第二章「土地の記憶」で語られている「旅の楽しみは風光をながめると同時に旅先に住む人の情けにふれること」に関しては、全く共感するところであるが、今のご時世、それがなかなか、その通りにいかない歯がゆさも感じた。
Posted by ブクログ
・感想
吉村先生の単行本未収録エッセイ集。
少年時代の思い出を描いたエッセイから、取材で訪れた土地の歴史や風景、風土について描かれたエッセイ。
吉村先生のエッセイや作品を読むたびに、なんと思いやりがある方なんだ…としみじみ思う。
私みたいに自分勝手で薄情な人間とは違うわ。
人情味あふれる人物ってこういう方の事なんだろうなー。
個人的に団塊世代(私の敵)の男性作家の作品は不快に感じる描写が多くてほとんど読まないんだけど、その年代の時に書いただろう吉村作品にはその不快感がない。
バランス感覚と社会への理解、解像度、視点の違いなのかなぁ。
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