【感想・ネタバレ】漂流のレビュー

あらすじ

江戸・天明年間、シケに遭って黒潮に乗ってしまった男たちは、不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。水も湧かず、生活の手段とてない無人の島で、仲間の男たちは次次と倒れて行ったが、土佐の船乗り長平はただひとり生き残って、12年に及ぶ苦闘の末、ついに生還する。その生存の秘密と、壮絶な生きざまを巨細に描いて圧倒的感動を呼ぶ、長編ドキュメンタリー小説。

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Posted by ブクログ

これがほぼ史実、ということに驚く
ロビンソン・クルーソーも目じゃないね


とか言って「ロビンソン・クルーソー」を検索したら、これも元になった事実があるらしい

とはいえ、ロビンソンは約4年、長平は約12年
アホウドリしかいない、水源もない島でよく生き延びたものだ
長平が無事に本土に帰り着いたところまで読んで、嬉しくもあったが悲しい気持ちにもなってしまった

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2026年05月29日

Posted by ブクログ

稀に出会う名作…

私は読書のスピードが遅いです。しかし、500ページ超の長編を、通勤電車の中だけで3日で読み終えてしまいました。

江戸時代、土佐藩の船乗りの長平が、小笠原諸島から更に離れた絶海の無人島に漂着し、水も湧かない、作物も育たない環境で12年以上過ごし、奇跡的に帰還する物語です。

とにかく次の展開が気になって気になって仕方なく、あっという間に読み終えてしまいました。(全ての小説がこれくらい面白かったら、いくらでも本を読めるのに)

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2026年05月20日

Posted by ブクログ

どんな苦境に立たされても、希望を持つことが、何よりの原動力になるのだと感じさせられました。出会えてよかった作品です。

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2026年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これって江戸時代の『プロジェクト・ヘイル・メアリー』じゃない?
昨年読んだ『破船』もヤバかったけど、この『漂流』もえげつなかった。最後の方、電車の中で泣きながら読んでた。

後から漂着したグループが先着民の異様な姿を見たりサバイバル譚を聞いたりして絶望、そして先着民は仲間が増えて大喜びっていうめちゃくちゃ残酷なテンドンがリアルだわ〜〜〜〜

衰弱して死にゆく男が仲間に「(もしお前たちが日本に帰れたら)妻に苦労をかけてすまなかったと、そして息子たちには、決して船乗りになってはならぬと伝えてくれ」って遺言するシーンが個人的に一番食らったかも。

あと最後の方、船が完成していよいよ出航が近づいた頃は全員期待と不安で精神的にヤバい状態だっただろうに、未来の遭難者のために桶やら何やらを置いていってあげる判断。こんなん泣くって。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一回目では、帯のネタバレの方が気になり、内容に対する考察をあまり書くことができなかった。
そのため改めて感想を書いておく。

本書は、江戸時代に絶海の孤島・鳥島に漂着し、12年もの歳月を経て奇跡的に生還した、実在の船乗りである「長平」の壮絶なサバイバルを描いた作品である。

本書のテーマは「生きるとは何か?」ということである。
単純に「故郷に帰りたい」という気持ちぐらいでは「それが叶わない」という絶望に変化しやすい。
彼の到着した最初の「悲惨さ」が、むしろ希望に変わる。
人間は「受け入れていない時」には「どれだけ失ったか?」を嘆く。
しかし、ひとたび完全に受け入れた時、そこからは「どれだけ加わったか?」という喜びに変えられる。
長平の悲惨さからの希望は、まさにここにある。
飲み水も、火打石も、ナイフも、容器もない。
無いものづくしのスタートは、フィクションでは考えられないスタートである。
彼は警戒心のないアホウドリを殴り殺し、生のままそれを食べ、血をすすり、生き延びた。
希望を描くことのできない仲間は、彼のアドバイスを聞かず、運動不足に陥り、死んでいった。
「もう誰も来ない、誰も通りかかることがない、このコースは漁師が通ることがない」 こうした考えというものは、ベテラン漁師であればこそ、その確率の低さを明確に描いてしまうのであろう。
私自身の人生を振り返り、大変だったことや、もう経験したくないような悲惨な出来事というものはある。
しかし、これほどの極限状況というものはまず存在しない。
フィクションであれば、想像上で済むが、実話に基づく小説のため、大きく外れないと考えると、大抵のことは彼よりは全然マシだと思うことができる。

井戸がない。
いるのはアホウドリ だけ。
アホウドリは一年中いるわけではない。

絶望するのは簡単である。
しかし最終的に、彼が最も苦しんだのは、 食料調達や飲み水ではなく「孤独」だった。

その孤独を癒すための希望のもとになったものが、本書の醍醐味でもあると言える。
絶望の暗闇の中にかすかに光る「自分の生きる意味」を見出すためには「神への信仰」というものが現れてくる。
言い換えるならば、神への信仰が現れないうちは、それほど絶望もしていないし、生きる意味も見出そうとしていない。
そうした視点で考えてみると、現代社会というものは、恵まれすぎており、極端な絶望というものを経験しないため、信仰を求めにくいのかもしれない。
念仏を唱えることで、気が狂うことなく生き延びることができたのは、ここまでして「なぜ生きなければならないのか?」ということへの答えであった。

逆説的ではあるが、この悲惨な経験がなければ、残りの期間を耐えることができなかったであろう。
壮絶な悲惨な環境は、どんなに喚こうが、泣こうが、叫ぼうが、 ほんの少しも変わらない。
それならば受け入れてどうすべきかを考えた方が良い。
この単純な真理は、なかなか受け入れることはできないが真実である。

この絶望的期間があった故に、次に漂流してきた者たちにも、長平は丁寧に接することができた。
どのような出来事も孤独よりはマシになるからである。

個人的感想であるが、これが江戸時代の日本人であるが故にお互い丁寧にできたところであろう。
申し訳ないが、他の民族であれば、人数の多さに力技でものを言わせ、長平の蓄積したものを全て奪い、結局、全滅ということは大いにあり得ただろう。
武力でもって、支配してきた民族というものは「自分の強さゆえにその上に立つべきだ!」という考えが強く、この島で生きながらえてきた人たちに対する敬意や、知恵に対する重要さをあまり考えない。
互いに江戸時代の日本人でなければ、この小説は小説として成り立たず、終わっていたことと予想される。
そして、何の学びにもならない。
西洋化つつ、個人主義の強い現代の日本人であれば、生き残ることは、かなり厳しいのではないかと思われる。
またかなり省くが、最後になってきてやっと脱出の糸口をつかめようという時に、材料が足りなくなるというリアルもあった。フィクションにはありえない展開だ。
これだけ苦しんだのだから、最後ぐらいはすーっと、フィナーレに向かっていいところをあえて中断させる。
これが現実世界なのだ。
思い通りに最後までスッと行くようなことなど、この世にはあまりない。
そして、島にたどり着いた時、両手を上げて喜ばれ、さぞ、いたわれるかと思えばそんなことはない。江戸幕府の権力の残酷さがそこにのしかかる。

最後の日常生活が営まれるにあたり、フィクションであれば、島の生活を懐かしみ、 その時の方が「生きているということを強く感じた」というような記述を書きがちであるが、そんなことは一切ない。
むしろ著者が、あえてそうした記述を避けていたのかもしれない。
そうしたことを書くことによって、読者を自分の想像の中に誘導尋問してしまうことになる。
長平が島のことを思い出したのか、思い出していないのかすら、記述をしていない。
それがまた読者の想像に任されているところが、この小説のある種のすごみになっている。
徹底的リアリズムに基づく作者は、記載されていないことに対する想像の許される部分と、許されない部分に対して、確実に線引きをしているのだ。
淡々とした事実の羅列になりがちな体験を、これほどまでに過酷な環境を描きつつ、過剰な熱意をもって、大げさな表現力で描くことを避けていた。
日本人として誇りとすべき、後世に残す最高の作品の一つである。

※ こちらが一回目に読んだ方の感想です。

リアルが描かれている本である。
漂流ものの本や漫画は多いが大抵がフィクションであり、そう都合よく行かないだろうというような設定ばかりが見られるとテンションが下がる。
家族ロビンソン漂流記『ふしぎな島のフローネ』は、子供向けの有名なアニメだが、大人の目線で見ると「そんなわけないだろう~」ということばかりの連続である。
『ロビンソンクルーソー』にしても同じである。 都合の良い想像力でしかない。
しかしこの書は違う。
作者が徹底的な資料をもとに描くだけのことはあり、そのリアルさが極めて素晴らしい。
漂流とは本来このようなものだ。
小説や映画であれば「こうなったらこうであろう」というような前振りのようなものがあるが、そんなものは一切ない。
希望を描き、絶望し、嘆いても仕方がないことを知る。
もう少しイージーモードにしてあげてもいいんではないか?というぐらい絶望的なスタートから始まる。
そのスタートからの「どのようにして生き抜くか?」ということが、読み進めるまでわからない。
しかし帯の宣伝文句が良くない!
とても良くない完全にネタバレである!
なぜ年数まで書いてしまうのか!!
出版社に文句が言いたい!
出版社としては絶対にやってはいけないことを、売るために書くのは本当に良くない!
一年、また一年と時間が経つことで、次こそは!というような期待を込める。
新しく購入する方は、是非ともこの宣伝帯をかなぐり捨て、まっさらな気持ちで読んでいただきたい。
今現在の環境がどんなに大変であっても「この主人公の長平よりは絶対にマシだ!」と力強い自信が得られる。
人生に絶望する前に読んでおきたい最高の一書の一つである。

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2026年04月30日

Posted by ブクログ

この作品を思い返すとき、まるで実際に自分が鳥島にいたかのようにリアルな映像が頭に浮かぶ。
吉村昭さんの情景描写は本当に凄い。
これはもう体感に近い。

主観による心理描写などほとんどなく、登場人物の言葉や行動だけで彼らの心情が手に取るように伝わる。

しっかりドラマチックなのに、ドキュメンタリーのような独特な世界だ。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

読み応えがありました。面白かったです。
絶望的な状況でも冷静さを失わず、かと言って必ず帰ろう、帰れるといった信念があるわけでもなく、あるがままを受け入れて生きるために工夫していく。これはすごいことだと思いました。その精神力もすごいですが、宗教というか仏様にすがることで精神を保つ。すがるものがあったのが冷静さを保てた要因だと思うと、宗教というのも意義あるものだと感じます。心の支えは極限において絶対必要なものだと思いました。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

多くの人がレビューしている通り、13年間岩山の無人島で過ごし続けた長平という男性の物語である。自分が思ったこととしては、人間は規則正しい生活だったり、太陽を浴びて生活することや体を動かしておくことというのは生存において非常に重要だということです。体調崩す人たちの大半は生きることに希望を失ったりとか、生活に対してやる気を見出せなかったりとか、無理にでも体を動かそうという気持ちが沸き起こらない人たちからだったので、そこはすごく興味深く読ませてもらいました。あとは何度も何度も失敗して、最終的にそこに行き着くのかということと、生還するまでの過程が本当にすごいなと純粋に思いました。吉村昭さんの詳細な記録を物語に発展させる力、そして読む我々を奮い立たせるような筆致には本当に感動しました。

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

江戸時代に無人島に漂流して生還するという。。しかも実話。え?江戸時代にそんなことが!?どうやって生還したんだ?と興味津々で手に取った。

島鳥(伊豆諸島)という岩だらけの火山島に12年間サバイバル。樹木も湧き水もない。食べるものは貝などやアホウドリ(渡り鳥だから期間限定)のみ。最初の数年間は孤独との闘いでもある。

いやいやいや、アホウドリを生で食べ続けるとかちょっと無理なんだが・・・生死の選択を迫られたら最初は人間何でもやれそうだが、生への執着がよほどでないと、ここまで長期間がんばれない気がする。まず神経の細い人は生き残れなさそう。現代人は誰でも無理そう。

その後、何回か同じように漂流してきた人たちとチームを組んで、知恵を絞って生還するとうムネアツ展開。後半は一気読みでした。これが実話というのが本当に凄まじい。

(2年ほど前に読んで記録したままにしていましたが、この本は紹介したい!と思い感想を残しました。)

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2026年01月16日

Posted by ブクログ

これが実話なのだから驚きだ

大昔から鳥島には漂流者が流れ着き、大半の人が亡くなってしまったんだな
長平たちが仲間の年長者を労い尊厳を守る姿がこんな極限の状態なのにすごい事だなと思う
究極のサバイバル
長平の精神力と行動力が凄い
生きる力が凄かった

流木を10年以上集めて船を作る
それがどれほど大変なことが、読んで震えた
一番怖かったのは、無事故郷の土佐へ帰った長平に1人だけ帰ってきたから冷たくされたり、陰口を言われたり、、、長平の苦労を知ってる読者からすれば悲しい

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2025年12月20日

Posted by ブクログ

凄かった…
人も住めないような無人島におよそ12年も生き抜いてとか自分には到底出来そうにないと思った。
気付いたらずっとページをめくっていたくらい気になってどんどん読むことを止められなかった。
それくらい面白かった!
主人公の精神力や行動力、周りを観察する力など学ぶべきところがたくさんあった。
衣食住が確立していることに感謝したくなる。

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

壮絶な体験の中における、意志の強さ、覚悟、リーダーシップ、学習能力。対比して人の弱さも赤裸々に記載され、学びが深い。

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2025年09月06日

Posted by ブクログ

これが実話だと思うと気が遠くなってきます。
生き延びる力、自分には皆無だなぁと思いつつ
ページを繰る手が止まらなくなりました。

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2025年07月23日

Posted by ブクログ

作品は素晴らしい!人間って、ここまでできるのか…と圧倒され、胸を打たれた。
ただし――おい、新潮文庫!事実に基づくドキュメンタリー小説とはいえ、背表紙のあらすじで全部ネタバレするのはやめてくれ。たしかに、生還したからこそ話が伝わってるわけだけど、そこは読者の想像に委ねてくれよ…
と言うわけで、これから読む人は、カバーでもつけて、背表紙は見ずに読み進めることをオススメします。

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2025年06月27日

Posted by ブクログ

実話を基にしているとのことで、主人公の生き方も興味深いが、読みものとしても飄々とした文体でとても面白い。

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

すごくよかった。
長平が冷静に自分を律して周りを見て考えているからこそ生き延びることができてと思う。

島と鳥をよく読み間違えてた自分に歳を感じた

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

感動です。驚きです。これが江戸時代に本当にあった話とは。物語りは漂流から無人島での苦闘、孤独、帰還と息をつかせません。没頭して一気読みでした。自然しかない中で人間は本当に無力。それなのに、私には無理でしょうが人間はここまで頑張れる。素晴らしい本でした。

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

非常に面白く惹きつけられた一冊。
ジョン万次郎も難破して辿り着いたのが、同じ「鳥島」だったのを思い出した。
個人差にもよるが、人間は志と体力、知恵でこごまで生き延びることが出来るのかと感慨深い。
鳥島でアホウドリが飛来しなくなったらどうなるか怖くなった、自然頼みの命だ。
長平は人間的に最高の人物、すごい人生だ。

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2024年12月25日

Posted by ブクログ

読みながらなにかに似てると思ってたんだけど、後半になって気づいた。これアンディ・ウィアー『火星の人』にそっくり。長平はマーク・ワトニーそのもの。
人間のちっぽけさと、偉大さ。
裏表紙を読まなかったので、長平が生き残るのかどうかを知らずに最後まで読めたのが最高にエキサイティングだった。

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2024年05月21日

ネタバレ 購入済み

「創作する遺伝子」小島秀夫推薦

断崖絶壁の木も生えない火山島で12年余りを過ごし、無事生還した人の記録を掘り起こした素晴らしい作品です。火打ち石が無く、火も起こせない、穀物も植物も取れない、ナイナイづくしの中で生きるすべを編み出し、一人になっても生きる気力を保つ前半部と、後半の帰還への努力と苦悩が深く胸を打ちます。色々なものがありすぎて、すぐに手に入るこの時代にこそお勧めです。

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2019年12月21日

Posted by ブクログ

ネットでこの本のモデルになった人物のことを知る。
長平。江戸中期の土佐のひと。
漂着した孤島の鳥島でサバイバル生活を13年間。
後年、さらに漂着した二つのグループも合流して、船を作り、ぶじに生還したという。
その際、彼は島に生活道具や生活方法を記した書置きを残して、それがのちにジョン万次郎を救うことになったという。(←ジョン万次郎の部分は本書にはなく、史実なのかあやしいが)
凄すぎる。
漂流もの、島もの大好きの私が、この人物のことは全然知らなかったので、まずは、こんな人がいたんだ!と思った。
怖すぎて面白すぎて、半日で一気読みでした。

吉村は冒頭で、太平洋戦争の終結を知らぬまま、ジャングルに潜っていて、のちに発見された人々を、一種の漂流者だと評した。
(このなかにあった、アナタハン島の男十数人と女一人の集団で、女の取り合いから発生した内ゲバ=アナタハン島の女王事件が、ピトケアン島のバトルロワイヤルを思い出してギョエーと思った。
漂流ものに普通女性はいないけど、やっぱりいたら大変なことになるんやな。怖すぎ。)

『漂流』では、長平の信念や賢さ、器用さには感心したが、なにより、諦めずに生きようと思い続けた意思の強さに感服した。
私なんかは、絶望してまっさきに死ぬタイプだ。すんません。

長平が孤独に過ごした二年ほどが一番凄い。
気が狂うのが普通よな。
ロビンソンクルーソーのモデル、アレキサンダー・セルカークも四年間一人で暮らしたら言葉を忘れかけてたらしいし。

もともとある程度の知識や教養を持っていることも、非常に大切ですね。
方角と星座の知識はもとより、字が書けたり、造船や鉄作りの技術、酒造りの知識があったりする。
それがなくても、根気強さや明朗さ、器用さ、素直さが大事だ。そう、そういうことなんだぞ。

後半、脱出用の船造りで、みんなの知識を集めて、生きて帰るために尽力していくシーンがアツすぎる。
おみくじで適当に決めた方角が北西で本当に良かったね…。
運を味方につけたんだ。
そして苦労してやっと辿り着いた青ヶ島が、鳥島以上にヤバかったのには笑ってしまった。

読後、改めてシマダス(島の情報事典)を引っ張り出して読んだ。
鳥島もコラムコーナーにはちゃんと載っていたし、うっすら分かっていたけど、小笠原はもっともっと遠いんですね…!

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2026年04月24日

Posted by ブクログ

絶望的な無人島で、人はどう「神」を生み出すのか。

舟材の漂着を天に乞い、偶然に命を託す。拾い集めた七福神の像を、混沌とした島の中に祀る。それは単なる神頼みじゃない。壊れそうな精神を繋ぎ止めるための「秩序」の再構築。

仲間の骨を拾い、形なき存在に語りかけ続ける12年。

その淡々とした積み重ねの中に、宗教が生まれる根源的な瞬間を見た。「信じる」ことは、生き抜くための技術。

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

タイトルから想像できるようにサバイバルもの。
不毛の火山島が舞台なので、よくあるサバイバルものの大衆映画とは全く違って、できることが限られてて、無人島生活を謳歌するような内容では全くない。

干し肉作ったり、池作ったり、果てには船まで作ってしまう。
厳しい環境の中、少しの諍いはあっても協力して生活して、生きることを諦めない忍耐力に脱帽。

念仏を唱えて精神の安定をはかったり、船の材料になるものを発見するたびに「神仏のおさずけものだ」と感謝したり、病に臥せってしまった仲間を甲斐甲斐しく世話し、亡くなった後も埋葬しお墓を作って丁重に弔う姿勢は、宗教関係なく尊く、こういう人達だったからこそ報われたのだなと感じた。

これが実話を元にしてるっていうんだから、さらに畏敬の念を覚える。

とはいえ、もちろん直接話を聞いたわけではなく、残された記録だけを元にした物語で、実際に何があったか詳しく残っているわけではない。
解説内で評されているように、作者の吉村昭さんの“人間への愛情を伴った関心”で補完された物語。

でも船に残ってた紋所や、何人出発して何人帰ってきて何を持ち帰ったかなどは確かな記録であるので、かけ離れてはいないんじゃないかな、と思いたい。

終盤舟が完成する場面、舟の完成ももちろんだけど、舟の紋所を仲間の出身に合わせて三つ巴にするってのもお互いを尊重し合ってるのが伝わってきてグッときた。

しかも島を去る前に、これからも来るであろう遭難者に向けて道具や情報を残すなんて。
さらに仲間のお墓から遺骨もちゃんと持ち帰ってあげるなんて。
人間って、仲間を思う心って本当に美しいと思った。

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2026年03月04日

Posted by ブクログ

語り口が淡々としていることで、却って長平の心境を想像してしまう。彼が島で過ごした月日を思うと呆然とする。

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2026年01月11日

Posted by ブクログ

ポインティがおすすめしていたため拝読
最初は厳しいかもと思っていたが、島に漂着してからはおもしろく読み進められた。

長平の自分を律する心とリーダーシップすごい
諦めない気持ちは大事だと学ぶ一方で、自分は自殺しちゃうんだろうなとも思う。

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実話だと知っていて読んだが、それでも驚いた。
ただ脱出を目指すだけでない、みんなで酒を造るなどの生活感あふれる描写が良かった。
この作者さんのほかの作品も…と思わせてくれる1冊。

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2026年01月02日

Posted by ブクログ

よかった!吉村さんさすが!時間を感じず読めた。すごい話だった。「無人島の16人」と並ぶ漂流でした(笑)

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2025年06月16日

Posted by ブクログ

文献を読み漁り、現地に赴き書き上げる吉村さんのノンフィクション小説は、細部にまでリアリティがあり、ゆえに没読してしまう。
この「漂流」でも、無人島で12年も生き抜いた男が感じる匂いや痛みまでも伝わってくる。

「熊嵐」にも感じた、この五感が牛耳られる感覚が私は好き。
タイトル買いの私だが、吉村著書は読破したい。

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2025年04月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分だったら、長平のように心身の健康を保つことはできないとおもう。あんな状況になったら、とても正常ではいられない。

季節のめぐりに応じて、アホウドリが飛び去っては戻ってきたり、飛魚が飛んだり、嵐がきたりと、同じ描写が何度も繰り返される。もういいよと思うのだが、それが自然というものだと読んでいて気づく。読んでいるだけでこれなのだから、実際に12年も島で過ごした長平にとっては、さらにつらいものだっただろう。

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2024年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

12年間、何もない島で何もせず生きるのはどれだけしんどいことなのか想像を膨らませられることがこの本の醍醐味ではないかと思う。故郷に帰れる希望が見えない中で生きていくことはもちろんつらいが、物語の終盤のように、微かな光明が見えてしまっている状態のなかで精神を保つ難しさが伝わってきて良かった。

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

長平の生きるための知恵、工夫、行動力、胆力、精神力は本当に凄い。

評価が高いわりに本の面白さとしては普通だったけど、こんな過酷な状況で生き抜いたと人がいると思うと、努力次第でどんな事でもできるのかもしれない。

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2025年12月27日

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