あらすじ
江戸・天明年間、シケに遭って黒潮に乗ってしまった男たちは、不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。水も湧かず、生活の手段とてない無人の島で、仲間の男たちは次次と倒れて行ったが、土佐の船乗り長平はただひとり生き残って、12年に及ぶ苦闘の末、ついに生還する。その生存の秘密と、壮絶な生きざまを巨細に描いて圧倒的感動を呼ぶ、長編ドキュメンタリー小説。
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Posted by ブクログ
読み応えがありました。面白かったです。
絶望的な状況でも冷静さを失わず、かと言って必ず帰ろう、帰れるといった信念があるわけでもなく、あるがままを受け入れて生きるために工夫していく。これはすごいことだと思いました。その精神力もすごいですが、宗教というか仏様にすがることで精神を保つ。すがるものがあったのが冷静さを保てた要因だと思うと、宗教というのも意義あるものだと感じます。心の支えは極限において絶対必要なものだと思いました。
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多くの人がレビューしている通り、13年間岩山の無人島で過ごし続けた長平という男性の物語である。自分が思ったこととしては、人間は規則正しい生活だったり、太陽を浴びて生活することや体を動かしておくことというのは生存において非常に重要だということです。体調崩す人たちの大半は生きることに希望を失ったりとか、生活に対してやる気を見出せなかったりとか、無理にでも体を動かそうという気持ちが沸き起こらない人たちからだったので、そこはすごく興味深く読ませてもらいました。あとは何度も何度も失敗して、最終的にそこに行き着くのかということと、生還するまでの過程が本当にすごいなと純粋に思いました。吉村昭さんの詳細な記録を物語に発展させる力、そして読む我々を奮い立たせるような筆致には本当に感動しました。
Posted by ブクログ
江戸時代に無人島に漂流して生還するという。。しかも実話。え?江戸時代にそんなことが!?どうやって生還したんだ?と興味津々で手に取った。
島鳥(伊豆諸島)という岩だらけの火山島に12年間サバイバル。樹木も湧き水もない。食べるものは貝などやアホウドリ(渡り鳥だから期間限定)のみ。最初の数年間は孤独との闘いでもある。
いやいやいや、アホウドリを生で食べ続けるとかちょっと無理なんだが・・・生死の選択を迫られたら最初は人間何でもやれそうだが、生への執着がよほどでないと、ここまで長期間がんばれない気がする。まず神経の細い人は生き残れなさそう。現代人は誰でも無理そう。
その後、何回か同じように漂流してきた人たちとチームを組んで、知恵を絞って生還するとうムネアツ展開。後半は一気読みでした。これが実話というのが本当に凄まじい。
(2年ほど前に読んで記録したままにしていましたが、この本は紹介したい!と思い感想を残しました。)
Posted by ブクログ
これが実話なのだから驚きだ
大昔から鳥島には漂流者が流れ着き、大半の人が亡くなってしまったんだな
長平たちが仲間の年長者を労い尊厳を守る姿がこんな極限の状態なのにすごい事だなと思う
究極のサバイバル
長平の精神力と行動力が凄い
生きる力が凄かった
流木を10年以上集めて船を作る
それがどれほど大変なことが、読んで震えた
一番怖かったのは、無事故郷の土佐へ帰った長平に1人だけ帰ってきたから冷たくされたり、陰口を言われたり、、、長平の苦労を知ってる読者からすれば悲しい
Posted by ブクログ
凄かった…
人も住めないような無人島におよそ12年も生き抜いてとか自分には到底出来そうにないと思った。
気付いたらずっとページをめくっていたくらい気になってどんどん読むことを止められなかった。
それくらい面白かった!
主人公の精神力や行動力、周りを観察する力など学ぶべきところがたくさんあった。
衣食住が確立していることに感謝したくなる。
Posted by ブクログ
作品は素晴らしい!人間って、ここまでできるのか…と圧倒され、胸を打たれた。
ただし――おい、新潮文庫!事実に基づくドキュメンタリー小説とはいえ、背表紙のあらすじで全部ネタバレするのはやめてくれ。たしかに、生還したからこそ話が伝わってるわけだけど、そこは読者の想像に委ねてくれよ…
と言うわけで、これから読む人は、カバーでもつけて、背表紙は見ずに読み進めることをオススメします。
Posted by ブクログ
すごくよかった。
長平が冷静に自分を律して周りを見て考えているからこそ生き延びることができてと思う。
島と鳥をよく読み間違えてた自分に歳を感じた
Posted by ブクログ
感動です。驚きです。これが江戸時代に本当にあった話とは。物語りは漂流から無人島での苦闘、孤独、帰還と息をつかせません。没頭して一気読みでした。自然しかない中で人間は本当に無力。それなのに、私には無理でしょうが人間はここまで頑張れる。素晴らしい本でした。
Posted by ブクログ
非常に面白く惹きつけられた一冊。
ジョン万次郎も難破して辿り着いたのが、同じ「鳥島」だったのを思い出した。
個人差にもよるが、人間は志と体力、知恵でこごまで生き延びることが出来るのかと感慨深い。
鳥島でアホウドリが飛来しなくなったらどうなるか怖くなった、自然頼みの命だ。
長平は人間的に最高の人物、すごい人生だ。
Posted by ブクログ
実際に会った出来事として、信じられないと感じました。人間の生命力に感動しました。人は希望を捨ててはならないという事が、とても大事と感じました。
Posted by ブクログ
・あらすじ
1785年、土佐藩の船乗り長平は悪天候と黒潮の影響により3人の船乗り仲間とともに無人島にたどり着く。
そこは土佐から700km離れた鳥島という場所だった。
食物も育たない活火山の岩山で雨水をのみ、アホウドリを食べ心身ともに極限状態の中を生き抜き生還した長平の12年間。
・感想
さすが吉村先生、面白かった。
江戸時代の奉行所の公的文書でしか残されていない漂流者の記録から、壮絶なサバイバル生活を綿密な取材と想像力で描写してた。
淡々とした文章ながら、いや、だからこそ厳しく牙をむく自然が恐ろしく感じたし、絶望、孤独感、諦観などの人間の心理に納得させられた。
手に汗握る展開もありするする読めるからあっという間に読み切ってしまった。
後半は展開が気になって寝不足になりつつちょっと焦りながら読んじゃったかも。
いつかじっくり読み直したい。
これまで読んできた羆嵐、高熱隧道と同じく自然と相対した時の人間の無力さ。
でもその無力でちっぽけな人間が、だからこそ知恵を出し合い、助け合っていくことが大事なんだよな。
お互いに助け合うこともだけど自分で自分を投げ出さず、諦めない精神の強さも大事。
軟弱な現代人である私は多分3日で死ぬか発狂すると思うけども。
仲間の3人が死んでから2年ほどはたった1人であの環境を生き延びる決心をした長平の「なるようにしかならない。いつか助けがくることを祈念し、その時のために達者で生きるしかない」という境地にいたれる長平すごっ…。
後年に合流?してくる他の漂流民も船乗りという特性上ある程度協調性を持ってる人達ばかりでみんなで力合わせて帰郷できて本当に良かったよー。
ただ冒頭のアナタハン島みたいにここに1人でも女性がいたらまぁだいぶ環境は変わってたんだろうけど。
色んな意味で男だけで良かったな…!!
現代は自然科学やテクノロジーの発展により類稀に見るほど自然をコントロールできている時代だと思うんだけど、江戸時代なんて己の理解の範疇を超えた現象には神仏にすがるしか方法はなかった訳で、やっぱり信仰心というのは精神の支柱になるんだな、と思った。
読み終わったあとYouTubeで鳥島を検索したら絶滅危惧種であるアホウドリの保全活動団体の動画と昭和30年代の観測隊?の動画があったので視聴した。
本当に何もない環境だった…昔の漂流民の痕跡は今も残っているのだろうか。
Posted by ブクログ
一気読み、ドキドキ面白い。作者の調査と想像力がすごい。漂流し無人島での生活等が描かれる。無人島で何もすることもなく無気力に過ごし、仲間たちが精神や身体を病む様子は現代人への戒め様にも感じてしまう。主人公の長平は前向きかつ島暮らしを達観し修行僧のよう、他の漂流者とともに大自然相手に難しい仕事に取り組むことで生活にハリが出て長い時間をかけ未来を切り開く。これが実話に基づいていることが恐ろしい。
Posted by ブクログ
読みながらなにかに似てると思ってたんだけど、後半になって気づいた。これアンディ・ウィアー『火星の人』にそっくり。長平はマーク・ワトニーそのもの。
人間のちっぽけさと、偉大さ。
裏表紙を読まなかったので、長平が生き残るのかどうかを知らずに最後まで読めたのが最高にエキサイティングだった。
「創作する遺伝子」小島秀夫推薦
断崖絶壁の木も生えない火山島で12年余りを過ごし、無事生還した人の記録を掘り起こした素晴らしい作品です。火打ち石が無く、火も起こせない、穀物も植物も取れない、ナイナイづくしの中で生きるすべを編み出し、一人になっても生きる気力を保つ前半部と、後半の帰還への努力と苦悩が深く胸を打ちます。色々なものがありすぎて、すぐに手に入るこの時代にこそお勧めです。
Posted by ブクログ
ポインティがおすすめしていたため拝読
最初は厳しいかもと思っていたが、島に漂着してからはおもしろく読み進められた。
長平の自分を律する心とリーダーシップすごい
諦めない気持ちは大事だと学ぶ一方で、自分は自殺しちゃうんだろうなとも思う。
Posted by ブクログ
実話だと知っていて読んだが、それでも驚いた。
ただ脱出を目指すだけでない、みんなで酒を造るなどの生活感あふれる描写が良かった。
この作者さんのほかの作品も…と思わせてくれる1冊。
Posted by ブクログ
文献を読み漁り、現地に赴き書き上げる吉村さんのノンフィクション小説は、細部にまでリアリティがあり、ゆえに没読してしまう。
この「漂流」でも、無人島で12年も生き抜いた男が感じる匂いや痛みまでも伝わってくる。
「熊嵐」にも感じた、この五感が牛耳られる感覚が私は好き。
タイトル買いの私だが、吉村著書は読破したい。
Posted by ブクログ
漂流した人の話などは、テレビやネットで見る事があったが、本で読むと想像も膨らみ過酷な状況下だと言うのが詳細に知れた。
目標を見つけた時の頑張る気持ちは、今の時代にも共感でき大事な事だと思った。
Posted by ブクログ
やめられなくて一気読み!
無線も海図もなかったころの遭難は
死と直結してたんですね。
普通の若者、長平が
いつの間にか遭難者たちのリーダーのような存在になる頼もしさも。
いつも念仏を唱えている姿が印象的でした。
高井有一さんの解説も読ませる。
吉村昭先生の作品、
やっぱり惹かれます。
Posted by ブクログ
自分だったら、長平のように心身の健康を保つことはできないとおもう。あんな状況になったら、とても正常ではいられない。
季節のめぐりに応じて、アホウドリが飛び去っては戻ってきたり、飛魚が飛んだり、嵐がきたりと、同じ描写が何度も繰り返される。もういいよと思うのだが、それが自然というものだと読んでいて気づく。読んでいるだけでこれなのだから、実際に12年も島で過ごした長平にとっては、さらにつらいものだっただろう。
Posted by ブクログ
江戸時代にシケにあい無人島に流れ着いた男が息抜き、島を脱出するまでの壮絶な生き様が描かれたドキュメンタリー小説。そう、これは事実であることに驚く。
長平の「なるようにしかならぬのだ、飢えるか生きながらえるか、また船が沖をよぎって助けてくれるか否かは、仏のみ心のままで、自分がどう願っても叶えられるものではない」「これからは、ただ念仏をとなえ、あらゆる欲望を捨て、日々達者に暮らしてゆこうと思った」は印象に残るセリフだった。
Posted by ブクログ
江戸時代の話かーと思ったものの、めちゃくちゃすんなりと読めてしまった。あらすじが完全にネタバレだけど、史実(?)ならいいのかな。
無人島でサバイバルする船員の絶望と希望が繰り返される記述が、地に足のついた表現で、ぜんぶ想像できる。気力をなくして洞穴で寝たきりになる者もいれば、生きていくために目標を作る者など人により生き方が異なるのも面白い。
これを書くための調査や時代考証は大変だっただろうなあ。
Posted by ブクログ
しばらく鳥肉が食べられなくなりそうでした…。
悪夢を見るほど場面を想起させる圧巻の描写力で、読後はどっと疲れました。思い出すと今でも波に揺られている気がします。