漂流記の魅力

漂流記の魅力

660円 (税込)

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奥州石巻を出港し、難破してロシアに漂着した「若宮丸」の乗組員たち。十年の辛苦に耐え、日本人として初の世界一周をなしとげた彼らの記録『環海異聞』を中心に、数々の漂流記の魅力に迫る。漂流記こそ日本独自の海洋文学であり、ドラマの宝庫なのだ。

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漂流記の魅力 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2012年02月27日

    日本人初の「世界一周」が、図らずもこんな形で達成されていたとは。あまり知られていないのが不思議。1793年石巻から江戸へ輸送する米を積んだ「若宮丸」が悪天候のため漂流、アリューシャン列島の小島に漂着し、ロシア本国、バルト海、大西洋、ホーン岬、太平洋を経て長崎へ到着、帰郷。13年間の乗組員の想像を絶す...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月28日

    江戸時代の漂流船・若宮丸の記録。漂流記と言えば大黒屋光太夫の話が有名だが、それ以外にも多くの漂流民がいた。運よく日本に帰還できた人がその様子を伝えているが、これもその一つ。苛酷な旅の中で、自分の今後を悲観的に見る者、現地に順応する者、帰国への希望を捨てない者等様々な人生が語られる。
    当時の状況は、現...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年10月31日

    1793年、仙台から江戸へ向かった帆船、若宮号は途中で暴風雨により遭難。オホーツク海を北へ流され、たどり着いたのはロシアの東端。船員たちは極寒地で凍傷に倒れる者もいれば、ロシアへの永住を決意する者もいたが、それでも4人が帰国を訴え、ロシア皇帝と面会する。

    そして、彼らは陸路で西へ向かう。モスクワを...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年06月12日

    吉村昭氏は、子どもの頃から、漂流記に興味を持っていたとあとがきに記している。私も、これまでに、漂流、破船、大黒屋光太夫、アメリカ彦蔵などの小説を読んできた。そして今回、漂流記の魅力を読むことができた。漂流記の魅力は、日本に限らず、ロビンソンクルーや白鯨など欧米の海洋小説はベストセラーとなって、人々に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年08月31日

    古本で購入。

    漂流を題材にした小説を6篇書いてきた吉村昭が、「日本独自の海洋文学」である漂流記について語る。
    新書創刊のラインナップにこれを入れてくる新潮社はなかなか渋い。

    イギリスには多くの海洋文学としての小説・詩が生まれた。
    しかし同じ島国の日本には存在しない。それはなぜか。

    理由は船の構...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年10月31日

    「漂流」や「大黒屋光太夫」など漂流をテーマにした小説で知られる著者が幕末の漂流の中でも比較的知られていない1793年の若宮丸乗組員の漂流から日本への帰還までをとりあげる。
    天候不良による遭難とロシア領内への漂着、ペテルブルグを経て南米大陸南端をまわって長崎までの帰還という日本人初の「世界一周の旅」は...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年05月21日

    [ 内容 ]
    日本には海洋文学が存在しないと言われるが、それは違っている。
    例えば―寛政五(一七九三)年、遭難しロシア領に漂着した若宮丸の場合。
    辛苦の十年の後、津太夫ら四人の水主はロシア船に乗って、日本人初の世界一周の果て故国に帰還。
    その四人から聴取した記録が『環海異聞』である。
    こうした漂流記...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年10月31日

    漂流記と言っても外国文学のそれではなく、江戸時代に意図せず難破し漂流して艱難辛苦を乗り越えて日本に帰国してきた人たちからの聞き取りの記録についての本。

    石巻(宮城県)から出航して遭難した若宮丸の帰還者たちの記録「環海異聞」中心に記載している。同じ船で遭難して、シベリアに到着後も、語学習得力の差から...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年01月01日

    記録文学・小説ではなく新書として著者の作品を読むのは新鮮。同じ島国であるにも関わらず、イギリスに多く日本にはない海洋小説の背景分析と、自らの力ではないが日本最古の世界一周録を紹介する内容。漂流に至るプロセスやその対処法、その後の顛末などに触れており、海や異国の地の過酷さを追体験できる。他の漂流小説を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年03月06日

    近海で遭難してロシアや北米に漂着するケースが意外にあったんだねえ。記録に残っていないケースも多々あるんでしょう。
    巻末の年表の中で、音吉は2年後に帰国とあるが、間違い。日本には戻れずシンガポールで客死。

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