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わずか29歳で夭逝した新美南吉は、美智子上皇后の胸に刻まれた「でんでんむしのかなしみ」や「手袋を買いに」など、多くの心優しい童話と詩を残した。不遇な幼年時代だったが18歳で「ごんぎつね」を発表。その後結核に苦しみながらも、創作の情熱は最期まで衰えなかった。生きることの淋しさを抱えつつ、それでも歩もうとする勇気を、繊細な感性で描いた傑作童話11編と数編の詩を収録した。
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Posted by ブクログ
「ごんぎつね」と「でんでんむしのかなしみ」が有名な新美南吉さんの傑作選 どれもよかった 自然描写が繊細で美しく、一つひとつの葉や風や川の流れに惹き込まれる。 そうしてはじまる、いろいろな物語の、ふとした隙に「お母さん」というものが出てくる。 ちよっと気を抜いて読んでるときにふと、あーここでも...続きを読む出てきたなとなる 胸がキュッとなるような苦しさ、せつなさ なにがしかの喪失を感じる 新美南吉さんの年表史を読み、4歳でお母さんを亡くされたことを知る その後もいろんな悲しみを経験し、悲しみを受け入れ、死をも受け入れていく、そういう新美南吉さんだからこそ、こういった童話が生まれたんだろうなと思った 悲しくて、胸がキュッとなるけれど、生きることへの強さも感じた 新美南吉さんの言葉に「悲哀は愛に変わる」という言葉があった。 そうか愛を感じるから、こんなにせつないんだなと、せつないけどあったかいような、そういう童話集だった 愛という一語では到底あらわしきれない そういうものを、胸で感じられるように童話という物語があるんだなと感じた 詩もとてもよかった とてもせつなく、とても苦しく とても悲しい でも底にある新美南吉さんの強さ 『貝殻』という詩の 「せめてじぶんを あたためん。」 がよかった せめてじぶんをあたためん 「ごんぎつね」も、「でんでんむしのかなしみ」ももちろんよいが、それをきっかけに是非、他の物語も読んでほしい これが、終戦直前のそんな時代にそんな若さで生まれた作品たちとは 名作 手元に置いておいて、ふとした時に読み返したくなる そんな文庫本だった。 ////// 他の文庫の童話集も読み終えて、 紙の色 ぬめり感 字のフォント 詩があること 年譜があること これがいちばんよかった
「ごんぎつね」「手袋を買いに」は小学校の頃、教科書で読んだきりだったが、時を経て大人になって読むと、美しく情景が思い浮かぶ豊かな表現と、哀しみや切なさをしみじみと味わえる。手元に置いてまた読み返したい。 「でんでんむしのかなしみ」皆かなしみを背負っていることがわかりあえたら、きっと自分にも人にも優し...続きを読むくなれるはず。
新実南吉傑作選として、今年新たに出ました。 上皇后美智子さまが愛読なさっている「でんでんむしのかなしみ」初めて読みました。 詩のようなとても短い話です。 大変失礼ながら、若かりし美智子さまに重ね合わせて、胸がいっぱいになりました。 こういう思いに共感されながらお過ごしになり、今の穏やかでお優しいお姿...続きを読むでいらっしゃるのだと、改めて感じ入っています。 ごんぎつね、手袋を買いになど有名な物語のほかに、詩も交えて17編収められています。 全編に漂う物悲しさは、やはり薄幸な生い立ち、若くして病に侵された境遇によるものでしょうか。 長く読み継がれていってほしい一冊です。
読んでよかった。 「ごんぎつね」と「手袋を買いに」しか知らなかったです。 じんわりと暖かく心に沁みてきます。 折に触れ読み返したいです。
懐かしいな〜という感じ。特にごんぎつねは。 新美南吉の作品は、小学校の時に習ったごんぎつねしか知らなかったが、著者の文章にはどこか心地よい温もりを感じる。
「ごんぎつね」と手袋を買いに」は、小学校の教科書に載っていた記憶がある。そして当時は熱心に面白く感じたようだった。なぜ今読んで何も感じないのか。 新美南吉は愛知県知多郡の出身。当時は名古屋よりはるか田舎だったのだろう。田舎の少年の描写があたたかい。2025.8.1
ごんぎつねが好きだったなと思い出し、改めて読んでみることにした。どの話にも、童話だから当然教訓や真理が織り込まれているのだが、押しつけることがないのが傑作である所以だと思う。作者と同じ気持ちを、あるがままに伝えてくれる。
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ごんぎつね でんでんむしのかなしみ―新美南吉傑作選―(新潮文庫)
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