【感想・ネタバレ】ごんぎつね でんでんむしのかなしみ―新美南吉傑作選―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

わずか29歳で夭逝した新美南吉は、美智子上皇后の胸に刻まれた「でんでんむしのかなしみ」や「手袋を買いに」など、多くの心優しい童話と詩を残した。不遇な幼年時代だったが18歳で「ごんぎつね」を発表。その後結核に苦しみながらも、創作の情熱は最期まで衰えなかった。生きることの淋しさを抱えつつ、それでも歩もうとする勇気を、繊細な感性で描いた傑作童話11編と数編の詩を収録した。

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ネタバレ

ごんぎつねが好きだったなと思い出し、改めて読んでみることにした。どの話にも、童話だから当然教訓や真理が織り込まれているのだが、押しつけることがないのが傑作である所以だと思う。作者と同じ気持ちを、あるがままに伝えてくれる。

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2025年11月23日

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「ごんぎつね」と「でんでんむしのかなしみ」が有名な新美南吉さんの傑作選

どれもよかった

自然描写が繊細で美しく、一つひとつの葉や風や川の流れに惹き込まれる。

そうしてはじまる、いろいろな物語の、ふとした隙に「お母さん」というものが出てくる。

ちよっと気を抜いて読んでるときにふと、あーここでも出てきたなとなる

胸がキュッとなるような苦しさ、せつなさ
なにがしかの喪失を感じる


新美南吉さんの年表史を読み、4歳でお母さんを亡くされたことを知る
その後もいろんな悲しみを経験し、悲しみを受け入れ、死をも受け入れていく、そういう新美南吉さんだからこそ、こういった童話が生まれたんだろうなと思った

悲しくて、胸がキュッとなるけれど、生きることへの強さも感じた


新美南吉さんの言葉に「悲哀は愛に変わる」という言葉があった。

そうか愛を感じるから、こんなにせつないんだなと、せつないけどあったかいような、そういう童話集だった


愛という一語では到底あらわしきれない
そういうものを、胸で感じられるように童話という物語があるんだなと感じた

詩もとてもよかった
とてもせつなく、とても苦しく とても悲しい

でも底にある新美南吉さんの強さ

『貝殻』という詩の

「せめてじぶんを
      あたためん。」

がよかった

せめてじぶんをあたためん


「ごんぎつね」も、「でんでんむしのかなしみ」ももちろんよいが、それをきっかけに是非、他の物語も読んでほしい

これが、終戦直前のそんな時代にそんな若さで生まれた作品たちとは
名作

手元に置いておいて、ふとした時に読み返したくなる そんな文庫本だった。

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他の文庫の童話集も読み終えて、
紙の色 ぬめり感 字のフォント
詩があること 年譜があること
これがいちばんよかった

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

「ごんぎつね」「手袋を買いに」は小学校の頃、教科書で読んだきりだったが、時を経て大人になって読むと、美しく情景が思い浮かぶ豊かな表現と、哀しみや切なさをしみじみと味わえる。手元に置いてまた読み返したい。
「でんでんむしのかなしみ」皆かなしみを背負っていることがわかりあえたら、きっと自分にも人にも優しくなれるはず。

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2024年09月24日

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新実南吉傑作選として、今年新たに出ました。
上皇后美智子さまが愛読なさっている「でんでんむしのかなしみ」初めて読みました。
詩のようなとても短い話です。
大変失礼ながら、若かりし美智子さまに重ね合わせて、胸がいっぱいになりました。
こういう思いに共感されながらお過ごしになり、今の穏やかでお優しいお姿でいらっしゃるのだと、改めて感じ入っています。

ごんぎつね、手袋を買いになど有名な物語のほかに、詩も交えて17編収められています。
全編に漂う物悲しさは、やはり薄幸な生い立ち、若くして病に侵された境遇によるものでしょうか。
長く読み継がれていってほしい一冊です。

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2024年08月12日

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読んでよかった。
「ごんぎつね」と「手袋を買いに」しか知らなかったです。
じんわりと暖かく心に沁みてきます。
折に触れ読み返したいです。

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2024年06月22日

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懐かしいな〜という感じ。特にごんぎつねは。
新美南吉の作品は、小学校の時に習ったごんぎつねしか知らなかったが、著者の文章にはどこか心地よい温もりを感じる。

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2024年07月01日

Posted by ブクログ

「ごんぎつね」と手袋を買いに」は、小学校の教科書に載っていた記憶がある。そして当時は熱心に面白く感じたようだった。なぜ今読んで何も感じないのか。
新美南吉は愛知県知多郡の出身。当時は名古屋よりはるか田舎だったのだろう。田舎の少年の描写があたたかい。2025.8.1

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2025年08月01日

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