プロフィール
- 作者名:白石一文(シライシカズフミ)
- 性別:男性
- 生年月日:1958年08月27日
- 出身地:日本 / 福岡県
- 職業:作家
早稲田大学政治経済学部卒。『ほかならぬ人へ』で第142回直木賞を受賞。『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で第22回山本周五郎賞を受賞。その他『惑う朝』、『どれくらいの愛情』などの作品を手がける。父は直木賞作家の白石一郎。双子の弟も作家で白石文郎。初の親子二代での受賞。
配信予定・最新刊
作品一覧
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3.6〈死〉の果てを描いた異次元の衝撃。 人類究極の問いを突破する、白石文学の新たな代表作誕生! 89歳までの健康長寿を保証する世紀の発明"Timer" "その日"が来たら、私の心と身体はいったいどこへ行くのか? 体内に装着したTimerの声に導かれ、余命わずかの老夫婦は、 人生究極の問いの答えを求め、禁断の地へ向かう――。 【あらすじ】 「どんなにかなしいことがあっても、本当にかなしむ必要はない。この世界に悲劇なんてものは存在しないんだから。」 89歳までの健康長寿を約束する夢の装置Timerを開発し、失踪したサカモト博士が残したメッセージにはどんな意味があったのか? 装着したTimerの消滅日=死を目前に、カヤコは突然、「博士を捜し出し、Timerの秘密が知りたい」と言い出した。その時限設定を解除した者は不老不死になるという噂もある。彼女の真意は不明だが僕は同行を決めた。 年老いて夫婦二人きりになった今、カヤコの死は、僕の死だった。
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-白石一文史上、最も!?ハッピーエンドな物語。「とにかく、今日は人生で一番嬉しい日だ。やったぞって気分なんだ。」邂逅、結婚、転身、流産、裏切り……夫婦の実相を描いた快作。 カメラマン志望の俊彦はある日、撮影のために訪れた東京・月島の路地で「小料理すま」を営むみすみと出会う。二人はほどなく結婚。やがて俊彦は小説家へと転身を図るが、作家デビューはままならず、みすみは二度の流産で悲嘆に暮れる。そんな折、阪神淡路大震災が発生し、みすみの実家が被災して……。時々に吹き荒れる逆風、荒波に翻弄されながらも懸命に生きる二人。だが、いよいよ追い詰められた俊彦が、命を投げ捨てるほどの覚悟で決断し、掴み取った「快挙」とは。 ●鉄筆文庫のための書き下ろし 特別寄稿「こんな恋がしたかった」山田憲和 あとがき「夫婦の醍醐味とは」白石一文
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3.4コロナ禍、夫の良治に乞われ、病院に同行した名香子。肺がんの診断を受けた良治は、今日からは好きな人と暮らし治療をすると告げて家を出てしまう。人生をやり直すという一方的な言い分に、二十数年の夫婦生活を思い呆然とする名香子。自らの命と真に向き合ったとき、人は何を選ぶのか。直木賞作家渾身の作。 ”もう一度” 人生をやり直したかったのは、 あなただったのか、それとも――。 自分のものなのに、こんなにも自分の力でどうにもならない人生を、 生まれてしまったという理由だけで、私たちは生きている。 角田光代(文庫収録書評より) 生まれ、生き、そして死ぬ。 それって一体何だ? 【目次】 0 兆し 1 影 2 告知 3 悪い冗談 4 苦い思い出 5 家出の原因 6 ミーコ 7 夫の恋人 8 失敗 9 帰郷 10 高級な終わり方 11 再会 12 枯向日葵 13 もう一度 14 産声 人生は作り上げられるのか 角田光代(「小説現代」2021年4月号掲載書評) 解説 國兼秀二
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3.8直木賞作家、文句なしの最高娯楽小説! 加能鉄平は妻・夏代の驚きの秘密を知る。いまから30年前、夏代は伯母の巨額の遺産を相続、そしてそれは今日まで手つかずのまま無利息の銀行口座に預けてあるというのだ。その額、48億円――。結婚して20年。なぜ妻はひた隠にしていたのか。日常が静かに狂いだす。もう誰も信じられない。鉄平はひとつの決断をする。人生を取り戻すための大きな決断を。夫婦とは、家族とは、お金とは。困難な今を生きる大人たちに贈る、極上の物語。 「ぼくはこの作品にまるまる2年間費やした。もうこれ以上おもしろい物語は書けないかもしれない」(白石一文) 白石作品、過去最高のエンタメ度!
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3.3
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3.9「どうして自分はあのことを忘れることができないんだろう?」 剥きだしの叫ぶが響く、著者の初期傑作。 美しい恋人・枝里子をサプライズで京都に誘った。 それは、昔の男が住む京都で枝里子の反応を見ようという悪意だった――。 東大卒出版社勤務、驚異的な記憶力を持つ「僕」は、同時に3人の女性と関係を持ちながら、誰とも深いつながりを結ぼうとしない。 その「理屈っぽく嫌味な」言動の奥にあるのは、絶望なのか渇望なのか。 彼の特異な過去を知った枝里子は。 「自分の人生にとって本質的なことからは決して逃れられない」 切実な言葉たちが読む者の胸を貫いてロングセラーとなった傑作が文春文庫に登場。 解説・窪美澄
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ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ「Timer」が荒唐無稽すぎて、もう白石一文やめようかと思ったけど笑、やっぱり気になってこちらも読みました。
こちらも相当荒唐無稽ではあったけど、面白くて1日で読んでしまいました。
設定はやはり近未来。人間型のアンドロイドを作成して、記憶を複写させ、本人と同じように仕事もし、生活できるという設定はかなり荒唐無稽ではある。
しかし、その設定の中で描きたかったのはやはり「真実の愛とは」というテーマだ。愛し合う夫婦が「子どもがほしい」と望み、それがかなわないときに、真実の愛がどうなるのか、という、複雑なようでシンプルなテーマだ。
代替伴侶であるアンドロイドの「隼人」と「ゆとり」が生活を始めるまでの -
Posted by ブクログ
ほぼ全作品、新作が出るたびに読んでいる作家さん。
今回も、21時過ぎまで仕事をして帰ってきた週まだ前半の火曜日、眠る前ちょっとだけ…と思いきや読破してしまった。
白石一文作品にしては短め。
アンドロイドものだけど、ここ最近のバリバリSF感は薄く、ちょっとテイスト変わったかも。
好きなタイプ。
今回もただひたすら、愛とは何かを問い続ける。
どうしてこの人はこんなにいつもまっすぐに愛の本質を追求しているのか・・・・・・
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「地球人口爆発宣言」から約半世紀。
世界中のほとんどの国で持てる子どもの数は一人とされ、不妊治療等は認められない。
自然妊娠しか許されなくなった世界において、夫婦の片方に -
Posted by ブクログ
地球人口爆発宣言により夫婦が持てる子供の数は1人と決まった。
子供ができなかった隼人とゆとり夫婦は妊活を行うが叶わず、ついにゆとりが別の男性との妊娠を成し2人は離婚する事となった。
ゆとりを喪失した代替に隼人は代替伴侶を迎えるのだった。
人間の移ろいやすい愛情に対して、代替伴侶のアンドロイドは純粋に相手を愛し続け、自らの10年という寿命を代替でありながら人間として生きてきた。
アンドロイド(ツイン)の愛情深さに、人間が自らの行いに懐疑的な感情を喚起され、ツインの生き方を受け入れていく。
夫婦、男と女。
愛情という生き方を静かな筆致で綴られた心に染みる小説だった。