部下の自殺をきっかけにうつ病に罹り、損保会社を辞め、妻子とも別れ、何もかも捨てて故郷・博多に戻った青野精一郎。煙草も吸わないのに40歳の若さで肺がんを発病し、死の恐怖から逃れようとするかのように、結婚と離婚をくりかえす、津田敦。48歳になって故郷の町で再会し、せいちゃん、あっちゃんと呼び合う小学校以来の親友のふたり。人生の幸せとは、本当にかけがえのないものとは何なのか? やるせない人生を、共に助け合いながら歩んでいく、感動の再生物語。
Posted by ブクログ 2022年11月04日
主人公「私」は青野精一郎が語り部となっています。
小説の舞台は福岡市で地元の高校から、現役で早稲田大学の政経学部に進学し、卒業後業界五番手の損害保険会社に就職しました。四十三歳で企画部門の部長に抜擢され、仕事に手応えを感じ始めていた矢先、会社が業界最大手の会社と合併してしまったところから彼の転落人...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年01月02日
うつになって、乱れて、さまよって、迷子になって。
休暇をとって何もない日々が過ぎると、いろんなことを整理できるようにもなる。
自分は人生に、何を残してきたか。
問う。
これから、何か残したいと思えるか。
問うけれど、無理はしなくていい。
休みながら、 流されながら、立ち止まりながら、振り返りながら...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年09月22日
自分の部下が自殺し、そのあと自分が鬱になって
家族とも離れ、自分の地元へ戻って生活を送っている
人の話。
生き方とか、人の再生とか、生きるうえでの覚悟とか
そんなんを主人公の50歳の人を中心に描かれてます。
読みやすかったです。こういう淡々と物事が進む話も好きです。
門司港以外、いまいち場所感...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年10月30日
おすすめ度:95点
Book Express ディア品川店におけるPOPより
「人はなぜ生きているのでしょうか?
何のために生きているのでしょうか?
”幸せ”とは何でしょうか?
この小説は”すごく良いです!!”とか簡単に言えないのです。いや、良いのです。
でも、そんな月並みな言葉じゃな表現できな...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年04月05日
実は読むの2回目
最近出た白石氏の新刊を読んでもう一度
読みたくなり再読。
鬱病になった主人公と癌を患った親友が
東京から故郷福岡に戻った日常生活を描いた作品。
幼馴染むの二人の距離感がなんとも言えず良い。
この作品の二人と同世代の年齢の私は
凄く共感出来る部分もあり、
逆に毎日仕事に追われる身とし...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年03月19日
自分が虚ろな状態が鬱ではないか。未来の病気や過去の男出入りのことへの嫉妬、ましてやいま目の前の人に対して、天涯孤独な下枝を選ぶなど、自分のことばかり欲しがる。すべては己がつくりだした幻で、その幻に苦しめられる。いまだって、本を読んでいなければ、ぼくの中にできた心の隙間に幻が入り込んできて、自分を保て...続きを読む