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部下の自殺をきっかけにうつ病に罹り、損保会社を辞め、妻子とも別れ、何もかも捨てて故郷・博多に戻った青野精一郎。煙草も吸わないのに40歳の若さで肺がんを発病し、死の恐怖から逃れようとするかのように、結婚と離婚をくりかえす、津田敦。48歳になって故郷の町で再会し、せいちゃん、あっちゃんと呼び合う小学校以来の親友のふたり。人生の幸せとは、本当にかけがえのないものとは何なのか? やるせない人生を、共に助け合いながら歩んでいく、感動の再生物語。
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Posted by ブクログ
主人公「私」は青野精一郎が語り部となっています。 小説の舞台は福岡市で地元の高校から、現役で早稲田大学の政経学部に進学し、卒業後業界五番手の損害保険会社に就職しました。四十三歳で企画部門の部長に抜擢され、仕事に手応えを感じ始めていた矢先、会社が業界最大手の会社と合併してしまったところから彼の転落人...続きを読む生になります。 主人公は、かつて部下だった女性と不倫関係に陥ったことがあります。そのことが、後年になって深いダメージを受け、うつ病を発症し、退社とともに離婚もしました。 小説が書かれている時期は、その後ちょうど一年を経過したところから物語が始まります。主人公は、故郷の福岡に帰り、一人暮らしをしていたのです。 主人公の親友は、津田敦という人物で、本書では、「あっちゃん」と呼ばれ、同い年の幼なじみです。彼は主人公と同じ高校を出て一橋大学に進み、卒業後は都市銀行に就職、母子家庭で努力家です。 二十代で独立し、東京・銀座で経営コンサルタント事務所を開業していました。銀行勤務時代に親孝行をしようと思って母親を東京に呼び寄せていたところ、母親は死んでしまいます。そして煙草も吸わないのに肺がんになり、つらい治療に耐えているのです。この世の不合理に怒りさえ抱いてしまう。 主人公とあっちゃんは、時に対話しながらそれぞれの考えを深めて、再生するという過程が、この物語の特徴ではないかと思います。 著者の作品を読むのは初めてですが、読みにくい小説ではなく、著者とは世代が同じくらいで、所々含蓄があり腑に落ちて、思索をしていました。 ※本書より抜粋 『いつでもどんなことがあっても自分だけは、いまの自分というものを根本的に愛し、認め、許すようにしようと言い聞かせつづけてきた。結局、そうした他愛のない子供じみた自覚だけが、自らの病気を徐々に癒してくれる』 お薦め作品です 読書は楽しい。
福岡で同級生だった二人が大人になって一通りの社会生活を送った後また付き合い始める。人生の意味は?自分と同年代の二人なので何となく考えさせられる。
生きるのは確かに辛いよなあ。小学生からの親友は、1人はがんに、ひとりはうつ病に。 でもこの友の存在がどれだけ生きる支えになっているか。 そうか、永遠のとなりってそういう願いを込めたタイトルかって今気づいた。
私、この作家さん好きです。 うつ病ってそうなんだって、実感できる表現。がんを患うとそうなんだって胸に迫る表現。 あとまだ何冊か購入済み。楽しみ。
うつになって、乱れて、さまよって、迷子になって。 休暇をとって何もない日々が過ぎると、いろんなことを整理できるようにもなる。 自分は人生に、何を残してきたか。 問う。 これから、何か残したいと思えるか。 問うけれど、無理はしなくていい。 休みながら、 流されながら、立ち止まりながら、振り返りながら...続きを読む、前を向く。 きっとその間にも何か、残しているはずだから。大丈夫。 背中を押してもらえた、一冊です。
再読 部下の自殺をきっかけにうつ病になり、会社を辞め妻子とも別れ故郷・博多に戻った精一郎。肺がんを発病、何度も結婚と離婚を繰り返す敦。48歳の親友ふたりの再生物語
自分の部下が自殺し、そのあと自分が鬱になって 家族とも離れ、自分の地元へ戻って生活を送っている 人の話。 生き方とか、人の再生とか、生きるうえでの覚悟とか そんなんを主人公の50歳の人を中心に描かれてます。 読みやすかったです。こういう淡々と物事が進む話も好きです。 門司港以外、いまいち場所感...続きを読むがつかめませんでした。。。
おすすめ度:95点 Book Express ディア品川店におけるPOPより 「人はなぜ生きているのでしょうか? 何のために生きているのでしょうか? ”幸せ”とは何でしょうか? この小説は”すごく良いです!!”とか簡単に言えないのです。いや、良いのです。 でも、そんな月並みな言葉じゃな表現できな...続きを読むいのです。 とっても大切なことが、さらっと書かれていますので、ゆっくり、じっくり読んで下さい。きっと備忘録になる一冊です。」
実は読むの2回目 最近出た白石氏の新刊を読んでもう一度 読みたくなり再読。 鬱病になった主人公と癌を患った親友が 東京から故郷福岡に戻った日常生活を描いた作品。 幼馴染むの二人の距離感がなんとも言えず良い。 この作品の二人と同世代の年齢の私は 凄く共感出来る部分もあり、 逆に毎日仕事に追われる身とし...続きを読むては 自分の時間がある主人公を羨ましく思うところもある。 白石氏の作品の中で1番好きな作品。
自分が虚ろな状態が鬱ではないか。未来の病気や過去の男出入りのことへの嫉妬、ましてやいま目の前の人に対して、天涯孤独な下枝を選ぶなど、自分のことばかり欲しがる。すべては己がつくりだした幻で、その幻に苦しめられる。いまだって、本を読んでいなければ、ぼくの中にできた心の隙間に幻が入り込んできて、自分を保て...続きを読むなくなってしまう。本に向き合ういまでさえ、君はどの文で泣き、笑い、励まされたのか思いを馳せてしまう。いつでも、どこでも、その気になれば情報を得られる現代、死を身近に感じることが減り、あきらめきれないことが多すぎる。生きること、死ぬこと、愛すること、愛されること、いつ、どこで、自分もどうなるか分からないなと思った。みんななにかを抱えてる。裏表があるから成長できる。まあ、それでも、ぼくの問題はそんなややこやしかったり、大きなことではなくて、自分のことばかりな幼稚さ。それだけのことなのに、いままで生きてきた癖はなかなか直せない。いまは気づけるようになったので、後悔の連続。それに気づかせてくれたのは、とても有り難い。だから、心からなにか力になりたいとは思う。応援するしかできないけど。現状への不平や不満ばかりを募らせて、いつも性急によりよい自分になろうとし過ぎていた。だからこそ、こうしてずっと厭いつづけてきたかつての自分自身たちから強烈なしっぺ返しを受けている。時が経ち、誰かに相談し、新たな関係性が築かれていくということは、もうもとには戻れない自覚を強めていく。そういうものだとも思う。 女性は、やさしく、強く、たくましいな。
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