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私、賢ちゃんの身体をしょっちゅう思い出してたよ――挙式を控えながら、どうしても忘れられない従兄賢治と一夜を過ごした直子。出口のない男女の、行きつく先は?不確実な世界の極限の愛を描く恋愛小説。
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Posted by ブクログ
映画を先に見ていたけれど、白石さん原作だったんだ。 理屈っぽい文体は相変わらず。 富士山噴火を目の前にして、残された時間をひたすら性愛につぎ込む二人。 原作本の直子は、映画の瀧内公美さんとくらべ、少し幼い感じがする。文庫本のカバーの方が、原作のイメージにぴったり。
生きているって感じることは3つの欲の充実。 人によってそのバランスは違くても、それぞれに満足できれば良いのではと。 単純に生きるために必要なこと必要なことが1人で出来ないことがあるのなら、共に生きる人との出会いは奇跡なのかと。 映画は観ていないのでわかりませんが、こちらはわりと単純明白でわかりやすく...続きを読む、読みやすいです。
ぐずぐずな人生 過去に濃密な関係があったから、 やけになってもまだ続けられるのかな 美味しそうな料理 こんなセックスできる相手は、いたら大変なんだろうな…
映画を見て気に入ったので原作を手に取ってみた。 刹那的な享楽を超えた、男と女の本能のお話。 目の前に迫る現実的なあれこれも、本能の前には全て掻き消えてしまう。 その感覚にはすごく共感出来た。 性描写と食事のシーンを何度も見ていると、生きるというのはこういう事なのだと思わされる。 福島原発の話は必要...続きを読む以上に出しすぎではないかと感じた。2人だけの世界が中心の作品の中にあって、少し異物感があった。 青春時代に「セカイ系」という言葉が流行してそれなりにそういう作品を目にしていたので、やや突拍子もなく思える二人の世界とカタストロフィという構造自体はすんなり入ることが出来た。 全体としてはやはり好きな作品。
映画が生々しいって聞いてたので、官能小説なんじゃないかとびくびくしながら読んでいましたが、思うほどエロくなかったです。 終末を知ったら、私も愛する人とひたすらセックスにふけるかもしれないなんて、ぼんやり考えてしまったり…
エロい小説やな(笑) でも、男のセックスの捉えかた、感じかた、向き合い方は、真実やなと思った。なかなかエロをあそこまで哲学できないで(笑) 男性のエクスタシーの原理を知る上でも、女性は必読じゃないかな(^-^)/ 内容ないと評価する人もいるが、俺は好きな小説だ(^-^)/
これ映画化したとき「男女がただヤッてるだけの映画」って評してる人いたけど、小説も平たく言うならそんな感じ。 結婚を10日後に控えた直子と、昔関係を持っていたいとこの賢治が再会し、肉欲に溺れる。言うなればそれだけの物語。 白石一文さんの著作なので、そこに哲学はあるというか(私が掴みきれているかは謎だ...続きを読むが)人間の原始的な部分に迫った作品だと思う。あと男女のセックス観の違いとか。すれ違い、理解しあえないことも多々あるので。 背景に「富士山噴火」「大震災」があるから、どうせそうなるのであれば背徳的な関係に突っ走るとか享楽に溺れるみたいなこともあるだろうとは思える。 普通ではない状況のとき人間はどうなるのか。そういう意味で、原始的な部分に迫った作品。 崇高な「生きる意味」とか言ってたって、結局欲望の前にはひれ伏すしかないでしょ、みたいな。 映画観てないけどぐぐってみたら関連ワードで「本当にしてる」とか出てくるから、たぶんリアルを追求しているのだろう。 でもこの小説の世界観を映像で表現するなら、そう見えるくらいで挑まなきゃ難しいかも、と思った。純粋なのに俗的というか、相反するものの凄みを感じるので。 そう考えると俳優さんってすごいな。 でもこういうふたりって、結婚などをするとあっさり別れちゃったりするのかも。背徳感だとか身体の記憶だけで結ばれる関係というのも、あると思うので。
個人的に主人公の賢治と重なる部分があり胸が痛くなった。今まで歩んできた人生は短くどのようなものか分からないけれど生き方について考えさせられた。ちょっとだけ生き方を変えようと思ってみた作品。
映画を見てから原作を読んだ。 映画ではセックス描写が多く何が言いたいのかよく意味が分からなかったが、原作では二人がひとときの男女関係にどっぷり漬かる様子がよく分かった。人生はいつも一生懸命でその懸命さの積み重ねが立派な過去を作り未来に繋ぐことができる。だが、いつも懸命では息が切れてしまう。疲れてしま...続きを読むう。だから二人は息抜きをした、ということかな。
落ちぶれた男と結婚を控えた女。かつて濃密な関係を結んだ二人がまた出会い、カタストロフィの直前にまた求め合う。しかし分かったのはお互いのすれ違い。物語の背景と二人の関係性がなんともチグハグに見えてしまうがこれは意図した手法なのか、その辺りが読み解けず、楽しめたとは言い難い。
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