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Posted by ブクログ
お盆でございます。
何年かに一度、このころになりますと読みたくなる物語がございます。
はい。雨月物語でございます。
特にわたくしは「浅茅が宿」が好きでございます。
下総の国 葛飾の郡、真間というところの1455年辺りのお話でございました。
勝四郎という夫が、秋には戻るという言葉を残して京へ商ひに出たのを待ち続けた妻 宮木(みやぎ)の悲しいお話でございました。
折しも夏には戦が始まって、村人が里を捨てて逃げてしまっても、夫が秋には戻りますからと言って、里に残った宮木。。。
雨月物語とはよく言ったものでございます。
そぼ降る雨の夜にお読みくださりませ。
上田秋成さんが切なくも不思議な世界に誘ってくださいますので。
〔作品紹介・あらすじ〕
雨ははれ、月がおぼろにてらす夜──中国の小説や日本の古典を自在に翻案し、技巧の粋をつくした上田秋成による怪異奇談集の傑作を、円城塔による精緻で流麗な現代語訳でおくる。崇徳院の霊に西行法師が出遭う「白峯」、義兄弟を信じて待つ「菊花の約」、七年を経て妻の元に帰る「浅茅が宿」他、全九編。 ◎解説=長島弘明
【目次より】
序文
白峯
菊花の約
浅茅が宿
夢応の鯉魚
仏法僧
吉備津の釜
蛇性の婬
青頭巾
貧福論
訳者あとがき
解題:長島弘明
Posted by ブクログ
上田秋成の怪異譚を、円城塔が現代語訳した一冊です。
怪談集として有名な作品ですが、恐怖よりも“人の執念の濃さ”のほうが強く印象に残りました。
約束、嫉妬、未練、愛情といった感情が、死んでもなお消えずに漂っていて、読んでいるとじわじわと嫌な余韻が積み重なっていきます。
円城塔の訳はかなり読みやすいのに、古典特有の湿った空気や言葉の硬質さはちゃんと残っていて、そのバランスが面白く、現代語なのに、どこか現実から少しズレた世界を歩いている感覚があります。
人の情念だけは時代が変わっても全く古びておらず、読み終えたあとに“怪異より人間のほうが怖い”という感覚が残る一冊でした。
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