かの名作、キャプテンフューチャーのリブートシリーズ。思い出せば、オリジナルの翻訳版は高校時代にキャプテンフューチャー大ファンの友人から絶賛にお勧めされて読んだのが最初。その後創元推理文庫で再版された版は全館購入し、自分が読んだ後、娘も読み継ぎ…と一家あげてのお付き合い的なファンなのである。
このリ
...続きを読むブートのイメージは、バットマンの映画化という感じ。良くも悪くも戦前のパルプ雑誌スペースオペラだった原作を、21世紀の今に合うテイストに再構築しつつ、原作の持ち味もできるだけ引き継いでいるのが楽しい。太陽系人類の設定や、そもそもキャプテンフューチャーの名前の由来、コルボやクォルンとの因縁まで上手く処理したなぁ…と思った。
良くも悪くも野田翻訳のクセだった、江戸っ子べらんめえ口調もかなり薄口にされていて一安心。あれはあれで良いのだが、21世紀に「てめえ、こちとら…」な宇宙のヒーローなんてちょっとなぁ…だったから(笑
作者あとがきにあった、「日本アニメ版はなかったことにした」って表記は少々さみしかったが、理由まで読むとなるほどなぁ…と納得。NHK作品であっても、やはりあの時代は「テレビ漫画」の壁は分厚かったってことだろうな。
アメリカ本国ではシリーズ物として刊行されているようである、創元社には根気よく翻訳発売をしてもらえるよう期待したい。この時代にこの設定のキャプテンフューチャーが読めるのは幸せである。