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直木賞作家、文句なしの最高娯楽小説!
加能鉄平は妻・夏代の驚きの秘密を知る。いまから30年前、夏代は伯母の巨額の遺産を相続、そしてそれは今日まで手つかずのまま無利息の銀行口座に預けてあるというのだ。その額、48億円――。結婚して20年。なぜ妻はひた隠にしていたのか。日常が静かに狂いだす。もう誰も信じられない。鉄平はひとつの決断をする。人生を取り戻すための大きな決断を。夫婦とは、家族とは、お金とは。困難な今を生きる大人たちに贈る、極上の物語。
「ぼくはこの作品にまるまる2年間費やした。もうこれ以上おもしろい物語は書けないかもしれない」(白石一文)
白石作品、過去最高のエンタメ度!
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Posted by ブクログ
初めて読む作家さんだったが、個人的には大当たりだつた。
莫大な遺産の存在を隠していた妻、恋愛問題について隠していた子どもたち、そして会社で受けた不当な扱い。
そんな人生が何もかも嫌になり、主人公は人生をリセットすべく新天地で事業を始める。
長く生きていると人生ではいろいろなことがある。
人間関係とは煩わしいモノであり、人の気持ちを思うように操ることはできない。
度々登場する逆境の中で、主人公はあらがうでもなく、従うでもなく、まさに現代のガンジー如く孤独に、しかし強く自分の道を切り開いていく。
一本筋が通ったその生き方と、場所場所でのリアルな情景描写が相まって、物語は最後まで鮮明な解像度を持っている。
無理な展開や派手な演出はないが、巧みに練られたストーリーは現実的だが決して読者を飽きさせることがない。
とてもおもしろい一冊でした。
Posted by ブクログ
この方の小説は、心情をダイナミックに表現する文体が好きで、ほかにも色々と読んでいます。本作は文庫で660ページ以上。心地よい厚さと持ち重りで、こういうのが電子書籍では味わえないですね。
いろいろと状況設定がかなり突飛で、登場人物とくに主人公のキャラクター設定もかなり目まぐるしく変わります。あれ、こんな人だったの? とか。他の登場人物への態度や心情もコロコロ変わるし。でも、考えてみれば実際の生活ってこんな感じなのかもしれない。自分の生活を考えてみても、気持ちなんか、どんどん変わっていくし。
メインの舞台である福岡と金沢のきめ細かい描写が秀逸。旅に出たくなりました。
Posted by ブクログ
ミステリーかと思って読み始めたら違いました。約700ページもある大作ですが、最後まで読めました。
印象に残ったところ。夏代との夫婦関係は、二人の子供を育て上げた時点で役割を果たし切っていた。子育てを終えた夫婦が死別のときまで共に暮らす理由には、もちろん慣れ親しんだ繋がりを失いたくないという願いも強く作用されるだろうが、片方で、経済的な事情や敢えて別れるまでもないという〝面倒くささ 〟も大いに関与していると思われる。
自分たち夫婦の場合は、夫の側に新天地で始めた順調な事業があり、妻の側には娘や息子との深い絆と莫大な財産がある。
そうとなれば「子どもたちの独立」という明確な区切りをもって互いが別々の人生へと乗り出していくのは、考えてみるに決して不自然でも不合理でもないのではなかろうか?
フィナーレが映画の1シーンのようでした。
Posted by ブクログ
作者の気合が帯に現れていたけれど、ほんとうに面白い。ストーリーも設定もたぶんかなり細かく設定されていて、ふとした伏線が後半にあ、という感じで出てきたりして、もう一度読み返したくなる。
インフルエンザ罹患を感じたある日、主人公鉄平の人生は一変する。
妻、夏代の大きな秘密と、それを自分が20年以上も隠されていたという事実に鉄平は怒り、そしてそれをきっかけに子供たち、会社にも暗雲が立ち込める。芋づる式に明かされる事実に愕然としつつ対処しながら、冷静な自分の一面にも改めて触れ、逃げるように家を出るが…
リアルな描写で主人公の行動や心情に共感しやすくい。登場人物が少しずつダークさや弱さを抱えているのを、削ぎ落とされた文章とエピソードで語られるので、そこも読みどころだと思う。削ぎ落とされすぎていて、掴みづらい部分は他の方のレビューにもあるとおりだが、何度か読み返してもやはり面白いのは、緻密な文章構成の為せる技かなと思った。
Posted by ブクログ
子どもが巣立ったおじさんの心の持ちようとか、妻子との関係性とか、日々の暮らしの中で美味しいご飯を食べたり車に拘ったりとか、48億円という金額に直接関わらない一人の人間の人生が面白くて、特に前半はとても好きだった。
48億円の遺産が主役なんじゃなくて、あくまで主人公が主役でその周囲で起きた出来事として遺産の話がある感じ。
後半の海苔巻き事業から株を受け継ぐ辺りはやや出来過ぎ感があったけど、それでも事業を大きくしていくサクセスストーリーとして
それはそれで面白く読めた。
ラストの終わり方はやや唐突というか、それはありなんだってちょっとなった笑
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