【感想・ネタバレ】一億円のさようならのレビュー

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Posted by ブクログ

この方の小説は、心情をダイナミックに表現する文体が好きで、ほかにも色々と読んでいます。本作は文庫で660ページ以上。心地よい厚さと持ち重りで、こういうのが電子書籍では味わえないですね。
いろいろと状況設定がかなり突飛で、登場人物とくに主人公のキャラクター設定もかなり目まぐるしく変わります。あれ、こんな人だったの? とか。他の登場人物への態度や心情もコロコロ変わるし。でも、考えてみれば実際の生活ってこんな感じなのかもしれない。自分の生活を考えてみても、気持ちなんか、どんどん変わっていくし。
メインの舞台である福岡と金沢のきめ細かい描写が秀逸。旅に出たくなりました。

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2023年01月18日

Posted by ブクログ

ミステリーかと思って読み始めたら違いました。約700ページもある大作ですが、最後まで読めました。
印象に残ったところ。夏代との夫婦関係は、二人の子供を育て上げた時点で役割を果たし切っていた。子育てを終えた夫婦が死別のときまで共に暮らす理由には、もちろん慣れ親しんだ繋がりを失いたくないという願いも強く作用されるだろうが、片方で、経済的な事情や敢えて別れるまでもないという〝面倒くささ 〟も大いに関与していると思われる。
自分たち夫婦の場合は、夫の側に新天地で始めた順調な事業があり、妻の側には娘や息子との深い絆と莫大な財産がある。
そうとなれば「子どもたちの独立」という明確な区切りをもって互いが別々の人生へと乗り出していくのは、考えてみるに決して不自然でも不合理でもないのではなかろうか?
フィナーレが映画の1シーンのようでした。

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2022年06月11日

Posted by ブクログ

作者の気合が帯に現れていたけれど、ほんとうに面白い。ストーリーも設定もたぶんかなり細かく設定されていて、ふとした伏線が後半にあ、という感じで出てきたりして、もう一度読み返したくなる。

インフルエンザ罹患を感じたある日、主人公鉄平の人生は一変する。
妻、夏代の大きな秘密と、それを自分が20年以上も隠されていたという事実に鉄平は怒り、そしてそれをきっかけに子供たち、会社にも暗雲が立ち込める。芋づる式に明かされる事実に愕然としつつ対処しながら、冷静な自分の一面にも改めて触れ、逃げるように家を出るが…

リアルな描写で主人公の行動や心情に共感しやすくい。登場人物が少しずつダークさや弱さを抱えているのを、削ぎ落とされた文章とエピソードで語られるので、そこも読みどころだと思う。削ぎ落とされすぎていて、掴みづらい部分は他の方のレビューにもあるとおりだが、何度か読み返してもやはり面白いのは、緻密な文章構成の為せる技かなと思った。

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2022年03月20日

Posted by ブクログ

悪人についての表現に冴えが見られた。さまざまな人間をみてきて、悪人というかワルというかには、常々考えさせられてきたから。

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2021年11月07日

Posted by ブクログ

NHKBSのドラマでやってましたが見損ねたので、小説のほうで。福岡と金沢、少々土地勘があるので入り込めました。面白かったのは間違いないのですが、最後はもう少しノーマルに、しんみりと元の鞘に戻ってほしかったなって。これ個人的な希望、好みとして。なんか皆さん濃いキャラクター、そして濃い人生ですよね。やっぱ、お金と女性は怖ぁ。両方とも縁がありませんが。

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2021年02月10日

Posted by ブクログ

有り得なさそうで有り得そう、でもそれすら有り得なさそうというようないかにも現実味離れたお話だという印象があります。
1億貰った鉄平さんの使い方に心の広さを感じました。


PS BSTVで若い頃の鉄平さんを演じたSixTONES 松村北斗くんすごくかっこよかったです( ⸝•ᴗ•⸝)♡

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2020年12月05日

Posted by ブクログ

久しぶりの白石作品
一億円を手にして、心機一転仕事も家庭も捨てて海苔巻き屋さんを始める。
やっぱり白石さんの作品は面白いなと思った。物語自体というよりも登場人物の発する言葉や思想が魅力的だった。

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2020年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白いんだけど、奥さんの大金を手にした時の決断がなんか現実離れ感半端ない。
こんな大金困ってる時に使うなり、放置せず寄付するなり世の中に金を循環させてくれよと思う。

考え方に今一つ共感できず、好きになれない。
美人という描写にますます、??でした。

ふっつーのおばちゃんが億万長者の方がリアルですね。

ですが、ストーリー的には好み。
まぁ何があるってわけじゃないけど、1人の男の人生を覗き見している気分になった。

ただ主人公の側面である野生的な大胆さがあまりピンとこない。


最後はアッサリしていたような。
半沢直樹的な仕返しを期待していたんだけどな。

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2023年06月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文句なしに面白い
最後の1ページまで驚かされた。
夏代とこのまま終わって、会社にも戻らずこのまま金沢で新たに人生を歩んでいくのかと思ったけど、夏代の方が一枚上手だったな〜

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2022年12月01日

Posted by ブクログ

以前聞いた、出版社の編集者の話によると
少年マンガの主人公は「こんなヤツになりたい!」
読者が見上げるような立ち位置のキャラが多かったそうだ
青年マンガの主人公は「こいつは、俺だ」
読者に共感を覚えさせるような親近感のあるキャラ

その喩えでいうと、この小説の主人公は
「中年男性の憧れと親近感を一手に引き受けるキャラ」に設定されてる気がする

ブースターや燃料タンクを切り離して成層圏を飛び出した宇宙ロケットみたいに、家族や仕事から離脱出来たらどんな人生が開けるのだろうか
という、ある種のファンタジーを満足させるような、そんなお話

あと個人的な感想として、食べ物の描写がやたら美味そうな小説でした。石川県行ってみたくなります。

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2022年04月21日

Posted by ブクログ

ドリフのコントに『もしも…◯◯な××があったなら…』のコントがあった。これを本書に置き換えれば、『もしも長年連れ添った妻が莫大な隠し資産を持ってたなら…』になる。

常に現実的な小説を紡ぐ白石一文が描く〈大金が転がり込んでくるユーモア小説〉?…と勘繰るも、ですよね…、んな訳なく、やはりいたって現実的な状況下に起こる起伏激しいスリリングな展開ゆえ、先の予測が見えないままに600ページ超を一気読み。

◉さわり…
主人公 加能鉄平(53歳)は福岡市にある祖父が創業した化学製品メーカーの営業本部長。本部長とはいえ、名ばかりの閑職。同族企業にありがちな親族に疎まれ、役員になり損ね閑職に。最初に務めた会社でも、理不尽なリストラの憂き目に遭い、今やその現状を粛々と受け入れ、サラリーマン人生を歩む毎日。ふたりの子どもは他県に進学し、現在はパート勤めの4歳下の妻とのふたり暮らし。妻との関係も良好。このまま定年まで平穏で平凡な毎日が続くと思われたある日、たまたま在宅していた際、弁護士事務所から1本の電話…。

30年前、伯母から莫大な遺産を相続し、手付かずでそのまま銀行にあることを知らされる。その遺産の一部は投資にも回され運用益を含め総額は何と48億円!その衝撃の事実に驚愕すると同時に抑え難い怒りが湧き起こる。

結婚して20年余り、その間には、親の入院費用・子どもふたりの学費・自身のリストラ時の危機…まとまった金が必要だった時は何度もあった。側にいて妻はその苦しい現状を熟知しておきながら、なぜ捻出しようとしなかったのか、そもそも夫である自分になぜ隠し続けたのか…。

衝撃の電話受けて以来、悶々とする日々。日常が静かに狂い始める。ある日、妻に問いただすと意外なことを口にする。それ以降、妻への強い不信感が募る一方。方や子どもたちも学業そっちのけで勝手気ままに謳歌している…。もう誰も信じられない。鉄平はある決断を下す。

◉短評…
さわりだけで判断すれば、シニア夫婦を取り巻く家庭小説。ただそれなら、これほどの大部な小説にはならない。

自分ではなく身内ではあるが、〈突然大金が手に入ったら?〉誰しもが一度や二度妄想をしたことが現実となった五十男。はたしてどう生きていくのか?信頼を無くした妻への愛情は?子どもに対する役目は?揺れ動く主人公の心中を著者は炙り出し、折々に呟く吐露は身につまされる。『夫婦は恋人同士とは違うんだ。愛情で関係を支え合うだけじゃなく、信頼で支え合わなくちゃいけない。そうでなきゃ何十年も一緒にいられない。夫婦は愛し合う以上に信じ合う必要があると僕は思う』。

本書には様々な人物が登場する。それぞれの物語を持ち寄り、それらが複合的に絡み合って発熱し、新しい価値を提供してくれる極めて濃い内容ゆえ、その話だけでも1編の小説が書けるほどの『総合小説』の威容をたたえている。

家族小説・企業小説・起業小説・シニア小説に加え、博多・金沢の観光&グルメガイドにも使える情報がふんだんに盛り込まれており、細部に至るまでの情景描写と著者のサービス精神にニンマリしてしまった。

『老後2,000万円問題』がひところ話題になった。老後30年間には年金の他に2,000万円が必要説。そんなことも頭をよぎりつつ読み終えた。

はたして、タイトルの『1億円のさようなら』とは何を意味しているのか?読み始める前にまずストーリー展開を想像をされてから、読まれるのをオススメします。秋の夜長のノンストップ読書必至の一冊。

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2021年10月27日

Posted by ブクログ

分厚い本だけど、次から次に色々な事が起こり飽きずに夢中で読んだ!

お金で人生は変わる。確実に。
良いようにも悪いようにも。

でもやっぱり宝くじを買ってしまう。

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2021年07月03日

Posted by ブクログ

なにやら複雑な人間模様が描かれているに違いないと思わせる表紙に惹かれて。

人生で誰もが避けて通れない、家族、仕事の人間関係と悩み。

そこに一億円が加わることで、今まで蓋をしていた心の奥の引っかかりがどんどん大きくなっていく。

「人間同士もたれ合って生きているといつのまにか必要以上に臆病になってしまう」

「"一人では生きられない"という生物としての致命的な不完全さが、人間に無用な恐怖を植え付け、不要な闘争へと駆り立てる」

お金で得られる幸せと、得られない幸せ。

主人公を自分に置き換えながら読み進めると、いろいろと考えさせられる良作。

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2021年05月02日

Posted by ブクログ

久しぶりに読んだ白石一文さんの作品。読み応えありました。白石さんの描く女性たちは、信念を貫く強い人が多い気がします。これからドラマを見ようと思っています。

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2020年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ドラマ途中で読破
ドラマは上川隆也さんだったので、原作主人公のような時には狂気する部分はまったくなかった。そのイメージのせいか、いくら裏切られた感があっても、なにも言わずに家族を捨てて家を出たり、娘が出産したことも連絡しなかったり、子供から連絡しなかったり、ちょっと考えられない。ラストも、なんだよ、結局金で屈服させたのかよという気持ちにならなくもなく、不完全燃焼。

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2020年11月23日

Posted by ブクログ

いやはや…こんな分厚いのに一日で読み切ってしまった。全力疾走。

20年連れ立った妻に48億もの遺産があると知った主人公。家族、仕事、お金とは。人生とは。

「白石作品過去最高のエンタメ度」とあるけれど、まさしくその通りで、ちょっとした連ドラを一気に見終わった感じ。
最後はいつものように力強い(読者からすると物悲しい)終わりかと思ったけど、いい意味で裏切られた。あの終わり方も「最高娯楽小説」って感じでいい。

白石氏の作品はとにかく登場人物が多いけど、それが複雑に絡み合ってほどけて、また絡んでいく様が気持ちいい。これだけ人がでてきても読み手がこんがらがらないのはすごいと思う。そして人生は運であり、縁だなあと思う。


私は白石一文と柚木麻子が狂ったように好きなのだけど、なんでだろうと思った。
柚木麻子は「苦しいくらい共感できる」のに対し、白石一文作品の登場人物には基本的に共感できない。男性も、女性も。自分とは違う世界の、自分とは違う考え方の人だからその強い言葉や行動がすんなり心に沁みるのかもしれないなと思った。

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2020年09月06日

Posted by ブクログ

鉄平は、妻の夏代が二十歳くらいの頃、伯母から遺産を相続しており、相続財産は総額四十八億円程度となっているという秘密を偶然知ってしまいます。

夏代はなぜ結婚前からの遺産の存在を隠し続け、一切手をつけなかったのか。なのに、どうして突然カナダのバイオベンチャーに二億円を出資したのか。

遺産をずっと秘密にされてきた鉄平は、妻のこと、家族のことを何も信じられなくなってしまいます。

妻を信じられなくなった鉄平の気持ちも、夫に遺産を隠し続けてきた夏代の気持ちも、どちらもわかるような気がします。家族や結婚生活について、自分だったらどう思うか、考えてしまいます。

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2024年01月03日

Posted by ブクログ

人生や人間やお金についてぐるぐる回るような長編。
夏代という女が最初から最後まで訳わからなく気持ち悪くって嫌いだった。

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2023年06月16日

Posted by ブクログ

長い小説だった…
描写はとても丁寧で頭に浮かぶが、果たして必要なものがどれほどあったのか。
46億円とはいったいなんだったのか、男の生き様とは、邪悪な人間とはなんだったのか、、、
もっと伏線回収があってもよかったかも。
金沢に住んでたことのある自分は個人的に楽しめたが。

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2022年09月19日

Posted by ブクログ

家族としての自分の人生、会社員としての自分の人生、そして自分自身の人生を考える話でした。
信用は愛情よりもきっと大切で、だからといって自分を幸せにするのは自分という根底は大事だなぁと。
家族を持って、自分も幸せに、家族も幸せにというのは本当に困難な事なんだと思う。

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2022年02月05日

Posted by ブクログ

きんじへんぺん近時片々の類は取るに足らない日常だけで食傷なのかもしれないと思っている かくなる境涯に追い詰められていったのか? 翻意を促した 秘匿 かんげき間隙 ちき知己 一驚した 成功裏に終わり 叔父の真意が奈辺にあったか知る由もない ひんひを頻々と起きている 憤懣を抑えつける 収拾できない 訝しい気持ち 天狗舞 手取川 菊姫 ひやおろし 熟れ切った 苦み走った デラシネ(フランス語で根無草) 首肯しつつも 堂に入ったものだ つうよう痛痒 却って困るといった雰囲気は微塵もない 気風の良さが察せられた 佇んで 鴉の世界は一夫一婦制で ていかん定款に名を連ねる 人災の側面は捨象されてしまったのか 辣腕を揮った 閉職に追いやられて 公証役場に正本が保管され 虚言を弄して 胸前で手をひらひらさせた 目を瞠るものがある くちはばったい口幅ったい 一驚 勘案 如才なく 慧眼 互いの交わらない気持ちを、ただ粛々と披露し合っている 雪吊りの縄が 粉骨砕身 正鵠を射てくる 年上の再従兄弟 テレビドラマは糖衣錠であれ

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2021年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表向きは円満な夫婦だったが、ある日、妻の夏代に48億円もの資産があることを知る、夫鉄平。

鉄平は会社をリストラされ、マンション購入を断念し、関東から親戚を頼りに福岡へ移住することになったときにも、そんなことは一言も知らなかった。

それは妻が叔母から譲り受けたが、妻は自分のお金だとは思っていなかったため、一切手をつけるのをやめようと考えていたからであり、妻はそのお金は元からないものとしていたからである。

しかし、夫としてはなぜそれを苦しいときに使ってくれなかったのかと考えた。
また、2億円をカナダの企業に出資していることもあり、矛盾しているではないかと考え、妻に対して不信感を抱く。

そのお金のあり方を見直すためという名目で妻は、お互いに1億ずつ持ってみて、お金について考えようと提案され、妻は一度家を出ていく。

家を出ていってからは、息子や娘、そして仕事上でのトラブルに見舞われる。
そのトラブルの最中に、妻の出資先が妻がかつて不倫していた相手の会社だということを知る。

それがきっかけとなり、1億を持って家族とは縁を切ること思いで、夫鉄平は家を出る。

新たな生活拠点として金沢を選ぶが、そこで自分でやりたいことを始める気でいた。
金沢ではお店を経営したり新たな人間関係を築いていくが妻からは一向に連絡はなかった。

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読み終わって、誰しも秘密は抱えているし、人に言えないこともあるだろう。
しかし、夫は少しサイコっぽくないか?と、いくら成長したとして子どもたちも捨てるような覚悟でいけるものなのか?
またかつての親友の妹をこうもあっさりと切ることができるのか?

妻の考えはどうだったのか?
妻は妻で身勝手だとは思ったが、人間らしくて夫より共感できた。

最後は結局元に戻るのかな?

突然、物語に出て来ていなかった人の名前が登場したりして、ん?読み飛ばしたっけ?ってなるところが何度かあった。

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2021年03月04日

購入済み

テレビとの違い…

今回はテレビが先で、その後本を購入。全くと言っていい程内容は違ってましたが、テレビは安田成美さんって事で見られた。内容としては「一億円のさよなら」の題名に興味を持ったがどちらも意外な感じで終わった…でもお金って人を狂わせるって事は感じた。普通って幸せなんだと…やはり本の方が想像が掻き立てられるから好き。

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2020年11月18日

Posted by ブクログ

白石さんのストーリーはいつも好き。でも何でこんなに説明口調で書くのか、ここまで細かい描写が必要なのか。この本もそのためにとても分厚い本であったし自分はずいぶんと読み飛ばした。これだから本屋でなかなか手に取れないのだが。

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2020年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ある日突然、妻が莫大な遺産を相続した事を知る。 
夫婦としての信頼関係に疑問を持ち、新天地で新たな生活を始めた。家族も会社も自分勝手な奴らばかりで、嫌気がさし、別の地で生活をすることにしたのだ。
そんな時、親族の遺産の相続相手として自分が指名されていた事を知る。
いったいどうすべきか。そんな時、1年も合っていなかった妻が訪ねてきた。結局、妻に振り回されることになるのか?

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2020年10月28日

Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)
加能鉄平は妻・夏代の驚きの秘密を知る。30年前、夏代は伯母の巨額遺産を相続、そしてそれは今日まで手つかずのまま銀行にあるというのだ。その額、48億円。結婚して20年。なぜ妻は隠していたのか。発覚した妻の巨額隠し資産。続々と明らかになる家族のヒミツ。爆発事故に端を発する化学メーカーの社内抗争。

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2020年10月02日

Posted by ブクログ

長年連れ添った妻が、実は巨額の遺産を持っていた。その額は48億円。あなたが夫だったとして、そのことを知ってしまったらどうしますか?そして、1億円あげるからあなたの好きなようにしていいと言われたら、一体どうしますか?

お金があるということで見えてくる世界。お金があるからこそできること。お金を超えて大切なもの。そんなお金を巡るあれこれを、作者はリアリティーのある設定と描写で上手に描き出していると思いました。

600ページを越える大作ですが、すんなり読めます。クライマックスでの予想外の展開は、お金は何のために使われるべきかという、物語の主題の一つに対する答えになっていて、とても興味深かったです。

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2020年09月17日

Posted by ブクログ

登場人物達のどこにでも居そうでどこにも居ないようなそんな突飛で、でも妙に人間臭いところが印象的であった。20代の私と50代の私では受け取り方が変わるようなそんな考えさせられる話。人生の転機にまた読んでみたい。

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2020年09月08日

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