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「五年間はなにもすまい」。大企業を辞めた洪治は無為な日々を過ごしているが ある日付き合っていた彼女から昔の不幸な出来事を聞かされる。 絶望に追われた二人の間には睡眠薬の山があった――(表題作)。 なぜ人間は生まれ、どこに行くのか。一度倒れた人間が一歩を踏みだす瞬間に触れる 美しい短編「草にすわる」「花束」「砂の城」「大切な人へ」「七月の真っ青な空に」を収録。 解説・瀧井朝世
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Posted by ブクログ
久々の白石一文氏の本で其々男女の絡みを交えた短編集。 どの内容も最後は男女間の折り合いを付けてちょっとした幸せを感じる話で良かった。
主人公はみな一様に人生に行き詰まっていたり理解できないことが自分の周りで起こっているそんな渦中の人々で、その中でどう生きるか誰と生きるかを自省しながら結論づけていく、自省しながら誰かと生きるしかないと気づいていく過程がとても好きだった。コントラストがくっきりしている分、それぞれの感情の闇が捉えやすか...続きを読むった絶望だけではなくある種の希望を残してくれている筆者の優しさだなと思う。
最後の1編以外は、全部わかったような気になっていた男が、何にもわかっていなかったことに気づいて、前に進もうとするストーリー。 ハッピーエンドな気もするけど、すでにどうしようもないことがちょっとだけマシになっただけな気もする。 自分の美学にのめり込んで、それ以外は冷めている。一昔前の男性像ってこんな...続きを読む感じなのかなと思いました。
表題含む5作品。 草にすわる 花束 砂の城 大切な人へ 7月の真っ青な空に 人の生き方について、人の孤独について、誰かとの関わり方について、深い作品だと思いました。
みんなそれぞれ何かを抱えて、過去の楽しいことも辛いことも様々な記憶を持って生きている。 綺麗なことばかりでもなく、理不尽な思いをすんなり飲み込んで前に進めることの方がきっと少ない。 それでも、飲み込んだふりをして、納得したと言い聞かせ、次の縁に引っ張られてなんとか進む。 自分でしっかり立って自分の意...続きを読む思で前に進むのが理想だけれど、やはり何かに寄りかかって引っ張られてなんとか信じて前に行くしかない人もいると思う。
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