あらすじ
「五年間はなにもすまい」。大企業を辞めた洪治は無為な日々を過ごしているが
ある日付き合っていた彼女から昔の不幸な出来事を聞かされる。
絶望に追われた二人の間には睡眠薬の山があった――(表題作)。
なぜ人間は生まれ、どこに行くのか。一度倒れた人間が一歩を踏みだす瞬間に触れる
美しい短編「草にすわる」「花束」「砂の城」「大切な人へ」「七月の真っ青な空に」を収録。
解説・瀧井朝世
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
主人公はみな一様に人生に行き詰まっていたり理解できないことが自分の周りで起こっているそんな渦中の人々で、その中でどう生きるか誰と生きるかを自省しながら結論づけていく、自省しながら誰かと生きるしかないと気づいていく過程がとても好きだった。コントラストがくっきりしている分、それぞれの感情の闇が捉えやすかった絶望だけではなくある種の希望を残してくれている筆者の優しさだなと思う。
Posted by ブクログ
最後の1編以外は、全部わかったような気になっていた男が、何にもわかっていなかったことに気づいて、前に進もうとするストーリー。
ハッピーエンドな気もするけど、すでにどうしようもないことがちょっとだけマシになっただけな気もする。
自分の美学にのめり込んで、それ以外は冷めている。一昔前の男性像ってこんな感じなのかなと思いました。
Posted by ブクログ
表題含む5作品。
草にすわる
花束
砂の城
大切な人へ
7月の真っ青な空に
人の生き方について、人の孤独について、誰かとの関わり方について、深い作品だと思いました。