白石一文のレビュー一覧

  • 我が産声を聞きに

    ネタバレ

    他人の権利から自分を守る

    小説最終盤で書かれる主人公の独白が、作者の一番言いたいことではないかと思った。この小説がコロナ禍の中で書かれたことも注目ポイントである。
    コロナ禍では、「マスクをしない権利」と「感染されたくない権利」がぶつかった。
    本作でも、主人公夫の「人生の最期は好きな人と過ごしたい権利」が、主人公の存在意義を揺るがす。
    さて、最後まで主人公は「決断」していない。それを快く思わぬ読者の声も多数見受けられる。自分もまた、主人公をグズグズした女と見る向きもある。
    しかしそれもまた、作者の狙いなのではないかとも思う。コロナ禍では多くの人が「コロナに感染したくないのでマスクをする」ことを守り抜いたように。主人公が様

    #ドロドロ #じれったい #切ない

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    2026年01月19日
  • つくみの記憶

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    面白かったのだけれど、これってSF?
    つくみは、昔遼平を助けてくれた猫「シロ」の生まれ変わり?
    出会うべくして出会ったと思った遼平はつくみに惹かれ、結婚。
    遼平の仕事でつきあいのある会社の社長が愛した同性の美容師も、遡っていくと遼平の母のルーツと関わっていた。
    弟耕平の友人タケルの恋人は、小さな時にその美容師に命を救われていた。
    婚約者同然だったのに、あっという間につくみと結婚した遼平に傷つけられた友莉が働く高級コールガール組織の社長も「つくみ」という土地に関係があるのかもしれない。
    突然失踪したつくみを探す手がかりを得るため、母の実家「六波羅家」を訪れ、誤って古井戸に落ちてしまいその後の行方

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    2026年01月17日
  • ほかならぬ人へ

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    直木賞。
    かけがえのない人へ
    「足元の地面が固まれば固まるほど、その硬い地面をほじくり返したい衝動に駆られるのはなぜだろう?」


    恋愛において、自分と違うタイプの人に惹かれるのはとても分かる。
    でも、自分と似ているタイプの人といるのが自然なような、決められたことであるような気がして逆らえない。
    どっちと一緒にいても自分を肯定しなきゃいけないから、自分の中で、言い訳を並べて
    自分を騙して、これは正しいことなんだと思い込んで。
    地面は固くなればなるほどほじくり返したくなるよね〜それってすごく自然なこと。
    悪なんだけど、悪ではない!って正当化してあげたい。
    正当化してあげたいのに、最後アンハッピー

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    2025年08月30日
  • 光のない海

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    派手なエピソードはないのに、物語に引き込まれた。
    おそらく、主人公の世俗を半分捨てたような世捨て人的な目線が今の自分に合ったのだろうと思う。
    10年くらいあとに再読したい。

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    2025年07月22日
  • 一億円のさようなら

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    初めて読む作家さんだったが、個人的には大当たりだつた。

    莫大な遺産の存在を隠していた妻、恋愛問題について隠していた子どもたち、そして会社で受けた不当な扱い。

    そんな人生が何もかも嫌になり、主人公は人生をリセットすべく新天地で事業を始める。

    長く生きていると人生ではいろいろなことがある。
    人間関係とは煩わしいモノであり、人の気持ちを思うように操ることはできない。

    度々登場する逆境の中で、主人公はあらがうでもなく、従うでもなく、まさに現代のガンジー如く孤独に、しかし強く自分の道を切り開いていく。

    一本筋が通ったその生き方と、場所場所でのリアルな情景描写が相まって、物語は最後まで鮮明な解像

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    2025年07月12日
  • 一億円のさようなら

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    妻が隠していた莫大な遺産の事実を知って、これまでの全てがひっくり返しまった夫が人生をもう一度作り変えるところがよかった。
    お金はそこまで重要な存在ではない。お金に振り回されてしまうことが最も愚かで切ないことであると学ばされた。

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    2025年07月05日
  • つくみの記憶

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    遼平は長年付き合っている彼女がいるにもかかわらず、つくみに出会った時自分に会いに来たと感じた。+建設会社営業の仕事の裏側

    白石一文らしい傑作。最近あまり面白くないなと思ってたけどこれはいい。脇役を絡めたストーリー展開など読みどころ沢山。

    (子供の頃、自分の命を救ってくれた◯◯がつくみであるかどうかというスーパーナチュラル話が白石らしい。そっちも嫌いではないが、それ以外が意外と面白い)

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    2025年06月26日
  • 一億円のさようなら

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    結婚して20年の妻が手付かずのまま48億の遺産を黙って持っていたというところから始まる。

    自分ならどう思うだろう、どうするだろうと色々考えながら楽しく読めた。
    それと同時にお金だけじゃない様々な価値や人との繋がり、面倒ごとなどが人生を彩り形作ると改めて気づく。

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    2025年06月17日
  • ほかならぬ人へ

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    ネタバレ

    東海さんがすごく好きです。明夫が感じた東海さんのいい香りを想像してはときめきました。
    東海さんが明夫にとって、ほかならぬ人である。その証拠に彼だけが感じた香りがあるって、すごく素敵だと思いました!

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    2025年05月26日
  • ほかならぬ人へ

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    ベストの相手の証拠...難しい。
    ほかならぬ人 かけがえのない人 に出会えるってとても素晴らしい事だと思う。
    出会うまでに試練?苦労があるかもしれない。しかしそんな人に出会えれたら苦労も乗り越えて笑えるようになるのかも。
    ほかならぬ人のお話で、主人公がその人に出会えた事 本当に嬉しく思った。まさかの最後にとても悲しみを感じた。
    もう一つのお話には最初とても嫌な気分だったけれど、読み進めるうちに二人の関係性に引き込まれていった。
    最後の展開にはどう気持ちを治めたらいいのか‼︎と登場人物になりきってしまっていた。

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    2024年07月27日
  • Timer

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    人生とは我とは何なのか。
    まずは胡蝶の夢を思い出した。
    器が蝶であってもカヤコさんであっても見た夢(人生)は我のものなのか。起きた出来事に意味をつけたら、夢枕漠の晴明の言うところの呪、またはラベリングしたら、思考として形になったらそれがその人の生きた、その人の視点の人生なのだろう。
    幻想と言ってしまえばそれまで。他者からみたら全く違うように見えるのだから。
    冒頭の記憶のベンチは新しいエネルギーが存在する場所でカズマサさんの胡蝶の夢が見られる場所なのかな?

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    2024年07月18日
  • ほかならぬ人へ

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    本当に出逢えてよかった。
    ベストの相手を見つけられることは宝探しのようなんだ。納得。
    「たからさ、人間の人生は、死ぬ前最後の1日でもいいから、そういうベストを見つけられたら成功なんだよ。言ってみれば宝探しとおんなじなんだ。」
    今の自分に言われているようで、共感するたびになんとも言えない感情が押し寄せてきた。

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    2024年05月08日
  • ほかならぬ人へ

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    一つ目の話は途中からしんどくて何度か読めなくなりました。久小説読んでて久々にこんな涙流したー。心にずしんと響いてくるものがたくさんつまってます。

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    2024年02月09日
  • ほかならぬ人へ

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    『ほかならぬ人へ』
    華麗なる一族の中で「生まれそこなった」と思っている、宇津木明生。先祖は巨大財閥で、父は大学教授、母は大病院の創業家の長女、伯父は宇津木製薬グループの社長である。長兄も次兄も成績優秀で大学の研究者。
     ところが、明生だけが、小学校時代から成績が振るわなかったが、先祖が日大の前身の学校の創立者であったという縁で、日大の附属中学から日大へ進み、大手スポーツ用品メーカー、YAMATOに就職した。側から見れば「大企業に就職した」と言えるのだが、普通のサラリーマンになったのは宇津木家では初めてだった。
     明生は兄達のように優秀でなくてもおおらかな家族に包まれ、優しく何不自由なく、育っ

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    2024年01月22日
  • 不自由な心

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    『不自由な心』白石一文

    5作品の短編?中編?作品集。

    どうして私は白石一文の作品にこんなに吸い込まれてしまうのだろうといつも思う。

    本作は特に。

    「家族を蔑ろにし、不倫を繰り返す、仕事のできる男」たちの物語。
    言ってしまえばただそれだけ。
    不倫男がうだうだと言い訳を繰り返しながら周りを振りまわし傷つけるだけのお話。にも見えてしまうのに。

    共感でもないし同情でもないし、なんだろうな少しだけ共感性羞恥のような。
    もちろん不倫が美化されているわけでもない。

    主人公が全員頭が良いので、ロジカルに自分の行動を分析できていて、不倫もデキる男の嗜み、くらいに思っていたはずなのに、突然「真実の愛」

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    2023年10月09日
  • 神秘(下)【毎日文庫】

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    末期の膵臓ガンで、余命1年を告げられた敏腕編集者。昔に電話で話した、病を治すという女性を探して神戸に引っ越す。離婚した元妻との関係に悩み、ガンに悩み、宗教に救いを求め、やがて女性にたどり着くと、元妻との出会いから、離婚の原因になった、少女の死まで、運命の輪の中あった。
    偶然もここまで行くと見事。ガン、余命宣告に関する考察が面白い。
    白石一文は面白い。長いけど、ほぼ二日で読破。
    読書って楽しい。

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    2023年08月06日
  • 見えないドアと鶴の空

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    最初、いつもの優柔不断な男性主人公を中心とした不倫ものかと思ったら、まさかのオカルト・ホラー展開。
    超能力者も死霊も出てきて、まさにトンデモなストーリー。
    しかしオカルト展開の中でも愛や性愛、人間とは、というテーマを不自然さなく盛り込めるのは、やはりこの著者、只者ではない。

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    2023年07月12日
  • 私という運命について

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    ネタバレ

    確か30代後半に読んだ記憶がある。
    主人公と同じ世代だったので、感情移入してしまい、悲しい出来事が起こる度に泣いてしまった。
    運命ってなんだろう。どうして幸せはみんな平等じゃないの?悲しいことがあったとき、乗り越えた先に嬉しいことが待っているんだと信じてきたけど、それは死ぬまで繰り返されるのかな。自分で運命を選んで行って、宿命から逃れられるのかな。今までの人生と、これからのことを、色々考えさせられる一冊。
    最後のシーンで号泣。
    生まれ変わって会いに来てくれたと信じたい。

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    2023年07月01日
  • 一瞬の光

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    白石一文さんの本はこれが初めて。
    カバー買いです。
    泣きました、かなり。
    幸せの感じ方は人それぞれで、価値観が違えば一緒にいられなくて。誰かを傷つけてしまうとしても、変えることができなくて。
    どうしたら良かったんだろう、これで良かったのかなぁと、読後考えてしまいました。一瞬でも2人に光が射すのかなぁって。
    特に最後のシーンが切なくて、忘れることができない1冊。

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    2023年07月01日
  • 見えないドアと鶴の空

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    白石さんぽい方向に行きましたね。
    人間てなんでそうやって運命の人とくっつくのかを長々描いている感じ。

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    2023年02月12日