白石一文のレビュー一覧

  • 一瞬の光

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    これが白石さんのデビュー作かぁ…という感じ。(良い意味で)
    内容重め、香折のことイマイチ好きなれない、でも先が気になって一気読みだった。
    読後感もよくないけど、なぜか惹きつけられるのが白石作品。笑

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    2020年07月29日
  • すぐそばの彼方

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    デビュー作で代表作の「一瞬の光」より良かった。「一瞬の光」では社内抗争の話が面白く、恋愛の方はなんというか、例えば大学生が「愛とは何か」を友達とだべってるのを聞くようで全く面白くなかった。本書では政治抗争についての部分が「一瞬の光」に於ける社内抗争の部分よりも分量が多く、愛の方の分量が比較的少なく、却ってそちらにも感情移入出来た。

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    2020年07月22日
  • 記憶の渚にて

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    なんかまたすごく重くて不思議なものを読んでしまった。

    長い。咀嚼できてない。

    記憶、輪廻、新興宗教、治癒能力、アトピー、てんかん、拒食症、ビーガン、もりもり盛りだくさんスピリチュアル系。

    ひたすら長くて登場人物もやたらと出てくるのに全く飽きさせない書き方はすごいと思う。

    記憶は自分の内部に存在するのではなく、外部に大きな海のようなものとして広がっている。

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    2020年07月14日
  • 私という運命について

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    29歳から40歳という女性の生き方に変化が大きい時の中で亜紀という女性の波乱万丈すぎる。物語の中で社会情勢や事件、災害なども盛り込まれていて年齢的に同じ時代を思い出しながら読んでしまった。元週刊誌記者という著者だということにも納得。哲学的な文章だったり、時系列が分からなくなって読み返したりも苦ではなかった。亜紀という女性の人生の中で一番濃い10年がこの物語で語られている。それでも40歳以降の人生はまだまだ長いはず。

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    2020年05月16日
  • 一瞬の光

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    ネタバレ

    社内抗争の荒波と、虐待を受けた過去をもつ女性との交流の中で自分を見つけていく。
    大事が起きたとき、なぜ私がことにあたらないでおられようと考える、その意思こそが人間の道徳観念を形作ってきた、という一文が心に刺さった。
    誰かに大切にしてもらうことを良しとする事が自分自身を大切にすることにつながり、人を大切にする中で自分を見つけ出していく。

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    2020年04月30日
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

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    短編だけれども白石一文がぎゅっと詰め込まれた再生の物語だなと思った。
    解説で、パートナーを亡くした編集者の方(中瀬ゆかりさん)へ贈ったものだと知って納得。
    とても優しくて包み込むような文章だったから。彼の作品はどれも優しい物語なのだけれど、文章からそれを感じることはあまりなかったから。


    物語の終盤、芹澤と珠美は明らかに救われ、再生されるのだけれど、では何から救われたのか、については明確ではない。(出来事としてはあのことがかっかけでそれは明確に描写されているけれど、そのことが2人の心に明確なダメージを与えたとは思えなかった)
    人は日々、傷付き、恐れ、挫け、そして日々、癒されてゆく。

    芹澤と

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    2020年04月20日
  • 翼

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    改めて白石作品好きだって思った。
    何冊か白石作品を読んで思ったのは女性目線の作品に心揺さぶられる。
    共感できる部分やハッと気付かされることが多く胸にストンと落ちる。
    (以前読んだ男性目線の作品はイマイチ共感できなかった笑)
    本作についても朝子の手紙、里江子のラストに向けての気持ちの変化に自然と寄り添うように読んでいる自分に言葉では上手く言い表せない心地良さがあった。
    読後感はいつもちょっぴりさみしい気持ちになる。

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    2020年04月11日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    一貫して癪に障る主人公だったが自分の壊れている部分を肯定してくれている存在のようで、無性に安心した。壊れている部分は誰しもが持っている。持っていていい。

    彼には安心して帰れる場所が必要な気がする。幸せになっていいんだよと言ってあげたい。そして幸せになってほしい。主人公の人生を反面教師に、私は壊れている部分を持ちながらも楽しい人生を送りたいと思った。

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    2020年04月08日
  • 永遠のとなり

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    実は読むの2回目
    最近出た白石氏の新刊を読んでもう一度
    読みたくなり再読。
    鬱病になった主人公と癌を患った親友が
    東京から故郷福岡に戻った日常生活を描いた作品。
    幼馴染むの二人の距離感がなんとも言えず良い。
    この作品の二人と同世代の年齢の私は
    凄く共感出来る部分もあり、
    逆に毎日仕事に追われる身としては
    自分の時間がある主人公を羨ましく思うところもある。
    白石氏の作品の中で1番好きな作品。

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    2020年04月05日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    「眠気が眠る面白さ!徹夜本」の帯に強く惹かれて手に取りました。正直なところ、任侠ものの美学には全く興味すら持ち合わせていない私がこの煽り文句にあえて挑んだ代物ですが、エンターテイメントというよりもファンタジーとしか言いようのない話に何度となく読むのを止めようとしました。
    とどのつまりは面倒を見てやった弟分に裏切られて車ではねられて死んで終わるクチだろう、と思っていただけに終盤の下りは読んでて苦痛でした。
    鼻についたのはそこだけで、読後の余韻とともに巻末の解説を読んだとき、ああそうか、これは往年のテレビドラマ「赤いシリーズ」のようなわかりやすいプロットのドラマチックな演出を極めたものだったんだな

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    2020年04月05日
  • 翼

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    9年前に別社で出版されたものを既読であったのをすっかり忘れて読んでしまったことに登録して気づいた。前回は「世の中の社会人はこんな七面倒臭いことを考えて生きてるのか?」って言ってたのに、今回はその七面倒臭い語りをフムフムと読み入っていた。己の加齢を感じる。

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    2020年03月24日
  • 永遠のとなり

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    自分が虚ろな状態が鬱ではないか。未来の病気や過去の男出入りのことへの嫉妬、ましてやいま目の前の人に対して、天涯孤独な下枝を選ぶなど、自分のことばかり欲しがる。すべては己がつくりだした幻で、その幻に苦しめられる。いまだって、本を読んでいなければ、ぼくの中にできた心の隙間に幻が入り込んできて、自分を保てなくなってしまう。本に向き合ういまでさえ、君はどの文で泣き、笑い、励まされたのか思いを馳せてしまう。いつでも、どこでも、その気になれば情報を得られる現代、死を身近に感じることが減り、あきらめきれないことが多すぎる。生きること、死ぬこと、愛すること、愛されること、いつ、どこで、自分もどうなるか分からな

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    2020年03月19日
  • 一瞬の光

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    ゼミ課題の用例探しで適当に取った一冊。
    用例だけ探そうと思って読み飛ばししてたんだけど、内容がなかなか面白くて(てか斬新で)途中から要点だけ読むようになりました


    東大卒のエリートサラリーマンが、ある短大生との出会いを通して本当に大事なものを見つけていくというストーリー。

    最初は『なんだこの主人公』って思いました。
    事情が事情でも彼女と同棲中なのに別の女の子を自分の家に入れるって…笑
    発言がいちいちエリートすぎるし笑
    行動も高慢というか自己満というか(ラストも含め)…


    でも、だんだんと女子大生の過去が明らかになって
    兄の追跡を受けていくうちに
    『こんなの現実にあったら…』と思わされ

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    2020年03月17日
  • 記憶の渚にて

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    数ある白石作品でも「見えないドアと鶴の空」系のちょっと不思議系な内容の作品ですが、二部後半三百九十六頁あたりと三部八項に題名にもなっている「記憶」に関する作者の論考が非常に面白いです。「どれくらいの愛情」に収録されている「ダーウィンの法則」でも主人公の所見の程で「セックスレス」に関して白石一文先生の論考が語られています。こういう書き方って面白いです。絶対的な答えのない命題に対して自説を、自身が綴る物語に織り交ぜて紡いで作品に仕上げるなんて四苦八苦していても書きながら笑っていそうです(笑)
    三分構成の物語で一部はこれまで通りの白石作品ぽい感じ、二部では主人公も変わり横溝ミステリーテイストな味付け

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    2020年02月27日
  • 火口のふたり

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    映画を見て気に入ったので原作を手に取ってみた。

    刹那的な享楽を超えた、男と女の本能のお話。
    目の前に迫る現実的なあれこれも、本能の前には全て掻き消えてしまう。
    その感覚にはすごく共感出来た。
    性描写と食事のシーンを何度も見ていると、生きるというのはこういう事なのだと思わされる。
    福島原発の話は必要以上に出しすぎではないかと感じた。2人だけの世界が中心の作品の中にあって、少し異物感があった。
    青春時代に「セカイ系」という言葉が流行してそれなりにそういう作品を目にしていたので、やや突拍子もなく思える二人の世界とカタストロフィという構造自体はすんなり入ることが出来た。
    全体としてはやはり好きな作品

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    2020年02月26日
  • 翼

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    白石一文さんの作品、初めて読みました。

    愛、人生、運命の人。
    それぞれの表現がびっくりするほど腑に落ちる。

    「誰かの不幸を前提にした幸福なんて、この世界に存在できるはずがない…」と言うりえこ。

    「僕たちの人生はだれかを不幸にしないためにあるわけじゃないよ…」と、岳志。

    「最も大事なことは、この人が運命の相手だと決断すること」岳志。

    「きみだけがずっとそばにいてくれるのなら、それでもいいんじゃないか」岳志とりえこ。

    良いとか悪いとかではなくて、言葉にできない思いを持ってる人ってきっといると思う。
    決断かぁ…

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    2020年02月22日
  • 永遠のとなり

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    「永遠のとなり」と言う題名は二人の男の生き方ばかりでなく、理想と現実、自由と束縛、健康体であった過去と、現在の病身、故郷と異郷、もろもろに反するものを自己の中に抱えて生きる人間の象徴かとも思える。

    <青野精一郎>
    大学入学と同時に上京して、東京の大手損保会社に入った、花形部署にいたが、合併とともに片隅に追いやられ、部下の自殺の責任も感じてうつ病になる。退職後は離婚して故郷の福岡に帰る。
    <津田敦>
    大学卒業後は東京にとどまって起業したが、肺がんに罹り事務所をたたみ、二度目の離婚後福岡に帰郷する。
    初めての手術が成功し、抗癌治療も効果があったが再発、二度目の手術後に福岡で再婚したが、

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    2020年01月22日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    不思議な能力をもった椿林太郎という人物にとにかく魅了された一冊。
    頭脳明晰で抜群の成績をおさめていながらも、幼少時の体験から教育者の道にすすんだ彼は、霧子という女性と出会ってあっという間に結婚をきめてしまう。
    その二人のその後を追うようにストーリーはすすんでいく。

    学習障害やアスペルガーなど、認知に偏りがある子どもたち一人一人に寄り添った教育を施そうとする椿林太郎は、教師の鑑そのものでした。型通りの授業や決められたプログラムをただこなすだけでは、そういった子どもの潜在的な力を引き出すことは決してできない。
    "人間は一人一人持っている時間が違う"という彼の自説には目の覚める

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    2020年01月10日
  • 私という運命について

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    細川連立内閣が成立した1993年。
    男女雇用機会均等法の成立で女性総合職のトップバッターとして、大手情報機器メーカーに入社した冬木亜紀は29歳だった。
    かつて交際しプロポーズまで受けた相手、佐藤康が、亜紀の後輩と結婚することとなり、亜紀はふたりの結婚式に招待されるも出席を迷っているところから物語は始まる。
     「雪の手紙」29歳、「黄葉の手紙」33歳、「雷鳴の手紙」34歳、「愛する人の声」37歳。そして40歳を迎えての2004年10月23日まで、私たちは亜紀という一人の女性の人生を追っていくことになる。
    読みながら、幾度も"運命"という言葉にふれ、幾度もその"運命&

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    2020年01月08日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    新たな作家さん発掘のためタイトルに惹かれて手にとった。
    初めての白石作品。
    いつの間にか惹き込まれ気がついたら読み終わってた。
    こういう感じ好きかも。
    ラストはちょっとモヤッとしたけど逆にそれが良いような気もしてきた。
    作家さん発掘は大成功!
    他の作品も読んでみよー!

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    2019年12月17日