白石一文のレビュー一覧

  • 一億円のさようなら

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    ネタバレ

    ドラマ途中で読破
    ドラマは上川隆也さんだったので、原作主人公のような時には狂気する部分はまったくなかった。そのイメージのせいか、いくら裏切られた感があっても、なにも言わずに家族を捨てて家を出たり、娘が出産したことも連絡しなかったり、子供から連絡しなかったり、ちょっと考えられない。ラストも、なんだよ、結局金で屈服させたのかよという気持ちにならなくもなく、不完全燃焼。

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    2020年11月23日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    本を閉じてから
    否定できない部分があったから
    少し自分を心配した

    この世の中はたしかに歪んでるけど
    それでも私は
    笑ってまっすぐに生きていきたい

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    2020年10月20日
  • 火口のふたり

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    ぐずぐずな人生
    過去に濃密な関係があったから、
    やけになってもまだ続けられるのかな
    美味しそうな料理
    こんなセックスできる相手は、いたら大変なんだろうな…

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    2020年09月30日
  • 私という運命について

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    亜紀の29-40歳までが語られる。わたしは27歳だから、これから歩んでいく道なのかなと思いながら読んだ。
    女性の10年って、すんごく濃密なんだ。特にこの結婚、出産が絡む年代は。
    運命の赤い糸を信じるほどロマンチストではないけど、こういうお話も悪くない。本みたいな綺麗な愛情が本当にあればな、とは思う。

    にしても登場人物みんな手紙書きだかりだし、うまいこと手紙書くよねえ。それも時代?今だったらLINEかメールなのか。手書きの手紙の方が味があるのは間違い無いけど。

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    2020年09月27日
  • 翼

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    私たちは手にした幸せより先に死ねれば、それが最高の人生なんでしょうね。

    俺たちは他人の心の中に自分という手紙を配って歩く配達人にすぎないのかもしれんなあ。配達人が郵便受けに差し込む手紙の中身を知らないように、俺たちも自分がどんな人間なのかちっとも知らずに、それを丸ごと人に預けてるだけなのかもしれん。

    人間は智恵や理性では絶対に行動しないからね。例外なく感情のままに行動する。

    僕たちの人生は誰かを不幸にしないためにあるのではないよ。愛する人を幸せにし、自分自身が幸福になるためにあるんだ。

    運命の相手とは出会うだけじゃきっと駄目なんだよ。最も大事なことは、この人が運命の相手だと決断すること

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    2020年09月11日
  • 愛なんて嘘(新潮文庫)

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    しとしと、せつない短編集。
    たしかにそこにあるのは、愛だ。

    孤独を選んでも、誰かを傷つけても。


    それぞれの物語の終わり方が、じんわり沁み入る。笑顔いっぱいのハッピーエンドではなくて、失うものや傷つけるものも多いはずなのに、それでも進んでいく。

    でも私は俗っぽいので、とつぜん別れを告げられて孤独になってしまう方の心境にどうしても寄ってしまう…
    現実世界で、そんなに簡単に人の理想を優先させられないよなあ

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    2020年08月10日
  • ほかならぬ人へ

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    細胞レベルで惹かれ合う - 白石一文「ほかならぬ人へ」 ★★★★☆

    運命が二人を導くのではなく、細胞が二人を近づけるのだ。ミツバチが花に導かれるように、その人にしか感じられない匂いがあるのだ。それを人は相性と呼び運命と感じるのかもしれない。
    全体的にしっとりとしておりしみじみと心に落ちてきます。
    個人的に2作目は主人公が好みじゃないかな。
    #引用
    ・人間はたとえ人のために死んでも、自分のために死んではいけない
    ・人は同情や悲しみ、失望なんかでは相手に対して迷惑をかけたり、その人を傷つけたりなんてできやしない。

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    2023年10月27日
  • 一瞬の光

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    これが白石さんのデビュー作かぁ…という感じ。(良い意味で)
    内容重め、香折のことイマイチ好きなれない、でも先が気になって一気読みだった。
    読後感もよくないけど、なぜか惹きつけられるのが白石作品。笑

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    2020年07月29日
  • すぐそばの彼方

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    デビュー作で代表作の「一瞬の光」より良かった。「一瞬の光」では社内抗争の話が面白く、恋愛の方はなんというか、例えば大学生が「愛とは何か」を友達とだべってるのを聞くようで全く面白くなかった。本書では政治抗争についての部分が「一瞬の光」に於ける社内抗争の部分よりも分量が多く、愛の方の分量が比較的少なく、却ってそちらにも感情移入出来た。

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    2020年07月22日
  • 記憶の渚にて

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    なんかまたすごく重くて不思議なものを読んでしまった。

    長い。咀嚼できてない。

    記憶、輪廻、新興宗教、治癒能力、アトピー、てんかん、拒食症、ビーガン、もりもり盛りだくさんスピリチュアル系。

    ひたすら長くて登場人物もやたらと出てくるのに全く飽きさせない書き方はすごいと思う。

    記憶は自分の内部に存在するのではなく、外部に大きな海のようなものとして広がっている。

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    2020年07月14日
  • 私という運命について

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    29歳から40歳という女性の生き方に変化が大きい時の中で亜紀という女性の波乱万丈すぎる。物語の中で社会情勢や事件、災害なども盛り込まれていて年齢的に同じ時代を思い出しながら読んでしまった。元週刊誌記者という著者だということにも納得。哲学的な文章だったり、時系列が分からなくなって読み返したりも苦ではなかった。亜紀という女性の人生の中で一番濃い10年がこの物語で語られている。それでも40歳以降の人生はまだまだ長いはず。

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    2020年05月16日
  • 一瞬の光

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    ネタバレ

    社内抗争の荒波と、虐待を受けた過去をもつ女性との交流の中で自分を見つけていく。
    大事が起きたとき、なぜ私がことにあたらないでおられようと考える、その意思こそが人間の道徳観念を形作ってきた、という一文が心に刺さった。
    誰かに大切にしてもらうことを良しとする事が自分自身を大切にすることにつながり、人を大切にする中で自分を見つけ出していく。

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    2020年04月30日
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

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    短編だけれども白石一文がぎゅっと詰め込まれた再生の物語だなと思った。
    解説で、パートナーを亡くした編集者の方(中瀬ゆかりさん)へ贈ったものだと知って納得。
    とても優しくて包み込むような文章だったから。彼の作品はどれも優しい物語なのだけれど、文章からそれを感じることはあまりなかったから。


    物語の終盤、芹澤と珠美は明らかに救われ、再生されるのだけれど、では何から救われたのか、については明確ではない。(出来事としてはあのことがかっかけでそれは明確に描写されているけれど、そのことが2人の心に明確なダメージを与えたとは思えなかった)
    人は日々、傷付き、恐れ、挫け、そして日々、癒されてゆく。

    芹澤と

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    2020年04月20日
  • 翼

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    改めて白石作品好きだって思った。
    何冊か白石作品を読んで思ったのは女性目線の作品に心揺さぶられる。
    共感できる部分やハッと気付かされることが多く胸にストンと落ちる。
    (以前読んだ男性目線の作品はイマイチ共感できなかった笑)
    本作についても朝子の手紙、里江子のラストに向けての気持ちの変化に自然と寄り添うように読んでいる自分に言葉では上手く言い表せない心地良さがあった。
    読後感はいつもちょっぴりさみしい気持ちになる。

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    2020年04月11日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    一貫して癪に障る主人公だったが自分の壊れている部分を肯定してくれている存在のようで、無性に安心した。壊れている部分は誰しもが持っている。持っていていい。

    彼には安心して帰れる場所が必要な気がする。幸せになっていいんだよと言ってあげたい。そして幸せになってほしい。主人公の人生を反面教師に、私は壊れている部分を持ちながらも楽しい人生を送りたいと思った。

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    2020年04月08日
  • 永遠のとなり

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    実は読むの2回目
    最近出た白石氏の新刊を読んでもう一度
    読みたくなり再読。
    鬱病になった主人公と癌を患った親友が
    東京から故郷福岡に戻った日常生活を描いた作品。
    幼馴染むの二人の距離感がなんとも言えず良い。
    この作品の二人と同世代の年齢の私は
    凄く共感出来る部分もあり、
    逆に毎日仕事に追われる身としては
    自分の時間がある主人公を羨ましく思うところもある。
    白石氏の作品の中で1番好きな作品。

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    2020年04月05日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    「眠気が眠る面白さ!徹夜本」の帯に強く惹かれて手に取りました。正直なところ、任侠ものの美学には全く興味すら持ち合わせていない私がこの煽り文句にあえて挑んだ代物ですが、エンターテイメントというよりもファンタジーとしか言いようのない話に何度となく読むのを止めようとしました。
    とどのつまりは面倒を見てやった弟分に裏切られて車ではねられて死んで終わるクチだろう、と思っていただけに終盤の下りは読んでて苦痛でした。
    鼻についたのはそこだけで、読後の余韻とともに巻末の解説を読んだとき、ああそうか、これは往年のテレビドラマ「赤いシリーズ」のようなわかりやすいプロットのドラマチックな演出を極めたものだったんだな

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    2020年04月05日
  • 翼

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    9年前に別社で出版されたものを既読であったのをすっかり忘れて読んでしまったことに登録して気づいた。前回は「世の中の社会人はこんな七面倒臭いことを考えて生きてるのか?」って言ってたのに、今回はその七面倒臭い語りをフムフムと読み入っていた。己の加齢を感じる。

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    2020年03月24日
  • 永遠のとなり

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    自分が虚ろな状態が鬱ではないか。未来の病気や過去の男出入りのことへの嫉妬、ましてやいま目の前の人に対して、天涯孤独な下枝を選ぶなど、自分のことばかり欲しがる。すべては己がつくりだした幻で、その幻に苦しめられる。いまだって、本を読んでいなければ、ぼくの中にできた心の隙間に幻が入り込んできて、自分を保てなくなってしまう。本に向き合ういまでさえ、君はどの文で泣き、笑い、励まされたのか思いを馳せてしまう。いつでも、どこでも、その気になれば情報を得られる現代、死を身近に感じることが減り、あきらめきれないことが多すぎる。生きること、死ぬこと、愛すること、愛されること、いつ、どこで、自分もどうなるか分からな

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    2020年03月19日
  • 一瞬の光

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    ゼミ課題の用例探しで適当に取った一冊。
    用例だけ探そうと思って読み飛ばししてたんだけど、内容がなかなか面白くて(てか斬新で)途中から要点だけ読むようになりました


    東大卒のエリートサラリーマンが、ある短大生との出会いを通して本当に大事なものを見つけていくというストーリー。

    最初は『なんだこの主人公』って思いました。
    事情が事情でも彼女と同棲中なのに別の女の子を自分の家に入れるって…笑
    発言がいちいちエリートすぎるし笑
    行動も高慢というか自己満というか(ラストも含め)…


    でも、だんだんと女子大生の過去が明らかになって
    兄の追跡を受けていくうちに
    『こんなの現実にあったら…』と思わされ

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    2020年03月17日