白石一文のレビュー一覧

  • 光のない海

    Posted by ブクログ

    修一郎さんは今まで楽しいと思ったことがあるんだろうか?
    淡々と語られる言葉に流れを感じるけれど熱は感じにくい。
    海の光を追っていってしまった妹……彼の海にはほんとうに光がないのだろうか。

    0
    2018年06月26日
  • 光のない海

    Posted by ブクログ

    ある人から見れば光がない世界だけど、ある人から見ればそれが光であって、そうやって関係が紡がれていくのだろう。
    #光のない海 #白石一文 #読書記録

    0
    2018年05月21日
  • 翼

    Posted by ブクログ

    田宮 七回忌 西新宿 ダイオード 西鉄久留米駅 天神 中洲 四十九日 矢萩典弘 九電工 浜松光学 発覚の仕方が余りにも陳腐で滑稽だった タイに撮影旅行に出かけた 包丁 針金 消えてくれよ のぞみ 人は故郷を捨てるのではなく、こうやって失くしていくのだ。 小倉 阿佐ヶ谷 えぼだい 山崎の18年 子供や孫に目がない連中ほど、他の生き物には冷淡だな 浜山田 カラス 人の死は関係者全員の死をもって完全な無になるのかもしれない 太陽さん 理想の父親像 ロイヤルホスト 営業日誌 長谷川岳志 サモサ キングフィッシャー インドで一番のシュア ネグラモデロ コクのありそうなメキシコのビール 百人町のうまいイン

    0
    2018年03月11日
  • 愛なんて嘘(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    白石ワールドが大好きな私にとっては、短編はちょっと物足りない気がした。
    解説にもあったが、「舵を切ったその先は描かれない」ため、一遍ごとに主人公たちの新たな道のりを大いに想像することを繰り返した、が、私は白石ワールドならどうなるのかが知りたかった。

    娘時代も、結婚後も、本当に自分は平凡で変化のない人生を送っているなと実感しつつ、だからと言って果たしてこの登場人物たちのような転身がしたいかと聞かれたら…?
    それでも、一つ一つ過去を振り返ると、本音を隠してきたこともあるし、余計なことを聞かないでやり過ごしたこともあったから、あの時…?と考えればもしかすると私にもドラマティックな人生があったのかも

    0
    2018年02月13日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

    Posted by ブクログ

    極めて白石一文の作品らしいと、ホームに突っ立って夢中で読み進める。最後の数ページに驚かされ、脳内で巻き戻し。表紙まできて、つながる。震える。
    白石一文は、時間と自分に強烈に向き合っている作家なのだろう。複数の小説で表現される、本物の時間、というやつ。
    #彼が通る不思議なコースを私も #白石一文 #人間は自らの意志の力できっと運命を変えることができる #そんなふうに贅沢に前よりもさらに賢明に #本物の時間

    0
    2018年01月26日
  • 愛なんて嘘(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    不思議なくらいあっさりした一歩、あっさりした別れ。ここにいる意味なんて、自分が勝手に思いこんでいるだけで。
    #白石一文 #愛なんて嘘

    0
    2018年01月26日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

    Posted by ブクログ

    2017.6/24 1週間ほど前、行きつけの喫茶店のママがひょんな話の流れから『スキャンするとその人の寿命や過去未来の生き様が見えてしまう友人がいる』と聞き、目に見えないものは亡き父の霊くらいしか信じない私には受け入れ難かったところで何気に読んだらそんな話で驚いた。でも著者の現代日本の教育への認識は頷けるものがあり、"見える"人がこのようなサポートをしてくれたら生きにくい子どもたちにどれだけ有難いことかと夢想した。

    0
    2018年01月09日
  • どれくらいの愛情

    Posted by ブクログ

    4編の短編集で愛がテーマとなる作品。どれも愛を追い求めるが故、たとえ歪んだ情事でも対峙しながら幸せになろうとする。世の中不倫や裏切りなど、がっかりさせられることが多いのだが、この作中の登場人物たちはそれに支払う代価が多いと感じる。器用に生きていそうで実は不器用な部分はもはや同情の気持ちさえ芽生えた。

    0
    2017年12月22日
  • どれくらいの愛情

    Posted by ブクログ

    上司にお借りした本。先日著者の別タイトルを読んで、
    「面白いんやけど、重かった・・・」
    と、思ったので(@「私という運命について」)、同時にお借りしていたこの本を読むのはちょっと後回しにしよう、と、別の本を読んでいたのだけど、いい加減返さないとあかん・・・、ちゅうことで、連休に挑戦してみました。

    ほしたら、ビックリのイッキ読み。あっ、こっちのほうが面白いわ。
    こっちのほうが好きやわ。
    こちらのタイトルは「恋愛小説集」らしいねん。こんなビターな恋愛小説集って、ある(笑)?
    また、並行してアルファポリスのエタニティブックスを読んでますやん。
    向こうと比べると、恋愛色の薄いような、ビターすぎるよう

    0
    2017年10月27日
  • 翼

    Posted by ブクログ

    淡々とした語り口ながら、読む手を引っ張られる引力のある作品。
    後半の独特な主人公の感性に疑問を覚えはするが、その疑問こそが物語の根幹になっているのだと思う。(考え方は人それぞれなので)

    運命の人、という題材が素敵だった。

    0
    2017年10月11日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下

    Posted by ブクログ

    中村一文が書く人の一生についての話。今個人的にこの小説みたいなことばっかり考えて生きてるので、すごく身につまされる話だった。どこかのコミュニティに属していると、他人の利権争いや、他人の打算ありきで話をもちかけてこられて、すごくやりづらい。でも主人公が言っていた「必然」を意識する生き方は面白いので、俺も見習おうと思った。白石一文の書く主人公は皆、社会的に成功していて、お金にも困っていないけど、ひどく生きづらそうだ。この人の小説を読み終わったら、皆一様に生きづらさは抱えているんだなあと少し安心する。

    0
    2017年10月09日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下

    Posted by ブクログ

    これぞ白石一文というくらい、人生への考察に満ちた濃厚な小説だった。

    過去も未来もない、あるのは現在だけだということ。
    必然に従って生きるということ。

    でも必然というのは誰がどうやって決めるのだろう。「必然だから仕方ない」という逃げ道になってしまわないだろうか。人生を大切に生きているようでいてどこか割り切った感じを主人公に覚えた。

    それにしてもここまで主人公たちに「思考」させる小説も珍しい。引用の多さには少々辟易とさせられた。
    それでもこの小説をクオリティを保っていられるのは白石一文のなせる業だと思う。

    0
    2017年08月05日
  • 砂の上のあなた(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    親と子、生と死、人の縁。なんつーか最初はただの妊活不倫恋愛物と思って読み始めたけど、後半どえらい重いことになってて、それはそれで面白かった。何ぼ何でもな登場人物たちの絡まり合いだったけど、まあそこは物語。女性視点の心理描写や男性批判が秀逸で、最近女性のものの見方を(あくまでも本からではあるが)学ぶことが多かったのだけれど、これまた新鮮な視点だった。後書き読んだら著者は樋口毅宏のデビューなんかにも絡みがあるみたいで、ふんわり樋口ファンとしては色々繋がりを感じられて親近感。別の本も読んでみたいけど、読むのにパワーが要るだろうなあ、この人の本は。

    0
    2017年07月19日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

    Posted by ブクログ

    生と死と愛と、筆者が今の時点での考えをまとめた小説らしい。
    この本を読むに当たり、「男と女」「仕事と愛」とかそういうベタな恋愛ストーリーのキーワードを持ってきてはいけない。でないと、イライラ度がMAXになって放り投げる羽目になる。
    この本は著者の、互いが互いを尊重し、愛し合う世界が理想だというメッセージが込められているのだろうか。
    ラストは著者も決めかねているように思う。今はまだ考え途中。
    著者の行きつく先が楽しみだ。

    0
    2017年07月15日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下

    Posted by ブクログ

    真理の追求の果てに心の解放が見えてくる。
    難しい引用による読みにくさも有り、一枚一枚の話の積み重ねが、まるで修行のようだったが、この小説の中には、心に残しておきたい一節が沢山あった。誰でもがきっと一生のうちで響く時がくる気がする。自分も、余命がわかった時にもう一度読み返したい。そんな小説だった。とても良かった。

    0
    2017年05月09日
  • すぐそばの彼方

    Posted by ブクログ

    政治の話は登場人物と関係性を何度も見返さないとわからなくなった。心の休まる本当の愛情や自分の居場所に、まわり道をしながら辿り着くお話。ラストの善し悪しはあるけれど、自分に正直にという点だけで言えば共感出来る。「男の人は魅力を感じた女をだんだん愛するようになるけど、女は愛した男にだんだん魅力を感じるようになるの。だから男はその女に魅力を感じなくなれば愛も薄れていくけど、女は愛している限りはその男がどんなに変わっても引きずられていくの。」確かに。響く言葉でした。

    0
    2017年04月05日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

    Posted by ブクログ

    素晴らしい。感動した。
    あまりにも良すぎて一気読みしてしまった。

    最後えっ!て感じはするけど、読んでる間はずっと感動していたので良いんじゃないかな。

    この作品は何回か読みたくなるなぁ。たぶんそういう仕掛けもあるような気がする。

    0
    2017年03月18日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

    Posted by ブクログ

    生きる気持ち。
    自分が好きだってこと。
    他の誰でもない、
    とにかく自分。
    まずは自分。
    自分が自分を好きであること。

    0
    2017年02月26日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

    Posted by ブクログ

    友人の生死を決める衝撃的な現場で霧子が出会った黒ずくめの男。彼は修羅場をよそに、消えるようにいなくなってしまった。後日、霧子は男に再会し、徐々に魅かれていく。彼の名は椿林太郎。学習障害児の教育に才能を発揮し、本気で世界を変えようと目論む、抜群に優秀な小学校教師。人は彼のことを「神の子」と呼ぶ。しかし、彼にはある大きな秘密があって…。生への根源的な問いを放つ傑作長編。

    0
    2017年02月14日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

    Posted by ブクログ

    白石一文って小難しそうで、いつも敬遠しているのだけど、今回は何故か読んでみることにした。
    奇妙な物語ではあるけれど、これは結構引き込まれた。
    学習障がい児の指導に心血を注ぐ林太郎を中心に、今の学校教育やいじめ、児童虐待の問題について切り込んだ話と見たが、理想を語りながら理想論に陥らない仕掛けが施されており、読み終わった心地としては良く出来たファンタジーと受け取った。

    どうでもよいことながら、裏表紙の文章はこの本の紹介としてはちょっと合ってないような気がする。私はこれを読んで、買うのをだいぶ躊躇したんだよね。そう思うと、帯の“衝撃のラスト”も蛇足のようで。

    全然本筋とは関係ないけれど、霧子が

    0
    2017年02月11日