白石一文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み応えありました。
4作の恋愛小説集。
はじめの「20年後の私へ」は合いませんでした。
薄っぺらくて、都合がよくて、面白くないなあ〜と思って読み始めたのですが、
2作目から一転。深い深い。
あとがきでも書かれているように目に見えないものの確かさを必死で探していく感じで、
いつもはどんな小説を読んでも、自分の既存の価値観に基づいて小説の言葉を理解していきますが、
この小説を読みながら「わたしはこう思ってあってるのだろうか」と思いながら読みました。
一番好きなのはダーウィンの法則で知佳の思考を物語を通して追えるところです。
恋愛小説というのは感情や偶然みたいな見えないものがそれこそ集まって物語が -
Posted by ブクログ
下記を今朝登録したのだが、時間が経つにつれ、段々印象が上向いてきたので、評価星ひとつ増やす。
『絶望した側が、戦いに勝つことがよくある…』
『辛いときこそ、心のエネルギーを失ってはならない。人間は幼い時からその体に太陽エネルギーをたくさん蓄えてきたのだから、苦しいときこそ、それを放出して、自分の内部や周辺に渦巻いている暗黒のエネルギーを吹き消せばよい。少なくともそうイメージすることで、人間は溌剌となれるのだ…』
今、手元に本がないので、語句、文章は正確ではないが、そのような内容だった。
なぜか、その2点がじわーっと込み上げてきて、思わず修正。
表題作のほか3編。
博多弁が面白い。
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Posted by ブクログ
貧困格差なんて絶対に無くならないと薄々分かってはいたが決定づけられた気がした。芸能人が1本百万~千万単位のギャラをもらったり、スポーツ選手の年収が億単位であったり馬鹿げていると言われれば、その通りので読んでいて腹が立ってきた。TVで下らない発言しかしない芸人と朝から晩まで毎日コツコツと仕事をしている人が貰っている給料とが雲泥の差なんてよくよく考えたら可笑しな話だ。そしてお金を沢山稼いでいる人はそうでない人を見下す。極端な話、政治家で消費税が上がって生活が苦しいと私生活で日々の支出を抑えている人がどれだけいるのか?明日食べるものに困って痩せてしまっている政治家なんて見たことないし、みんなでっぷり
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Posted by ブクログ
まず、タイトルが良い。
物理的なことではなく、自分以外の人との距離感を言っているように思います。
物語は 政治の話が大半で、読みづらさもありますが、登場人物たちの会話の中での気付きは、白石さんらしいなぁと感じました。
「愛」の反対語は、憎しみではなく「無関心」という マザー・テレサの言葉。物語の中では、政治家の本質について、良し悪しを語られていますが、人は孤独でありながら それでも人によって生かされている ということを考えさせられます。
人は人との合成によって初めて奇跡を生む。人は人とつながることで奇跡となるのだ。一人一人の人生にたとえ一切の意味がなかったとしても、人間の集合には必ず意味 -
Posted by ブクログ
ネタバレ唐突な引用や不意に変わる展開が効果的で面白く、ストーリー運びの上手さと相まって最後まで一気に読ませられました。
ただ主人公の論理には非常に魅力的な部分もあれど、その偏狭さに段々頭痛がしてきます。すべての人の心に矢が突き刺さっているという前提のようで、彼の目を通すと非常に暗いサングラスをかけて世の中を見ている気分になります。他者に対する評価が大変厳しく、彼らに対する想像力や寛容性は殆どありませんが、ご自分には意外に点が甘く、持論には辻褄が合わない箇所も多々あります。結局自分の信条に固執するあまり多様性には狭量のようです。
恐らく議論を広げるため確信犯的に書いているのだろうけどそれにしても今一つ感 -
Posted by ブクログ
ネタバレ後半になるにつれて読む手が止まらず、2日で読んでしまった。読んで思ったことが多すぎるヽ(;▽;)ノ
まず、ラストがよかったです。
そして、この本を読んでいる間ずーっといらいらしてしまった。
このお話、要はメンヘラがなぜモテるかって話。
まぁ、そうなってしまった過程が過程だからメンヘラなんて言ったら失言だし、こういう生い立ちになれば誰もがそうなってしまうと思うけど、それにしても、私はこうやってずぶずぶ病んでる女にハマっていく男がほんとに嫌い。
私の周りはなんだかんだ強い女の子が多いから、瑠衣みたいに安定している子を支持してしまうのだけれど、それにしても!!!
強い女だから俺がいなくても大丈夫 -
Posted by ブクログ
今年早々に祥伝社から『ほかならぬ人へ』の文庫版が出た時には、その巻末に収録された「解説」のかなりイッちゃってるっぷりが局地的な話題になった。新潮社の編集部員が祥伝社の文庫の巻末で、肝心の小説の話はそこそこに、作家との思い出を過剰な熱量と垂れ流しの自意識とむしろオナニズム一歩手前の自己陶酔に乗せて語りまくるという、まるで違う男のところに嫁いでしまった昔の恋人に宛てた未練がましいラブレターのような、有り体に言えば新潮社作品ではなく祥伝社作品で直木賞を獲った著者に対する祝福しきれない屈折した感情の発露とでもいうような、ちょっとパンクな内容だった。当の小説の魅力もさることながら、あの「解説」だけでも一