白石一文のレビュー一覧

  • 火口のふたり

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    映画が生々しいって聞いてたので、官能小説なんじゃないかとびくびくしながら読んでいましたが、思うほどエロくなかったです。

    終末を知ったら、私も愛する人とひたすらセックスにふけるかもしれないなんて、ぼんやり考えてしまったり…

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    2019年11月01日
  • プラスチックの祈り

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    自分の認識が世界を作り上げている。
    プラスチックというある意味軽くて今風なモチーフを使うことによって、吹けば飛ぶような己の存在や世界の軽さを表現したものか。

    存在の残滓は残っているものの死んでいなくなった妻とそこにまつわる記憶をめぐる物語は二転三転して面白かったが、そのまま話を進めないのが評価の別れるところか。

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    2019年10月22日
  • 私という運命について

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    人との出会いと別れ、転勤や出世、病気や事故、災害、
    身近な人との死別、結婚…

    運命に翻弄される女性の29歳から40歳までの物語。
    白石一文さんて、女性の心理をすごく上手に描くけど、これって男性も読むのかなー。やっぱり女性の読者が多いのかな?
    自分の人生って、運命に左右されているのか?それとも自分で選びとっているのか?ということを考えさせられる物語です。自分で選びとろうと思ってもどうしようもないこともあるし、「これって運命かも!?」と直感的に感じるようなこともある。私はこれまでの自分の人生を、自分の力で選び取ってきたものだとは思わない。
    でもただ運命に流されてきただけだとも思わない。
    運命とい

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    2019年10月12日
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

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    死ぬことについての哲学のような本。

    人が死ぬこと、または、自分が死んだ後の世界。
    それは恐れることも悲しむ必要もないのではないか。
    人の死とその人の不在が同じ意味を持つとしたら、、、。

    長いこと会っていない親友の死。

    知らされる前は、彼は存在する世界なのである。
    たとえ、彼がもうこの世の中にいないにしても。

    また本筋とは少し異なるが
    主人公とかつての部下との付かず離れずの距離間が
    たまらなく私は好きだ。

    また子供を持つ持たないという価値観に触れる部分もすごく気に入っている。

    中瀬ゆかりのあとがきも含め、
    本書を包む穏やかな空気感も良き。

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    2019年10月08日
  • 永遠のとなり

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    ー どうせ生まれて生きて死ぬだけか、と胸の中で繰り返す。「生まれて」「死ぬ」のはそのとおりだが、そのあいだに挟まった「生きて」というのが厄介なのだ。 ー

    友情と絆の物語。
    面白かった。

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    2019年09月23日
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

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    中瀬ゆかりさんの解説を読んで、余韻の追い打ち。まさに、言葉をむさぼり読んだ。
    子供がいる世界とそうでない世界。
    あなたがいる場所とそうでない場所。
    生と死。

    お気に入り。

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    2019年09月15日
  • ほかならぬ人へ

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    ネタバレ

    「ほかならぬ人へ」「かけがえのない人へ」の2つの物語。「ほかならぬ人へ」主人公は明生(男)、男性視点からの純粋な恋愛小説。

    妻であるなずなの裏切りによって彼の人生は大きく変化しする。

    だが、その結果として彼は運命の人と短くも幸せな時間を過ごす。

    兄弟や幼馴染も含め、多くの人の心と心がすれ違う中、明生が見つけた運命の人である証拠(徴)は素敵な匂いであった。

    儚く、切ない物語。

    「かけがえのない人へ」結婚を控えたみはる(女)の物語。

    ほかならぬ人へがあまりにも切ない物語であったが、本作はその対局にあるような恋愛物語。

    結婚相手の中に自分を見つけられず、かつての恋人である黒木との関係を

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    2019年10月12日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下

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    上巻と同じように理屈の捏ね回しは続きつつも、物語も動き出してなかなかに面白い。ただ、突然逃亡犯を捕まえる展開になったり、政治家がスピリチュアルなことを言い出したり、意外な人の結びつきが合ったり、少し強引な雰囲気もあった。小説だからある程度は仕方ないけれど。
    良くも悪くも濃厚でてんこ盛りな一種のカオスを恐れない実験的な小説だったと思う。

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    2019年07月17日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上

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    予想と違うスタート。権力をほしいままにしてグラドルを抱く悪徳編集者かと思いきや、違う側面も次々に出てくる。そして登場人物の名前がカタカナ表記だったり(人物名が覚えにくかった)、やたらと出てくる引用文。これは小論文崩れの読み物?と思ったけれど、ちゃんと小説だった。
    出版社内の権力闘争や、自分の妻との簡単に説明しきれない尊敬と愛情と憎悪のごった煮のようなものも楽しめた。
    ただ、機関銃のような理屈の羅列と、精神科医との高尚な議論には正直ついていけなかった。人なんて、その辺に咲いて枯れる草花とほぼ同じなのに理屈こねすぎ、と。
    頭のいい人はどこまでも理屈を追うことが出来て、それってかえって苦しいことなの

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    2019年07月17日
  • 光のない海

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    白石一文先生の中で何か変化が起こったような、これまでとは少し違いがある作品だと感じる。
    誰かを思ったり、誰かに思われたり、主人公と相対する二人称の誰かとの物語ではなく、主人公が40年余りに出会ったり関わったりして来た人々のなかなかに壮絶な人生を主人公を介して丹念に描いている。主人公が辿った父を母を妹をなくして来た生い立ちと恩人との関係だけでも結構お腹いっぱいになるくらいの話に出来そうなのに、実演販売員と祖母、社員寮の管理人夫婦、それに勤め先での吸収合併騒ぎなどそっちもこっちもドラマがあって、取り留めがなくなってしまいそうなところを主人公の人柄というか礼儀正しさと人情味がそれぞれのドラマを上手く

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    2019年05月08日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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     意外な結末に戸惑ったが、菊間千乃さんの解説を読んでなるほどと共感。白石作品を読む醍醐味を菊間さんと共有した感じ。
     

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    2019年04月17日
  • 光のない海

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    ネタバレ

    ふいに訪れる孤独感。会社の社長としての責任。新しい人との出会いや、これまでもよく知っていたと思っていた人たちの知らなかった一面。そういうものから自分の内面を見る。生きている意味、これから生きて行く意味。人と人との関係のなかで感じる孤独と絶望にも似た静けさ。人生を振り返る時に見える景色の色は、その時浮かぶ感情は希望か諦めか。

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    2018年07月22日
  • 光のない海

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    修一郎さんは今まで楽しいと思ったことがあるんだろうか?
    淡々と語られる言葉に流れを感じるけれど熱は感じにくい。
    海の光を追っていってしまった妹……彼の海にはほんとうに光がないのだろうか。

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    2018年06月26日
  • 光のない海

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    ある人から見れば光がない世界だけど、ある人から見ればそれが光であって、そうやって関係が紡がれていくのだろう。
    #光のない海 #白石一文 #読書記録

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    2018年05月21日
  • 翼

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    田宮 七回忌 西新宿 ダイオード 西鉄久留米駅 天神 中洲 四十九日 矢萩典弘 九電工 浜松光学 発覚の仕方が余りにも陳腐で滑稽だった タイに撮影旅行に出かけた 包丁 針金 消えてくれよ のぞみ 人は故郷を捨てるのではなく、こうやって失くしていくのだ。 小倉 阿佐ヶ谷 えぼだい 山崎の18年 子供や孫に目がない連中ほど、他の生き物には冷淡だな 浜山田 カラス 人の死は関係者全員の死をもって完全な無になるのかもしれない 太陽さん 理想の父親像 ロイヤルホスト 営業日誌 長谷川岳志 サモサ キングフィッシャー インドで一番のシュア ネグラモデロ コクのありそうなメキシコのビール 百人町のうまいイン

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    2018年03月11日
  • 愛なんて嘘(新潮文庫)

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    白石ワールドが大好きな私にとっては、短編はちょっと物足りない気がした。
    解説にもあったが、「舵を切ったその先は描かれない」ため、一遍ごとに主人公たちの新たな道のりを大いに想像することを繰り返した、が、私は白石ワールドならどうなるのかが知りたかった。

    娘時代も、結婚後も、本当に自分は平凡で変化のない人生を送っているなと実感しつつ、だからと言って果たしてこの登場人物たちのような転身がしたいかと聞かれたら…?
    それでも、一つ一つ過去を振り返ると、本音を隠してきたこともあるし、余計なことを聞かないでやり過ごしたこともあったから、あの時…?と考えればもしかすると私にもドラマティックな人生があったのかも

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    2018年02月13日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    極めて白石一文の作品らしいと、ホームに突っ立って夢中で読み進める。最後の数ページに驚かされ、脳内で巻き戻し。表紙まできて、つながる。震える。
    白石一文は、時間と自分に強烈に向き合っている作家なのだろう。複数の小説で表現される、本物の時間、というやつ。
    #彼が通る不思議なコースを私も #白石一文 #人間は自らの意志の力できっと運命を変えることができる #そんなふうに贅沢に前よりもさらに賢明に #本物の時間

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    2018年01月26日
  • 愛なんて嘘(新潮文庫)

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    不思議なくらいあっさりした一歩、あっさりした別れ。ここにいる意味なんて、自分が勝手に思いこんでいるだけで。
    #白石一文 #愛なんて嘘

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    2018年01月26日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    2017.6/24 1週間ほど前、行きつけの喫茶店のママがひょんな話の流れから『スキャンするとその人の寿命や過去未来の生き様が見えてしまう友人がいる』と聞き、目に見えないものは亡き父の霊くらいしか信じない私には受け入れ難かったところで何気に読んだらそんな話で驚いた。でも著者の現代日本の教育への認識は頷けるものがあり、"見える"人がこのようなサポートをしてくれたら生きにくい子どもたちにどれだけ有難いことかと夢想した。

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    2018年01月09日
  • どれくらいの愛情

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    4編の短編集で愛がテーマとなる作品。どれも愛を追い求めるが故、たとえ歪んだ情事でも対峙しながら幸せになろうとする。世の中不倫や裏切りなど、がっかりさせられることが多いのだが、この作中の登場人物たちはそれに支払う代価が多いと感じる。器用に生きていそうで実は不器用な部分はもはや同情の気持ちさえ芽生えた。

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    2017年12月22日