白石一文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
インパクトの強い表紙から、もっとガツンとした内容なのかと勝手に想像してしまっていたので、最初の方は拍子抜けでなかなか頭に入って来なかった。
「ほかならぬ人へ」と「かけがえのない人へ」の2話収録。
どちらも、その時はこれがいい結果だと思って結婚or婚約をしたけど、やはり心から愛する人を選んだ(選び直した)ラブストーリー。キーとなるのは「性」と「死」なのかな?死を目の前にして…離れられない肉体どちらも、決断のキッカケになるとは思うけど、ちょっと軽すぎる内容で、読み飛ばしてしまった(笑)
途中『誰と結婚したって別にたいして代わり映えしないし、その結婚がうまくいこうがコケようが、別に何てことないんじゃないの。』というところで、昔の自分と同じだと笑ってしまいました。結婚して20年過ぎた今、誰でも良いわけではないんだろうな。っと漠然と思うけど、言い切れない自分がいる(笑)
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Posted by ブクログ
知り合いが紹介してくれたので、それなら読んでみるかなと初読み。読み始めてすぐに、んんん???となり出版年を確認。単行本の初版は2000年頃。なるほど…何が言いたいかって、まあ時代が一つ違うなぁということ。読み始めてすぐに、会社感、仕事感、男女感などなど、いろいろな価値観が、一昔前だなぁ!という感想で、当時の世界観にどっぷり浸かってみたい方にはいい本なんじゃないかなと思います。
四半世紀前に三十代でバリバリ働いてた男性(主人公たち)って、今の役員とか事業部長とか、自分たちの上司になっている世代なわけで。なるほど、彼らはこういう世界観で成功してきているのね、という、ジェネレーションギャップ理解本として興味深く読んじゃいました。
この本のファンの人からしたら怒られちゃうかもなんですが、香折は同性から見ると、親ガチャに失敗したというハンデがあるにせよ、守るべき人というよりはやばいメンヘラ女みたいに見えちゃうし、瑠衣はバリキャリなのにあんなに男に料理振る舞って尽くすのを自身の価値としているし…?
企業戦士物としてはちょっと読み応えはある…うん、そこは、おもしろいかも。池井戸潤的な感じで。
ただ、この本のメッセージの一つは、人を愛するためには自分を愛さなきゃならないし、さらには、人に愛されることを許容しなければならないってことで、この後半の、「人に愛されることを自分に許さなければならない」というのは、この手のメッセージとしては目新しい気がして、しばし、なるほど…と思っちゃいました。愛されるのが苦手な人(親切にされるのが苦手な人)っていますから。
タイトルに関しては、ある日ある光を目にして急に自分に対して暴力的な選択をしてしまいたくなった(幸せな生活を放棄したくなる)→しかし目にしたその一瞬の光が一生を照らすこともあるんだよ、ということだなと。 -
Posted by ブクログ
2009年第22回山本周五郎賞受賞
講談社創業100周年記念出版
週刊誌の編集長カワバタ
数々のスクープを世に出した敏腕記者
彼がこの小説の主人公
目次を開いて 困惑する
39の見出しが並ぶ
現代社会、経済、政治、マスコミ、そして家庭と
家庭外の女たち
ストーリーの中心は カワバタの思考と行動
その流れの中にまあたくさんの思索が書き込まれていく
一項目ごとなかなか意味深い
緻密な計算があるんだろうとは思う
カワバタの周辺の事は面白く読んだのだけど
政治とか経済とか物語の中に落ちていないと
どうも読みにくい
ストーリーと混じらないような
突き刺さる矢が多すぎる?
「時空の歪み?」でカワバタが出会った自分が気になるので 諦めずに下巻にいきます -
Posted by ブクログ
自らの選択で諦めてしまったことや叶えられなかったこと、時間と共に四六時中悔やまずとも生活できるようになるものだけれど、病気や事故で死を近くに感じた時、諦めてしまった過去叶えられなかった過去を誰しも取り返したくなるものなのかな?
突然のがん宣告、新型コロナの感染、交通事故、心変わりした婚約者、逃げて帰ってこなくなってしまった猫。
自らの選択に由来すると思える失敗や後悔でも、自分で選べない見えない気付かないそういうもっと外的な色んなものが組み合わさった結末なんじゃないんじゃないかと思った。自分の選択や行動だけで結末が変えられることなんてそうそうない。
奇跡みたいな再会、庭に住みつくようになった猫、生まれてきた最愛の娘、とかそう言うのも全部。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ白石氏の作品はこれで二作目。
前回読んだ『僕の中の壊れていない部分』が見事なまでのダメンズ小説!?であったので、今回もきっとスかした女ったらしみたいな主人公がわぁわぁいう小説かなあと勝手なイメージを描いていました。ところが、かなりほっこり系の作品でした。
ちなみに本作、短篇二つと中篇一つの計三篇からなる作品となっております。
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なかでも印象的であったのは表題作の中篇「どれくらいの愛情」です。
内容は言ってしまえば、オクテな甘味店経営者が一度別れたスナック嬢と最終的に結ばれる、という筋。
なんて書くと、女性慣れしていない小金持ちが、手練れの器量よしとなんだかんだでくっつく、みたいな印象かもしれません。まあそれはあながち間違ってはいないものの、一番印象に残ったのは以下の部分。
「彼が仕事以外のことで何かを気にかけたり、心配したり、思い煩ったりできるのは、結局この晶に対してだけだった。そして、彼女と別れてからの五年のあいだ、彼にはそういう対象がいなかったせいで、いかに仕事がうまく進んでいても、心の空虚さを埋めることができなかった。それがここ一週間足らず、この病院に足しげく通うようになっただけで心境は一変してしまった。誰かのことを思いやれることで、こんなにも心が満たされるとは・・・。正平は今更ながら驚くばかりだった。
―――自分のことを心配してくれる存在も大事だが、それと同等かそれ以上に、こうして自分に心配をかけてくれる存在が大切なのだ。」(P.355)
散々振り回されるホステス嬢のことを言っているのですが、ふと自らを振り返ると、思い当たるところが。
私の場合は子どもたち、ですかね。
高校・大学と学費のピークに差し掛かっています。加えて、孤独を貫いた激しい反抗期を過ごした私に似ず(良かった!)、親が金を出すなら旅行はどこでもついてくるという子どもたち。予算繰りをしたうえではあるものの、なんだかんだでお金を出してしまう親の我々。ちなみに進路だってどうなるのか良く分からんし。
お金の心配を家内に話すと「そうやってお金を出せるのだって今のうちだけだよ。あっという間に二人とも社会人よ」とたしなめられるのです。
むう、なんていう分かったような、分からないような返事をすることが多いのですが、上記の引用を読んだときに、すっと腑に落ちた感じです。
面倒を見れるうちがハナだなということですね。
因みに、結末はクサーい(アマーい)セリフでハッピーエンドで終わります笑
物語の舞台が博多で言葉遣いも博多弁。方言が雰囲気を醸し出します。
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それ以外の短篇も良かったです。
「20年後の私へ」は航空会社で働くバツイチ女性の話。四十手前でキャリア?再婚?どちらもそこまで興味ないし…みたいなときに届いた過去の自分からの手紙に、一歩踏み出す勇気をもらう、みたいなお話。
「たとえ真実を -
Posted by ブクログ
この方の本を読むのは初めて。
近所のちょっとおしゃれな本屋でおすすめされていて、手に取った。
女性という性別を神聖視・特別視しすぎでは?としらけつつ、起承転結に富んだドラマを毎週それなりに楽しみに見るような気持ちで読み終えた。
たしかに私も妊娠出産を通じて、「いのちとは、ただただ連綿と紡いでいくものなのだ。私も、私の先祖たちが連なる長い長い人間の営みの歴史を構成する1人に過ぎないのだ。」と、雄大な時間に思いを馳せたりした。
ただ、本作の描かれ方はちょっと綺麗事すぎる感じで、当事者の女性としては、もっともっと生々しくて苦しくてどうにも割り切れないどろどろした部分だってあるんだけど、男性からはそう見えるでしょうね、としらけてしまった。
(これは単に私の好みの問題だとはわかっている。)
選ばなかった未来などない、というフレーズは印象的だった。