白石一文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ*ネタバレ
気に入ったセリフ抜粋
▼「とにかく私としては一度結婚というキャリアを消化しておきたいの。ー失敗したところで結婚という経験をすることができた、というのが大きいのよ。自分でもいやになるような、この訳の分からない結婚願望のようなものを私は私のこの身体のなかからはやく追い払いたいの」
まさに今の私の心境が言い当てられたようでびっくりした。
本当に結婚したいかと言われれば分からない。
結婚のメリットが分からない。
でも1人で生きていく覚悟はない。
だから、自分の人生経験において、結婚というキャリアを消化しておきたい。
▼「人間の人生は、死ぬ前最後の1日でもいいから、そういうベストを見 -
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多くの人脈と駆け引きに長け、功を成してきた雑誌編集長を軸に、排出権取引絡みの政治スキャンダルの記事出稿をめぐって、上層部の圧力や人事、社内の不祥事などさまざまな要因がうごめいている上巻。
2009年の作品だから、政治状況や格差に対する認識など、もちろん「振り返る」感じにはなるけれど、一向に改善されてはいない、むしろ悪化している現状を見れば、著者が引用したり批評したりしている文章は、いまだ大いに考えさせられるものがある。
職場や人間関係の描き方という意味ではかなりマッチョな作品だが、メディアは個人的に知らない業界ではないから、むしろ真実味があり、消極的な意味でため息が出る。 -
Posted by ブクログ
作家の野々村保古は、最愛の女性・ことりと4匹の猫とともに暮らしている。 15歳下のことりと出会ったのは、野々村が40歳の時だった。以来20年、2人はかたときも離れることなく生きてきた。還暦を目前に、野々村はこれまでの人生における「出会い」について考える。
そんなとき、ことりが母の介護のため一時的に家を離れることに。すると、二人の間に微妙な空気が流れ始め……。彼女にいったいなにが起こったのか!?
人生という奇跡の意味に迫る、作家生活30年を迎えた著者渾身の自伝的小説。
事実に基づく部分もあるせいか、ややエッセイ的な側面もある小説。読みやすかった。 -
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白石一文さんは、少し前によく読んでいました。
何か考えが、男尊女卑で古いし、学歴社会を否定しながらも、登場人物は優秀で一流企業で働き、女性は美人ばかり…
いけすかないーと思いながらも、何故かひきつけられるところがありました。
本作も同じような傾向でしたが、以前よりインパクトがなかったです。
今どき、女性は家で夫を支え…のようなことを書けば、それこそボコボコにされるでしょうが…
白石さんご自身の考えが変わった、ってことなのでしょうか…
芽が美(乃が美のことですね)のパン!買ってきましたが、他の生食パンとの違いはわかりませんでした。
紀の善の抹茶ババロアは、すっごく美味しかったーどの作品に出てき -
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週刊誌の編集長である特権を利用して自分本意な性行為をするところから始まり、下巻は全てを捨てて癌に侵された体を引きずりながら北海道にたどり着いて、DVから救ってあげた女の買った家に住むことにする・・・という話である。自分も含めて、周りの人間はそれぞれの理想や正義感であふれているが、結局、世界は変わらないんだから、世の中の不条理も不正義も、どうでもいいじゃないか。オレは今を生きるんだ。
・・・という話だと思うのだが、この作品で作者は山本周五郎賞を受賞したとのことで、たぶん文学界では随分評価されている作品なんだろうなと思う。
白石さんはの作品では、いつも登場人物(大抵男が多いが)はいろんなセックス