白石一文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
白石さんの2冊目。
まだ2冊だけなので言い切れないが、登場人物が精神的に強い女性と脆い男性が多い気がする。
主人公は、時期首相と目される代議士の父を持つ柴田龍彦。
四年前に不祥事を起こし、自殺未遂の末の精神失調、現在は回復しつつも父の秘書を務める。
この龍彦が本当に情けない。確かに、代議士の家庭に生まれ、愛情に飢えた結果とはいえ、もっと早くに何とか出来たのでは、と思えてならない。
比べて女性達の何と強い事!
政略結婚の妻…好きにはなれないが、現実を受け入れけっして泣きわめいたりせず、淡々と妻をまっとうしている。
由香子…現在の愛人。昔、祖父母の家のお手伝いさんだった女性の娘。医師と結 -
Posted by ブクログ
鳥取砂丘にいってみたくなる。
美砂子という名前、美しい砂、いい名前だなと思った。
子供を生む前に、死への戦慄に怯えざるを得ないこの世に果たして自分の意志で命を誕生させていいものか考えた時期があった。全くもって不完全な自分が新しい命を産むこと、自分が味わった苦しみを生まれてくる子も同じだけ味わうこと、それを認識していながらも子を誕生させるということ。
人生たかだか80年対生前と死後の時間無限大∞
自分の存在しない無限大の時間の流れに対して、あまりにも短い、一瞬とも言えないほどの生きている時間の短さ。暗闇で床について考え出すと怖くて怖くて頭がおかしくなりそうになる。
でも、私は子供を産んだ