白石一文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人気作家がやりたい放題?!一般受けはキビシイかと・・・。
親子揃っての直木賞作家である白石一文氏が、講談社の創業百周年記念書き下ろし作品として刊行した本作。第22回山本周五郎賞を受賞してはいるが、同年度の他候補作の評価が押し並べて低かったということも言い添えておくべきかもしれない。
数々のスクープを物にしてきた有名週刊誌編集長・カワバタは、僅か生後3ヶ月で我が子を失ったことを妻の身勝手さによるものだと思い込み、同時に自らも胃癌を患いながら再発の恐れを抱えている。上下巻とも終始、カワバタ主体で作品は展開されていて、その他の登場人物は実際のところあくまで付録といった印象。肝心の作品内容も、大物政治 -
Posted by ブクログ
愛と死、がテーマなのかな?
私はやっぱりあんまり好きじゃないです。おじさんの不倫の話でしょ、って。特に、一番最初の話は、怒りすら覚えながら読みました。あまりにも男目線でしか女性が描かれてないし、ここまで男に都合のよい女の人っていないと思うけど。ラストはほんっとにビックリ、というか呆れるというか。。余りにも自分勝手なおっさんたちに、きっぱり女性が愛想尽かしてほしかったなぁ。
ほんとに私の好みではない、と改めて思ったのですが、この本もなぜか夫は「良かった」と言うのです。これはやはり男女の差なのでしょうか。長い付き合いの夫だけれど、まだまだ理解不能なこともあるんだなぁとしみじみ不思議を感じました -
Posted by ブクログ
近いはずで遠い政治の世界が動いていくさまのドキドキ感、絶妙なミステリ仕立てで描かれる主人公のある過去が、ページをめくらせる。主人公の気持ちなどとノイズだといわんばかりの現実。それが、恋心の切なさを浮き彫りにさせる。でも結局は、主軸はその現実を享受する人間なのだ。
白石一文の小説を「不倫モノ」と片付けてしまう読者が多いけれど、おそらく既婚者である著者が人の心を揺り動かしてしまう恋愛について書くには、じつに誠実な書き方なのではないだろうかと思っている。「女性への幻想に耐えられない」という女性読者は、彼の書く異性への幻想や男性のセックス依存みたいなものを自分だって持っている(女だって所詮ビッチ -
Posted by ブクログ
全5編からなる短編小説集。
全話、男女の許されざる関係性をテーマにしているがその質はどれも様々である。
不倫の他に一貫するテーマが死。結婚は愛の偽装であるとするならば、この作品集の主たるテーマは愛と死である。
特に表題となった不自由な心では、愛と死について、独善的に捉える主人公の心が、事故によって体の自由を奪われた妻の体と対比するような形で描かれている。
愛とはどうあるべきか。誓うものか、祈るものか、縛るものか、背負うものか、押し付けるものか。そしてその先にある諦念を受け入れることが愛であるのか。
無責任な愛ほど他者を不幸に貶めるものはない。それは死も同じである。
感情で小説を読む人にはオス -
Posted by ブクログ
今日はもの凄い黄砂でしたね。
そのモヤ〜っとした空気の中を仁川まで行った往復の電車の中で読む。
本の中も同じような空気が澱む。
部下の自殺をきっかけにうつ病に罹り、会社を辞め妻子とも別れ故郷・博多に戻った精一郎。
肺がんを発病し、死の恐怖から逃れようとするかのように結婚と離婚をくりかえす敦。
48歳となって再び寄り添うように支え合う小学校以来の親友ふたり。
う〜ん。私より2級下の主人公たちは、ほぼ同じ時期に同じ福岡で高校時代を生き、大学へ行き就職をした。
華やいだ若かりし頃と、そして相反するような現在。
主人公たちほど酷い状況にはないけど、気分的には良く分かるような気がする。
齢50も過ぎると