白石一文のレビュー一覧

  • 不自由な心

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    生と死について。

    死病を抱えた男性主人公たちが
    家庭を捨てて「本当の愛」つまり不倫相手のほうに
    いく、というのが
    なんとも身勝手で薄っぺらくて
    そのパターンが続くとちょっとうんざり。

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    2010年07月19日
  • 不自由な心

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    不毛な恋。
    イーヴンじゃないのに、だからこそバランスを取ろうと必死になるのかしら。そして抜けられなくなるのかしら。

    《不自由な心》
    その心の不自由さを甘美と感じ、不毛な道を歩む女子が多いのでしょうか。

    大人味すぎて、美味しさがよく分からなかった。
    30歳超えて読むとまた違うのかな。

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    2010年05月06日
  • すぐそばの彼方

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     近いはずで遠い政治の世界が動いていくさまのドキドキ感、絶妙なミステリ仕立てで描かれる主人公のある過去が、ページをめくらせる。主人公の気持ちなどとノイズだといわんばかりの現実。それが、恋心の切なさを浮き彫りにさせる。でも結局は、主軸はその現実を享受する人間なのだ。

     白石一文の小説を「不倫モノ」と片付けてしまう読者が多いけれど、おそらく既婚者である著者が人の心を揺り動かしてしまう恋愛について書くには、じつに誠実な書き方なのではないだろうかと思っている。「女性への幻想に耐えられない」という女性読者は、彼の書く異性への幻想や男性のセックス依存みたいなものを自分だって持っている(女だって所詮ビッチ

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    2010年05月01日
  • 不自由な心

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    全5編からなる短編小説集。
    全話、男女の許されざる関係性をテーマにしているがその質はどれも様々である。
    不倫の他に一貫するテーマが死。結婚は愛の偽装であるとするならば、この作品集の主たるテーマは愛と死である。
    特に表題となった不自由な心では、愛と死について、独善的に捉える主人公の心が、事故によって体の自由を奪われた妻の体と対比するような形で描かれている。
    愛とはどうあるべきか。誓うものか、祈るものか、縛るものか、背負うものか、押し付けるものか。そしてその先にある諦念を受け入れることが愛であるのか。
    無責任な愛ほど他者を不幸に貶めるものはない。それは死も同じである。

    感情で小説を読む人にはオス

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    2010年05月01日
  • 永遠のとなり

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    私と同世代の男性を主人公にした物語。
    もっと感情移入できて良いはずなのに、さほどは来なかった。
    うつ病だけなら、それをテーマにしているような作家・南木さんの作品は大好きなのですがね。どうもこの人とは相性が悪いのか。
    調べてみたら5年ほど前に「一瞬の光」を読んでいて、その感想の中に"個人的には苦手ですね"とか"まあ、これ一作かな"なんて書いてました。
    今回も似たような感想です。
    (小説としてのレベルはそこそこだと思います。私との相性の問題です)

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    2016年07月31日
  • 永遠のとなり

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    今日はもの凄い黄砂でしたね。
    そのモヤ〜っとした空気の中を仁川まで行った往復の電車の中で読む。
    本の中も同じような空気が澱む。
    部下の自殺をきっかけにうつ病に罹り、会社を辞め妻子とも別れ故郷・博多に戻った精一郎。
    肺がんを発病し、死の恐怖から逃れようとするかのように結婚と離婚をくりかえす敦。
    48歳となって再び寄り添うように支え合う小学校以来の親友ふたり。
    う〜ん。私より2級下の主人公たちは、ほぼ同じ時期に同じ福岡で高校時代を生き、大学へ行き就職をした。
    華やいだ若かりし頃と、そして相反するような現在。
    主人公たちほど酷い状況にはないけど、気分的には良く分かるような気がする。
    齢50も過ぎると

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    2017年02月04日
  • 不自由な心

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    不倫を繰り返す主人公たち(男性)にただただ呆れた。

    私に言わせれば、「不自由な心」というよりもむしろ、
    「自ら不自由な身になって、その不自由な自分に自己陶酔してる心」。

    つまるところ、弱い男たちの体のいい不倫の言い訳にしか聞こえなかった。

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    2010年01月11日
  • すぐそばの彼方

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    【あらすじ】
    次期首相の本命と目される大物代議士を父にもつ柴田龍彦。彼は、四年前に起こした不祥事の結果、精神に失調をきたし、父の秘書を務めながらも、日々の生活費にさえ事欠く不遇な状況にあった。父の総裁選出馬を契機に、政界の深部に呑み込まれていく彼は、徐々に自分を取り戻し始めるが、再生の過程で人生最大の選択を迫られる…。一度きりの人生で彼が本当に求めていたものとは果して何だったのか。『一瞬の光』『不自由な心』に続く、気鋭の傑作長編。

    【感想】

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    2010年01月06日
  • すぐそばの彼方

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    『すぐそばの彼方』(白石一文、2005年、角川文庫)

    政治と女をめぐるフィクション。
    次期首相最有力候補を父に持ち、父親の私設秘書をつとめる龍彦。
    龍彦が過去に犯した過ちから徐々に立ち直っていくが、同時に父親から再度信頼を得、政界(政局)の権力争いへと巻き込まれていく。その過程にはある真実があったのだが…

    政治の権力闘争の影にある闇の部分が随所にあり、政治に身を投じ権力を手にした者の裏の姿を描き出している点がおもしろい。
    この小説では女性関係が物語と平行して明らかになっていく。政治に身を投じつつも、愛する女性を追い求める「政治家」の姿があった。

    (2009年10月25日)

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    2009年10月26日
  • 不自由な心

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    愛と命をテーマに、緊張感溢れる筆致で綴った、珠玉小説集。

    大手部品メーカーに勤務する野島は、パーティで、同僚の若い女性の結婚話を耳にし、動揺を隠せなかった。
    なぜなら当の女性とは、野島が不倫を続けている恵理だったからだ…。心のもどかしさを描く珠玉小説集。

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    不倫や若いころの恋など
    ただ幸せなだけではすまないような人達の物語。

    表題の物語よりも、それ以外の話がおもしろかった。

    ただ、読んでてすっきりした気持ちになれるものではないかな。
    リアルな世界の感情が体に入ってくる感じがなんとも。

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    2010年02月06日
  • 不自由な心

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    短編のすべてに「不倫」という題材が組み込まれているが、嫌悪よりも人間らしい愛情が描かれていることを感じ、深く響いた。
    例えばもう二度と繋がることの出来ない相手でも(今現在傍らにいる人であれば尚いいが)、心の中に優しい傷となって生き続ける。
    自分の中で記憶が形を変えながら死を迎えるその日まで共に歩み続ける。そんな愛情の素晴らしさに触れた作品だった。
    この作品を読んでいると己にあった既存の常識が少し砕け破壊されたように思う。
    個体で生まれて個体で死んでいくのには変わりがないが、胸の中を覗けば無数の物語があり、それらに時に苦しめられ時に励まされている。
    そんなふうにして今日もやっと呼吸して、酸素を二

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    2009年10月04日
  • 不自由な心

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    【my room】結婚している男性と、その恋人の女性の恋愛を見つめる作品を集めた短編集。基本的に男性目線のものが多いかな。まぁ男性が書いているんだから当たり前か。しかししかし、白石一文を読む度に思うけれど、この人の作品は私の心にはどうにもしっくり来ない。本人には本人なりの正当性があるのかもしれないけど、やっぱり不倫されるのは嫌だな。それが前提となっている様な感じがするのは少し私には肌が合わない。

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    2009年10月04日
  • 不自由な心

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    「1冊くらい」第4弾。男性視点で、女性関係を中心に自分を見つめ直す物語たち。全てがハッピーエンドとは言えない。むしろアンハッピーエンドの方が多いんじゃね?でも、最後に何かを得ていく主人公達。「夢の空」はその中で少し異色かな?嫌いではないけど。ラストの表題作「不自由な心」が受け入れにくい終りをしているのだけど、その後のあとがきを読んだら何となく「こういうこともありか」とすとんと落ちたような。…ただ、やっぱり自分が不倫された側だったら相当傷つくと思うけどね。。

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    2009年10月07日
  • 不自由な心

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    短編集です。この人も初読でしたが…。
    男性の書く文章だな、とものすごく思いました。いい意味でも悪い意味でも夢があって…ご都合主義(笑)
    何年も不倫をした挙句に、振り返ってみた女がみんなそんないい女だったら誰も苦労しないってば、と言いたくなります。
    予定調和のように理解ある愛人・恋人に対して、妻はみんなどうも反応が鈍くて…まるで浮気されてもしょうがない、といっているようでなんだかなー…とちょっと思ってしまいました。
    あ、小説としては書き方もうまいし面白いですけどね。なんかうーん?と読みながら頭ひねっちゃう感じが…いいんだか悪いんだか。

    登場する男性は皆、それほど強引でもなく押しが強すぎるでもな

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    2014年08月02日
  • 不自由な心

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    短編集。重いです。そして、どうしても主人公たちが好きになれない。全作品に、死というものが関係している。

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    2009年10月07日
  • すぐそばの彼方

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    えーと、京都〜福岡間で読んだ本。一度自分を見失った人の再生のお話。けど、最後にたどり着くところは、とても良かった。その感触だけでもいい本だと思った。欲を言えば、気付くのが遅すぎたってことですかね。

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    2009年10月04日
  • すぐそばの彼方

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    大人になるにつれて「うまくやる」ことを覚えて、器用になって、でも、純粋さに代表されるようななにかを少しずつ失って。そうある自分やまわりにうまくなじめなくて。でも、結局は純粋になっていく。そんな主人公。政治の話は難しいのかもしれないけれど、それはこの人がストーリーの中に「難しい世界の中に生きるからこそ」シンプルでピュアなものの大切さをすりこませたものだと思う。

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    2009年10月04日
  • すぐそばの彼方

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    政治の話があたしには難しい。でも、徐々に明らかにされていく主人公の過去とか、そういう書き方はよかったかな。結末にはちょっと納得がいかないけど。長いわりには飽きずに読めた。(05/11/24)

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    2009年10月04日