白石一文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
鳥取砂丘にいってみたくなる。
美砂子という名前、美しい砂、いい名前だなと思った。
子供を生む前に、死への戦慄に怯えざるを得ないこの世に果たして自分の意志で命を誕生させていいものか考えた時期があった。全くもって不完全な自分が新しい命を産むこと、自分が味わった苦しみを生まれてくる子も同じだけ味わうこと、それを認識していながらも子を誕生させるということ。
人生たかだか80年対生前と死後の時間無限大∞
自分の存在しない無限大の時間の流れに対して、あまりにも短い、一瞬とも言えないほどの生きている時間の短さ。暗闇で床について考え出すと怖くて怖くて頭がおかしくなりそうになる。
でも、私は子供を産んだ -
Posted by ブクログ
小説、殊にこういったリアリズムに基づく小説というのは、現実の「ままならなさ」に対する別の可能性の提示なのではないか、とも思う。
現実ではこうなるしかなかったけれど、こういう展開もあったのかもしれない。
もしくは、実際の、現実的な結末はこうだったけれど、こういう終わり方だってできたはずだ、という。
世界は矛盾していて不安定だからこそ、生きていくことは苦しくて、こころがぐらぐら揺れてしまう。
白石一文さんの小説は、そういう「違和感」や「揺らぎ」を冷静に捉え、一人の個人としての無力さ、ままならなさをきちっと言葉にして突き付けてくる。だから、読んでいて苦しくなったり、こころがぐらぐら揺れてしまうのだ -
Posted by ブクログ
任侠マニアの僕としては、この作品をどのような位置づけでどう評価していいものかとても迷う。
そもそも「任侠」というジャンルで捉えること自体間違っているのは重々承知の上なのだが、主人公のひとりである人物がヤクザなのだし、ヤクザ的シーンが多いのも確かなのでそういう目で見てしまうのも致し方ないところである。
このように書くとソッチ系の作品か、と思われるかもしれないが、実は主題はそうではなく、「恋より底深いつながりの核心に迫り、運命の相手の存在を確信させる」恋愛小説であってヤクザがドンパチする小説ではない。
恋愛小説といっても好いた惚れたの青春系ではなく、ヤクザが出てくるくらいだからそこはきっちり大