白石一文のレビュー一覧

  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    落ち着いた文章でじっくり書いてある作品なのに、何故か入り込めなかった。
    登場人物の殆どが実の両親とは離別しているという設定までは受け入れたとしても、背景が実親が朝鮮総連の活動家、元覚醒剤中毒で売春させられていた女性、孤児院出身の元やくざでおまけにマグロの遠洋漁船に乗せられていた、自殺した愛人の子を本妻が養子にしたなど、昭和のやくざ映画さながらの極端な事例のオンパレードで、笑えるぐらい「やり過ぎ」ていることが理由でしょう。
    エンターテイメント性と受け止めれば良いかも知れませんが、自分には合いませんでした。

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    2012年04月25日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下

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    白石一文の作品というと、イケメンでリッチなエリートかキャリア・ウーマン系女性が恋愛して不倫して無茶して、というパターンで、面白いのだけどどの作品がどの題名だったかなかなか区別がつかない、というイメージだった。

    しかし、この作品は基本パターンは似たところにあるが、いろんな著名人の名言を引用し、かつリッチ男が社会主義的・所得の再配分とか主張するのなど新しい感ありあり。ストーリーも面白いのだけど、結局何が言いたいのが良くわからないのが玉にキズか。

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    2012年04月13日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下

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    ネタバレ

    このほんは何故パワープッシュされているのかよくわからなかった。タイトルには厨二心を惹きつけるなにかがあるのは感じるが(というか実際ひきつけられた。)

    実際、中身を厨二病をこじらせたまま大人になった「資本主義って」「政治家なんて」「オトナとかって」という作家自身が伝えたいメッセージであふれていて、少しこっぱずかしい感じがした。


    お話としては、登場人物を延々に混乱し続ける分かり辛さにはなんとも言えないことに加え、結末もなかなか唐突だった。

    しかしながら、説教くさく、ストーリーとして大きな展開があるわけでもないのに、きちんと最後まで導く表現力と文章力は秀逸。また読みたい作家かと言われれば、少

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    2012年04月01日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上

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    小説という形をとっているが、フリードマンのインタビュー等各所からの引用を散りばめながら、主人公(週刊誌の編集長。胃がんを患っている)とその周りの人間を通した社会論を読んでいるような気分になった。

    色々と考えさせられることが多い半面、どうしても読むペースが遅くなるのでまめに少しづつ読み進めたい本がいい時はオススメだと思う。

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    2012年03月24日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下

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    上に続いて引用文が多いが興味深いものが多く、普段は手に取りにくい題材のものも引用されたものを読み、もっと深く読んで見たくなった。ラストシーンも印象的な一冊であった。

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    2012年03月22日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    一気にぐいぐい読んでた。

    人間は見た目じゃないとか言いつつ綺麗な人を「綺麗、綺麗」ともてはやすのは、嫉妬してるからなのかあと思った。

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    2012年02月20日
  • すぐそばの彼方

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    白石作品の主人公にはいつもモヤモヤイライラさせられる。
    ハッキリ言って好きになれない。友人にはなれないな。
    この作品の主人公も大物政治家の息子でありながら、どうしようもない狼藉を繰り返す。
    繰り返した狼藉がどういうものなのかは、読み進むにつれて小出しにされる。
    ま、どうしようもない人間だ、龍彦は。
    いったい何がしたいのだ、お前は。
    誰を愛したいのだ。
    そうやって一生生きていくつもりか?

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    2012年02月05日
  • すぐそばの彼方

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    権力闘争の末に主人公が最後に重要な選択をするんだけど、それが腹が据わった感じがしない。また周りに強く言われたらふらふらしちゃうんじゃないかなと思ってしまう。その前までの心理描写が少ないせいだろうか。政治家達の人間関係は詳しく描かれていたが、主人公自身の描写はやや物足りなかったような気がする。

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    2012年01月17日
  • すぐそばの彼方

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    ネタバレ

    私が特に苦手とする、政治が題材。

    最初は、たんたんと話が進んでいくが、
    愛と金が絡まり合い、スピードが増していく。

    野望を達成するための金であり、
    人間としての愛である。

    その相容れない部分でひずみができ、
    自分を持たないと堕ちていく。

    何かを失ったとき、人間は赤ん坊のように周りに支えられて立ち直っていく。
    そして、実は、過去もそうであったことに気がつく。

    政治が舞台だからこそ、金と愛と野望。
    人生のなかで、主人公が本当に求めていたものが浮き彫りになっていく。

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    2012年01月04日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上

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    人気作家がやりたい放題?!一般受けはキビシイかと・・・。
    親子揃っての直木賞作家である白石一文氏が、講談社の創業百周年記念書き下ろし作品として刊行した本作。第22回山本周五郎賞を受賞してはいるが、同年度の他候補作の評価が押し並べて低かったということも言い添えておくべきかもしれない。
    数々のスクープを物にしてきた有名週刊誌編集長・カワバタは、僅か生後3ヶ月で我が子を失ったことを妻の身勝手さによるものだと思い込み、同時に自らも胃癌を患いながら再発の恐れを抱えている。上下巻とも終始、カワバタ主体で作品は展開されていて、その他の登場人物は実際のところあくまで付録といった印象。肝心の作品内容も、大物政治

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    2015年03月23日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    この人の本は初めて読んだけど、みんなのレビューでよく美男美女を描く作家さんなのだと知った。
    美男美女で他にどんな物語を作るのか?となんとなく気になります。
    美人が美人に生まれたことで得ばっかりするわけじゃないのはわかるけど、美人には美人の生き方の型のようなものがある気がして。他の型も読んでみたいなあ。

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    2011年12月27日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    白石さんはわたしの好きな作家さんの一人だけれど、
    どんどんお話が読みやすくなっているような気がします (笑)

    こちらは長編の恋愛小説で、
    じっくりとした落ち着いたストーリー展開です。
    心のつながりや人と人のつながりを丁寧に
    成熟して書いたようなお話。

    読み終えたあとの充足感も、味わい深いです。

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    2011年10月25日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    ネタバレ

    美帆と優司の運命がちょっと見えづらい気がしながら読んだ。
    しかし美帆の執念はかなり怖い。
    美人はなかなか幸せになれないだの言われたり、その複雑な生い立ちの環境からすれば、そんな発想に行き着いてしまうものかと思った。自分にはとうてい同じ考えはうまれない。

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    2012年01月13日
  • すぐそばの彼方

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    正直難しかった。人間ドラマと政治が絡み合ってて。白石作品の中では全然サクサク読めなかった。人間ドラマとしては一度は地の底に落ちた男が本当に自分の生きていく道をみつけるまでがきちんと描かれていると思う。
    どうしてもそこに絡んでくる政治の話がややこしくて。。。

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    2011年10月02日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    人の心を支えるものには、人生の中のいろいろな瞬間である。その描き方がとても良かった。また容姿端麗な方々ですねハイハイと思ったら、けっこう感動。

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    2014年11月29日
  • 一瞬の光

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    白石一文の本は初めて読んだ。日本を代表する企業に勤務する38歳のエリートの話。社内の派閥抗争と偶然出会った短大の女子学生との話が交互に進んでいくストーリーの中で、本当に大切なことを見出していくのが主題。

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    2020年10月25日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    背景の記述が説明文的だなーといつも通り思ってしまったけれど、展開はいつも通り楽しめました。どうもほんとに伝えたいことを理解できていない気がして、もどかしい。この方の描く女性主人公の気持ち、いつもよく分からない・・。男性に読んでもらって感想を聞いてみよう・・。
    #bookoff

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    2014年07月21日
  • 不自由な心

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    この話を読み終わってからあとがきの「小説の役割」を読むと、
    なるほど自分が小説に求めていたものがずばり書いてあって納得。

    肝心の小説の内容については、
    「まぁ男の人ってこんな人も多いよね。共存してる女も女だけど。」
    と言ったところかな。
    何だかんだで、みんなしたたかに生きてるんですよね、実は。

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    2010年11月22日
  • 不自由な心

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    5本の短編すべてが不倫の話。
    う~ん、30代40代の恋愛は不倫しかないのか?と思ってしまう。
    著者が政経学部出身のせいなのか、物語の途中にはさまれるその当時の経済状況の説明がうっとうしい。
    最後の表題作が一番読み応えがあったけど…
    あくまでも男の一方的な立場で書かれた小説。

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    2010年10月25日
  • 不自由な心

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    愛と死、がテーマなのかな?

    私はやっぱりあんまり好きじゃないです。おじさんの不倫の話でしょ、って。特に、一番最初の話は、怒りすら覚えながら読みました。あまりにも男目線でしか女性が描かれてないし、ここまで男に都合のよい女の人っていないと思うけど。ラストはほんっとにビックリ、というか呆れるというか。。余りにも自分勝手なおっさんたちに、きっぱり女性が愛想尽かしてほしかったなぁ。

    ほんとに私の好みではない、と改めて思ったのですが、この本もなぜか夫は「良かった」と言うのです。これはやはり男女の差なのでしょうか。長い付き合いの夫だけれど、まだまだ理解不能なこともあるんだなぁとしみじみ不思議を感じました

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    2010年10月08日