あらすじ
小柳美帆はエリート記者の黒川丈二との結婚を目前に、故郷の福岡で同級生の仲間優司と再会する。中学時代「俺は、お前のためならいつでも死んでやる」と唐突に謎の言葉を口走った優司。今その背中に大きな龍の刺青と計り知れぬ過去を背負っていた。時間や理屈を超え、二人の心に働く不思議な引力の正体とは――恋より底深いつながりの核心に迫り、運命の相手の存在を確信させる傑作。
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Posted by ブクログ
いつも通り白石一文の文章に、
彼の描く物語に魅了されてしまいました。
彼の描く舞台ではよく
一定の成功を収めた男、あるいは女たちが
それぞれ生きていく上での
本質に触れるような事態に直面し、
自身の生き方を問うて、
惑いながらも最善を選び取っていく。
極端に見えることもしばしばだが、
人生の半ばを過ぎた大人になった自分には、
彼の言わんとしている事柄が
絶妙に琴線を震わせる。
彼の紡ぐ物語をもっと読みたい…
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白石一文さん、3冊目。
「俺は、お前のためならいつでも死んでやる」
久しぶりに、小説の中の男性に恋をしました。
私が言われた訳でもないのに、まだドキドキしています。
私は、仲間優司さんが大好きです♪
相変わらず、女性陣はみんな強いですね〜。
今回の主人公、美帆は特に強い!
しかし、それ以上に強い男が仲間優司!!
それと、優司の博多弁は痺れるほど色気があるのは何故!?
生きるべき義、死すべき義を語る優司の言葉は、すぅっと胸に入ってきて、かなり納得。
結末も私好みで、久々の大ヒット小説になりました(^O^)
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昨晩朝方まで読んで寝ました。運びも素晴らしいし、文面にしても私好みです。優司の風合いがとにかく素敵ですね。イカれたシーンがあったり、現実離れしているようなシーンもありますが、それでも紙一重の世界なのだろうと・・・・。龍の心になる―――・・その意味がものすごく自分的に腑に落ちました。この数日、龍の夢を見たりしていたのでこのご縁に奇跡を感じました。
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本当に彼らしい作品で、
1/5くらい読めばもうどういう話になっていくかは分かってしまうのだけど(水戸黄門的型通り展開)、
それが却って安定感のある読み心地になる。
自分の持っているものを見つめ、
そして自分の心をよく見つめること。
一貫して描かれるテーマにまた触れて、
今回も読んで良かったと思わされた。
Posted by ブクログ
白石一文を初めて読んだ。ヤクザとか超美貌とか、自分と縁のないものばかりだったのもあって、終始完全なフィクションとしての恋愛だった。運命の恋があればいいのかもしれないと思うけど、運命って自分で運命にするものだよな、とも改めて感じた。
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「眠気が眠る面白さ!徹夜本」の帯に強く惹かれて手に取りました。正直なところ、任侠ものの美学には全く興味すら持ち合わせていない私がこの煽り文句にあえて挑んだ代物ですが、エンターテイメントというよりもファンタジーとしか言いようのない話に何度となく読むのを止めようとしました。
とどのつまりは面倒を見てやった弟分に裏切られて車ではねられて死んで終わるクチだろう、と思っていただけに終盤の下りは読んでて苦痛でした。
鼻についたのはそこだけで、読後の余韻とともに巻末の解説を読んだとき、ああそうか、これは往年のテレビドラマ「赤いシリーズ」のようなわかりやすいプロットのドラマチックな演出を極めたものだったんだなとそこでようやく認識しました。
敢えて踏み込んでみた新境地の世界でしたが、絶賛までいかなくても愉しめることがわかりました。
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白石作品はまだ二作目だけど、純度の高い激しさが痛いくらいに響いてくる。
もとより傷だらけで、けれどそこから再生するために尚も無傷ではいられなくて。
共感と、憧れ。
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結婚まじかの美人で才能もお金にも恵まれた女性が幼馴染の元やくざに再会し惹かれ結婚をする物語
彼の作品はこういう女性が多くでてくる。とにかく美人。才能があり、お金がある。
作者自身、彼は男性だがかっこいいのでモテた、かつお金もあったから、に投射しているのかも。
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表紙とタイトルに惹かれてジャケ買い?みたいな感じでかったんですけど、内容は表紙のイメージとはちょっと違って、恋愛?なのかな、一人の女性の恋愛というか人生というかを描いた作品でした。
作家さんが男性って言うのが信じられないような女性の描き方。
女性視点での物語がすごく自然でしたね。
恋愛とかに対する姿勢?もすごく緩やかで、逆にひきこまれました。
背中に龍を背負った男がすごいかっこよかった・・・。
最後のクライマックスでドキドキしました。
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白石さんの作品でも結構好きな部類。種明かしがちょっとずつちょっとずつあるので飽きずに読める。一度きりの人生をどう生きていくか、主人公の美帆の生き方は共感した
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久々に小説を読んで泣いた。
家族愛に関する話はどうしても心が動いてしまう。
言葉がすっと入ってくる、いい小説。
家族の想いは伝わりにくいけど、
生きているうちに許すことができれば。
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白石さんの作品はどれもこんなタッチだなあと良い意味で思う。
男女の恋愛や愛を実にいい感じで描写していて引き込まれていく感じがいい。
結末にはこれまたいい意味で裏切られ、ひとりニンマリかな。
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仲間優司がものすごくかっこいいっ!
最後はハッピーエンドだろうなぁと簡単にわかるんだけど、
陽も陰も受け入れる、そんなところが惹かれます。
どんな風にして、どんな形で、
2人がハッピーエンドになるのか・・・
運命というにはちょっとイマイチな感じもあったけど。
なぜかこの人の前ではこうなる自分があったり、
なぜかこの人はずっと近くにいてくれるような感じが
つながりってそういうものというか、
愛情というのはどんなときもただそばにいることだなぁと思った。
Posted by ブクログ
何十年ぶりかに 読み直した、若い頃に呼んだ時の気持ちと 歳取ってからの感じ方が違うので それもまた 面白い、最後の展開は素晴らしくて、一気読みしまいました
Posted by ブクログ
結婚を控えた主人公は、故郷で同級生と再会する。
読んでいて、最初の方の設定を
すっかり忘れている状態です。
おぼろげながら覚えているのですが
目の前の現実(?)を読み込むのに必死で…。
最後には驚きの現実も出てきましたが
これを『愛』だと言っていいのかは謎です。
Posted by ブクログ
幼少のころから一緒だった同郷の美帆と優司、その先まったく違う歩みをするが、出生において悲しい共通点をもつ。それぞれ道を歩みながら、徐々に近いしい関係に。最初からこうなる運命だったんだと感じる事ができる作品。
Posted by ブクログ
巻末の解説にもありましたが『一瞬の光』のこじらせ女子版といったところ。
ただ、『一瞬の光』の瑠衣さんと違い丈二はエリートで容姿に恵まれているけど、下衆な男でパーフェクトな男性とはとてもいえません。
かえって、元ヤクザの優司の方がカッコイイ男として描かれているので、『一瞬の光』を読んだ時みたいな、どうしてこっちを選ぶかな?と納得できない訳じゃない。
個人的には非のうちどころのないエリートの婚約者よりも元ヤクザを選ぶ話の方が面白くなりそうなのにと少し残念でした。
後半にあるエピソードには「お前は金八先生における杉田かおるか」とツッコミを入れたくなった。
もう35歳なんだから……そんな中学生みたいなことはやめようよ、と。
ケンちゃんのエピソードからとんでもないバッドエンドがくるのかと身構えて読んでいたけど、バッドエンドにならなくて良かった。
Posted by ブクログ
事象が先にポンと描かれて、のちに「実はこういう流れだったのだ」と解説されるスタイルがあまり得意ではないのかもしれない。さらに、登場人物のバックグラウンドというか、ハイブランドが実際にストーリーにどれだけ意味があったのか・・・高学歴、“いわゆる”勝ち組vs元ヤクザ、ヤク中という極端な対比が果たして必要だったのかなという違和感を感じつつも、ストーリーがどこに落ち着くのか見届けたくて一気読み。2時間ドラマの原作を読んでいるような感覚。
Posted by ブクログ
どれくらいの愛情→私という運命について→不自由な心→一瞬の光→心に龍を散りばめて
と読んできたが、個人的に一番面白くなかった。
白石一文さんが言わんとすることはわかる。文体も読みやすい。だけど、なぜか一番つまらなかった。
肩透かしをくらったといえばいいのだろうか。
確かに心にぐっときた台詞はあったけれど、不自由な心を読んだときほどの余韻はなかった。
わたしは男性視点の物語の方が好みなのかもしれない。
Posted by ブクログ
仲間優司がとてつもなくカッコいい!!
エンターテイメントととしてよくできていて、すごく引き込まれてページをめくる手が止まらなかった。
ヤクザ、夜の仕事、覚醒剤、朝鮮等々なんだかドロドロして胸やけしそうなキーワードが沢山盛り込まれるけどその割にはどっしり重い印象はなく、読後感はほっこり。
Posted by ブクログ
エンターテイメントとしてすごく面白かった。人の業であったり、欲望を色濃く描きつつも、物語としての軽やかさを失っていないように感じた。設定だけみたら美男美女で鼻白む。でも、その設定の必要性であったり、何を読ませたいかは、きっちりとわかる。おごがましいけど、密度の濃い小説だと思いました。
Posted by ブクログ
任侠マニアの僕としては、この作品をどのような位置づけでどう評価していいものかとても迷う。
そもそも「任侠」というジャンルで捉えること自体間違っているのは重々承知の上なのだが、主人公のひとりである人物がヤクザなのだし、ヤクザ的シーンが多いのも確かなのでそういう目で見てしまうのも致し方ないところである。
このように書くとソッチ系の作品か、と思われるかもしれないが、実は主題はそうではなく、「恋より底深いつながりの核心に迫り、運命の相手の存在を確信させる」恋愛小説であってヤクザがドンパチする小説ではない。
恋愛小説といっても好いた惚れたの青春系ではなく、ヤクザが出てくるくらいだからそこはきっちり大人の恋愛小説となっている。それもちょっとディープな方のやつ。政治家とかヤクザとかクラブのママとか・・・。
それなりに面白い作品なんだけど、ヤクザをここまで全面に出すなら物語がスマートすぎる感じは否めない。あくまで任侠マニアとしての意見ですが・・・。そりゃヤクザだって人間だしひとりの男だからロマンチックな恋愛をするだろうけど、やはり極道なら、仁義なき戦いの菅原文太みたいに「あとがないんじゃ、あとが・・・」と荒々しく女を抱いて欲しいし、千葉真一みたいに「わしらうまいもん喰ってよ、マブいスケ抱くために生まれてきとるんじゃないの」とか身も蓋もない台詞を言って欲しいのである。
とはいうものの、そこは直木賞作家の作品ですからそこいらの三流暴力映画や三流恋愛小説とはわけが違います。大人たちが抱える心の闇、人を愛するとはなにか、人を守るとはなにか、しっかり考えさせられます。
Posted by ブクログ
落ち着いた文章でじっくり書いてある作品なのに、何故か入り込めなかった。
登場人物の殆どが実の両親とは離別しているという設定までは受け入れたとしても、背景が実親が朝鮮総連の活動家、元覚醒剤中毒で売春させられていた女性、孤児院出身の元やくざでおまけにマグロの遠洋漁船に乗せられていた、自殺した愛人の子を本妻が養子にしたなど、昭和のやくざ映画さながらの極端な事例のオンパレードで、笑えるぐらい「やり過ぎ」ていることが理由でしょう。
エンターテイメント性と受け止めれば良いかも知れませんが、自分には合いませんでした。
Posted by ブクログ
この人の本は初めて読んだけど、みんなのレビューでよく美男美女を描く作家さんなのだと知った。
美男美女で他にどんな物語を作るのか?となんとなく気になります。
美人が美人に生まれたことで得ばっかりするわけじゃないのはわかるけど、美人には美人の生き方の型のようなものがある気がして。他の型も読んでみたいなあ。
Posted by ブクログ
白石さんはわたしの好きな作家さんの一人だけれど、
どんどんお話が読みやすくなっているような気がします (笑)
こちらは長編の恋愛小説で、
じっくりとした落ち着いたストーリー展開です。
心のつながりや人と人のつながりを丁寧に
成熟して書いたようなお話。
読み終えたあとの充足感も、味わい深いです。
Posted by ブクログ
美帆と優司の運命がちょっと見えづらい気がしながら読んだ。
しかし美帆の執念はかなり怖い。
美人はなかなか幸せになれないだの言われたり、その複雑な生い立ちの環境からすれば、そんな発想に行き着いてしまうものかと思った。自分にはとうてい同じ考えはうまれない。
Posted by ブクログ
人の心を支えるものには、人生の中のいろいろな瞬間である。その描き方がとても良かった。また容姿端麗な方々ですねハイハイと思ったら、けっこう感動。