白石一文のレビュー一覧
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作家の野々村保古は、最愛の女性・ことりと4匹の猫とともに暮らしている。 15歳下のことりと出会ったのは、野々村が40歳の時だった。以来20年、2人はかたときも離れることなく生きてきた。還暦を目前に、野々村はこれまでの人生における「出会い」について考える。
そんなとき、ことりが母の介護のため一時的に家を離れることに。すると、二人の間に微妙な空気が流れ始め……。彼女にいったいなにが起こったのか!?
人生という奇跡の意味に迫る、作家生活30年を迎えた著者渾身の自伝的小説。
事実に基づく部分もあるせいか、ややエッセイ的な側面もある小説。読みやすかった。 -
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白石一文さんは、少し前によく読んでいました。
何か考えが、男尊女卑で古いし、学歴社会を否定しながらも、登場人物は優秀で一流企業で働き、女性は美人ばかり…
いけすかないーと思いながらも、何故かひきつけられるところがありました。
本作も同じような傾向でしたが、以前よりインパクトがなかったです。
今どき、女性は家で夫を支え…のようなことを書けば、それこそボコボコにされるでしょうが…
白石さんご自身の考えが変わった、ってことなのでしょうか…
芽が美(乃が美のことですね)のパン!買ってきましたが、他の生食パンとの違いはわかりませんでした。
紀の善の抹茶ババロアは、すっごく美味しかったーどの作品に出てきたか忘れましたが。 -
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週刊誌の編集長である特権を利用して自分本意な性行為をするところから始まり、下巻は全てを捨てて癌に侵された体を引きずりながら北海道にたどり着いて、DVから救ってあげた女の買った家に住むことにする・・・という話である。自分も含めて、周りの人間はそれぞれの理想や正義感であふれているが、結局、世界は変わらないんだから、世の中の不条理も不正義も、どうでもいいじゃないか。オレは今を生きるんだ。
・・・という話だと思うのだが、この作品で作者は山本周五郎賞を受賞したとのことで、たぶん文学界では随分評価されている作品なんだろうなと思う。
白石さんはの作品では、いつも登場人物(大抵男が多いが)はいろんなセックスをしていたり、そんなセックスの話が出ていたりで、とにかく登場人物にセックスさせるのが好きなんだなといつも思う。
まあ、とりあえず主人公の編集長の男は優秀で頭もよくてお金もあってスマートな素敵な人なんだろうが、なんというか、人間として嫌な奴である。なので、上巻下巻の2冊を読み終わるまで結構時間がかかった。嫌なやつでも、小説の場合は読んでいて面白いということはあるんだろうけれど、どうもこの作品は、いまいちその魅力もなくて、読んだ後のため息さえも出なかった。
ただひとつ、じーんときたのは、主人公が逮捕に関わった殺人犯のYの恋人への手紙のところだろうか。人間らしさが唯一感じられたところだったからか、ちょっと泣けた。 -
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記憶の渚にて
1.物語
10年以上、付き合いがなかった兄と弟の対面が果たされます。
兄が自宅で自殺したことによる確認と引き取りです。
弟に連絡をした女性は偽名かつ住所も架空でした。
謎解きの始まりです。
2.物語の結末
1.のとおり、物語はミステリーで始まります。
しかし、終わりは、本の装丁のとおり、桜の木の下のシーンです。
しかも、犯人は、、、???と読者側の疑問を残す形で終わります。
ミステリーで始まり、その事件の動機から別の方向性で展開するのは、理解はできるが、難解でした。
3.難解な理由
登場人物は10人を超え、かつそれぞれ役割があり、さらに血縁で絡んできます。
家系図が巻末にあれば、解像度が少し高くなり、楽しめたのかもしれません。
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徳本産業社長 高梨修一郎を軸としたヒューマン。
高梨は古い名刺整理をしている時に、1枚の名刺に手が止まった。それは2年前に購入した陶製の水入れを実演販売していた販売員〝筒見花江〟のものだった。
お気に入りで2年間愛用していたのだが、ちょうど2ヶ月前にふとしたことから割ってしまっていた。
とは言え…高梨と花江の関係はちょっと強引すぎるかな。その関係を周りに〝嘘〟をついて取り繕う必要もなかったと思う。
登場人物が多いので、人間関係を整理するのがちょっと大変。
しかもその誰もが重い荷物を背負っていて、この〝ルイトモ〟は嫌だなぁ(^^;;
不倫、会社買収、失踪、死、自殺、行方不明、虐待、殺人事件、裏切り…
運がいいとか悪いとか
たいていの場合そう言うことは主人公に任せられるのだけど、脇役陣の抱える過去が主役以上にやたらと重いので、1つの物語のなかにいつくもの物語がある。
その1つ1つのエピソードの起承転結の順序が入れ替わって進んでいくので…
例えば
「あの時の私は知るよしもなかった…。」
と匂わせてから〝あの時〟が出てこないうちに、他のエピソードが進むけどそのエピソードも匂わせなのでちょっと「は?」となること数回。
その結果〝あの時〟を早く知りたいので、読むしかない!と言う感じにはなる。
高梨だけでなく、全員が救いのない、変えることのできない過去の呪縛と共に生きている。
過去に縛られた者同士がお互いの苦しみを理解し支え合いながら、光のない海を進み続けるしかない。この先もずっと…。
いや、誰もが幸せになっていいんだよ…と願わずにはいられない。
今年の14冊目
2021.9.20
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ネタバレ「本当の愛」は、家柄やお金が絡んでいる結婚ではなくて、不倫の恋の方にあった…というような展開にちょっと納得いかないんだけど、なんかそんな話です。
大物政治家の息子である主人公は、不倫やらお金の問題やらで窮地に陥り、心を病んだ状態にある。
本来アタマが良くてちゃんとしているはずの彼が、精神的にちょっとおかしくて約束を忘れたり、お金のやりくりが全然できてなかったりする様子は読んでいてハラハラして、“よくわからないけどなんか病んでる”っていう感じが実にうまくに描いてある。その彼がだんだん回復していって、真実を見つける話…
(つまり本当に自分のことを愛してくれて、本当に自分が愛すべき人はすぐそばにいたのに、それを自分が気付かないためにすぐそばでありながら彼方にあった、やっと真実に気付いた)とも読めるけどーーーーーー。
ちょっと政治的な駆け引きの話の分量が多くて、読むのに疲れました。国を動かす大きな仕事をしていながら、結局人間は(どんな政界の大物でも)、すぐそばにありながら手に入れられない愛や、それにまつわる扱いづらい自分の感情など、なんだか小さなことに悩まされるもので、そのギャップを感じさせるためにスケールの大きな政治の話を無意味なまでに長々と書いているのかなぁと思いました。
もしそうだとしたら私には有効でした。