白石一文のレビュー一覧

  • 私という運命について

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    この作者らしくなんだかいろいろなこと、それもどちらかといえば悲しいこと、が起きる。まあ、でも人生はそのようなものかもしれないし、身近なことも運命に司られているような感覚はなんかわかる。選択の連続は、でもそうなるものだったという…。途中途中引き込まれながらも、やっぱりちょっとめんどくさい小説だったかな。

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    2022年07月16日
  • 一瞬の光

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    ネタバレ

    (正しい意味での)メンヘラをファム・ファタールにしてしまった男の話。
    性愛でない愛のかたちを描いているが、自分の大事な人もこういうメンヘラとヒロイズムこじらせた共依存で親に捨てられたので、メリーバッドエンドの先はただの現実があるのを知っている身としてなんだかなぁと思いつつ読んだ。
    脳死状態のメンヘラにはそりゃ勝てないよなぁと思った。

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    2022年05月26日
  • 私という運命について

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    主人公冬木亜希の20〜40代の物語。主人公の考え方が理屈っぽいなぁと思いつつ、じっくり読めた。

    ラストについては、うまくまとめているが好みではない。

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    2022年05月20日
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

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    ネタバレ

    優しくて嫌悪すべきところはなくて、何だか2人の主要登場人物は、誰かの理想を込めて作られたような人たちだなと思った。気持ちよく読み進められた。随所に記された死生観も考えさせられる。
    でも、なんとなく、メルヘンみたいで現実感ないなーと思ったり…

    最後に解説を読んで、すごく腑に落ちた。誰かを励ます思いで創られたものか。優しい手紙みたい。解説を読んでから再読すると、また沁みてくる。

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    2022年04月01日
  • 一億円のさようなら

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    家族としての自分の人生、会社員としての自分の人生、そして自分自身の人生を考える話でした。
    信用は愛情よりもきっと大切で、だからといって自分を幸せにするのは自分という根底は大事だなぁと。
    家族を持って、自分も幸せに、家族も幸せにというのは本当に困難な事なんだと思う。

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    2022年02月05日
  • 火口のふたり

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    個人的に主人公の賢治と重なる部分があり胸が痛くなった。今まで歩んできた人生は短くどのようなものか分からないけれど生き方について考えさせられた。ちょっとだけ生き方を変えようと思ってみた作品。

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    2021年12月22日
  • 記憶の渚にて

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    記憶の渚にて

    1.物語
    10年以上、付き合いがなかった兄と弟の対面が果たされます。
    兄が自宅で自殺したことによる確認と引き取りです。
    弟に連絡をした女性は偽名かつ住所も架空でした。
    謎解きの始まりです。

    2.物語の結末
    1.のとおり、物語はミステリーで始まります。
    しかし、終わりは、本の装丁のとおり、桜の木の下のシーンです。
    しかも、犯人は、、、???と読者側の疑問を残す形で終わります。

    ミステリーで始まり、その事件の動機から別の方向性で展開するのは、理解はできるが、難解でした。

    3.難解な理由
    登場人物は10人を超え、かつそれぞれ役割があり、さらに血縁で絡んできます。

    家系図が巻末

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    2021年12月05日
  • 光のない海

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    徳本産業社長 高梨修一郎を軸としたヒューマン。
    高梨は古い名刺整理をしている時に、1枚の名刺に手が止まった。それは2年前に購入した陶製の水入れを実演販売していた販売員〝筒見花江〟のものだった。
    お気に入りで2年間愛用していたのだが、ちょうど2ヶ月前にふとしたことから割ってしまっていた。

    とは言え…高梨と花江の関係はちょっと強引すぎるかな。その関係を周りに〝嘘〟をついて取り繕う必要もなかったと思う。

    登場人物が多いので、人間関係を整理するのがちょっと大変。
    しかもその誰もが重い荷物を背負っていて、この〝ルイトモ〟は嫌だなぁ(^^;;

    不倫、会社買収、失踪、死、自殺、行方不明、虐待、殺人事件

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    2021年09月20日
  • すぐそばの彼方

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    ネタバレ

    「本当の愛」は、家柄やお金が絡んでいる結婚ではなくて、不倫の恋の方にあった…というような展開にちょっと納得いかないんだけど、なんかそんな話です。
    大物政治家の息子である主人公は、不倫やらお金の問題やらで窮地に陥り、心を病んだ状態にある。
    本来アタマが良くてちゃんとしているはずの彼が、精神的にちょっとおかしくて約束を忘れたり、お金のやりくりが全然できてなかったりする様子は読んでいてハラハラして、“よくわからないけどなんか病んでる”っていう感じが実にうまくに描いてある。その彼がだんだん回復していって、真実を見つける話…
    (つまり本当に自分のことを愛してくれて、本当に自分が愛すべき人はすぐそばにいた

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    2021年09月17日
  • 幻影の星

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    ネタバレ

    (2013年5月に書いた感想です)
    この頃の白石一文さんは、震災や原発事故、火山の噴火などに絡め、この世(いのち)の無常さを書くことが多いのかな?
    この物語もそんな感じ。
    あくせく生きても、結局100年後にはみんな死んでるし、大地震みたいな自分ではどうしようもないことで、あっさり死んでしまうことだってある。
    生に執着してもむなしいものだ…。
    この物語では特に、「時間」について特殊なとらえ方をしている。
    時間(過去・現在・未来)なんて、人間が作り出した幻想みたいなもので、現在の自分以外のモノはしょせんイリュージョン。
    そんなことを考える主人公は、あるとき存在するはずのないものを受け取る。
    それは

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    2021年09月17日
  • 草にすわる

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    みんなそれぞれ何かを抱えて、過去の楽しいことも辛いことも様々な記憶を持って生きている。
    綺麗なことばかりでもなく、理不尽な思いをすんなり飲み込んで前に進めることの方がきっと少ない。
    それでも、飲み込んだふりをして、納得したと言い聞かせ、次の縁に引っ張られてなんとか進む。
    自分でしっかり立って自分の意思で前に進むのが理想だけれど、やはり何かに寄りかかって引っ張られてなんとか信じて前に行くしかない人もいると思う。

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    2021年07月14日
  • 一瞬の光

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    古くからある大企業に勤めてる自分としては、企業と政治の繋がりだったり、企業内での出世だったりという点は面白かった。
    いち企業人として、どのように世界をより良くするかという理念は、扇谷の考えに共鳴する。

    物語全体としては、やはり結末が気に入らないなぁ…。誰も幸せにならない。いや、主人公は幸せなのか?
    物語後半の主人公のどっち付かずの行動が好きになれなかったな。

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    2021年06月08日
  • 火口のふたり

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    映画を見てから原作を読んだ。
    映画ではセックス描写が多く何が言いたいのかよく意味が分からなかったが、原作では二人がひとときの男女関係にどっぷり漬かる様子がよく分かった。人生はいつも一生懸命でその懸命さの積み重ねが立派な過去を作り未来に繋ぐことができる。だが、いつも懸命では息が切れてしまう。疲れてしまう。だから二人は息抜きをした、ということかな。

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    2021年05月17日
  • 永遠のとなり

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    40代後半でうつ病を発症し離婚して生まれ故郷の福岡に戻った主人公。肺がんを患っている親友との交流を通して自分の人生を見つめ直す。

    お互いにしんどい状況になった時に支え合える相手がいるのは非常にうらやましい。若干の厄介ごとに巻き込まれながらもお互いにより良い人生を歩もうと助け合える友人を持つことは歳をとっていくに当たって非常に大事なことだと思う、ら
    しかしながら、主人公は過去に女性問題をおこしており、親友は3回の離婚と再婚をしてさらに不倫中。両者とも罪悪感はゼロ、
    不倫を扱った小説は多いが、主人公のほうの女性問題は設定としてなくても良かったのではないかと。もっと反省しろと思ってしまう。

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    2021年05月09日
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

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    芹澤と珠美が“色仕掛“をきっかけに出会い、退職や離婚といった社会的には一見マイナスな出来事を皮切りに、ふたりが徐々に回復していくストーリー。
    その過程には、著書白石さんからのメッセージが散りばめられている。

    共感できるメッセージもあったが、衝撃を受けるような、何か新しいことを気づかせてくれるメッセージがなかった上に、よく理解できなかったメッセージがあったため、星は3。


    以下、メモ

    ■共感できたメッセージ

    ・ほんの小さなミスはほんの小さな結果を招き、重大なミスが重大な結果を招く。重大な結果を招いた以上、そのミスはほんの小さなミスであるはずがない。些細な手違いや判断ミスに見えたとしても、

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    2021年04月25日
  • 翼

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    ネタバレ

    ツッコミどころもあるし、すごく共感できるわけではないのだけど、不思議と惹きつけられて読んでしまう白石ワールド。

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    2021年04月21日
  • 一億円のさようなら

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    きんじへんぺん近時片々の類は取るに足らない日常だけで食傷なのかもしれないと思っている かくなる境涯に追い詰められていったのか? 翻意を促した 秘匿 かんげき間隙 ちき知己 一驚した 成功裏に終わり 叔父の真意が奈辺にあったか知る由もない ひんひを頻々と起きている 憤懣を抑えつける 収拾できない 訝しい気持ち 天狗舞 手取川 菊姫 ひやおろし 熟れ切った 苦み走った デラシネ(フランス語で根無草) 首肯しつつも 堂に入ったものだ つうよう痛痒 却って困るといった雰囲気は微塵もない 気風の良さが察せられた 佇んで 鴉の世界は一夫一婦制で ていかん定款に名を連ねる 人災の側面は捨象されてしまったのか

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    2021年04月22日
  • もしも、私があなただったら

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    大人の愛。
    歳をとると「好き」だけでは突っ走れない。
    結婚とか子供とかお金とかがちらついて。
    ちらつきながらも結局最後は好きかどうか。心を通わせれるかどうかなんだな。。。

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    2021年04月12日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上

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    「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け(上)(下)」(白石一文)[電子書籍版]を読んだ。なんだか読んでる間中胸が締め付けられでるみたいで息苦しかったんだけど、拒絶反応かな。以前「四日間の奇跡」(浅倉卓弥)を読んだ時もこんなだった。それ以来浅倉さんを読んでない。白石さんはどうしようか。

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    2021年03月23日
  • 一億円のさようなら

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    ネタバレ

    表向きは円満な夫婦だったが、ある日、妻の夏代に48億円もの資産があることを知る、夫鉄平。

    鉄平は会社をリストラされ、マンション購入を断念し、関東から親戚を頼りに福岡へ移住することになったときにも、そんなことは一言も知らなかった。

    それは妻が叔母から譲り受けたが、妻は自分のお金だとは思っていなかったため、一切手をつけるのをやめようと考えていたからであり、妻はそのお金は元からないものとしていたからである。

    しかし、夫としてはなぜそれを苦しいときに使ってくれなかったのかと考えた。
    また、2億円をカナダの企業に出資していることもあり、矛盾しているではないかと考え、妻に対して不信感を抱く。

    その

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    2021年03月04日