白石一文のレビュー一覧
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記憶の渚にて
1.物語
10年以上、付き合いがなかった兄と弟の対面が果たされます。
兄が自宅で自殺したことによる確認と引き取りです。
弟に連絡をした女性は偽名かつ住所も架空でした。
謎解きの始まりです。
2.物語の結末
1.のとおり、物語はミステリーで始まります。
しかし、終わりは、本の装丁のとおり、桜の木の下のシーンです。
しかも、犯人は、、、???と読者側の疑問を残す形で終わります。
ミステリーで始まり、その事件の動機から別の方向性で展開するのは、理解はできるが、難解でした。
3.難解な理由
登場人物は10人を超え、かつそれぞれ役割があり、さらに血縁で絡んできます。
家系図が巻末 -
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徳本産業社長 高梨修一郎を軸としたヒューマン。
高梨は古い名刺整理をしている時に、1枚の名刺に手が止まった。それは2年前に購入した陶製の水入れを実演販売していた販売員〝筒見花江〟のものだった。
お気に入りで2年間愛用していたのだが、ちょうど2ヶ月前にふとしたことから割ってしまっていた。
とは言え…高梨と花江の関係はちょっと強引すぎるかな。その関係を周りに〝嘘〟をついて取り繕う必要もなかったと思う。
登場人物が多いので、人間関係を整理するのがちょっと大変。
しかもその誰もが重い荷物を背負っていて、この〝ルイトモ〟は嫌だなぁ(^^;;
不倫、会社買収、失踪、死、自殺、行方不明、虐待、殺人事件 -
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ネタバレ「本当の愛」は、家柄やお金が絡んでいる結婚ではなくて、不倫の恋の方にあった…というような展開にちょっと納得いかないんだけど、なんかそんな話です。
大物政治家の息子である主人公は、不倫やらお金の問題やらで窮地に陥り、心を病んだ状態にある。
本来アタマが良くてちゃんとしているはずの彼が、精神的にちょっとおかしくて約束を忘れたり、お金のやりくりが全然できてなかったりする様子は読んでいてハラハラして、“よくわからないけどなんか病んでる”っていう感じが実にうまくに描いてある。その彼がだんだん回復していって、真実を見つける話…
(つまり本当に自分のことを愛してくれて、本当に自分が愛すべき人はすぐそばにいた -
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ネタバレ(2013年5月に書いた感想です)
この頃の白石一文さんは、震災や原発事故、火山の噴火などに絡め、この世(いのち)の無常さを書くことが多いのかな?
この物語もそんな感じ。
あくせく生きても、結局100年後にはみんな死んでるし、大地震みたいな自分ではどうしようもないことで、あっさり死んでしまうことだってある。
生に執着してもむなしいものだ…。
この物語では特に、「時間」について特殊なとらえ方をしている。
時間(過去・現在・未来)なんて、人間が作り出した幻想みたいなもので、現在の自分以外のモノはしょせんイリュージョン。
そんなことを考える主人公は、あるとき存在するはずのないものを受け取る。
それは -
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40代後半でうつ病を発症し離婚して生まれ故郷の福岡に戻った主人公。肺がんを患っている親友との交流を通して自分の人生を見つめ直す。
お互いにしんどい状況になった時に支え合える相手がいるのは非常にうらやましい。若干の厄介ごとに巻き込まれながらもお互いにより良い人生を歩もうと助け合える友人を持つことは歳をとっていくに当たって非常に大事なことだと思う、ら
しかしながら、主人公は過去に女性問題をおこしており、親友は3回の離婚と再婚をしてさらに不倫中。両者とも罪悪感はゼロ、
不倫を扱った小説は多いが、主人公のほうの女性問題は設定としてなくても良かったのではないかと。もっと反省しろと思ってしまう。 -
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芹澤と珠美が“色仕掛“をきっかけに出会い、退職や離婚といった社会的には一見マイナスな出来事を皮切りに、ふたりが徐々に回復していくストーリー。
その過程には、著書白石さんからのメッセージが散りばめられている。
共感できるメッセージもあったが、衝撃を受けるような、何か新しいことを気づかせてくれるメッセージがなかった上に、よく理解できなかったメッセージがあったため、星は3。
以下、メモ
■共感できたメッセージ
・ほんの小さなミスはほんの小さな結果を招き、重大なミスが重大な結果を招く。重大な結果を招いた以上、そのミスはほんの小さなミスであるはずがない。些細な手違いや判断ミスに見えたとしても、 -
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きんじへんぺん近時片々の類は取るに足らない日常だけで食傷なのかもしれないと思っている かくなる境涯に追い詰められていったのか? 翻意を促した 秘匿 かんげき間隙 ちき知己 一驚した 成功裏に終わり 叔父の真意が奈辺にあったか知る由もない ひんひを頻々と起きている 憤懣を抑えつける 収拾できない 訝しい気持ち 天狗舞 手取川 菊姫 ひやおろし 熟れ切った 苦み走った デラシネ(フランス語で根無草) 首肯しつつも 堂に入ったものだ つうよう痛痒 却って困るといった雰囲気は微塵もない 気風の良さが察せられた 佇んで 鴉の世界は一夫一婦制で ていかん定款に名を連ねる 人災の側面は捨象されてしまったのか
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ネタバレ表向きは円満な夫婦だったが、ある日、妻の夏代に48億円もの資産があることを知る、夫鉄平。
鉄平は会社をリストラされ、マンション購入を断念し、関東から親戚を頼りに福岡へ移住することになったときにも、そんなことは一言も知らなかった。
それは妻が叔母から譲り受けたが、妻は自分のお金だとは思っていなかったため、一切手をつけるのをやめようと考えていたからであり、妻はそのお金は元からないものとしていたからである。
しかし、夫としてはなぜそれを苦しいときに使ってくれなかったのかと考えた。
また、2億円をカナダの企業に出資していることもあり、矛盾しているではないかと考え、妻に対して不信感を抱く。
その