白石一文のレビュー一覧
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机や椅子といった什器の類の入れ替えを行なっている 鬱々とした気分も軽くなっていった 水瓶ボトル 厳しい淘汰の波をもろに被る立場だから 胃に穴が空くほどの呻吟を持つ繰り返している 「ハチノスって分かりますか。牛の胃袋なんですが、その煮込みをトリッパって言うんです」白山通り 御崎町 海蛇の水入れ 昌平橋、万世橋、秋葉原駅前を経て道なりに神田川沿いを走れば、じきに浅草橋だった。昭和通り改札 電気街に立ち並んでいた各店舗は軒並み客足を奪われていったのだ どん底には底があること、峠には折り返しがあること、逆境とは一つの境地に過ぎないということを、私は心のどこかで察知していた気がする… 家計は逼迫し 蛍烏賊の沖漬け 今日は佐藤の黒にした 啖呵売たんかばい てんぷ天賦の才 名古屋はパチンコの本場だからね しゅんいち舜一 水道橋駅ホームの向こうに四十三階建ての特徴のあるビルが聳え立っている。設計は東京都庁と同じく丹下健三で、彼の晩年の作品だった。 景色の素晴らしさを加味するなら破格の値段だろう じょせい女婿 憤懣やるかたないといった表情 暗々裏あんあんり 神田須田町 私はしんかめ神亀を、堀越さんは獺祭を頼む。 きょそ挙措動作 どうにもならない事実は何一つ変わりようがないんですから 安易に肯くことも憚られる気がした いのちの支えという言葉に私は耳を留めた 先代の懐刀でもあったらしい 間遠あいどお 幾ら返杯へんぱいを受けても顔色一つ変わらなかった 外に出ると車寄せに黒塗りの大きな乗用車が横づけされていた 徳本美千代の墓は小石川の伝通院にある 都内屈指の名刹めいさつ 辣腕を振るって 湯島や上野で密会 太い幹には注連縄しめなわが張られ 暫し合唱瞑目 壱岐坂下 どくしゃく独酌に耽る 手取川の大吟醸 しばしば蒙が啓かれるような適切なアドバイスを貰っていた 天狗舞に切り替える この子を通して、いま自分の血と美千代の血とがしっかりと繋がった…。私はその事実に身の内が震えるほどの感動を味わっていたのだ。神をも畏れぬ、なんと淫靡で罰当たりな喜びだったであろうか。 欺いて 戸山の国際医療研究センター病院 一切合財が 山川草木に乏しい街場には故郷を偲ぶよすがなど何処にもない 昭和レトロを絵に描いたようなかつての繁華街は 砂子いさご 銀座街の入口に「天龍」の看板を見つけ 私達はその捻じ曲げられた物語に何とか辻褄を合わせようとチョーク片手に呻吟し、結局は、ろくに辻褄を合わせられぬまま、死という黒板消しによって書きかけの物語をあっという間に消されてしまう。 じつこん昵懇の坂崎悦子とも 至極まともな このコーヒーミルは石臼のように磨り潰すのではなく 私は、龍鳳斎の醸し出す雰囲気に、底の深い慈しみのようなものを感じた。 吟味してきた はしった奔った こちらの不寛容な態度のせいで その感懐は 巣鴨のぼだい菩提寺 江戸切子の職人 彼女の忌憚のない意見を是非聞いてみたかったのだ 高梨さんは顔の筋肉を節約し過ぎよ 専務の大庭に対する評価も蒙を啓かれるような心地がした 案外正鵠を射ているかもしれない よう杳として知れなかったのだ 神田川は両国橋が架けられている地点で隅田川と合流するのだ 支え合う伴侶 楽園の樹=パラダイス・ツリー 敵愾心 ゆうげ夕餉時を迎えて 白石一文信奉者が多いのもむべなるかな いずれは存在の有無さえ確認不能な黒々とした闇の中へと飲み込まれてしまうのだ 彼等の考えるのとはまったく別の方向に白石さんの豊かな鉱脈があったことを意味している 複雑な陰影を持って描かれたり しゅっしょく出色の出来 鳥瞰する視点によって描かれる
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『二十年後の私さん。心がくたびれて、なにもしたくなくなったり、誰のことも好きになれないような気がしたら、どうか、この私のことを思い出して下さい。私はいま、あなたのことを心から応援しています。そしてあなたが素敵な人と出会い、幸福な人生をこれからも送っていくことを心から願っています。父や母、いやそれ以上の強い気持ちで、私はあなたの幸せを祈っています。あなたは決して一人ではありません。こうして今も一生懸命に生きている私がいます。これからも一生懸命に生きていく私がいます。そういうたくさんの私が積み重なって、いまのあなたがいるのです。だから、あなたは決して一人ではありません。一人だと思ったときは、二十年前のこの私を、いまから一年後の私を、二年後の私を、三年後の私を…どうか思い出して下さい。そういうたくさんの私を決して忘れないで下さい。そして、そのあなたのそばには、きっとあなたのことを心から愛してくれる人がいるはずです。私はそのことだけは絶対に信じています。そう信じてこれから一生懸命に生きていくつもりです。二年後の私さん。あなたが歩んだこの二十年の人生に、私は精一杯の拍手を送ります。本当にご苦労さま、本当にありがとう!では、二十年後のいつの日にか、あなたに会えるのをいまからとても楽しみにしています。』
『お前が、その人を幸せにする自信があるのなら、俺は身を引く。ただし、お前がその人に幸せにして貰いたいと思っているのなら俺は離婚は絶対に認めない。こんなやり方をしておいて、誰かに幸せにして貰おうだなんて余りに虫がよすぎるからね』 -
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愛護センターという名の処分施設 癇癪持ち 剥奪 排卵日 猟犬ミニチュアダックスのハリー 荒唐無稽な 浅草界隈の雑踏 杉並区久我山 不憫 贔屓 カヌー 鎌田浩之 東西線門前仲町 福生 急逝 一筆認めて 湯島 清澄 東条紘子 牛寺周一郎 人間の容姿の嗜好 相好を崩して 川越 次元大介 大腿骨 一瞥 京葉線 血縁の絶対化 日光白根山 伊香保温泉 愕然たる思い 妊娠の可能性は35歳を境にして急降下 瀕死なオタマジャクシ ソニーを退職 死という絶対現象 際限なく再生産 下卑た欲望 桃源郷 人生は一回きりの死と無限回数の誕生によって織り成された実に奇妙な生成物 彼等は生殖・繁殖活動は行っても、それを死と結びつけたりはしない。我が身の命の儚さを嘆いて新しい命を産もうなんて考えていない。単に原始的な本能に従って彼等は新しい命を生産するんです。だからそうやって生まれた子供達にさしたる愛情を注がない。子供達が一人前になれば大抵の動物は親子関係をきっぱり清算してしまう。彼等にとって大切なのはあくまで自分自身の生存と生活なんです。 死というのは本来、死ぬ瞬間のことなんです。自爆攻撃で自分の身体を吹っ飛ばしたテロリストの意識が消える一瞬、俺達が毎晩眠りに落ちて意識を失ってしまうその一瞬、それこそが死の本体です。しかし、俺達は死をそういう瞬間的なものとして捉えることができない。俺達が考えている死というのは、死本体ではなく、そこに至るプロセスのことです。 死は一瞬のうちに訪れては去って行く人生で一度きりの現象に過ぎません。 自覚を反復し続けます 死を知っている人間が子供を産むということは、まごうことなくその子を殺すことです。 レモングラス ミント プランター 幾つかのハーブ香草 そのどうしようもない愚昧さの中にあの桜の美しさが宿っているような気がしてならない とりとめなくも ビールはコロナで切り立てのライムが細い瓶口にちゃんと差し込んであった アボガドのパテとクラッカー ザルの枠 〆にボンゴレ浅蜊など二枚貝を使ったパスタ 一斗缶 熊本は急流が多くてパドリングやラフティングのメッカ CorCorという名のホワイトラム 弾みがつく 宮崎焼酎河童の誘い水 ピーナッツバターのパスタ 将棋盤 鴻巣かんなが乳癌で乳房の切除手術を受けた 男を誘って子種を貰うため でもさ、そういうのってほんと、超くっだらないよね。 高遠耕平 成長を止めた赤ん坊のようになっていく 祐天寺 行き先を見失った船は、永遠に広い海を漂流し続けるしかない。 オーガニックワイン この下らない世界全体に対する復讐 卓袱台 堅牢化 娘婿 豆板醤 倉吉市 娑羅双樹 嘘が露顕 破綻 徹頭徹尾 思慕 亡妻 画策 清楚 瀬踏み 根拠のないプライドをひけらかす 一目瞭然 早稲田鶴巻町 狭心症 便宜的 堆積物 既視感 整体師 流暢 人間模様を頭の中で相関図化していく 鬼籍きせき 正鵠を射ていた 気圧が乱高下らんこうげ 西村美紗子 直志 豹変 絶望の底無し沼から抜け出す術 手中 時候じこうの挨拶 錯綜した人間関係 熾烈 恋慕れんげ 悔悟かいご 憧憬どうけい 時空を超えて 忘れえぬ思慕 嗚咽 幻惑 肉体という容器 煩雑に絡まり合い 皆目分からない 収斂せず、ひたすら混沌のままに 野放図 襷を次の世代に押しつける 超越的な運動の渦中 成就 金輪際すまい 臍帯で明々白々めいめいはくはくに繋がっている 塗炭の苦しみ 一陣の風が父と自分との分かち難い絆をようやく断ち切ってくれた 衒いもなく 上梓され 祥伝社 端正な装丁そうてい 寧ろ現実世界の先に存在する、謂わば形而上的な価値を訴求してゆく 掬い取り この世界の完璧な全体像 ぶんげいしゅんしゅう文藝春秋 金銭的に窮乏きゅうぼう 速射砲のように繰り出された 抽象的な比喩に満ちた彼の話の内容 渦中かちゅう 従前じゅうぜんより 翻弄 際限無く再生産 愚かしく矛盾に満ちた行為 疑義を呈し 言葉の狭間 対峙 真摯 思惟や意思 ミクロな微視的びしてきな側面 マクロな巨視的きょしてきな側面 必定ひつじょう 相互な視点の落差 振幅の大きさが生み出すダイナミズム 命題から目を逸らし安穏と生きる 裡なる対話 謎ミステリー 侮りがたさ 網の目の中心にいる磁場のような存在 気鋭の作家 樋口毅宏 知遇を得て 博覧強記 尋常ではない えいびん鋭敏過ぎる頭脳を持つ余し 嬉々として 潰えて 逼塞 突如拝命 自我エゴ 参加エントリー その彼方に茫漠と広がる世界との接点を持って形成された世界 否応無く競争を強いられ 競争原理が支配する世界において敗者となれば、この社会自体から落伍するよりない。 脳内に於いてヴァーチャルな世界観の構築を試み 傲岸にも僕が代弁 同調シンクロ 最後に呟かれるモノローグ 鉛の様な疲労 すぐ側の彼方に希望を託す
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ムンバイ 愁嘆場しゅうたんば 面貌めんぼう 細面ほそおもて ひが彼我の力の差は歴然としている 椿林太郎 都営三田線の志村坂上駅 中野サンモール商店街 リスカ少女よろしく手首に模様を描いただけでもない 画一的な教育 早稲田鶴巻町 両国の江戸東京博物館 綱島の学生マンション 佐賀の嬉野温泉 早世そうせい 一体どうやって収拾をつけたのか 窓の向こうには上智大学のキャンパスが広がっていた 僕はどんな処分でも甘んじて受ける覚悟ですから 目黒区の鷹番 最寄駅は東急東横線の「学芸大学」だ ふし父子家庭 雲散霧消 強烈な興奮 快哉を叫ぶ 訃報 マザー・テレサ 覚醒後 アル中は病気なんだからさ 義兄ぎけい 至極淡々としている 荒唐無稽 仔細に反芻してみると 穿鑿せんさく 存念そんねん 継母けいぼ 枚方に住んでいる大学時代の友人 微に入り細をうがった 創業期のメンバーだった上杉千沙子を放逐するという異常事態に陥ってしまっているのは事実だろう 白黒テレビからカラーテレビに変わったときのようなパラダイムの転換 見做されて 肝煎り むーちゃんにまつわる思い出 未来テレビ 自分が親としての務めを果たしていない言い訳のために俄か作りの理論武装をしているに過ぎない 口を噤む 顕著な虐待 社外秘扱い あえて譬えるとすれば 持ち前の精緻な頭脳 策を弄したところで 画塾 瀟洒な私邸 暇乞い 販社の札幌オフィス 起草きそう 参画さんかく 懇請こんせい 菊間千乃ゆきの 自分の中のまだ見たことのない自分を突きつけられる 椿体育教室 トランポリン
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ネタバレいまやりたいことをやっていると、
人間は未来を失い、過去に何も残せない。
明日のために必死の思いで今日を犠牲にしたとき、
初めて立派な昨日が生まれる。
白石一文さん読むの久しぶりな。
つか、
この人の小説って純文なんですかね?
普通に恋愛小説なんですかね?
村上春樹さんも純文でしょう?
よく言われるのは2人ともSEXシーンが多い!
でも、
「生きる」ことを書くということは恋愛が必要だし、
恋愛にSEXがなかったらそれは恋愛なのでしょうか?
1年ほど前にかぐりん、
実はアメリカに移住を考えていました!
英語も話せないし、
東京埼玉からも出てことが少ないやつが何を言ってるのか!
と、
自分でも思うけどチャンスがあったんで考えた。
なにしろ、
この小説「火口のふたり」にもあるように、
原爆やら、
どっかの国との戦争やらミサイルやら、
地震に、
富士山の噴火やら、
日本って国は危険に曝されすぎてないか?
若者が「安定」を考えて、
冒険をする生き方を拒否する人が多いらしいが、
この日本に住んでいる限り安全も安心も安定もないと思うのがかぐりんだ!
そうではないか?
ならば、
と、
チャンスがあったんでアメリカ移住考えたよね。
でもやっぱり、
日本人なんだかぐりんはって答えがでた。
昔ふたりはつきあってた。
いとこ同士なのにな。
賢ちゃんは、
失業なうで借金も1000万ほどあるのかな。
しかもバツイチか。
15年たって直子が結婚するってことで再会。
再会して燃えちゃったんですねあの頃の炎が!
で、
SEXしまくりですよ。
で、
富士山が爆発するらしい!
そうなると日本は終わる。
直子の旦那になる予定の彼は自衛隊の偉い人だから、
噴火の予想がたって結婚をキャンセルするくらい忙しい。
そんななか、
賢ちゃんと直子は?
いまやりたいことをやっていると、
人間は未来を失い、過去に何も残せない。
明日のために必死の思いで今日を犠牲にしたとき、
初めて立派な昨日が生まれる。
刺さった言葉だが、
その通りなんじゃないかって思うね。
モンハン始めてからだらけてる。
だらけてるってのは、
自分の好きな今を満喫してるだけの状態なんじゃないかな?
未来のために生きることを毎日してたいね。
勉強も、
占いも、
読書も明日のために未来のためにってやってるよ、かぐりんわ!
今日の今の生き方を考え直すきっかけになった優良書でした。
SEXばっかりな話しでしたけどね笑 -
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すこぶる胸糞悪い小説だった。次から次にろくでもない男ばかりでてくる。ちなみにすべて不倫。
身勝手で独善的で、ばっかじゃないの?と思わず吐き捨てたくなるような愚かさのオンパレード。
でも、それを知っていてもなお、そんなろくでもない生物をどこか愛おしく思えてしまうのは何故だろう。
既婚男性と尻軽独身女性の組み合わせばかりだからありきたりでチープに感じてしまうけれど、男も女も似たようなものかもしれない。
誰だって自由に生きたい。誰がどう思おうが誰がどうなろうがどうでもいい。愛する人と一緒にいたい。でも愛する人はころころ変わる。
そんなもんでしょ。所詮みんなゲスなんですよ。
と私はこの本を読んで思いましたね。
極め付けは表題作の「不自由な心」。
作家自身が、この話に入り込みやすくするために前の四編を書いたっていうぐらいの渾身作。
不倫で盲目になって相手と一緒になろうとしてそれに発狂した妻が自殺未遂をして、それで頭が冷えて家庭に戻ったものの、ほとぼりが冷めればまた別の人と不倫にはしる江川。
妹の旦那がかつての自分と同じように不倫の果てに離婚しようとするのを引き留めるが、なんの説得力もナシ。妹の旦那に説教した内容ぜんぶ江川本人が自分に言い聞かせてきただけの薄っぺらいものだ。
半身不随になってしまった妻を石塊呼ばわりまでして、あのとき死んでしまったら良かったのにだなんて、クズすぎて言葉がでてこない。
こういうタイプの人間は本当の意味で誰かを愛することなんてできやしないんだ。結局自分のことしか愛せない。
社会的に理性的に生きていかんとするならば、不自由な心をどうにかなだめすかして飼いならして、押し込めて、なんなら首を捻り上げて、そうやってやっていかなきゃならないんだ。 -
Posted by ブクログ
林太郎の言動にイライラ。その理由が分かるとイライラは解消されたのだが、別のモヤモヤが・・・。そして不思議にそのモヤモヤは不快ではない。面白かったが、なんともつかみどころのない作品でした。
あらすじ(背表紙より)
友人の生死を決める衝撃的な現場で霧子が出会った黒ずくめの男。彼は修羅場をよそに、消えるようにいなくなってしまった。後日、霧子は男に再会し、徐々に魅かれていく。彼の名は椿林太郎。学習障害児の教育に才能を発揮し、本気で世界を変えようと目論む、抜群に優秀な小学校教師。人は彼のことを「神の子」と呼ぶ。しかし、彼にはある大きな秘密があって…。生への根源的な問いを放つ傑作長編。