白石一文のレビュー一覧

  • 僕のなかの壊れていない部分

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    読むのがしんどかったっけど、
    作者がいう壊れていない部分がどこなのかを知りたくて読んだ。
    生き方をずっとぐるぐる考えていて、自己嫌悪にすぐ陥ったり、人のぬくもりを結局求めてしまって見苦しい言葉をつらつら言ってしまう主人公の、欠落した人間性で作品の8割ほどが占拠されてる。
    その欠落した人格の中、まだ自分の居場所を見つけられる希望そのものを微かに持っていて、
    それがおそらく壊れていない部分なのだと思う。
    えりこがキーパーソンとして考えられる。
    この人の向き合い方が主人公のダメさを表出している。
    キリがない。
    キリがないこの絶望の中で、探す可能性に縋って生きていくしかない。これが正義か悪かはわからな

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    2025年12月21日
  • 睡蓮

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     退屈させず、最後まで読ませるのだが、この作家の自画像と思われる、何でもできるスーパー男性主人公がこの作品にも登場しウザい。標題にもなっている「睡蓮」に出会った時の衝撃がよくわからない。

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    2025年12月18日
  • 睡蓮

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    67歳の櫻子は、娘が中学生になる頃に離婚してからずっと独りでいた。
    彼女のことを気にかけてくれていた兄も亡くなって17年が経つ。
    義姉の智子は、兄の元を突然去り同級生と再婚してからは、櫻子とも会うことはなかったのだが…。
    2人が語るそれぞれの想いとは…。

    仲の良い兄妹なのだろうが、ここまで心情を打ち明けるほどとは…と少し異常に思えるのだが。

    夫婦の関係も智子にとっては快適よりも重荷になっていたのだろうが、新たにスタートされた2人の生活は穏やかなのだろうと察せられた。

    最後の櫻子の爆弾発言は何を意味するのか…。

    愛情が相手の重荷になるほどだと、愛とは言えないのではないか、それは執着になる

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    2025年12月08日
  • 永遠のとなり

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    幼馴染でそれぞれが鬱病とがんを患っている二人の話。幸福感を感じられない二人ですが納得しているのかな。私の周りにも鬱病を発症した人がいましたが基本的に真面目というか物事を真摯に受け止める人が多い気がしました。

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    2025年12月01日
  • ほかならぬ人へ

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    ネタバレ

    表題「ほかならぬ人へ」と、「かけがえのない人へ」の、二編の小説。


    「ほかならぬ人へ」
    最初は、明生の妻なずなが酷い女のように感じたが、そうとも言いきれない。
    仕方がないこと。人を好きになるのは、理屈じゃないから。
    自分にとってベストだと思っていた相手は、実はそうではなかった。勘違いだった。
    ただそれだけのこと。
    匂いが好きだと思う人とは相性が良いと言うけれど、それは間違いないと思う。


    「かけがえのない人へ」
    みはるが黒木から離れられないのも、わかる。
    黒木は結婚してくれそうもないから、みはるは真っ当なエリートと婚約したわけだけど、黒木といる時の自分の方が自分らしくいられたんだろうな、き

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    2025年11月19日
  • ほかならぬ人へ

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    直木賞作品。明生にはあまり共感できませんでした。お互いの気持ちがうまくいかずじゃんけんみたいだねという渚の言葉が印象に残りました。

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    2025年11月14日
  • 幻影の星

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    何作目かの白石一文さんの作品

    書評を見る限り、これが彼の骨頂なんだとは思うが、おー、、そういう感じねという驚き(何か謎が明確に紐解かれていくのかしら?)と思いながら読み進めていたため若干思っていたのとは違ったが面白かった

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    2025年10月26日
  • つくみの記憶

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    幼馴染の友莉と結婚するだろうと思っていた遼平だが会社のパートとしてやってきた つくみに出会いあらがうことができなくなる 弟の耕平その恋人 謎の七輪優作 様々な人達が瓜生島と猫のキーワードで繋がってくる

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    2025年10月12日
  • つくみの記憶

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    白石さんの著作は欠かさず読んでいるつもりだ。本作は間に旅行とかが入り、時間がかかり過ぎ、人間関係がわからなくなってしまった。

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    2025年09月29日
  • ほかならぬ人へ

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    恋愛って怖い
    大人になるにつれてする恋愛はどこかで誰かが傷ついてしまうような

    だから妥協してはいけない、自分の気持ちに最初からみんな正直であるべきなんだなと

    最後の解説の作者の言葉が1番沁みた

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    2025年09月18日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上

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    「利害得失(りがいとくしつ)」とは、利益と損害、または得ることと失うことを意味する四字熟語です。利益と損失、という同じ意味合いの言葉を重ねることで、物事の損得やメリット・デメリットを強調する表現です

    数々のスクープを物してきた敏腕編集長、カワバタ。大物政治家Nのスキャンダルを追う彼の前に現れた奇妙なグラビアの女。彼女を抱いた日から、人生は本来の軌道を外れて転がり出す。不敵なまでの強引さと唐突さで物語に差し挟まれる数々の引用。小説が真理に近づく限界を極めた、第22回山本周五郎賞受賞作。(講談社文庫)

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    2025年08月23日
  • つくみの記憶

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    松谷遼平は、幼馴染の友莉という恋人がいたが、会社のアルバイトで入ってきた8歳下の隠善つくみと会ってから奇妙な感覚に襲われ、ずっと以前からの身内のような気持ちになる。

    すぐにつくみと結婚した遼平だったが、その後友莉の失踪で捜索を進めるうちに関係者たちの出自や記憶が、遼平の母の実家・瓜生村と繋がっていることに気づく。

    そして、つくみが突然いなくなった後、彼女も瓜生村に行ったのではと…。
    遼平がそこで体験したのは…。


    異常とも思える人と人の奇縁にあり得ないと思ってしまう。
    だが土地の記憶が関係ある人を結びつけているのだと思うとこのような魔訶不思議さもあるのでは…とも感じる。
    登場人物がみんな

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    2025年08月15日
  • つくみの記憶

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    一気読みでしたが、何とも言えない読後感…
    読み終わっても謎が解けたわけではなく、前半に際立ってたつくみさんの不思議だけど惹き寄せられる姿が途中から消え去って、個人的には残念な気がしました。この不可解さも白石ワールドといえはそうなのかも知れませんが。

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    2025年08月12日
  • 幻影の星

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    ネタバレ

    ・バーバリーのコートが故郷のバス停でなぜか発見されるところから始まる話。
    ・過去にも、どうも1回読んでいた記憶があるが、内容が曖昧だった。
    ・今回も歯痛があったので、しっかり集中して読めず、内容がイマイチ頭に入ってこなかった。
    ・2012年1月の発刊。主人公の内省がふんだんに作中に盛り込まれるタイプの作品。
    ・文庫解説の榎本正樹さんの文章がよかった。
    ・再読度:中。

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    2025年08月07日
  • つくみの記憶

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    不思議な空気感。シロの化身のつくみと遼平がどうなったか気になる。なんだか中途半端な幕切れ。別腹だけじゃなく別舌⁈

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    2025年08月03日
  • つくみの記憶

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    なかなかストーリーを理解するのがむずかしくて、これどうやって終わるの?って思いながら読んだ。
    読み終わっても何かスッキリしない感じでした。
    ファンタジー寄りなのかな?

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    2025年07月23日
  • 君がいないと小説は書けない(新潮文庫)

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    本著は小説家としての孤独や葛藤、繋がりと喜びを説く本である。
    創作活動全般、知的活動、表現全般の人にとっても通じ、そうでない仕事をしている人においても、「自分一人では生きていない。周囲に支えられて繋がって生きている」と人間であれば、業種業界分野問わず、共同体の中で生きていることを改めて知るきっかけとなるだろう。
    本著で述べている通り、小説家は孤独と葛藤と繋がりと喜びが混じり合う業種であり、その寂しさとも繋がりの中で生まれる温もりの両方を知ることができる。
    「君」とは「繋がる全ての人」であり、私たちがふと忘れてしまいがちな日常の営みのありがたみを思い出させてくれる。人は一人では生きてはいけない。

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    2025年07月15日
  • つくみの記憶

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    352ページという長めの小説でしたが、とても読みやすく、また単なる恋愛小説ではないところに引き込まれてしまいました。

    長年付き合っていた幼なじみの友莉がいたにも関わらず、職場のアルバイトの女の子「つくみ」を「この人は俺に会いに来たんじゃないかな?」なんて思い、友莉を捨ててつくみと結婚してしまう遼平。

    読んで行くとつくみという女性が本当に遼平に会う為に来た女性なのでは?と思わずにはいられなくなりました。

    ファンタジーというより、日本の昔話のような世界観。最後まで種明かしはされないので読者の思うように解釈して欲しいということなのでしょうか?

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    2025年07月13日
  • 代替伴侶

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    最愛の伴侶を失った者が利用できる代替伴侶法。人口爆発の時代に見つける愛の形とは?
    特殊な設定の中での展開になるほどとは思ったものの、そこへの持って行き方が少々不自然な気がしました。
    伴侶としてはともかく、このレベルのアンドロイドが実現された世の中がどのような発展をするのか実に興味深いですね。

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    2025年07月12日
  • つくみの記憶

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    全てが不思議な感じで話は最後まで続いた。
    次どうなるのか?とにかく気になって、それが最後まで続いた。
    すごく不思議な感じだ。

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    2025年07月01日