白石一文のレビュー一覧

  • ほかならぬ人へ

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    自分にとっての“ベストな人”って?
    元彼を忘れられない妻との関係に悩む明生、結婚目前にして元彼とのアブノーマルな関係を続けるみはる
    不倫もので(傷害事件に発展するなど)どろどろした内容のはずなのに、さらさらとろとろと読めて不快な感じはまったくしない、好き

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    2025年01月27日
  • 代替伴侶

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    滑らかな書き出し。
    おしゃれな文体。
    丁寧な暮らしをしている夫婦が1組。

    あ、苦手かも。
    が、最初の感想。

    なのに何故か先が気になる。
    岩波文庫みたいにみっちり書き込んでるんじゃなくて、どちらかというとスカスカした感じのページから、目が離せない。

    川のせせらぎのような、クラシック音楽のようなはたまた優しいテクノのような。

    知らぬ間に白石ワールドに引き込まれたようだ。

    アンドロイドの代替伴侶。の代替伴侶。
    そう遠くない未来の風景かも。


    穏やかにフェイドアウトするかと思いきやの
    ラスト。

    衝撃的過ぎる。
    うまい!

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    2024年11月29日
  • 代替伴侶

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    白石さんの創造力に感服。どっちがアンドロイドかごちゃごちゃしたが、最後は…。10年後に消滅するなら、代替伴侶はいらない。二度も悲しみたくない。小イワシでなくママカリの唐揚げ!御前酒も!懐かしい。小イワシの天ぷらとママカリの酢漬けつまみに一杯やりたくなった。

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    2024年11月26日
  • 代替伴侶

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    終わりが切なすぎる。悲しい。
    夫婦とは何かと言うテーマで読みました。
    子供がいない夫婦はお互いにがっつり向き合うしかないから大変そうだけどいいなぁと常々思っていたのでちょっと共感。
    子供を育てることで得られるものは果てしないけれど慌ただしさや、事務仕事で立ちどまって見つめ合うことはなかなか難しい。
    同じように歩んで話して一緒に育児していけたら最高だけどそううまくはいかないよな、現実。

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    2024年11月25日
  • Timer

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    Timerを装着すると89歳までは健康で生活できる。その代わりに期限が来ると必ず死ぬ。人の寿命を操作する事で一見平穏な世界が生まれる。実は永遠の命を得る事が出来るのでは?人間の死とは何をもって死となるのか?期限を迎える妻と装着をせず老いていく夫がその謎に近づいていく。

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    2024年10月19日
  • ほかならぬ人へ

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    この作家さんの書く小説は、しっとり具合と恋愛への切り込み方がとても好み。「一瞬の光」が好き。2つのストーリーが入っていて、どちらも言ってしまえば不倫がテーマなのだが、ただの略奪愛の話ではなく、自分にとって1番大切な人を追い求めもう少しそれにハマっていく人たちの内面を丁寧に現実味を帯びて描いている。すごく好きなのだが、説明もなく新しい登場人物が出てきて、解説が後に入るケースが多かったのが個人的に読みづらい。

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    2024年10月12日
  • プラスチックの祈り

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    この方の作品は結末が曖昧だったり、読み手の解釈に任されていたりモヤモヤすることが多いのだけど今作についてはなんだかその曖昧さも含めて不気味な雰囲気が作品全体の印象とマッチしていて良いと感じた。

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    2024年09月17日
  • Timer

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    人はどこから生まれてきて、死んだらどこへ行くのだろうか?
    これが宗教が生まれた大きな理由である、葬儀のときには時々この話をしていることを思い出しながら読み終えた。
    自分の命は、永遠の中の一瞬であり、広大な宇宙の中の1粒の塵にも相当しないかすかなものである。
    と考えるのか、この世界は全てが自分を中心に動いている、自分が見て、聞いて、考える、これが人にとっての世界の全てである。と考えるのか?
    死後の世界を考えることも、同じことなのかもしれない。

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    2024年08月27日
  • 愛なんて嘘(新潮文庫)

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    大人の恋愛小説

    男の人の方がロマンチストなんだろうか?
    お金や名誉や家柄よりも愛を選ぶ女
    何年も愛し続ける女
    現実では、そんな何年も会ってない男を思い続ける女は居ない
    でも、男は居たりする 現に私の周りでは居る

    そう、こういうのは憧れる
    濃くて深い愛
    この本はそんな話が六篇

    しみじみと考えさせられる

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    2024年08月14日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    本当に彼らしい作品で、
    1/5くらい読めばもうどういう話になっていくかは分かってしまうのだけど(水戸黄門的型通り展開)、
    それが却って安定感のある読み心地になる。

    自分の持っているものを見つめ、
    そして自分の心をよく見つめること。
    一貫して描かれるテーマにまた触れて、
    今回も読んで良かったと思わされた。

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    2024年07月15日
  • Timer

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     デカルトの「我思う、ゆえに我在り」という大命題に始まり、量子力学からの多世界理論に至る作品世界。

    (内容紹介)
    89歳までの健康長寿を保証する世紀の発明"Timer"
    "その日"が来たら、私の心と身体はいったいどこへ行くのか? 
    体内に装着したTimerの声に導かれ、余命わずかの老夫婦は、
    人生究極の問いの答えを求め、禁断の地へ向かう――。


    【あらすじ】
     「どんなにかなしいことがあっても、本当にかなしむ必要はない。この世界に悲劇なんてものは存在しないんだから。」
     89歳までの健康長寿を約束する夢の装置Timerを開発し、失踪したサカモト博士が

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    2024年06月26日
  • 我が産声を聞きに

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    ネタバレ

    検査で初期肺がんが見つかったその日に別居を申し出る夫を持った主人公名香子。1年前に高校時代の同級生に再会し、その女性と闘病生活を送ることにしたのだという。

    随分ひでえ夫だなぁ…と思いつつ、自分の命が有限であると知り、育児や家のローンなどの問題がなく、経済的な補償もきっちりできる状況で、別れを切り出すのなら、他者がつけいる部分ではないとも思う

    …とはいえ、小説なので登場人物に感想を持つのは自由。最初ひでえと思った夫の行動も、ヴィンテージTシャツの下りや、猫が逃げた時の下りを読むにつけ、それ以外の、割り切れない思いをしたこともきっとあったんだろうなぁと想像がつく。ただこの夫は割り切れない思いを

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    2024年06月09日
  • 我が産声を聞きに

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    肺がんの診断を受けた夫は、今日からは好きな人と暮らすと言って出ていってしまうのが物語のはじまり。その夫に対して妻の思考は始終ずっと堂々巡りをしている。夫とはどうなるのだろう?と考えながら読んでいたが、あくまでもこの本の主人公は「妻」だった。もっと夫とのエピソードがあってもいいな、と思ったが、主人公が「妻」であることを思うと、こういうラストシーンもありだと思う。

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    2024年04月11日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    ネタバレ

    不思議な読後感。
    恋愛小説かと思えばそうでもなく、死生観を扱うように見えてそう重くもなく、教育問題に切り込んでいるようでそこまで深くはない。絶妙な塩梅だ。
    夢オチのようではあるけど、きっともっとうまくいく未来があると思えるラストだった。
    まさに不思議なコースを辿ったようだ。
    自分がもっと若かったら、頑張ってみようかなと思ったことだろう。

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    2024年02月16日
  • 神秘(下)【毎日文庫】

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    余命一年と宣告され、かつて自分が電話で受けた不思議な力を持つ女性を探そうと考えた菊池は、土地勘もない神戸へ住むことにする。自分では偶然だと思っていた事が神秘の力に導かれていたとしたら?最後の方は鳥肌がたった。

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    2024年02月12日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    現代文学小説の様な複雑な人間の心理を細かく表現されている。主人公直人との特殊な育ちから独特の個性と男女関係の複雑な複数、枝里子、朋美、大西昭子の関係が重い小説だった。色気グロさも一般的にはきつい部分も。最後のエンドレスの雷太の行動には驚いたが、その後このストリートが落ち着いて終わっていく。

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    2024年02月04日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下

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    最後の方でミスリードさせて落とす展開は良かったし、救いのあるラストで良かったなという感じ。読み方を深めて再読したいと思わせる内容。満足。

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    2024年01月21日
  • 神秘(下)【毎日文庫】

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    ネタバレ

    小説ではあるものの運命であるとか…
    糸、繋がり、神秘的なこと…自分自身に重ねてみてしまう。

    散りばめられた伏線の回収も良かった。

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    2024年01月15日
  • 神秘(上)【毎日文庫】

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    おじさんの闘病記かと思いきや、なんか違う。本人は至って真面目な語り口なのに、所々でクスッと笑えるユーモアがあり、どんどん引き込まれていきました。下巻が楽しみです。

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    2023年11月16日
  • 砂の上のあなた(新潮文庫)

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    高遠耕平を軸に多くの人が絡む物語だが、登場人物間の関係が複雑で把握に苦労した.牛島美砂子、鎌田浩之、北村千津子など重要なキャラクターを発揮して話の展開を複雑にしているが、どの人物も嫌味がなく言ってみれば素直な性格の人ばかりで、読んだ後にそのことに気が付いて驚いた.納骨堂での出来事は何かを象徴していると感じたが、このようなエピソードを発想する作者の感性も素晴らしいと感じた.

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    2023年11月10日