白石一文のレビュー一覧

  • ほかならぬ人へ

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    この作家さんの書く小説は、しっとり具合と恋愛への切り込み方がとても好み。「一瞬の光」が好き。2つのストーリーが入っていて、どちらも言ってしまえば不倫がテーマなのだが、ただの略奪愛の話ではなく、自分にとって1番大切な人を追い求めもう少しそれにハマっていく人たちの内面を丁寧に現実味を帯びて描いている。すごく好きなのだが、説明もなく新しい登場人物が出てきて、解説が後に入るケースが多かったのが個人的に読みづらい。

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    2024年10月12日
  • プラスチックの祈り

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    この方の作品は結末が曖昧だったり、読み手の解釈に任されていたりモヤモヤすることが多いのだけど今作についてはなんだかその曖昧さも含めて不気味な雰囲気が作品全体の印象とマッチしていて良いと感じた。

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    2024年09月17日
  • Timer

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    人はどこから生まれてきて、死んだらどこへ行くのだろうか?
    これが宗教が生まれた大きな理由である、葬儀のときには時々この話をしていることを思い出しながら読み終えた。
    自分の命は、永遠の中の一瞬であり、広大な宇宙の中の1粒の塵にも相当しないかすかなものである。
    と考えるのか、この世界は全てが自分を中心に動いている、自分が見て、聞いて、考える、これが人にとっての世界の全てである。と考えるのか?
    死後の世界を考えることも、同じことなのかもしれない。

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    2024年08月27日
  • 愛なんて嘘(新潮文庫)

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    大人の恋愛小説

    男の人の方がロマンチストなんだろうか?
    お金や名誉や家柄よりも愛を選ぶ女
    何年も愛し続ける女
    現実では、そんな何年も会ってない男を思い続ける女は居ない
    でも、男は居たりする 現に私の周りでは居る

    そう、こういうのは憧れる
    濃くて深い愛
    この本はそんな話が六篇

    しみじみと考えさせられる

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    2024年08月14日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    本当に彼らしい作品で、
    1/5くらい読めばもうどういう話になっていくかは分かってしまうのだけど(水戸黄門的型通り展開)、
    それが却って安定感のある読み心地になる。

    自分の持っているものを見つめ、
    そして自分の心をよく見つめること。
    一貫して描かれるテーマにまた触れて、
    今回も読んで良かったと思わされた。

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    2024年07月15日
  • Timer

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     デカルトの「我思う、ゆえに我在り」という大命題に始まり、量子力学からの多世界理論に至る作品世界。

    (内容紹介)
    89歳までの健康長寿を保証する世紀の発明"Timer"
    "その日"が来たら、私の心と身体はいったいどこへ行くのか? 
    体内に装着したTimerの声に導かれ、余命わずかの老夫婦は、
    人生究極の問いの答えを求め、禁断の地へ向かう――。


    【あらすじ】
     「どんなにかなしいことがあっても、本当にかなしむ必要はない。この世界に悲劇なんてものは存在しないんだから。」
     89歳までの健康長寿を約束する夢の装置Timerを開発し、失踪したサカモト博士が

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    2024年06月26日
  • 我が産声を聞きに

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    ネタバレ

    検査で初期肺がんが見つかったその日に別居を申し出る夫を持った主人公名香子。1年前に高校時代の同級生に再会し、その女性と闘病生活を送ることにしたのだという。

    随分ひでえ夫だなぁ…と思いつつ、自分の命が有限であると知り、育児や家のローンなどの問題がなく、経済的な補償もきっちりできる状況で、別れを切り出すのなら、他者がつけいる部分ではないとも思う

    …とはいえ、小説なので登場人物に感想を持つのは自由。最初ひでえと思った夫の行動も、ヴィンテージTシャツの下りや、猫が逃げた時の下りを読むにつけ、それ以外の、割り切れない思いをしたこともきっとあったんだろうなぁと想像がつく。ただこの夫は割り切れない思いを

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    2024年06月09日
  • 我が産声を聞きに

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    肺がんの診断を受けた夫は、今日からは好きな人と暮らすと言って出ていってしまうのが物語のはじまり。その夫に対して妻の思考は始終ずっと堂々巡りをしている。夫とはどうなるのだろう?と考えながら読んでいたが、あくまでもこの本の主人公は「妻」だった。もっと夫とのエピソードがあってもいいな、と思ったが、主人公が「妻」であることを思うと、こういうラストシーンもありだと思う。

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    2024年04月11日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    ネタバレ

    不思議な読後感。
    恋愛小説かと思えばそうでもなく、死生観を扱うように見えてそう重くもなく、教育問題に切り込んでいるようでそこまで深くはない。絶妙な塩梅だ。
    夢オチのようではあるけど、きっともっとうまくいく未来があると思えるラストだった。
    まさに不思議なコースを辿ったようだ。
    自分がもっと若かったら、頑張ってみようかなと思ったことだろう。

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    2024年02月16日
  • 神秘(下)【毎日文庫】

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    余命一年と宣告され、かつて自分が電話で受けた不思議な力を持つ女性を探そうと考えた菊池は、土地勘もない神戸へ住むことにする。自分では偶然だと思っていた事が神秘の力に導かれていたとしたら?最後の方は鳥肌がたった。

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    2024年02月12日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    現代文学小説の様な複雑な人間の心理を細かく表現されている。主人公直人との特殊な育ちから独特の個性と男女関係の複雑な複数、枝里子、朋美、大西昭子の関係が重い小説だった。色気グロさも一般的にはきつい部分も。最後のエンドレスの雷太の行動には驚いたが、その後このストリートが落ち着いて終わっていく。

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    2024年02月04日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下

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    最後の方でミスリードさせて落とす展開は良かったし、救いのあるラストで良かったなという感じ。読み方を深めて再読したいと思わせる内容。満足。

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    2024年01月21日
  • 神秘(下)【毎日文庫】

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    ネタバレ

    小説ではあるものの運命であるとか…
    糸、繋がり、神秘的なこと…自分自身に重ねてみてしまう。

    散りばめられた伏線の回収も良かった。

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    2024年01月15日
  • 神秘(上)【毎日文庫】

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    おじさんの闘病記かと思いきや、なんか違う。本人は至って真面目な語り口なのに、所々でクスッと笑えるユーモアがあり、どんどん引き込まれていきました。下巻が楽しみです。

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    2023年11月16日
  • 砂の上のあなた(新潮文庫)

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    高遠耕平を軸に多くの人が絡む物語だが、登場人物間の関係が複雑で把握に苦労した.牛島美砂子、鎌田浩之、北村千津子など重要なキャラクターを発揮して話の展開を複雑にしているが、どの人物も嫌味がなく言ってみれば素直な性格の人ばかりで、読んだ後にそのことに気が付いて驚いた.納骨堂での出来事は何かを象徴していると感じたが、このようなエピソードを発想する作者の感性も素晴らしいと感じた.

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    2023年11月10日
  • 神秘(下)【毎日文庫】

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    再読本。以前読んだ数年前より
    丁寧に読むことが出来た気がする。
    前回のレビューでも書いているが
    私は不思議な事、神秘的な事を否定しない。
    体験をした事がある訳では無いが
    きっとこの世界は神秘で溢れている気がする。
    そしてそう思いながら生きていると少しワクワクする。

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    2023年11月03日
  • 火口のふたり

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    ネタバレ

    結婚する直子とあの頃の時間に戻るけんじ。付き合うでも結婚するでもないけど、1番お互いのことを知っている関係。終わりがわかっているからこそセックスが燃え上がるんだと思う。けんじは仕事も家族も失ったけど、直子と再会したことで、自分の本当に求めていることが見えてきた気がする。

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    2023年10月24日
  • ほかならぬ人へ

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    白石 一文は、日本の小説家。父は直木賞作家の白石一郎。双子の弟は小説家の白石文郎。2010年「ほかならぬ人へ」で直木賞を受賞。
    親子で直木賞だけあって、文体は素晴らしく、読み応えがあり、展開も早く、吸い込まれそうに読み応えある。
    NHKのドラマ「一億円のさようなら」の原作者。

    1.「ほかならぬ」とはどういう意味ですか?
    ほかの人ではない。 まさにその人である。 特別な関係にある。 ほかならぬ。)

    「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」…妻のなずなに裏切られ、失意のうちにいた明生。半ば自暴自棄の彼はふと、ある女性が発していた不思議な“徴”に気づき

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    2023年10月12日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    胡散臭い系とかカルト系かと思い読んでみたら、全くそうではなく とても素敵だった。素晴らしい言葉がたくさんあった。

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    2023年08月31日
  • 私という運命について

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    読み終わって本を閉じたとき、思わず「読み終わったー」と口に出して言ってしまった。比較的厚い本なのでバッグに入れて持ち歩くのも重かったが、その内容も充分に重かった。

    主人公の冬木亜紀の、29歳から40歳までの約10年間を描いた超大作である。
    恋愛、仕事、結婚、出産。
    いくつになっても夢は諦める必要はないと世間は言うけど、でもやっぱり年齢的なものが原因で、手放さざるを得ない願いはある。
    あのときああしていれば、もしかしたら。
    違う選択をしていたら、今頃は。
    そんな気持ちになったことがない人なんて、この世にいるのだろうか。

    『運命』という漢字は、ウンメイともサダメとも読める。
    サダメと読むと『定

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    2023年08月08日