白石一文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
デカルトの「我思う、ゆえに我在り」という大命題に始まり、量子力学からの多世界理論に至る作品世界。
(内容紹介)
89歳までの健康長寿を保証する世紀の発明"Timer"
"その日"が来たら、私の心と身体はいったいどこへ行くのか?
体内に装着したTimerの声に導かれ、余命わずかの老夫婦は、
人生究極の問いの答えを求め、禁断の地へ向かう――。
【あらすじ】
「どんなにかなしいことがあっても、本当にかなしむ必要はない。この世界に悲劇なんてものは存在しないんだから。」
89歳までの健康長寿を約束する夢の装置Timerを開発し、失踪したサカモト博士が -
Posted by ブクログ
ネタバレ検査で初期肺がんが見つかったその日に別居を申し出る夫を持った主人公名香子。1年前に高校時代の同級生に再会し、その女性と闘病生活を送ることにしたのだという。
随分ひでえ夫だなぁ…と思いつつ、自分の命が有限であると知り、育児や家のローンなどの問題がなく、経済的な補償もきっちりできる状況で、別れを切り出すのなら、他者がつけいる部分ではないとも思う
…とはいえ、小説なので登場人物に感想を持つのは自由。最初ひでえと思った夫の行動も、ヴィンテージTシャツの下りや、猫が逃げた時の下りを読むにつけ、それ以外の、割り切れない思いをしたこともきっとあったんだろうなぁと想像がつく。ただこの夫は割り切れない思いを