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Posted by ブクログ
下巻に入ると、山下やよいさんにぐっと近づいていきます。彼女が結婚式をしたという教会や、阪神大震災の犠牲者名簿などから、少しずつ居場所を手繰り寄せていく、この過程が一番ワクワクしたかも。
その後は、何かがぱあっとひらけていくような展開を期待していたもののそうはならず、一度はテンションが下がってしまったのですが、最後の「あとがきに代えてーー白石一文『神秘』を語る」まで読んだとき、ああ、この本は「がん(病)の治し方」を、「生きたまま生まれ変わる」ことは可能であることを、具体的に示してくれた小説だったのだと納得しました。
すべては必要な展開だったのです。この小説の中には、なにひとつ無駄はなかった。そして、私が、今、この本を読んだことは必然だった。私もきっと何かに導かれて生きているのだろうと感じました。
〈私〉もしくは〈僕〉による、生と死についての考察や深い内観が良かった。私自身も漠然と考えていたことが言葉に表されていて、メモに書きとめたことばや文章がたくさんあります。いのち、生と死、生き方、死に方、これらについて何か思うことがあれば、この小説を開いてみると何かしらのヒントが得られるのではないでしょうか。
ラスト、谷口善道さんの主人公への問いかけの答えは、この小説のタイトルにつながっていくのでしょう。登場人物たち、この人たちにはみんな幸せになってほしいと思いました。
この「神秘」を知った今、もう一度初めから読み返したいという気がしています。なかなかおもしろかったです。
それにしても、JR住吉駅の「新快速飛び降り事件」て、これも本当にあった事件なんですね。びっくりだ。
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