白石一文のレビュー一覧

  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    発達障害や学習障害をもつ児童の教育に才能を発揮する林太郎と、彼に魅せられた周囲の人たちのお話
    社会問題に深く切り込むわけではないが、彼のピュアな人生観の世界に学ぶことは多かった
    「人が生き続けるには、自分を好きでいることが大切」

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    2025年12月11日
  • ほかならぬ人へ

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    先月ようやく長編小説「大地」を読み終わったことで、小説枠が空き、こちらの一冊を読んでみることに。以前、目当ての本と一緒にメルカリで売られていて、たまたまついてきた。どうやら直木賞を獲った作品でもあるということで、内容もわからず読み始める。結論、結構好き。とても落ち着いた大人な内容だが、人との関係性についてハッとさせられる。本のタイトルでもある「ほかならぬ人へ」と、「かけがえのない人へ」という2つの物語がある。最後にふと「ほかならぬ」と「かけがえのない」はどう違うのかなと考えた。「ほかならぬ」は自分主語、「かけがえのない」は運命主語なのかな。あと、編集者の作者に対する愛に溢れたあとがきがとても良

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    2025年11月20日
  • 私という運命について

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    ドラマで観てとても心に残ってたので永作博美さんと江口洋介さんを思い浮かべながら読んだ。
    心がずんと重くなるというかもう一度読みたいとは思えないけれど、ドラマはまた観たいと思う。

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    2025年11月18日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    印象的だったのは、登場人物の思考と、主人公の周りにいる人たちの優しさ。哲学的な文章が出てくる。

    タイトルが強烈で、どこが壊れてて、どこが壊れてないか、を考えながら、読んでいくことになる。

    壊れてる っていう言い方は刺激的だけど、恐らく誰もがそういうところって、少しはある。読み進めながら、自らを省みたりすることになるし、主人公を不誠実な人間とは全く決め付けられない。

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    2025年11月10日
  • 一億円のさようなら

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    ストーリー的には面白くすらすら読める。

    ただ登場人物個人個人の人間性がいまいちよく分からず、行動に共感できない描写が多かった。

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    2025年10月16日
  • ファウンテンブルーの魔人たち(新潮文庫)

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    小説の主人公が明らかに作者をモチーフとしている
    それゆえ、現実のことを書いているように思えてくる

    作家の前川倫文
    住んでいるタワーマンションで外国人が3人亡くなる
    その犯人が白い幽霊という噂があり、その調査を始める。
    調査の方法として、幽体離脱して意識体で事件現場に向かう

    SFなんだろうけども、どこか予言的なことを書いている気がする

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    2025年09月26日
  • Timer

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    なぜそう思ったのかは分からないが、最初はこの作家のエッセイかなと思って読みはじめたら、小説と分かり、題名からして認知症になりつつある主人公のわずかな余生みたいな話なのかなと思ったら、SF小説だった。
    ずっと面白かったのだけれど、哲学的な話でもあって結構一気に読み進めたのだが、最後は何だかよく分からなかった.残念。

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    2025年08月29日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    本を読んで、一人の人間をこれほどまでに深く描いて、知るほどにその人としての魅力を感じられる作品はそう多くない思った。物語の中盤までは、周辺人物との関わりの中で主人公のさまざまな側面が点のように描かれるから、相手に合わせて異なる顔を見せる人間の日常のようで、言動や人への向き合い方がチグハグなように感じるけど、物語が進んで主人公が自分自身と深く向き合うフェーズに入るにつれて、読者の主人公に対する解像度が上がって、「点」が次第に「線」となり、「面」となり、最後には一つの「球」になっていくような感覚が味わえてすごく面白かった。
    その過程で主人公の人柄を理解していくと、状況に応じた主人公の言動に一本の筋

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    2025年08月24日
  • 一億円のさようなら

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    もし自分の伴侶が億万長者だったら、そしてそのことを秘密にしていたら。
    膨大な遺産を継いでいた妻、恋愛至上主義な子どもたち、保身に走る会社の役員たち、昔の後輩である女将、親友を虐めていた同級生…みんな勝手にするがいい、と思って離婚届を置いて金沢に転居した主人公鉄平。
    660ページの長編なのにぐいぐい読めた。おもしろかった。

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    2025年08月17日
  • つくみの記憶

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    遼平は会社の懇親会でアルバイトのつくみと

    初めてまともに話をして

    彼女と昔から知り合いのような・・・

    不思議な感覚に襲われ、

    それ以後、彼女のことが気になって・・・



    普通の恋愛ものかな?と思いつつ読み進めていくと

    ミステリーのような、ホラーのような、

    なんとも言えない感じで

    すごく面白くて夢中になれる展開だったのだけれど



    結末が、ちょっと、消化不良・・・

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    2025年08月08日
  • 一億円のさようなら

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    ネタバレ

    面白かった。お金が絡むとやっぱいいことはないよなぁという気持ちがあったけど、この中のキャラたちの生き生きとした生き方がとても良かった。今自分が一億円貰ったら何するんだろうなぁと思うけどなんかちょっとだけ買ったらあとは銀行に入れて半分忘れながら日々を過ごしそう。って考えるのも楽しい。
    ただ、章が変わるときにがらっと場面が変わるんだけど、全然説明が無く会話からだんだん状況が見えてくる、ってのが結構あったのが個人的には結構ストレスだった。その中で新キャラの名前だけが出てくるけど読み進めないと背景がよく分からんかったり、えっ?えっ!?ってなりながら追うのが辛かった。そこだけマイナス。

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    2025年08月01日
  • つくみの記憶

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    ネタバレ

    信仰や転生や神様をうまくブレンドして構成されており、一気読み確定です
    大分県がキーワードであり、4年間住んでいたので親近感もわいているので、高評価になっているかも
    最後の方は少し雑なまとめ方なので、✡−1で✡4としました(最後モヤモヤ感が残ります)

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    2025年07月27日
  • 我が産声を聞きに

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    割と軽めの筆致で描かれた佳作的な作品だが、すらすらと読み進められる。語り口の技術が高いのだと思う。
    再読:中

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    2025年07月27日
  • 一億円のさようなら

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    この著者では初めて。博多にある親戚の化学系企業に勤めながらトップの代替わりとともに左遷された50代が主人公。妻がずっと前に相続していたという多額の遺産の存在を知る。当然なぜ黙っていたのか、信頼関係が崩れたとなじる主人公鉄平に妻は今後を考えましょうと一億円を渡してくる。果たして鉄平は何をするのか、妻との今後はどうするのかと、人生の危機に直面しての葛藤に共感できる部分は多かった。最後はびっくりでなかなか良かった。ドラマ化されてるようだから見ようかな。

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    2025年06月19日
  • つくみの記憶

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    章毎に物語を引き継ぐように語り手が変わり話を進めていく手法は、話の展開への興味を喚起し次から次へとページをめくってしまった。

    謎の女性つくみとの運命的な出会いと、遼平が子供の頃に助けられた白猫のようなつくみ。
    遼平とつくみの結婚までの話かと思えば、それから派生する様々な出来事と関係者たちの出自が不思議にも大分県津久見市に集約されていく。
    ファンタジー的でもありながらミステリアスな話の展開に、このような終わり方なのか…と、作者に放り出されたような結末に不思議な読後感があった。
    様々な証言を集めて真実を描く…、のではなく混沌とした話を混沌と終わらす。すっきりしないが、気になる小説になった。

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    2025年06月17日
  • 代替伴侶

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    離婚した時に相手の記憶を持ったアンドロイドを借りれるというお話。子どもが欲しい、子どもを持つ、という人たちが、自分とあまりにも違う世界の住人になってしまうなあと思っていたところに響いた。

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    2025年05月15日
  • 一億円のさようなら

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    ネタバレ

    内容は妻・夏代が30億余の遺産を相続をしていたにも関わらず、夫の鉄平には黙っていたこと、かつての愛人の会社に投資していたことから夫婦としての不信感を抱き、離れ離れになると言うもの。
    息子は従姉妹と恋愛関係にあり、娘は大学生にして妊娠など人生の困難が降りかかった鉄平には同情するが、全てを捨てて金沢に移り住むのはどこかモヤっとする。
    スタンスとして「自分は頑張って働いていたのに疎外感がある」という雰囲気が気に食わない。

    ただ、未練がましく夫がウジウジして元鞘に収まるというような物語ではなくてよかった。

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    2025年04月16日
  • 我が産声を聞きに

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    我が産声を聞きに
    白石一文
    冒頭、主人公の夫の病気が発覚してからの急激な展開も彼女の前の彼氏の胸のうちの蟠りに気付いた後の流れも白石一文先生らしい話の導入な気がする。それに神戸が舞台なのは「神秘」と同じで神戸の街の描写に既視感を感じる。白石先生らしい「運命の人と暮らす選択」…があって残された彼女がこれからどう生きていくか?を見つけていく話…まだ冒頭80頁ほどだがそう感じますw
    ちょっと違うけど「一億円のさよなら」に似てる気がした。彼女は出て行かれた方だけどね。
    長く一緒に暮らしてきた相手がある日突然、理路整然と理解不能な理由をつらつらと述べて目の前から日常から消える…そんな事あるのか?って気が

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    2025年04月15日
  • 見えないドアと鶴の空

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    筆者の本の中では面白い方の部類。
    主人公の内省が多いのがこの人の特徴。
    再読するかどうかは、しばらく経ってから。してもよいと思うが今はその必要を感じない。

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    2025年03月05日
  • 代替伴侶

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    近未来の夫婦の在り方を問う物語だけれど、抱える問題はいつの世も同じだし、愛情の深さも同じなんだ、と言うことが伝わって来る。もう20年前に読みたかったかも笑

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    2025年01月30日