白石一文のレビュー一覧

  • 光のない海

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    ネタバレ

    運命に翻弄された男の、深い深い孤独を描いた物語。
    主人公の修一郎は、家族を失って孤独ながらも、人との縁に恵まれ中堅会社の社長にまで上りつめる。しかし彼の心は癒えることはない。社長になったのも自分の意思でもなく、、「運命に縛りつけられている感じ」。小説中、2、3度しか出てこないが「命の支え」というのがかなり大きなキーワードだと思う。彼が孤独なのは「命の支え」が何もないからだ。とりあえず自分に託された「会社」を守るために一生けんめいに努めてきたが、それさえもなくなると…?
    少し前に平野啓一郎の作品「空白を満たしなさい」で、人がどんな瞬間に自死を選ぶのか考えさせられたが、それとも通ずるものがあった。

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    2021年08月08日
  • 愛なんて嘘(新潮文庫)

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    あー自分以外をクズだと思うって厨二乙だけどそうでしか心の置き場がないんだよー。ただ、恋人にはその黒さをまざまざと見せつけるっていう。つかれる。

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    2021年07月25日
  • 記憶の渚にて

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    小説を読みながら、まるで映画を見ているかのように情景を思い浮かべることが、楽しいこの頃。その映画をより深層まで表現するために、現実での体験が必要になってくると思う。生活地域での経験や人との関わりでの経験等を重ねれば重ねるほど映画で細かい描写ができる。だから年齢を重ねることで小説の感じ方が変わるのだと思う。

    白石一文さんの作品に少しだが、実家である清瀬市が出てきたことに感動しました。
    没入感が半端ない作品。

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    2021年07月05日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    今までの中で読み返したいと思えるなかなかにない作品だった
    名言的引用も数多く出てきてすごい惹かれるものが多かったと思う
    主人公の病み感が良い
    心取り憑かれるような衝撃的文体と忘れることのできないストーリー

    今のとこマイベスト!No. 1です

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    2021年04月12日
  • 私という運命について

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    亜紀と義理の母親との温泉道中が一番好きな場面ですが、エピソードで印象に残っているのは田中角栄。
    ページレイアウトがベタだけどドラマのように展開するので、初見はドキドキした。2回目以降は主人公2人以外の人生も興味を持ってより深く読める。
    JUJUの春雪を聴きながら年1回は読みたい本。

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    2021年02月21日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    普段生活するうえでは自覚することのないような、人としての根本的な部分を抉りだされて向き合わされるような小説だった。

    主人公は偏屈だけれど、共感できるところもある。

    何度も読み返したくなるような言葉達が詰まった作品。 

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    2021年02月18日
  • 一億円のさようなら

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    NHKBSのドラマでやってましたが見損ねたので、小説のほうで。福岡と金沢、少々土地勘があるので入り込めました。面白かったのは間違いないのですが、最後はもう少しノーマルに、しんみりと元の鞘に戻ってほしかったなって。これ個人的な希望、好みとして。なんか皆さん濃いキャラクター、そして濃い人生ですよね。やっぱ、お金と女性は怖ぁ。両方とも縁がありませんが。

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    2021年02月10日
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

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    これから読む方、
    必ず解説まで読んでください。

    喪失を知るすべての人へ捧げるレクイエム
    と書かれていたが、
    私自身がこれまで感じた喪失とは少し違ったものではあった。
    ただ、大事なことを気づかせてくれるようなテーマが盛り込まれていたことは間違いない。
    自分の向いていた方向を考え直すような作品だと感じた。

    本文は終始サクサクと読みやすかったのに
    解説まで読んで、こんなに考えられた内容だったのか、と頭がぐるぐるした。

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    2021年01月29日
  • 私という運命について

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    ネタバレ

    主人公にどっぷりはまって感情移入してしまう私には、ものすごく感動した作品でした。「選ばなかった未来なんかどこにもない」という一説は、「あの時ああしとけば良かった」と思うことが多い自分には、痛かった。
    それにしても最後の最後、本当に悲しかった。

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    2021年01月24日
  • 一億円のさようなら

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    有り得なさそうで有り得そう、でもそれすら有り得なさそうというようないかにも現実味離れたお話だという印象があります。
    1億貰った鉄平さんの使い方に心の広さを感じました。


    PS BSTVで若い頃の鉄平さんを演じたSixTONES 松村北斗くんすごくかっこよかったです( ⸝•ᴗ•⸝)♡

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    2020年12月05日
  • 光のない海

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    またとんでもない白石一文作品に出会ってしまった…

    中堅建材会社社長の高梨修一郎の50年間を辿る。登場人物もりもり群像劇パターンで、とんでもエピソードもりもりパターン。
    不倫はもはやデフォルトで、粉飾決算、猟奇殺人、失踪、焼身自殺、刃傷沙汰、性的虐待まで出てきて収集つかなくなると思いきや現実感は失わない。スピリチュアルな所は置いておいて。
    それは現存する苦しみだから。

    「孤独」を書いた作品だけど、とにかく愛がすごいなと思った。愛というか、縁?運命的なつながり。
    肉親を皆失い、妻に裏切られ息子も失い、社長職も退き、生涯で唯一愛した人をも喪ったことに気づく。
    人が抱え持つ絶対的な孤独は消して埋め

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    2020年07月05日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    りかに買ってもらった本。

    主人公の高慢さと自己中心的な態度に辟易とするが、それが彼における自己なのであり、こちらからの見方は一義的なものでしかないということを気付かされる。死生観や他人との関わり方など、興味深い内容が多く再読したい作品である。

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    2020年05月06日
  • 私という運命について

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    ネタバレ

    とにかく最初から惹き込まれた。
    亜紀と自分が重なる部分もあったりして続きが気になってどんどん読み進めた。
    最後の章を読んでいる時、ずーっとザワザワしてて、、やっぱりって思って、、涙が止まらなかった。
    そうなる気はしてたけど、、そうならないで欲しかった。
    でも好きです。
    人に薦めたくなる本です。

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    2020年03月27日
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

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    ここは私たちのいない場所
    後書きまで読んで、この物語が分かった気がしました。フッと湧いたように仕事を無くして、それ以後、何か中途で止まったままで何処へ向かうのか?どう決めようか何も思いが浮かんでこなかった。
    これまで仕事が第一優先として生きてきた。ずっと立ち止まらせてきた人生を見つめ直して、自分の為の新しい一歩を何方へ向けて踏み出そうか、ずっと持ち合わせていなかった選択権をどう使おうかと逡巡しているような印象を読んでいてずっと感じていました。
    最愛の者であっても違っても、見知った誰かを喪失したその時、なにか自身を振り返る瞬間があって、それが起因にこれまで観ていた景色の色あいが少しずつ変化して行

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    2020年01月13日
  • どれくらいの愛情

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    -20年後の私へ-
    この作品は白石先生らしい福岡を舞台に社会的に自立した離婚歴のある女性の物語。
    40歳を目の前に迎えて、今後このまま独りで人生を送っていくのか、それともある種の妥協の言い訳を自分に言い聞かせながらでも伴侶を得て世間一般的に普通らしい人生を送るのか…そんな分岐点に立って、これまで気づいていなかった愛情に気づく…ほんと白石先生らしい展開の物語でした。100頁程の短い物語なのでそんな感動すると言うほどのものではありません。彼らしさを感じられる作品として受け止めれば良いかと思います。

    -たとえ真実を知っても彼は-
    これはとても面白かったです!
    作家と編集者という戦争を共に戦うような

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    2019年08月30日
  • 愛なんて嘘(新潮文庫)

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    夜を想う人
    孤独の先の先とはどんな場所なんだろうか…
    一見して分かるようなおかしな所はない。けれど本当は誰にも理解できない寂しさが自分自身を覆っていることを明確に感じ取っている。それは自分だけにしか分からない不治の病みたいなもの。ずっとずっと共生してきた分身…自分はとっくに壊れていることを知っているのに、別れのその時がくるまで自分を騙して生きてきた。でもね、最期は一人でいく…
    二人のプール
    出逢ったその瞬間に全ての運命を理解してしまうような話。白石先生のデビュー作「一瞬の光」に通じるような出逢った刹那、お互いの小指を結ぶ赤い糸が見えてしまったような運命の人。そんな人本当にいるのか?実は僕はいる

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    2019年06月13日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    白石先生特有のちょっとファンタジーっぽい物語かなって読み進めてたら、295頁で打ちのめされてしまった…
    「人間が生き延びるために一番必要なこと」
    この命題に対する回答に驚きを禁じ得なかった。まさしくその通りだと感じたのだ。そしてそこに白石一史の芯を見たような気がした。ますます白石一文先生が好きになった作品になりました。

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    2019年04月24日
  • 光のない海

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    著者は、早稲田大学卒業、文芸春秋入社。藤沢周平などの編集者として活躍。父親は直木賞作家の白石一郎。幼い時から本に囲まれ、本を読みまくっていたようだ。小2でドストエフスキー『罪と罰』を呼んだという逸話も。2000年に『一瞬の光』でデビューし、2010年に『ほかならぬ人へ』で直木賞受賞。本作品は24作品目。文芸春秋は結婚直後のパニック障害と、九州にいた父親の癌で退職している。影響を受けた本はカミュの『異邦人』という。村上龍や司馬遼太郎の作品もほとんど読んでいる。村上というと春樹より個人的には、村上龍の作品という。父親は韓国の釜山生まれで著者の祖父は金持ちだったようだ。弟も双子(白石文郎)で作家。巻

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    2018年12月02日
  • 翼

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    思いがけず泣いてしまった・・・


    一流企業でバリバリ働く里江子は、体調を崩し、クリニックへ。

    そこで、10年ぶりに医師、岳志と再開する。



    彼は里江子の友人・聖子の夫であるが、

    10年前、聖子の彼氏として紹介された翌日に、

    彼は、里江子に「結婚して欲しい」と言ってきた。



    あまりにも突拍子もない話に、とまどいつつも、

    その場は何とか切り抜けたが、

    再開した時、彼は10年前と同じく

    「妻と別れるから結婚して欲しい」と言う。

    そこまで真剣になるわけは。。。?

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    2018年08月31日
  • 光のない海

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    いつもながら、白石作品の中に入り込んでしまった。

    人は誰でも知らないまま生きてきたことを持っていると思う。もし、その時に知っていたら生き方は変わっていたのか?と考えてもどうしようもない。だからこそ、主人公は思わず湖に向かって歩いて行ってしまったのか…?

    家族が家族として生活する意味や、不幸にして別れ別れになってしまった家族を思う気持ちなど、作品を通じて疑似体験した。

    興味深かったのは、犯罪加害者の家族が描かれていたこと。自分ではなく家族が加害者になった時、人は何を考えどう生きるのか…つらく、苦しい気持ちの持って行き場はどこにあるのか?白石さんの思いが堀越夫妻の生き方に現れていて、感動した

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    2018年06月30日