白石一文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人生でここまで色々なことが起こると、一つ一つの出来事を後から解釈したり、そこから運命を考えてみたりできそう。自分はここまで考えたことはないし、そんな起伏の多い人生は送れないだろうから考えないだろう。
運命を受け入れるというか、一つ一つの出来事を解釈して受け止める、納得するような姿勢というのは生きていく上で大事だと思った。結婚や出産、病気、女性活用など色々な現実を解釈する、選択しなかった運命はなく、選択したことを納得する。運命って言葉には何か受け身でどうしようもないニュアンスがあるが、それをポジティブに解釈することが、後に続いていくのだろう。
逆に、後に東電に入る若者の彼は、人生や社会を舐めすぎ -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わったあと、「ここは私たちのいない場所」というタイトルの意味について深く考えた。白石一文作品って、タイトルが素敵だけど、これもタイトルがずっと心に残って、ずっと考えさせられる感じ。
主人公の存実は幼いころに妹を亡くし、自身は妻も子供も持たないと決めている、大手企業の重役。ひょんなことから会社を辞めざるをえなくなるところから物語が始まる。そもそも簡単に会社を辞めてしまえるのも、妻子がいないから。彼はあくまでも家庭なんて持たない方が良い、という姿勢を貫いている。会社を辞めて日々何もすることがなくなっても、独り身がさみしいという感じはない。
しかし、大学時代の友人ががんで急逝したり、会社を辞め -
Posted by ブクログ
これは・・・。
また一気に読み切ってしまう白石一文作品。
こんなに長くて重くて登場人物がたくさん出てきて意味がわからないのに、一晩二晩で読み切ってしまうのは何故なんだろう。
白石一文読んでる〜〜〜〜〜ってワクワクしながらもうページすっ飛ばす勢いで読んだ。ただ今回のラストはなんだか完全に煙に巻かれたよね。
残りページ数少ないけど終わる気配ないよなと思ってはいたけれど。
まとめ・・・なかった!って感じ。堂々とまとめなかったな。
ちょっと笑ってしまうくらい突拍子ないSF描写が多めで、白石一文にしては珍しいかなという印象。
突然体の一部がプラスチック化する、主人公で作家の姫野信昌。数年前に「死んだ -
Posted by ブクログ
生々しい虐待や社内政治を通じた孤独と愛の関係性について語っている。
恵まれた明るい環境で育ち豊富な愛を与える瑠衣と、凄惨極まりなくぎりぎりを生ていても微かな愛を与えてくれる香折、どちらが上かなんてことは決められようがない。
愛は交換理論では語りきれない。
自分を愛さない限り人を愛することはできない。しかし誰かを自分以上に愛した時、人は初めて、本当に自分を愛することができる。
本当に愛し合っていればセックスは一瞬一瞬の死の様であり、心中して嫌なことを全て無にして毎回光り輝く新たな自分に生まれ変わることができる。
肉体関係を持たず良き理解者として接してきた浩介が最後に香折に対し、兄弟や親を -
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「人は親にならない限りずっと子供。子供を持たない人は、最後までずっと子供でいようとしている人」
刺される。否定できない。少なくとも「子供を持つ努力をしない人」と「子供を持ちたくないと強く思っている人」に限定して当てはまるものだとは思うけど。
そしてさらに「親友のお葬式に出られないことを悔やむ感情もない」。
これは主人公と自分が重なって、冷たい種類の人間であることを痛感した。
でも存実はそれを客観的に気付いているし、珠美の存在によりこれから変わっていくのであろう良い未来が想像できる終わり方でした。※それにしても突然の終わり方で驚く。ページを探して二度見。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ白石一文さん大好きで、たくさん読んできたけど、本作は、主人公が小説家で、福岡の名門公立高校出身であり、父親も作家(しかも”いちろう”の部分が自身の父と一致)という部分など、作者の来し方と重なる部分がいつになく多く、ファンとしてはそそられるものだった。
主人公は妻を亡くしてから記憶が錯綜していて、それを解明していくような物語。”プラスチック化”っていうのがちょっと、SFぽくて文学的じゃないなぁ、なんか、しっくりこないなぁと思いながら読んだけど、なるほど最後まで読むと、なんかつまり、この「世の中」や、「小説というもの」が、無機質な、プラスチックのようなもの…っていう意味が込められているのかな、と思