白石一文のレビュー一覧
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著者は、早稲田大学卒業、文芸春秋入社。藤沢周平などの編集者として活躍。父親は直木賞作家の白石一郎。幼い時から本に囲まれ、本を読みまくっていたようだ。小2でドストエフスキー『罪と罰』を呼んだという逸話も。2000年に『一瞬の光』でデビューし、2010年に『ほかならぬ人へ』で直木賞受賞。本作品は24作品目。文芸春秋は結婚直後のパニック障害と、九州にいた父親の癌で退職している。影響を受けた本はカミュの『異邦人』という。村上龍や司馬遼太郎の作品もほとんど読んでいる。村上というと春樹より個人的には、村上龍の作品という。父親は韓国の釜山生まれで著者の祖父は金持ちだったようだ。弟も双子(白石文郎)で作家。巻
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思いがけず泣いてしまった・・・
一流企業でバリバリ働く里江子は、体調を崩し、クリニックへ。
そこで、10年ぶりに医師、岳志と再開する。
彼は里江子の友人・聖子の夫であるが、
10年前、聖子の彼氏として紹介された翌日に、
彼は、里江子に「結婚して欲しい」と言ってきた。
あまりにも突拍子もない話に、とまどいつつも、
その場は何とか切り抜けたが、
再開した時、彼は10年前と同じく
「妻と別れるから結婚して欲しい」と言う。
そこまで真剣になるわけは。。。?
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いつもながら、白石作品の中に入り込んでしまった。
人は誰でも知らないまま生きてきたことを持っていると思う。もし、その時に知っていたら生き方は変わっていたのか?と考えてもどうしようもない。だからこそ、主人公は思わず湖に向かって歩いて行ってしまったのか…?
家族が家族として生活する意味や、不幸にして別れ別れになってしまった家族を思う気持ちなど、作品を通じて疑似体験した。
興味深かったのは、犯罪加害者の家族が描かれていたこと。自分ではなく家族が加害者になった時、人は何を考えどう生きるのか…つらく、苦しい気持ちの持って行き場はどこにあるのか?白石さんの思いが堀越夫妻の生き方に現れていて、感動した -
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【あらすじ】
東京の半導体メーカーに勤める田宮里江子は、ひょんな事がきっかけで、大学時代の親友の夫・長谷川岳志と10年ぶりに遭遇する。岳志は、親友の恋人でありながら、初対面でいきなりプロポーズしてきた男であった……。直木賞作家のTwitter連載小説として、新聞各紙(讀賣新聞、日本経済新聞)で取り上げられ話題となった恋愛小説。何度も読んで、何度も涙するという読者が続出した。鉄筆文庫の創刊第一作であり、直木賞作家・白石一文の文庫最新作。
【感想】
読み終えてまず思ったのが、主人公にあなたは悪くないよと言ってあげたいと思ったことだった。あなたは岳志を救い切れなかったよ。もう少し早くいろんなことに -
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読みやすい文章の中に、生きるとは何か、愛とは何か、という示唆が散りばめられていて、素敵な小説だった。
自分を愛していないと人を愛することはできないが、人を自分以上に愛して初めて本当に自分を愛することができる
というメッセージは心に刺さった。
自分も死にたいと思った時に必ず顔が浮かぶ人がいる。その人のことを思うと、自分の死後その人はどれだけ悲しむだろうかと思うと死ぬことなどできないと思わされる。
もし自分が1人だけだったら自殺など簡単にできてしまう気がするが、私はその人を自分以上に大切にしたいと思えるから自分のことも大切にしようと思うのだ、と本書を読み終えて言語化できた。
『僕のなかの壊 -
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一気読みをした。
どんどん展開する状況に必死でついていきながら、最後の最後ではっ?と、予想外の結末。
でも、非常に興味深かった。
心に残る箇所はいくつかあったが、読み終えた時に2か所マーキングしていた。
記録のために残そう。
「大勢の人の命を救うために大事故の現場に駆けつけようとしてて、途中で溺れかけている人を見つけたとしたら、やっぱりその溺れている人を救うしかないからね。大のために小を犠牲にするという間違った考えがいまの教育をめちゃくちゃにしているのは確かなんだからさ。」
「…本当はね、みんなが同じ時期に同じ内容の授業を受けたり、同じ年齢で、同じ試験を受けて選別されたりする必要なんて全 -
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これまでのどの白石作品よりも
ストーリーが流れて心情の描写が豊かで
素敵な作品だった。
特殊能力を持つ主人公の話はあまり得意なのではないのだが、主人公の椿林太郎が持っているとされる未来の予言能力は、特殊なのではなく、
彼なりの理屈が積み重なって創り上げられた力であるような気がした。
普通という括りからはみ出された人に
特別な目ではなく、見捨てることなく
世の中の普通の流れに返してあげるような人間が持つ強さが救えるのは、ほんの一握りなのかもしれないが、多くの人が歩みを止めずに通り過ぎる問題にも解決の道しるべを示してくれる人は必ずいるのだという勇気をもらった。 -
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ネタバレ久し振りに「白石一文」さんです。
何を読んでも、
ズシン!
と、
何かが残るし考えさせられるので、
ちょっと、
自分が今「ぶれてるかも?」しれない。
と、
思ってる時にほど読みたい作家さんなんですね。
解説を読むとあっさり書かれてます。
主人公は青野精一郎で、
早稲田に進んで趣味は絵を描くことだったみたいで、
保険会社に就職し、
結婚して、
会社が合併による意識改革でへこたれ、
部下を自殺に追い込んでしまった自責の念からか、
本人までも鬱病になる。
それと、
鬱になった原因は不倫にあるのかも?
否、
それぞれがからまって鬱になったのかもですね。
親友のあっちゃんこと、
津田敦もちょっと変わ