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Posted by ブクログ
久々に上下巻にも及ぶ大作を読んだ。
でも「長い」というイメージはない。
この本は作者にとっての「哲学」なんだと思った。
編集者という職業柄をうまく使い、
時事問題・歴史問題・政治問題を絡ませながら
最後に「必然」とは何かという哲学に導いている。
主人公のカワバタをこういった哲学の道に引きずり込んだのは
生後3ヵ月でこの世を去ったユキヒコの死に他ならない。
その後の彼にとって過去や未来は存在しないにも等しいし、
結婚関係についても妻に愛人がいるとしっても取り乱すこともなく
第三者的立場から物事を見ているような感じ方だ。
【ココメモポイント】
・神が宇宙知性であり僕たち一人一人はその微小な部分だとするならば、巨人は
一体何を思惟しているのであろうか?また巨人は一体何を知りたくて思惟しているのであろうか?
P.47
・二度と会うことのない人は、僕たちにとって「もうこの世にいない」との同じだ。
P.102
・子育てなんて一時的なものです。妻というのは、一緒に年老いていく相手です。
だが、彼女はそういう対象ではまったくないですね。
P.150
・体験や経験が人生の本体だとすれば、人間はなぜそういう本体の内容はどんどん忘れ、
折々で頭の中に詰め込んだ瑣末な知識はしっかりと憶えていられるのだろうか。
P.171
・他人のことを幸福だと思うので「あなたは客観的事実として幸福なのですから、
そのこと納得し決して不平不満を述べないようにしてください」と
押し付けてるのと同じだ。その本人の幸福とは何一つ関わりなんてないんだよ。
P.264
・僕たちは今の中にしか生きられない。歴史の中に僕たちはもうどこにもいないのだ。
過去の中にもこれからの過去の中にも僕たちはどこにもいない。
今、この瞬間の中にしかいない。この瞬間だけが僕たちなのだ。
時間に欺かれてはならない。時間に身を委ねたり、時間を基軸として計画を練ったりしてはならない。
そういう過ちを犯した瞬間、僕たちは未然のものとなり、永遠に自らの必然から遠ざけられてしまう。
P.317
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