【感想・ネタバレ】彼が通る不思議なコースを私ものレビュー

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Posted by ブクログ

表紙のデザインもタイトルもお話の空気感も好きーー。

寿命がなんとなくわかってしまうという不思議な能力を持ってるんだけど、マザーテレサとか立派な志をもって活躍してる人とか本当にこういう能力を持っている人が実在してるのかも。。と、すんなり受け入れられた。

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2021年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とっても不思議な構成の長編小説。
人によって、場合によって”時間は伸びたり縮んだりする”。ということが、読後に「なるほどー!」と腑に落ちる感じです。
一日がすごく長く感じたり、短く感じたり、一瞬で目覚めたと思ったのに「もう朝!?」と思ったり、たっぷり寝たと思ったのに1時間だったり。誰にでも経験があると思う。
「学校」という場所では、どんな子供も学齢に合わせて一律に、同じことを同じようにさせようとするけれど、一人一人「自分の時間」を生きている子供たちにとって、特に発達障害を抱える子供たちにとっては、それは苦痛でしかないし、そもそもついていけないだろう。それは私も実感としてわかる。
小説では、教職とは関係のないキャリアウーマンの「霧子」が小学校の教員の林太郎に出会い、林太郎の特殊な能力に気づき、子供の虐待や発達障害の問題にも興味を抱くようになっていく。しかしそれはあくまでも小説の中の「もう一つの流れ」で、中心はやっぱり「林太郎と霧子の間にあるものは果たして”愛”なのか?」ということが、読者にとっても中心的命題かなーと思った。林太郎はその特殊な能力で、「この女性を見守らないと、不幸な死が迫っている」と感じて結婚したのだ。霧子はそれに気づいたとき、やはり自分たちは愛しあって結婚したといえるのか?と深く思い悩む。
最後にそれが明らかに・・・・なるような、ならないような。
白石一文らしい、「運命」とは何か、人には決まった「運命」があるのか、考えさせられる一冊でした。

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2021年09月17日

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白石先生特有のちょっとファンタジーっぽい物語かなって読み進めてたら、295頁で打ちのめされてしまった…
「人間が生き延びるために一番必要なこと」
この命題に対する回答に驚きを禁じ得なかった。まさしくその通りだと感じたのだ。そしてそこに白石一史の芯を見たような気がした。ますます白石一文先生が好きになった作品になりました。

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2019年04月24日

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一気読みをした。
どんどん展開する状況に必死でついていきながら、最後の最後ではっ?と、予想外の結末。

でも、非常に興味深かった。
心に残る箇所はいくつかあったが、読み終えた時に2か所マーキングしていた。
記録のために残そう。

「大勢の人の命を救うために大事故の現場に駆けつけようとしてて、途中で溺れかけている人を見つけたとしたら、やっぱりその溺れている人を救うしかないからね。大のために小を犠牲にするという間違った考えがいまの教育をめちゃくちゃにしているのは確かなんだからさ。」

「…本当はね、みんなが同じ時期に同じ内容の授業を受けたり、同じ年齢で、同じ試験を受けて選別されたりする必要なんて全然ないんだよ。」

自分を大切に思うことやありのままを愛される経験など、昔読んだ育児書にもあったなあと思い、これはいつの時代でも共通なんだと安心しつつ、もう少し早くこの本を読んでいたらと、この年になってもまだ子育てに後悔の気持ちを持っている。でも、今がもし夢なら、そして実は30年以上前に戻るのだとしたらどうやり直す?と途方もない時間をさかのぼろうとしてみた。そして、しっかりあきらめがついた。

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2017年06月30日

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これまでのどの白石作品よりも
ストーリーが流れて心情の描写が豊かで
素敵な作品だった。
特殊能力を持つ主人公の話はあまり得意なのではないのだが、主人公の椿林太郎が持っているとされる未来の予言能力は、特殊なのではなく、
彼なりの理屈が積み重なって創り上げられた力であるような気がした。
普通という括りからはみ出された人に
特別な目ではなく、見捨てることなく
世の中の普通の流れに返してあげるような人間が持つ強さが救えるのは、ほんの一握りなのかもしれないが、多くの人が歩みを止めずに通り過ぎる問題にも解決の道しるべを示してくれる人は必ずいるのだという勇気をもらった。

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2017年03月15日

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ひさしぶりに白石さんの本を読みました。
割とじっくりと読まないと頭に入らない印象があったのですが、これはグイグイと引き込まれていきます。

結局二人がどうなるのか結末がわからないのが、モヤモヤするかもしれませんが、個人的には霧子がたぶん林太郎を受け入れるだろうな、と思えたのでハッピーエンドに感じました。

他の人にも勧めたい作品です。

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2017年02月08日

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ネタバレ

不思議な読後感。
恋愛小説かと思えばそうでもなく、死生観を扱うように見えてそう重くもなく、教育問題に切り込んでいるようでそこまで深くはない。絶妙な塩梅だ。
夢オチのようではあるけど、きっともっとうまくいく未来があると思えるラストだった。
まさに不思議なコースを辿ったようだ。
自分がもっと若かったら、頑張ってみようかなと思ったことだろう。

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2024年02月16日

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胡散臭い系とかカルト系かと思い読んでみたら、全くそうではなく とても素敵だった。素晴らしい言葉がたくさんあった。

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2023年08月31日

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何冊か白石作品は読んでるけど、この作品が一番好きだな。
いつものようにちょっと哲学的ではあるんだけど、きちんと腑に落ちた。ただの夢オチではない最後の時間の歪み方がうまくて、読んでる間の謎が解けた気分。

60過ぎのプロダクトデザイナーのセリフ「立派すぎる人は長生きしない」は完全に同意です。


「わたしも昔、少女だったから知っている。家族や学校以外に大好きなものが増えると、少しだけ生きるのが楽になるのだ」
p118

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2022年12月09日

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深い深い、愛のお話。

男女間のそれに限らない、深い愛。

つまる所、死を以て、もしくは死を念頭に置いてしか、本当の愛は分からないのかもしれません。
だからこの作品を読んで尚、私には本当の愛は分かりません。

けれど、常識や世間体や平均といった先入観にまみれた私でも、心がじんわりと暖かくなるような、いやいや、そんなわけないでしょ、これはフィクションだからと、冷静になるような。

一つ言えるのは、羨ましいということ。主人公の夫婦は、深い愛で繋がっていると思いました。

途中、かつて読んだことのある表現に再会できたのも、この作品を読んだ、意外な収穫。
「忘れなくても、決して思い出さない」

この後に続く言葉は、この作品が教えてくれた事。
「過去は大人しく、透明な重りとなって、人生を安定させてくれる」んだそう。

辛い思い出も、力になる。

2014年39冊目。

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2022年09月21日

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最後はまさかの結末であった。しかし、その結末が何か深い意味があるような感じがして本編を読んで理解して行くことが大事であると感じた。メッセージ性のある本

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2022年01月22日

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新たな作家さん発掘のためタイトルに惹かれて手にとった。
初めての白石作品。
いつの間にか惹き込まれ気がついたら読み終わってた。
こういう感じ好きかも。
ラストはちょっとモヤッとしたけど逆にそれが良いような気もしてきた。
作家さん発掘は大成功!
他の作品も読んでみよー!

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2019年12月17日

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 意外な結末に戸惑ったが、菊間千乃さんの解説を読んでなるほどと共感。白石作品を読む醍醐味を菊間さんと共有した感じ。
 

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2019年04月17日

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極めて白石一文の作品らしいと、ホームに突っ立って夢中で読み進める。最後の数ページに驚かされ、脳内で巻き戻し。表紙まできて、つながる。震える。
白石一文は、時間と自分に強烈に向き合っている作家なのだろう。複数の小説で表現される、本物の時間、というやつ。
#彼が通る不思議なコースを私も #白石一文 #人間は自らの意志の力できっと運命を変えることができる #そんなふうに贅沢に前よりもさらに賢明に #本物の時間

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2018年01月26日

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2017.6/24 1週間ほど前、行きつけの喫茶店のママがひょんな話の流れから『スキャンするとその人の寿命や過去未来の生き様が見えてしまう友人がいる』と聞き、目に見えないものは亡き父の霊くらいしか信じない私には受け入れ難かったところで何気に読んだらそんな話で驚いた。でも著者の現代日本の教育への認識は頷けるものがあり、"見える"人がこのようなサポートをしてくれたら生きにくい子どもたちにどれだけ有難いことかと夢想した。

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2018年01月09日

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生と死と愛と、筆者が今の時点での考えをまとめた小説らしい。
この本を読むに当たり、「男と女」「仕事と愛」とかそういうベタな恋愛ストーリーのキーワードを持ってきてはいけない。でないと、イライラ度がMAXになって放り投げる羽目になる。
この本は著者の、互いが互いを尊重し、愛し合う世界が理想だというメッセージが込められているのだろうか。
ラストは著者も決めかねているように思う。今はまだ考え途中。
著者の行きつく先が楽しみだ。

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2017年07月15日

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素晴らしい。感動した。
あまりにも良すぎて一気読みしてしまった。

最後えっ!て感じはするけど、読んでる間はずっと感動していたので良いんじゃないかな。

この作品は何回か読みたくなるなぁ。たぶんそういう仕掛けもあるような気がする。

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2017年03月18日

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生きる気持ち。
自分が好きだってこと。
他の誰でもない、
とにかく自分。
まずは自分。
自分が自分を好きであること。

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2017年02月26日

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友人の生死を決める衝撃的な現場で霧子が出会った黒ずくめの男。彼は修羅場をよそに、消えるようにいなくなってしまった。後日、霧子は男に再会し、徐々に魅かれていく。彼の名は椿林太郎。学習障害児の教育に才能を発揮し、本気で世界を変えようと目論む、抜群に優秀な小学校教師。人は彼のことを「神の子」と呼ぶ。しかし、彼にはある大きな秘密があって…。生への根源的な問いを放つ傑作長編。

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2017年02月14日

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白石一文って小難しそうで、いつも敬遠しているのだけど、今回は何故か読んでみることにした。
奇妙な物語ではあるけれど、これは結構引き込まれた。
学習障がい児の指導に心血を注ぐ林太郎を中心に、今の学校教育やいじめ、児童虐待の問題について切り込んだ話と見たが、理想を語りながら理想論に陥らない仕掛けが施されており、読み終わった心地としては良く出来たファンタジーと受け取った。

どうでもよいことながら、裏表紙の文章はこの本の紹介としてはちょっと合ってないような気がする。私はこれを読んで、買うのをだいぶ躊躇したんだよね。そう思うと、帯の“衝撃のラスト”も蛇足のようで。

全然本筋とは関係ないけれど、霧子が働く会社が自分が前に勤めていた会社を思わせ、未来テレビのプロジェクトが霧散したところには、ある種の感慨を抱いてしまった。

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2017年02月11日

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1日で読みきりました。
リードでグイグイ引き込むのは白石一文さすが。
過去数作は中折れもあったが、本作は一気にエンディングまでもって行きました。
時をかける、行ったり来たりできたら人生に深みができるだろうな。
白石一文作品にありがちな不思議な事象は、ややもすると、いまひとつ収まりの悪さを感じさせましたが、こんな終わらせ方で、おさまりをつけた。
ネタバレさせずに書くとこんな感じですが、面白いです。

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2017年01月22日

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主人公はとある場面で見かけた男性と合コンで再開する。小学校教師である彼と交際1年ほどで結婚するが、彼は教師を辞めてしまう。そして彼は自らの体験をもとに、発達障害や何らかの理由で学習能力に問題がある子供たちに向けた体操と学習塾を開く。一方、主人公は大阪転勤を命じられ単身赴任をすることに。新婚間も無くで別居に不安を感じるが、夫の塾は評判が評判を呼び経営は順調に。すれ違いが不安になった主人公は子作りを提案するが夫はやんわり拒否。それは彼が持つ特殊な能力によるものだった。

夫が教育にかける情熱はすばらしく、こういう教育者がもっともっと増えてほしいと本気で思わせてくれる。主人公のキャラがいまいちなせいか、夫のエピソードが際立つ。解せないのは夫が持つ不思議な能力。この能力があるが故に、きちんと生きてきちんと死ぬというコンセプトにつながっているのだとしたらもう少し強調させてもよかったのではないか。
あと、終わり方がかなり残念。かなり意味がわからない。

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2020年02月24日

Posted by ブクログ

ムンバイ 愁嘆場しゅうたんば 面貌めんぼう 細面ほそおもて ひが彼我の力の差は歴然としている 椿林太郎 都営三田線の志村坂上駅 中野サンモール商店街 リスカ少女よろしく手首に模様を描いただけでもない 画一的な教育 早稲田鶴巻町 両国の江戸東京博物館 綱島の学生マンション 佐賀の嬉野温泉 早世そうせい 一体どうやって収拾をつけたのか 窓の向こうには上智大学のキャンパスが広がっていた 僕はどんな処分でも甘んじて受ける覚悟ですから 目黒区の鷹番 最寄駅は東急東横線の「学芸大学」だ ふし父子家庭 雲散霧消 強烈な興奮 快哉を叫ぶ 訃報 マザー・テレサ 覚醒後 アル中は病気なんだからさ 義兄ぎけい 至極淡々としている 荒唐無稽 仔細に反芻してみると 穿鑿せんさく 存念そんねん 継母けいぼ 枚方に住んでいる大学時代の友人 微に入り細をうがった 創業期のメンバーだった上杉千沙子を放逐するという異常事態に陥ってしまっているのは事実だろう 白黒テレビからカラーテレビに変わったときのようなパラダイムの転換 見做されて 肝煎り むーちゃんにまつわる思い出 未来テレビ 自分が親としての務めを果たしていない言い訳のために俄か作りの理論武装をしているに過ぎない 口を噤む 顕著な虐待 社外秘扱い あえて譬えるとすれば 持ち前の精緻な頭脳 策を弄したところで 画塾 瀟洒な私邸 暇乞い 販社の札幌オフィス 起草きそう 参画さんかく 懇請こんせい 菊間千乃ゆきの 自分の中のまだ見たことのない自分を突きつけられる 椿体育教室 トランポリン

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2017年07月28日

Posted by ブクログ

林太郎の言動にイライラ。その理由が分かるとイライラは解消されたのだが、別のモヤモヤが・・・。そして不思議にそのモヤモヤは不快ではない。面白かったが、なんともつかみどころのない作品でした。
あらすじ(背表紙より)
友人の生死を決める衝撃的な現場で霧子が出会った黒ずくめの男。彼は修羅場をよそに、消えるようにいなくなってしまった。後日、霧子は男に再会し、徐々に魅かれていく。彼の名は椿林太郎。学習障害児の教育に才能を発揮し、本気で世界を変えようと目論む、抜群に優秀な小学校教師。人は彼のことを「神の子」と呼ぶ。しかし、彼にはある大きな秘密があって…。生への根源的な問いを放つ傑作長編。

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2017年01月28日

Posted by ブクログ

なんだろ。なんとも言えない読後感。
え?あ、そうなんだ…は?ってなった。

でも著者の生への訴えはわかった。受け取った。

しかし霧子さんと林太郎さんの「答え」がよくわからんのだよなあ。バカなのかなわたし。

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2017年01月22日

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