白石一文のレビュー一覧

  • 神秘(下)【毎日文庫】

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    再読本。以前読んだ数年前より
    丁寧に読むことが出来た気がする。
    前回のレビューでも書いているが
    私は不思議な事、神秘的な事を否定しない。
    体験をした事がある訳では無いが
    きっとこの世界は神秘で溢れている気がする。
    そしてそう思いながら生きていると少しワクワクする。

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    2023年11月03日
  • 火口のふたり

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    ネタバレ

    結婚する直子とあの頃の時間に戻るけんじ。付き合うでも結婚するでもないけど、1番お互いのことを知っている関係。終わりがわかっているからこそセックスが燃え上がるんだと思う。けんじは仕事も家族も失ったけど、直子と再会したことで、自分の本当に求めていることが見えてきた気がする。

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    2023年10月24日
  • ほかならぬ人へ

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    白石 一文は、日本の小説家。父は直木賞作家の白石一郎。双子の弟は小説家の白石文郎。2010年「ほかならぬ人へ」で直木賞を受賞。
    親子で直木賞だけあって、文体は素晴らしく、読み応えがあり、展開も早く、吸い込まれそうに読み応えある。
    NHKのドラマ「一億円のさようなら」の原作者。

    1.「ほかならぬ」とはどういう意味ですか?
    ほかの人ではない。 まさにその人である。 特別な関係にある。 ほかならぬ。)

    「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」…妻のなずなに裏切られ、失意のうちにいた明生。半ば自暴自棄の彼はふと、ある女性が発していた不思議な“徴”に気づき

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    2023年10月12日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    胡散臭い系とかカルト系かと思い読んでみたら、全くそうではなく とても素敵だった。素晴らしい言葉がたくさんあった。

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    2023年08月31日
  • 私という運命について

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    読み終わって本を閉じたとき、思わず「読み終わったー」と口に出して言ってしまった。比較的厚い本なのでバッグに入れて持ち歩くのも重かったが、その内容も充分に重かった。

    主人公の冬木亜紀の、29歳から40歳までの約10年間を描いた超大作である。
    恋愛、仕事、結婚、出産。
    いくつになっても夢は諦める必要はないと世間は言うけど、でもやっぱり年齢的なものが原因で、手放さざるを得ない願いはある。
    あのときああしていれば、もしかしたら。
    違う選択をしていたら、今頃は。
    そんな気持ちになったことがない人なんて、この世にいるのだろうか。

    『運命』という漢字は、ウンメイともサダメとも読める。
    サダメと読むと『定

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    2023年08月08日
  • 私という運命について

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    ネタバレ

    冬木亜紀は佐藤康とプロポーズを一度は断ったが、10年後に自分からプロポーズをして康と結婚することになる。

    この作品は「運命」がキーワードとなっている。
    亜紀と康が一度は離れても再度繋がったみたいに、運命という糸で生まれてきた時点できまっているのでは?と考えさせられました。
    運命に抗っても、あらかじめ決まっていることには立ち向かえない。
    だから人生って流れに身を任せて生きていくもんだと思いました。
    どこで誰といつ繋がるか分からない。
    誰も未来は予想できない。
    そこに人生の面白さや難しさが集約されていると思います。
    大人の恋愛小説の方が淡々と読み進めることができるので、好きだと改めて感じました。

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    2023年06月25日
  • 一億円のさようなら

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    ネタバレ

    面白いんだけど、奥さんの大金を手にした時の決断がなんか現実離れ感半端ない。
    こんな大金困ってる時に使うなり、放置せず寄付するなり世の中に金を循環させてくれよと思う。

    考え方に今一つ共感できず、好きになれない。
    美人という描写にますます、??でした。

    ふっつーのおばちゃんが億万長者の方がリアルですね。

    ですが、ストーリー的には好み。
    まぁ何があるってわけじゃないけど、1人の男の人生を覗き見している気分になった。

    ただ主人公の側面である野生的な大胆さがあまりピンとこない。


    最後はアッサリしていたような。
    半沢直樹的な仕返しを期待していたんだけどな。

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    2023年06月19日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    主人公はとても奇妙な人間だった。無機質で、物事を判断する際に人間の感情の部分を考慮していないようだった。しかし論理的で筋は通っていた。

    対して枝里子は反対の性質を持っていて、かなり感情的。その二人が論じる“愛”、“恋”、“死”、“生”に関する言葉たちがとても素敵だった。

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    2023年03月27日
  • 火口のふたり

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    ネタバレ

    記憶が少し曖昧だけど、有川浩さんがとある番組で「恋愛小説の中で一番好き」というような話をしていたはずでタイトルをメモしておいて読んだ作品。

    有川浩さんのイメージ的にもさわやかな恋愛小説なのかと思ったら大人のセクシーでどろどろと黒い部分が見え隠れする恋愛でびっくりしたイメージ。でも人に見せられない部分が描かれていて、二人には二人の他の人とは共有できない思いが見え隠れするところみたいなのがすきでした。

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    2025年08月22日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    悲しい人間。感情を押し殺し、他人の思想や知識で自分を納得させて、人を冷めた目で見て、常に孤独や絶望を感じながらも今を生きている。
    それでも無条件に子供に優しく、自分の時間を投資するところもあり、彼なりの愛はどこで境界づいているのだろう、と。
    2歳の頃のエピソードも心打たれた。限界まで追い詰められるにはあまりにも小さすぎた、その衝撃ゆえの記憶力、知識量なのだ、といった流れにもすごく納得感があった。
    ラストの衝撃もなかなかだが、彼以外の人の絶望さも丁寧に描いていて、とても良かった。
    性的描写は突如として出てきて多めなのでそこは覚悟が必要。

    110/140

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    2023年01月22日
  • プラスチックの祈り 下

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    上巻で謎だった伏線がどんどん回収されていき後半の展開がある程度読めてくるが、まさかの結末。

    主人公の体の一部がプラスチック化したり、元に戻ったりするのはなぜか?
    記憶の欠落や記憶違いの原因は?

    多くの登場人物が複雑に関わりながらな謎解きが始まる。

    解釈が難しい終わり方でしたがとても面白くあっという間に読み終えた。

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    2022年12月29日
  • プラスチックの祈り 上

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    主人公の体の一部がプラスチック化する。そして自身の記憶と現実の食い違い。読み進めるごとに頭の中に?が増加していく。次の展開が知りたくてあっという間に読み終わった。下巻で?の伏線が回収されるのか楽しみだ!

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    2022年12月29日
  • 私という運命について

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    読み応えあった。
    康の死亡フラグが立ったり消えたり。
    まぁ、最後はそうなるよな、と。
    面白かったです!

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    2022年12月25日
  • 私という運命について

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    全体的な評価としては★★★なんだけど、心に刺さる言葉があったので★★★★に。
    私という運命とは、、。運命は受け入れるだけではなく、自らの意思と行動あってこそ。
    これからの人生において、心の中にしっかり留めておきたい。

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    2022年12月24日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    何冊か白石作品は読んでるけど、この作品が一番好きだな。
    いつものようにちょっと哲学的ではあるんだけど、きちんと腑に落ちた。ただの夢オチではない最後の時間の歪み方がうまくて、読んでる間の謎が解けた気分。

    60過ぎのプロダクトデザイナーのセリフ「立派すぎる人は長生きしない」は完全に同意です。


    「わたしも昔、少女だったから知っている。家族や学校以外に大好きなものが増えると、少しだけ生きるのが楽になるのだ」
    p118

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    2022年12月09日
  • 一億円のさようなら

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    ネタバレ

    文句なしに面白い
    最後の1ページまで驚かされた。
    夏代とこのまま終わって、会社にも戻らずこのまま金沢で新たに人生を歩んでいくのかと思ったけど、夏代の方が一枚上手だったな〜

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    2022年12月01日
  • 愛なんて嘘(新潮文庫)

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    登場人物たちの、目を背けられなかった根っこのところにある感情。わたしはきっと多くの人に同じものがあると思っている。

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    2022年11月13日
  • ほかならぬ人へ

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    221028 約10年ぶりに再読。愛とは、必死でも切実でもなく、性急でも衝動的でもなく、かつ自分へも相手へも執着のないところに、穏やかに存在するものなんだろう。

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    2022年11月01日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    傷付けないように
    傷付かないように
    かつ自分を納得させながら生きるには
    こうなるしかない
    こうするしかない

    おかしくなんかない
    壊れてなんかない
    一番考えて向き合って
    壊れないようにした結果だと思う

    よかった気がする

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    2022年10月11日
  • ほかならぬ人へ

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    タイトルに吸い寄せられて、購入。

    久し振りに電車の中で泣きそうになり(と言うか、実際泣いて、本を閉じ)心を揺さぶられた一冊。

    表題作の「ほかならぬ人へ」と「かけがえのない人へ」の二作。
    私が泣いたのは、「ほかならぬ人へ」。

    良家の御曹司として生まれた明生は
    「断りもなくこんな自分として生まれさせられ、断りもなくその自分を奪われてしまう。
    だとしたら、生きている間のわずかな時間だけでも自分を守り抜き、
    自分をこの世界におくりだした何者かに対して抗いつづけなければ」という一心で、「自殺しない」でいる人間(解説より)。

    その明生が出会い、結婚した妻・なずながかつて恋人であった幼馴染みと、自分

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    2022年10月10日