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Posted by ブクログ
泣きました。
解説にもある通り、読み終わった今の心境は
「広大な砂漠の真ん中で、途方に暮れてしまったような気持ち」です。
それは恐らく、29歳から始まり、40歳まで描かれた亜紀の人生・運命がこの先どうなるのかが分からないから。
この小説は自分の人生と同様に、生きていて、どのような結末を迎えるのかまだ分からないから、読み終えても、読み終えた感覚が得られにくいように思います。
物語の大半を占める、30代の亜紀とちょうど同年代の女性である自分には手厳しいというか、目を逸らしている現実も描写されており、時々、自身と重ねては焦燥感に駆られる心境にもなりましたが、とにかく丁寧に描き上げられた作品だという事がひしひしと伝わってきました。
「運命というのは、たとえ瞬時に察知したとしても受け入れるだけでは足りず、めぐり合ったそれを我が手に掴み取り、必死の思いで守り通してこそ初めて自らのものとなる」
という文章が強く印象に残っています。
果たして私は必死で守り通そうとしただろうかと、省みる気持ちになりました。
白石氏の作品を読むのはこれで3作目ですが、勝手ながらこの方の持つ愛情や、死に対する感覚や、出来事への考え方・受け止め方が私の持つそれらと酷似しているように思います。
善し悪しは別として。
私とは20歳以上離れていますが、何だかあと20年後の自分から、言い聞かせられているような感覚で読み進めていった一冊です。
Posted by ブクログ
読み終わって本を閉じたとき、思わず「読み終わったー」と口に出して言ってしまった。比較的厚い本なのでバッグに入れて持ち歩くのも重かったが、その内容も充分に重かった。
主人公の冬木亜紀の、29歳から40歳までの約10年間を描いた超大作である。
恋愛、仕事、結婚、出産。
いくつになっても夢は諦める必要はないと世間は言うけど、でもやっぱり年齢的なものが原因で、手放さざるを得ない願いはある。
あのときああしていれば、もしかしたら。
違う選択をしていたら、今頃は。
そんな気持ちになったことがない人なんて、この世にいるのだろうか。
『運命』という漢字は、ウンメイともサダメとも読める。
サダメと読むと『定める』と似ているので、運命というものは、生まれつき決まっていて、どうすることも出来ないものなのだと思っていたが、実はそれは『宿命』というらしい。
運命とは、人の意思によって変えることは出来ないが、巡り合わせによるものなので、日々の行動や考え方などにより、結果として変わっていくもの。
まさしくこの本の内容は、そのタイトルにふさわしい。
登場人物たちのセリフが、わたしの心を傷つけ、考えることを避けてきた事柄を無理矢理目の前に突き付けてきた。そしてあるときはそっと支えてくれたり、やさしく背中を押してくれた。
最後はどうしても涙がでた。
人生にはいろんなことがある。
いくら色々な経験をして強くなったとしても、本当の哀しみにだけは慣れることができないから。
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