白石一文のレビュー一覧
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この世界は揺れるゴンドラ。
パリは、パリのことを知りたいと本を開いた時初めてそこにパリがある。
"あなた自身が世界なのだ。この世界は、あなた自身がすべてを作り出したものなのだ。これは、あなたの偉大な作品なのだ。"
「新しい領域のエネルギー」によって稼働し、89歳までの健康長寿を保証する装置、Timerが発明された世界。
哲学もりもりの白石さん節フルパワーで、あと残りページが少なくなってきてるのにどうやって終わらせるんだこれは…と思うタイプの作品でした。(終わらなかった)
世界には『ほんとうに親しいものの死』と『自分の死』の二つしかないというのはわかる気がした。
そして不老不死を得ると自分の死はないし、〝ほんとうに〟親しいもの、も存在しなくなる。長い時の流れの中でほんとうに親しかったもの、になってしまうから。
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東日本大地震と原発問題、富士山噴火という自然災害を再度考えさせられました。
山梨で育ったので小さい頃から富士山の噴火の話は身近にあり、ハザードマップをよく目にしたけれども、真っ赤っかなルートを逃げる術もないと諦めていました。最初は足の速さには自信があったので全速力ならいけるんじゃね?なんて思っていた頃もありますが、わずか数十秒足らずで襲い迫ってくるマグマには敵いませんよね(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ु⁾⁾
自然というか宇宙相手に人間も動物も逆らえないという事ですね。
そう考えて読むとこの2人の性欲がちっぽけなものに感じました。
田口ランディさんと窪美澄さんの解説が面白かったです。 -
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過去の猫神様による因縁に纏わる不思議な恋愛物語。
建築会社営業の純平は幼馴染みで恋人の友莉が居る身である日アルバイト勤務の同僚つくみと知合う。純平はつくみに対し何故かデジャブ的な感覚に囚われ恋心を抱き結ばれるもそれを友莉に目撃され友莉とは破局しつくみと結婚する。
読み進める内に純平とつくみを中心に弟の耕平とその恋人、耕平の親友とその恋人、失恋した友莉を導く七輪優作等が、過去大分の猫神を祀る小島から津久見に移り住んだ人達の子孫で繋がっていた事が分かってくる。又、現在のつくみはこの猫神様の生まれ変わりで幼少時純平が病で死渕を彷徨う時に純平の母の命と引き換えに身を捧げ純平を救った因縁が解き明かされる。
繋がりが分かって登場人物が其々幸せなハッピーエンドを期待したが、つくみの突然の失踪を因縁を解き明かしながら追う純平が最後。。。で終えるのはちょっと頂けない -
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全く前情報なしのまま読んでみた。
タイトルは象徴的な始まりであり、テーマ的には人間関係、共有されなかった事実がどうそれを変えていくか、それを踏まえて互いの理解に辿り着けるかを描いた作品。
主人公の行動・心情、加えて環境や風景などを丁寧に描いており、理解のしやすさにはつながっているが、逆に行動や心理が現実として考えるとずれている部分もあり、共感しにくい部分もあった。
伏線の様な不穏な要素も散りばめられており、先が気になってページをめくったものの、終わり方は物足りない様にも感じた。
電子書籍で読んでいてあとどれくらいかもわからなかったこともあり、その印象が強まったかもしれない。
また、章が代わると場面が代わり、どうなったんだろうと思うとしばらくしてから語られるという形の展開が多く、個人的に気になった。
決してつまらなくはなく、続きが気になって読む魅力はあった。ただ、全体を通して、昭和のドラマを見ている様な空気を感じた。
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読むのがしんどかったっけど、
作者がいう壊れていない部分がどこなのかを知りたくて読んだ。
生き方をずっとぐるぐる考えていて、自己嫌悪にすぐ陥ったり、人のぬくもりを結局求めてしまって見苦しい言葉をつらつら言ってしまう主人公の、欠落した人間性で作品の8割ほどが占拠されてる。
その欠落した人格の中、まだ自分の居場所を見つけられる希望そのものを微かに持っていて、
それがおそらく壊れていない部分なのだと思う。
えりこがキーパーソンとして考えられる。
この人の向き合い方が主人公のダメさを表出している。
キリがない。
キリがないこの絶望の中で、探す可能性に縋って生きていくしかない。これが正義か悪かはわからないけど、これを諦めて生きていくしかない。
みたいな行ったり来たりの主張が多い本だなとおもいます。
あんまり強く打たれたところとかはないけど、よくこんなに根気強くかけるなあと思いました。小説としてはあんまりない、自由で強気なやり方。高学歴というかんじ。
メモ
本当の幸福は死と親密でなければいけない。海面すれすれのところにある、、。
虚無的で、およそ実存的に乏しいこの都会の姿に、たちまちにしてやりきれなと息苦しさ、形容のできぬ敵意を甦らせた。ここにはすべてがあるようでいて、ほんとうは何一つありはしないのだ。 -
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67歳の櫻子は、娘が中学生になる頃に離婚してからずっと独りでいた。
彼女のことを気にかけてくれていた兄も亡くなって17年が経つ。
義姉の智子は、兄の元を突然去り同級生と再婚してからは、櫻子とも会うことはなかったのだが…。
2人が語るそれぞれの想いとは…。
仲の良い兄妹なのだろうが、ここまで心情を打ち明けるほどとは…と少し異常に思えるのだが。
夫婦の関係も智子にとっては快適よりも重荷になっていたのだろうが、新たにスタートされた2人の生活は穏やかなのだろうと察せられた。
最後の櫻子の爆弾発言は何を意味するのか…。
愛情が相手の重荷になるほどだと、愛とは言えないのではないか、それは執着になる。
幾つになっても愛を捧ぐ人がいるのは良い人生なのか…
正解はわからない
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ネタバレ表題「ほかならぬ人へ」と、「かけがえのない人へ」の、二編の小説。
「ほかならぬ人へ」
最初は、明生の妻なずなが酷い女のように感じたが、そうとも言いきれない。
仕方がないこと。人を好きになるのは、理屈じゃないから。
自分にとってベストだと思っていた相手は、実はそうではなかった。勘違いだった。
ただそれだけのこと。
匂いが好きだと思う人とは相性が良いと言うけれど、それは間違いないと思う。
「かけがえのない人へ」
みはるが黒木から離れられないのも、わかる。
黒木は結婚してくれそうもないから、みはるは真っ当なエリートと婚約したわけだけど、黒木といる時の自分の方が自分らしくいられたんだろうな、きっと。
黒木は黒木で、みはるの元から立ち去ったのは彼なりの優しさだったんだと思う。
あと、真面目で几帳面な黒木が一切避妊をしなかったのは、生殖能力が無いってことなのかなと。
私の思う黒木と、全く避妊しない黒木が、なんだかちぐはぐに思えて違和感を感じたのだけど、考えすぎかな。