白石一文のレビュー一覧
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新しい!!
この本は小説の形態をしてはいるものの、随所にミルトン・フリードマンなどの著名な経済学者たちの引用、それに相対する主人公カワバタの経済歴史感が挟み込まれ、一見すると「反新自由主義」を標榜する単なるプロバガンダ媒体のように思えてしまう。
(だとしても私自身作者のプロバガンダには首肯できるが)読み手によってはその主張の強さに若干抵抗感を持つかも知れない、だが!その点を差し引いても、小説としてのストーリーが秀逸!!
胃ガンに冒されながらも真摯に生と向き合う主人公の様子を通じて、どう生きるか、家族の在り方、社会との関わり方を考えさせられる。
しばしば出てくるカワバタと女性たちとの絡みは、男 -
Posted by ブクログ
究極の男性像の描写。男の「性」の追求。真面目な顔して会議で発言するおっさんも美人の女子社員を前にすると理屈抜きに本性が露わになってしまう。男って何て単純で不完全なんだろう。どんなに年齢を重ねても「自我」が確立されない。露わにならない。
女性の視点から見ると本書で描かれてる男性像は到底理解し難いものだろう。男のわたしでさえ嫌悪する部分があるくらいだから。
白石さんが小説を通じて伝えようとしているメッセージを抜きにすれば、男尊女卑の肯定かという考えさえ脳裏を過る。
だが、白石さんが小説に託す想いには並々ならぬものが感じられる。それこそが、彼の描く人物像(総じて不完全で不器用、ナルシズムの塊である -
Posted by ブクログ
読んでみての感想ですが、うん、面白かったです。ただ、難しかった。まだ一度しか読んでないですが、世界観(政治的側面)や構造(時間軸が交錯する)が少々僕のオツムには高尚過ぎた感はあります。もう一度読まなければ…。
で、その上でレビュー。てんで頓珍漢なこと述べてしまうかもしれませんが、そこはまあご愛嬌というところで。
著者が早稲田の政経卒ということもあってでしょうか、政治に対しての洞察は深いものがあったと思います。国内、国外の政治に関する詳細なデータが所狭しと書き綴られ、また歴史的な事項に関する記述も相当にありました。政治や歴史などに関しては完全に門外漢である僕(いや、単純な勉強不足です。は -
Posted by ブクログ
読んだことのないタイプの本だった。
終始、政界のいろんな話が出てきて、政治に興味のない私は、途中で読むのをやめようかという気にもなった。
けれど、物語の本質はそんなところにあるんじゃなかった。
結局は人間の物語。
総理大臣を目指す龍三の次男として産まれた主人公の龍彦は、甘い考えで大切なものを失ってしまう。
自らも精神的なショックから手首を切り、自殺を図るが、一命をとりとめる。
いろんな人が龍彦のことを支えてくれる。
みんな大人で気付かないのは龍彦だけ。
まるで自分の人生をみているような錯覚に陥る。
最後の最後に、失ってはいけなかったものに気づく。
何がハッピーエンドなのか -
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過去の猫神様による因縁に纏わる不思議な恋愛物語。
建築会社営業の純平は幼馴染みで恋人の友莉が居る身である日アルバイト勤務の同僚つくみと知合う。純平はつくみに対し何故かデジャブ的な感覚に囚われ恋心を抱き結ばれるもそれを友莉に目撃され友莉とは破局しつくみと結婚する。
読み進める内に純平とつくみを中心に弟の耕平とその恋人、耕平の親友とその恋人、失恋した友莉を導く七輪優作等が、過去大分の猫神を祀る小島から津久見に移り住んだ人達の子孫で繋がっていた事が分かってくる。又、現在のつくみはこの猫神様の生まれ変わりで幼少時純平が病で死渕を彷徨う時に純平の母の命と引き換えに身を捧げ純平を救った因縁が解き明かされる -
Posted by ブクログ
全く前情報なしのまま読んでみた。
タイトルは象徴的な始まりであり、テーマ的には人間関係、共有されなかった事実がどうそれを変えていくか、それを踏まえて互いの理解に辿り着けるかを描いた作品。
主人公の行動・心情、加えて環境や風景などを丁寧に描いており、理解のしやすさにはつながっているが、逆に行動や心理が現実として考えるとずれている部分もあり、共感しにくい部分もあった。
伏線の様な不穏な要素も散りばめられており、先が気になってページをめくったものの、終わり方は物足りない様にも感じた。
電子書籍で読んでいてあとどれくらいかもわからなかったこともあり、その印象が強まったかもしれない。
また、章が代わ -
Posted by ブクログ
読むのがしんどかったっけど、
作者がいう壊れていない部分がどこなのかを知りたくて読んだ。
生き方をずっとぐるぐる考えていて、自己嫌悪にすぐ陥ったり、人のぬくもりを結局求めてしまって見苦しい言葉をつらつら言ってしまう主人公の、欠落した人間性で作品の8割ほどが占拠されてる。
その欠落した人格の中、まだ自分の居場所を見つけられる希望そのものを微かに持っていて、
それがおそらく壊れていない部分なのだと思う。
えりこがキーパーソンとして考えられる。
この人の向き合い方が主人公のダメさを表出している。
キリがない。
キリがないこの絶望の中で、探す可能性に縋って生きていくしかない。これが正義か悪かはわからな