白石一文のレビュー一覧

  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    1日で読みきりました。
    リードでグイグイ引き込むのは白石一文さすが。
    過去数作は中折れもあったが、本作は一気にエンディングまでもって行きました。
    時をかける、行ったり来たりできたら人生に深みができるだろうな。
    白石一文作品にありがちな不思議な事象は、ややもすると、いまひとつ収まりの悪さを感じさせましたが、こんな終わらせ方で、おさまりをつけた。
    ネタバレさせずに書くとこんな感じですが、面白いです。

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    2017年01月22日
  • 翼

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    自分をひたすら愛してくれる男・長谷川岳志との再会から始まる物語。
    彼は元々親友の恋人で、後に夫となった人なのに、その妻子を捨てて自分と結婚したいと言っている。
    主人公の田宮理恵子こそが運命の人なのだと。

    中年のいい大人が”運命の人”だなんて、冷静に考えたらトチ狂ってるとしか思えない話ですが、心に楔を打たれたように妙に心地よいもやもやが残った。
    「真実の人生」とは一体なんだろう。
    私はどうすれば真実の人生を手に入れることができるのか?
    理恵子の問いかけは私自身へのものでもあった。
    今後、私が直感を信じて生きることを選んでしまったら、私の人生は、どうなるのだろう。
    馬鹿馬鹿しい、愚かなことだ、と

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    2018年03月05日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    ネタバレ

    白石作品はまだ二作目だけど、純度の高い激しさが痛いくらいに響いてくる。
    もとより傷だらけで、けれどそこから再生するために尚も無傷ではいられなくて。
    共感と、憧れ。

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    2016年07月12日
  • 幻影の星

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    白石さんの本は現実的でもあり、現実的ではないところもあり、完全に理解できないけど好き。
    博多弁も好き。
    理由はなく直感。
    九州に行ったことがないのに、惹かれるのは前世の影響かもしれない。

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    2016年07月03日
  • 翼

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    ネタバレ

    小説、というにはあまりにパーソナルな、ドキュメンタリーのような、そのくせそこここが、今の自分に重なって、響いて、通りすぎた。
    長谷川岳志のいうことが、すごくよく解った。
    そして、それを真正面から認めて、生きていた彼がそれ故に長らえられなかったことも、よく。
    好きだな、愛しいな、貫いて欲しかったな。

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    2016年06月23日
  • 翼

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    ネタバレ

    田宮里江子が、
    長谷川岳志と再会することがきっかけでした。
    運命の人が隣にいない人生に意味はある?
    と、
    話題になってたみたいなんですが、
    ちょっと違和感。

    白石一文さんがそんな、
    運命の人が隣にいない人生に意味はあるって言う?
    つか、
    そもそも運命の人ってなに?
    あまり、
    期待しないで読み始めました。

    ちょいちょい気になったところを述べていくかな。

    翼って言うと、
    もう、
    天使の翼なんかをイメージしてしまうけど、
    カラスです。
    真っ黒な羽根は自由のしるし!
    自由というか、
    天上天下唯我独尊って感じなんですよね僕的には。
    なんとなく。
    自由って言葉は弱くって曖昧な感じがするんですよ。

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    2016年06月13日
  • すぐそばの彼方

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    ある事件をきっかけに精神面が壊れてしまった男の再生の物語であり、後半では「運命の人と共に生きる事を選ぶこと」白石一文節、炸裂の男女の物語でした。
    この作者が政治家を描くのは珍しいと思います。ただ本作はかなり初期の作品であることから政界を舞台にする物語も当時の作者としては意欲的な作品だったのかなぁって白石ファンとしては考えちゃいますね。
    どんなに私利私欲や権力欲まみれようとも最後の最後は日本国を愛する政治家の一人…その矜持は絶対になくさない。この辺の件は堪らんもんありますね。なんか大和魂までは売り物にはしてないよって印象でした。みんな戦っているんですね。
    ともあれ最後の最後はね…ええ展開で良かっ

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    2016年06月01日
  • すぐそばの彼方

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    今読みましたが発売当時に読んでいたら私の人生はずいぶん違った方向になったような気がします。30歳までに読んでおいてほしい本です。

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    2016年01月11日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    結婚まじかの美人で才能もお金にも恵まれた女性が幼馴染の元やくざに再会し惹かれ結婚をする物語
    彼の作品はこういう女性が多くでてくる。とにかく美人。才能があり、お金がある。
    作者自身、彼は男性だがかっこいいのでモテた、かつお金もあったから、に投射しているのかも。

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    2016年01月11日
  • 火口のふたり

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    エロい小説やな(笑)

    でも、男のセックスの捉えかた、感じかた、向き合い方は、真実やなと思った。なかなかエロをあそこまで哲学できないで(笑)
    男性のエクスタシーの原理を知る上でも、女性は必読じゃないかな(^-^)/

    内容ないと評価する人もいるが、俺は好きな小説だ(^-^)/

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    2015年11月20日
  • 一瞬の光

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    ネタバレ

    重い小説。作中人物の誰も幸せにならない。いや、浩介は幸せになったのかな。でもあと、30年、40年は最期の状態を続けられないでしょう。一体、とうするのでしょうね。

    設定もかなり嫌味だし、そもそも、香折の家庭は異常すぎるでしょう。と、あげつらうところも多いのですが、一気に読ませられました。男にとっては、ある種の、ユートピア小説ですね。

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    2023年01月02日
  • この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上

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    新たな遭遇だな。

    こんな小説読んだことないよ。

    作者は理屈っぽい性格なんだろう(笑)
    でも、男の読者はそれがハマるかも。

    唐突な引用に戸惑うが
    何故か引き込まれる。

    でも、勉強になったな(^^)/

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    2015年08月26日
  • 永遠のとなり

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    旦那さんイチオシの本。パート2
    うつ病になった主人公とガンを繰り返し、治療と向き合っていく友人の幼馴染の2人のお話。
    何が幸せで、何が生きがい?生きていく事の意味や人を幸せにするって事の難しさ、自分の幸せって何かを考えさせられる。
    人は脆くて繊細。生きる事を諦めなかったら、自分のペースで生きていけばいいんだと思わせてくれた。
    福岡出身なので、博多弁や福岡の場所が出てきて良かった。

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    2015年07月10日
  • どれくらいの愛情

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    作者は白石一文です。
    とても心に残る、力強いメッセージが伝わる小説でした。
    恋愛小説(短編)が3つ入っています。
    女性が好きそうな本だと思います。(多分)
    この作者の本をはじめて読みましたが、
    なんとも色々な人物が描かれていて、作者の幅を感じます。
    特に表題作でもある「どれくらいの愛情」はとても良いです。
    陳腐な言い方ですが、愛に満ちた話だなと思いました。

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    2015年06月27日
  • 永遠のとなり

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    部下の自殺がきっかけとなって、ウツ病になり、会社もやめ、妻子とも別れ、ひとりになった男と、ガンになり、死の恐怖の中で、結婚と離婚を繰り返す男、この2人が、生きていく中で、世界のいまが見えてくる。

     

     >私たちの欲望は次々と細切れにされ、その細切れごとに過剰なまでのサービスが用意され、充足させられていく。その一方で、もっと大きくて曖昧で分割のできない大切な欲望、たとえば、のんびり自然と共に生きたいだとか、家族仲良く暮らしたいだとか、本当に困ったとき誰かに助けてもらいたいだとか、病気をしたらゆっくり体を休みたいだとか、ひとりぼっちで死にたくないだとか、必要以上に他人と競いたくないだとか、

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    2015年04月18日
  • 砂の上のあなた(新潮文庫)

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    2015/3/13登場人物が多くて途中、誰がどういう関係なのかを整理することが必要だった。子供を生むことをテーマにしていて、父の浮気相手との関係、夫との関係、夫の浮気相手の息子(と名乗る)人との関係が興味深い。子供を生まないほうが幸せって言うの、うーんどうなんだろう。少しわかるけど、なんとなく信じたくない。

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    2015年04月13日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    ネタバレ

    優司は、美帆といるときに事故で死んだのでは?      最後に出てくるサングラスをかけた浅黒い男は誰?優司だよねえ。

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    2015年01月30日
  • すぐそばの彼方

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    ネタバレ

    政治小説であり恋愛小説であり再生を描いた小説でもある。
    「愛と名誉のために」的な再生小説を期待して読んだのだけど、主人公の再生への道は相当違うもん。結局小説のゴールはかなり近いとこにたどりつくんだけど、でもこの主人公は小説ラストで見つけた場所に安住しないと思う。

    そこが、俺の(今のところの)価値観と違うので、この小説の結末には納得できない。随所随所にエエことは書いてあるし納得できる部分もあるんだけど、やっぱり一度、とてつもない権力ととてつもない地位を目の当たりにしてしまうと、それを知らない価値観には戻れないのだろうな。作者の意図とは違うのかも知れないが、この主人公は作者が与えたハッピーエンド

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    2014年11月22日
  • ほかならぬ人へ

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    ネタバレ

    『ほかならぬ人』、『かけがえのない人』の二編に共通するのは衝動とでも言える、心の底から湧き上がる感情のように思えた。この話での衝動は一時的なものではなく、むしろ積み上げた正確な気持ちであったように感じた。なずな、とみはるは普通の人が躊躇してしまう衝動に身を任せるということをやった。彼女たちのその後の結果がどうであれ、爽快な話だった。

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    2025年02月10日
  • どれくらいの愛情

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    読み応えありました。
    4作の恋愛小説集。
    はじめの「20年後の私へ」は合いませんでした。
    薄っぺらくて、都合がよくて、面白くないなあ〜と思って読み始めたのですが、
    2作目から一転。深い深い。
    あとがきでも書かれているように目に見えないものの確かさを必死で探していく感じで、
    いつもはどんな小説を読んでも、自分の既存の価値観に基づいて小説の言葉を理解していきますが、
    この小説を読みながら「わたしはこう思ってあってるのだろうか」と思いながら読みました。
    一番好きなのはダーウィンの法則で知佳の思考を物語を通して追えるところです。
    恋愛小説というのは感情や偶然みたいな見えないものがそれこそ集まって物語が

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    2014年10月06日