白石一文のレビュー一覧

  • 翼

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    ネタバレ

    初めて白石さんの本を読んだのだけれど、読みやすくてサクサク読めた。

    愛とか死とかについて書かれているところがどことなくノルウェイの森を彷彿とさせた。

    でも、なんでだろう、なんか岳志の行動が意味不明すぎる。そこまでしたくなっちゃうのか、とか思ってしまう。結局彼は周りのことを考えていない人なだけで、周りはそんな彼に巻き添えをくらっているだけではないのか、と。

    こうゆう、愛について書いてあるようなのって結局男か女かどっちかが死ぬ結末になっていて、「あー、また死んだ。」とか思ってしまう自分もいた。確かにお互いに惹かれあっていた2人のうちの片方が死んでしまうと読んでいる側からすれば共感してしまい、

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    2019年12月23日
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

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    人が死ぬということ。誰もが経験したことはないから、死ぬ時どんな感じとか、死んだらどうなるとか、わかるよしもない。ただ、死を身近に感じることはある。私も最近父を亡くしたが、死んだというより、いなくなったという感覚が近い。ただ不在なだけ。でも、時折もう二度と会えないと気づく瞬間があって、その時は奈落の底に落ちるような悲しみがおそってくるのだが。

    この小説は、身近に死を体験した人に、その死に対してどう向き合うかを、淡々とした中でやさしく、時に強く導いてくれる物語だった。

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    2019年12月10日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    久々に「白石一文の世界」にどっぷり浸る。のっけから主人公が繰り出す思索開陳のビッグウェーブ。良い意味で相も変わらず濃厚な展開で、ページを繰る途中に何度も本を閉じ、深呼吸するほど。まぁ、これが白石一文ワールドというか真骨頂。ファンとしては、しばしその世界に浸れる安堵と喜びを抱きつつも、脳髄は痺れるというアンビバレンツな読書タイムを味わえる稀有な作家。まぁ、とにかく圧倒的な情報量を包含した骨太の小説を編まれます。

    さて、本書。主人公は東大法学部出身、大手出版社勤務、高収入の30代独身男性。境遇のまったく異なる三人の女性と関わりを持ちながら、いずれも一定の距離を置いた関係を続けている。彼女らに向け

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    2019年12月08日
  • 僕のなかの壊れていない部分

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    なんてつまらない人生なのだろう、と思う。
    自ら楽しもうともせず、
    理屈ばかり捏ねて、
    差し伸べられる手を拒絶してばかりで。
    けれど、何故か彼の生き方を完全に否定することはできないし、
    他人事には思えないでもいる。

    ただ一つの自分の居場所、
    たった一人の運命の人、
    ただ一度きりの自分の人生。

    それらを探し続ける白石一文の冒険は、
    きっとここから始まったのだろう。

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    2019年11月24日
  • 火口のふたり

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    いまやりたいことをやっていると、人間は未来を失い、過去に何も残せない。明日の為に必死の思いで今日を犠牲にしたとき、初めて立派な昨日が生まれる。

    ひたすらセックスしてるふたりのはなし。

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    2019年10月30日
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

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    あるみ在実 ありのり存実 そもそもが軽妙洒脱なその筆力に私は魅せられた ネクロフィリア 各々の人品骨柄を判定していた 人と人との間に生まれる愛情という貴重な財産は、一度小さなひび割れが生ずると、価値を失ったり減じたりするのではなく、そこから次第に腐敗が進行し、最後には猛毒に変じて、私達を蝕み、苛み、破滅させる。僅か三歳でこの世を去った妹は、その冷厳なる真実を私にしっかりと教え込んでくれたのだと思う。 年中顔を突き合わせていれば、どんなに特別な相手であっても、好きなだけでいられるはずがない。誰かと過ごした時の心豊かな記憶は虹のように儚く、その人物との諍いの記憶は刺青のように決して消える事がない。

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    2019年10月13日
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

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    ふんわり緩やかな空気に包まれた本編と、その背景を綴った解説。もはや共作と言っていいくらいの作品。ストーリーにはちゃんと起伏があったはずなのに読後感は心地よい凪。

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    2019年10月07日
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)

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    幼少のころから一緒だった同郷の美帆と優司、その先まったく違う歩みをするが、出生において悲しい共通点をもつ。それぞれ道を歩みながら、徐々に近いしい関係に。最初からこうなる運命だったんだと感じる事ができる作品。

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    2019年09月19日
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

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    いわば「変わり者」の思想と日常であるが自己投影ができてしまう内容。哲学的な文言も現実離れしておらず感慨深かった。解説で特定の人のために書いた物語とわかり、伝えたい想いを散りばめ小説にしたのであればこの本の意味はより深いものに感じた。

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    2019年09月17日
  • 永遠のとなり

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    何がきっかけで心の病になるかなんてわからないし、部下が自殺とか、そういうのも他人事じゃないなって思う。ホント。

    白石一文さんならではの、心の闇とか、その掛け合いの描き方が、冬に読むには痛々しい。

    てことは、巧いんですね。

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    2019年08月04日
  • 火口のふたり

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    まるで官能小説だけど、途中から白石先生らしくなってくる。でもこの前読んだ「愛なんて嘘」でも感じましたが、白石先生の作風というか、書きたいもの、言いたいことの表現手法が少し変わって来ているような気がする。
    確かに「身体が合う」って大事なことと思う。生まれも育ちも違う男女が長く仲良くいる為にはすごい大事な要素だと思う。その時その時は、一緒に快楽に溺れているから一心同体のような気がしても、やっぱり別々の個体が織りなす絡み合いなので、終わるまでずっと双方が同じ気持ちでいる訳じゃなく、所々で押したり引いたりしていますよねぇ~そりゃそうだよねぇ〜人の気持ちなんていくら身体を合わせていても測り切れませんよね

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    2019年07月26日
  • 翼

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    泣く場面も、共感も特にはなかったんだけど、こんなに運命の人だ、結婚したい、と言われて流されない里江子がすごい。
    設定上イケメンのお医者さんに、13年越しに。

    白石一文さんの恋愛小説はすごく愛について掘り下げてくる感じがある。

    フツーに暮らしてる自分にとっては読み物としてはよいけど、現実とはリンクしないかな。

    だけど初恋の人に振られる夢は未だに見るから、しかもいろんなシチュエーションで、必ず振られる(−_−;)人生における運命の人かもなー。

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    2019年07月19日
  • 記憶の渚にて

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    大好きな作家さんなので、書店で手に取ってすぐ読み始めたのはもう何か月前…?
    職場の昼休みや、待ち合わせの時間など細切れで読んでると、だんだん訳が分からなくなってしまって、これはしっかり読まないといけないと、後半は正座して読んでしまったにもかかわらず、消化不良…

    ここで終わる?とまだまだ小説の中に身を置きたい自分だけが取り残された感が…

    解説にもあるとおり、私も小説の中に入り込んでしまうからか、東也がおいてけぼりの結末にどうしても納得できなくて、白石作品初の星3つ。

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    2019年07月06日
  • プラスチックの祈り

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    五年前の秋、かかとのプラスチック化を初めて見つけたとき、これは天罰だと直感した。
    ーあんな形で小雪を失った当然の報いに違いない。
    そう確信した。

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    2019年06月21日
  • 一瞬の光

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    自分を愛していないと人を愛することはできないが、人を自分以上に愛して初めて本当に自分を愛することができる

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    2019年06月06日
  • プラスチックの祈り

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    体がプラスチック化する。それが、ある日ポロリと取れる。
    どんよりした気分や悲しい気分も同じように固まってポロリと取れてスッキリすれば清々しいんだろうにね〜。

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    2019年05月25日
  • プラスチックの祈り

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    本当にキツイときの記憶が失われたり、過去の思い出を友人と語ると食い違うということは実感としてわかる。
    そういった齟齬を突き詰めて作品化した大作。
    ラストの収束も含め、観測・認識されないものはプラスチックであるというテーゼは量子力学の観測問題のよう。

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    2019年05月14日
  • すぐそばの彼方

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    政治ものだけど、白石さんの「運命の人は、時すでに遅しくらいにわかる」的な恋愛物語。わかっていたけど、最後は戻るんだなぁ。主人公は責任感が強くみえるか、所々急に弱く逃げてしまう。でも戻るんだなぁ。
    政治の人間関係が少し複雑で読み難く、ストーリーが見えていたので評価3ですが、白石作品はやはり良いかな。

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    2019年04月16日
  • 幻影の星

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    長崎市諫早市いさはやし ほんみょう本明川 めいめい銘々適当に飲み始める イリュージョン 中洲の旗艦店 デキャンティング 重度の子宮内膜炎を患っていて 過去の姿の連なり 既に無くなったものの集積 江戸川橋 神楽坂 書籍取次大手のトーハン 逆転式一方通行 ひるがれい昼餉ひるげ 都電荒川線に乗って早稲田と三ノ輪橋の間を往復したり イタリアの小都市トリエステ たききぎ薪焙煎の上質なエスプレッソ 世界平和はナマコとともに ゾウの時からネズミの時間 肺の動きは、その動物の心拍を基準にすると、四倍の時間がかかっている。つまり心臓の拍動を時計の振り子とみなすなら、肺の時間は、どの動物でも心臓時計四拍分なので

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    2019年04月21日
  • 火口のふたり

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    世界が終わるとき…終わるかもしれないとき…
    誰と何をして過ごすのか。
    生かされている私たちには究極のテーマだと思う。
    そこそこ大人の私なので分からんこともない。
    人として至極素直な行動なのだろうとも思う。
    だけどやっぱりこれは男性の理想の終末なのかなという気もする。男性が生きていることを一番に感じられる瞬間。
    母である私はおそらく選択する道が違うのだろうな…というだけのこと。
    今年の8冊目
    2019.3.24

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    2019年03月24日