白石一文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ(2013年5月に書いた感想です)
この頃の白石一文さんは、震災や原発事故、火山の噴火などに絡め、この世(いのち)の無常さを書くことが多いのかな?
この物語もそんな感じ。
あくせく生きても、結局100年後にはみんな死んでるし、大地震みたいな自分ではどうしようもないことで、あっさり死んでしまうことだってある。
生に執着してもむなしいものだ…。
この物語では特に、「時間」について特殊なとらえ方をしている。
時間(過去・現在・未来)なんて、人間が作り出した幻想みたいなもので、現在の自分以外のモノはしょせんイリュージョン。
そんなことを考える主人公は、あるとき存在するはずのないものを受け取る。
それは未来の自分からのメッセージ?SDカードのデータを分析してみると、どう考えても、未来の出来事を示唆している…。
同じとき、同じような体験をしている女性がいて、二人の過去と現在、未来が最後に交差する。
とってもよくできた、不思議な小説。
未来の自分からメッセージがとどく、というと、SF小説みたいだけど、あくまでいつもながらの白石一文ワールドは崩さず、不思議な出来事なんだけど現実として受け入れ、「そんなこともあるかも」と思わせられちゃうところがすごい。
けっこう「時間」のとらえ方が理屈っぽく、時系列的にも難しいので、あんまり真剣に読むと疲れるけど、深く考えずに「そんなものかも」と思いながら読んでいいかも。
表紙に白い犬がえがかれているけど、物語中にちょこっと出てくる犬が鍵です。 -
Posted by ブクログ
40代後半でうつ病を発症し離婚して生まれ故郷の福岡に戻った主人公。肺がんを患っている親友との交流を通して自分の人生を見つめ直す。
お互いにしんどい状況になった時に支え合える相手がいるのは非常にうらやましい。若干の厄介ごとに巻き込まれながらもお互いにより良い人生を歩もうと助け合える友人を持つことは歳をとっていくに当たって非常に大事なことだと思う、ら
しかしながら、主人公は過去に女性問題をおこしており、親友は3回の離婚と再婚をしてさらに不倫中。両者とも罪悪感はゼロ、
不倫を扱った小説は多いが、主人公のほうの女性問題は設定としてなくても良かったのではないかと。もっと反省しろと思ってしまう。 -
Posted by ブクログ
芹澤と珠美が“色仕掛“をきっかけに出会い、退職や離婚といった社会的には一見マイナスな出来事を皮切りに、ふたりが徐々に回復していくストーリー。
その過程には、著書白石さんからのメッセージが散りばめられている。
共感できるメッセージもあったが、衝撃を受けるような、何か新しいことを気づかせてくれるメッセージがなかった上に、よく理解できなかったメッセージがあったため、星は3。
以下、メモ
■共感できたメッセージ
・ほんの小さなミスはほんの小さな結果を招き、重大なミスが重大な結果を招く。重大な結果を招いた以上、そのミスはほんの小さなミスであるはずがない。些細な手違いや判断ミスに見えたとしても、実は、そこには深刻な要素がぎっしりと詰め込まれていて、ただ、僕たちはいつも散々な結果に打ちひしがれるあまり出来事の本質を見極めようとしない。だから重大なミスがしばしば小さなミスのようにみなされてしまうだけなんじゃないかってね。
・心が参ってしまったときは自分自身に治してもらうのが一番なのよ。というか、自分の心は自分にしか治せないの。
・幾らお金があったって、生きる目的みたいなものがなくちゃ生きていけないものよ
・一生、誰かの経済力に寄生して生きていくなんて、それほどつまらない人生はありませんからね
・私は生まれてからこのかたずっと、奥野と私が存在する世界で暮らしていた。それが5時間前に奥野が死に私だけが存在する世界に変化した
・奥野が死んだことなど別に知りたくなかったし、知らなければ、私はこれからも奥野と私が存在する世界にずっと居続けることができたのだ
・結局、人間は、自分が死ぬのかどうか判断がつかないまま本当に死んじまうんだよ
・ビジネスにおいて最も必要な資質は大胆さと冷静さだったり妻や子供を持った男たちには、会社を辞めるおいう選択肢がなく、自分たちを脆弱にしているが、当人たちはよくわかっていない。
■よく分からなかったメッセージ
・芹澤さんって、どうして結婚しなかったの?
他人の世話をするのが面倒だからかな
・我が子ほど愛おしい存在はいませんし、女だからこそ深く味わえる愛情というものがありますから。ただ、珠美のように、子供という重い荷物を一生持たずに暮らしていくのも悪くないという気はしますね
・女性が仲間割れするのは、男に比べると若い時期に時間がなさすぎるのと、容姿といううまれながらの絶対的格差のせいだろうけど、ただ、きみたち女性が団結していかないと、この男社会を変えるなんて到底不可能だと僕はいつも思うね
その団結って発想が、どうしても私たち女には馴染まない気がするんだよねえ
・子供のいない世界と、子供のいる世界
つまり、子供の感情が分からなくなった人間たちがいる世界と、子供と子供の感情が分からない人間とが共存症する世界のこと。
・人と共に生きても、人間は決して強くはなれない
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Posted by ブクログ
家庭の事情である時期(学生時代)きょうだいのように育ったいとこ同士の賢治(41歳)と直子(36歳)。ある時から一線を越えた関係となる。
月日は流れた。順風満帆の出だしだった賢治だったが、仕事に結婚に挫折し生きる意味を見出せなくなっていた。
従妹である直子の結婚式に参加するため東京から故郷の福岡に帰ってくる。
再び二人は結ばれ(それは直子が図ったことだった)、結婚までの5日間、本能のままに美味しい食事をする、睡眠をとる、体を重ねる。
これでもかという、過激な描写。だけど、それほどいやらしさをかんじない(嫌になるほど露骨なのだが)。なぜなら二人に恋愛感情は感じない動物的な関りにみえる。やけくそなのだ。
血の濃い二人、結婚相手との新居で事をいとなむふたり。社会のモラルから大きく外れ「体の言い分」に沿っている、二人が哀れ。
アダムとイブは宿命として血が繋がっている。子孫を残せるという本能の指令という。人は破壊の危機に陥るとこういう心理にいたるのか。
東日本大震災、福島原発の数年後という設定の話。そこからくる無力感から刹那的な快楽をあらわしていると思った。
もし明日この世が終わるならどう生きるか。時々ふと私もそう考えることがある。「やりたい放題」「やけくそ」それもいいな。でもやはり思うのは身近な人に感謝を述べたいなあ。
心に残ったところ
「生きているだけで楽しい人と、成功しなきゃ楽しくない人がいたら、生きてるだけで楽しいと思える人の方が数倍も得だ。」 -
購入済み
テレビとの違い…
今回はテレビが先で、その後本を購入。全くと言っていい程内容は違ってましたが、テレビは安田成美さんって事で見られた。内容としては「一億円のさよなら」の題名に興味を持ったがどちらも意外な感じで終わった…でもお金って人を狂わせるって事は感じた。普通って幸せなんだと…やはり本の方が想像が掻き立てられるから好き。