白石一文のレビュー一覧

  • 翼

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    「僕たちの人生は誰かを不幸にしないためにあるわけじゃないよ。愛する人を幸せにするためにあるのだし、そして、何よりも自分自身が幸福になるためにあるんだ」

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    2018年03月06日
  • どれくらいの愛情

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    あとがきで「世界の完全性」ということに言及している。小説の中ではある意味わかりやすい象徴的な人物が出てきているが、確かに「世界の完全性」なるものはあるのかもしれない。あると信じて、探求していきたいとも思うし。そんなあとがきを読んでいて思い出したのは「一般意思2.0」。いろいろなものが自分の中でつながっていく小説だった。

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    2018年03月02日
  • 一瞬の光

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    近畿出張に持って行く本を決めようとひさしぶりに五反田のbook-offに寄った。時計、衣類の取り扱いが増えたなあ。本棚をじっくり見てこの本を読もうと思う。白石一文氏に好印象を持っている。
    恋とは楽しいものだ。もう恋心を抱くことは無いが、疑似体験かなと思い楽しく読む。
    40前のエリートサラリーマン、出世コースにも乗り、社長の姪と付き合っている。そんな主人公に先ほど面接で落とした就活生の女性と会い親しくなる、会社の出世レースで凌ぎを削り、2人の女性の間での心の動きを書く。
    主人公が変わっていると言うことは感じた。が著者は何が書きたかったのだろうかと思う。

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    2017年11月02日
  • どれくらいの愛情

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    『二十年後の私さん。心がくたびれて、なにもしたくなくなったり、誰のことも好きになれないような気がしたら、どうか、この私のことを思い出して下さい。私はいま、あなたのことを心から応援しています。そしてあなたが素敵な人と出会い、幸福な人生をこれからも送っていくことを心から願っています。父や母、いやそれ以上の強い気持ちで、私はあなたの幸せを祈っています。あなたは決して一人ではありません。こうして今も一生懸命に生きている私がいます。これからも一生懸命に生きていく私がいます。そういうたくさんの私が積み重なって、いまのあなたがいるのです。だから、あなたは決して一人ではありません。一人だと思ったときは、二十年

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    2017年10月30日
  • 砂の上のあなた(新潮文庫)

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    愛護センターという名の処分施設 癇癪持ち 剥奪 排卵日 猟犬ミニチュアダックスのハリー 荒唐無稽な 浅草界隈の雑踏 杉並区久我山 不憫 贔屓 カヌー 鎌田浩之 東西線門前仲町 福生 急逝 一筆認めて 湯島 清澄 東条紘子 牛寺周一郎 人間の容姿の嗜好 相好を崩して 川越 次元大介 大腿骨 一瞥 京葉線 血縁の絶対化 日光白根山 伊香保温泉 愕然たる思い 妊娠の可能性は35歳を境にして急降下 瀕死なオタマジャクシ ソニーを退職 死という絶対現象 際限なく再生産 下卑た欲望 桃源郷 人生は一回きりの死と無限回数の誕生によって織り成された実に奇妙な生成物 彼等は生殖・繁殖活動は行っても、それを死と結

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    2017年09月25日
  • 幻影の星

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    死生観、生きている今と死んだ世界
    この世界観がずっと漂ったお話
    何となくこの世界観の中にいることは
    心地よく感じた

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    2017年09月09日
  • 翼

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    ネタバレ

    主人公と岳志の恋愛ものかと思ったら恋を超えた運命(岳志の一方的なものだが)の話だった。
    人生に関する哲学めいた言葉は安定の白石一文流。
    「僕たちの人生は誰かを不幸にしないためにあるんじゃない(中略)自分自身が幸福になるためにあるんだ」
    元夫の伸也との子どもを身ごもった朝子も印象に残った。

    みな生きること、愛することに全力だ。愛する人は必ずしも今隣にいる人ではないかもしれない、それでもその人を愛することを諦めない、自分に嘘をつかないことが自分の幸福につながるのではないかと思わされた。

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    2017年08月26日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    ムンバイ 愁嘆場しゅうたんば 面貌めんぼう 細面ほそおもて ひが彼我の力の差は歴然としている 椿林太郎 都営三田線の志村坂上駅 中野サンモール商店街 リスカ少女よろしく手首に模様を描いただけでもない 画一的な教育 早稲田鶴巻町 両国の江戸東京博物館 綱島の学生マンション 佐賀の嬉野温泉 早世そうせい 一体どうやって収拾をつけたのか 窓の向こうには上智大学のキャンパスが広がっていた 僕はどんな処分でも甘んじて受ける覚悟ですから 目黒区の鷹番 最寄駅は東急東横線の「学芸大学」だ ふし父子家庭 雲散霧消 強烈な興奮 快哉を叫ぶ 訃報 マザー・テレサ 覚醒後 アル中は病気なんだからさ 義兄ぎけい 至極

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    2017年07月28日
  • 火口のふたり

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    ネタバレ

    いまやりたいことをやっていると、
    人間は未来を失い、過去に何も残せない。
    明日のために必死の思いで今日を犠牲にしたとき、
    初めて立派な昨日が生まれる。


    白石一文さん読むの久しぶりな。
    つか、
    この人の小説って純文なんですかね?
    普通に恋愛小説なんですかね?
    村上春樹さんも純文でしょう?
    よく言われるのは2人ともSEXシーンが多い!
    でも、
    「生きる」ことを書くということは恋愛が必要だし、
    恋愛にSEXがなかったらそれは恋愛なのでしょうか?


    1年ほど前にかぐりん、
    実はアメリカに移住を考えていました!
    英語も話せないし、
    東京埼玉からも出てことが少ないやつが何を言ってるのか!
    と、
    自分

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    2017年06月18日
  • 不自由な心

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    すこぶる胸糞悪い小説だった。次から次にろくでもない男ばかりでてくる。ちなみにすべて不倫。
    身勝手で独善的で、ばっかじゃないの?と思わず吐き捨てたくなるような愚かさのオンパレード。
    でも、それを知っていてもなお、そんなろくでもない生物をどこか愛おしく思えてしまうのは何故だろう。
    既婚男性と尻軽独身女性の組み合わせばかりだからありきたりでチープに感じてしまうけれど、男も女も似たようなものかもしれない。
    誰だって自由に生きたい。誰がどう思おうが誰がどうなろうがどうでもいい。愛する人と一緒にいたい。でも愛する人はころころ変わる。
    そんなもんでしょ。所詮みんなゲスなんですよ。
    と私はこの本を読んで思いま

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    2017年06月04日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    林太郎の言動にイライラ。その理由が分かるとイライラは解消されたのだが、別のモヤモヤが・・・。そして不思議にそのモヤモヤは不快ではない。面白かったが、なんともつかみどころのない作品でした。
    あらすじ(背表紙より)
    友人の生死を決める衝撃的な現場で霧子が出会った黒ずくめの男。彼は修羅場をよそに、消えるようにいなくなってしまった。後日、霧子は男に再会し、徐々に魅かれていく。彼の名は椿林太郎。学習障害児の教育に才能を発揮し、本気で世界を変えようと目論む、抜群に優秀な小学校教師。人は彼のことを「神の子」と呼ぶ。しかし、彼にはある大きな秘密があって…。生への根源的な問いを放つ傑作長編。

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    2017年01月28日
  • 彼が通る不思議なコースを私も

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    なんだろ。なんとも言えない読後感。
    え?あ、そうなんだ…は?ってなった。

    でも著者の生への訴えはわかった。受け取った。

    しかし霧子さんと林太郎さんの「答え」がよくわからんのだよなあ。バカなのかなわたし。

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    2017年01月22日
  • 私という運命について

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    ネタバレ

    これは独身の若い頃読んでいたら身につまされる本だったなぁ。回り道してやっと気づく幸せもあると今ならわかる。
    スピリチュアル色濃いラストは泣ける教科書のような収め方で若干白け気味。経験した身としては、帝王切開後のリアリティのなさの違和感が尾を引いた。
    共感半々、「私の選択こそが私の運命」はまさにそう思う。というか、そう信じでもしなければ曲がり角が次々と現れる人生やってこれないw
    康一郎くんと息子の誕生日が偶然同じ月日で、そればかりはこの本との巡り合わせを感じてしまった。

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    2017年01月16日
  • 火口のふたり

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    いとこ同士の恋愛物語。
    と言ってもタブーに挑むような重苦しい内容ではなく、比較的能天気なトーン。
    ならば普通の恋愛小説としてどうかと言えば、共感できるところもあれは、そうでないところもあり、白石作品としてはインパクトに欠ける印象でした。

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    2016年11月10日
  • 翼

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    『私という運命について』が割と好みだったので
    手に取った一冊。

    うーん何だろう。
    私はどうしても妻目線で読んでしまった。
    主人にいきなり『運命の人とこれからの人生を進んでいきたい』と言われたら相当ショックだよなぁ。
    はい、わかりました。とはとても言えない。

    逆に自分にそういう人が目の前に現れたとしたら、
    アッサリと別れてくれと言いそうな気もする。
    嗚呼、何て矛盾でしょうか。

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    2016年05月29日
  • 翼

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    死や愛についてがテーマなのかと
    1回読んだだけじゃ読んだ気がしないような深い作品。白石さんの世界観炸裂。

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    2016年04月25日
  • すぐそばの彼方

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    ネタバレ

    藤田元首相の2ページ半に渡る政治思想が、世の中のリアルな側面に思われた。私的には、人の言動や、人が作るシステム(政治)の不完全さの方が、完全なものよりも現代を映す上で真実味がある気がした。

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    2016年04月24日
  • 不自由な心

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    短編集です。通奏低音で流れるテーマは
    運命の人と一緒になれればほんとうに幸せになれたのかも…
    なんだろうかと感じます。
    それが出来なかったり、それを選択しなかった人生の様々な結末を描きつつ、幸せな人生とは…を問うたような作品です。

    運命の人…だと思える人と出逢う。
    いつ出会えるかは全くわからないんですよ。結婚する前ならいいですよ。そのまま流れに身を任せておけばいいんだしね。後ろめたさも、後ろ指さされる心配もありませんもんね。
    でも結婚した後だったり、子供を持った後だったりする場合もあるんですよ。その場合…どれほど苦しまなきゃならなくなるか…

    自由な心で思うままに生きられれば…誰しもそう願う

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    2016年03月29日
  • 永遠のとなり

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    主人公の幼馴染の敦の一見自由奔放な生き方は、実は、苦労して自分を育ててくれた母親への愛情が下敷きとなり、また、そんな母親の境遇を作った世の中への怒りが原動力だったとは…その敦のがんと闘う様。毎日生まれて、毎日死んでいるという彼。それを鏡として自らのうつやこれまでを振り返る主人公。物語全体が緩やかに進行しつつも、男女の違いや生きることとは、死ぬこととはを常に考えさせられる展開は、自分への永遠の宿題として受け止めた。男同士の友情っていいなぁと、羨ましくもなった。

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    2016年02月21日
  • 永遠のとなり

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    人生の谷、病気や離婚、社内抗争、部下の自殺、それに対してどう接していくか。もがいたり、怒ったり、堕ちたり。でもほんとの親友がいると、救われるな…。

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    2016年02月06日