あらすじ
31歳の松谷遼平は会社の懇親会で8歳下のアルバイト・隠善つくみと初めてまともに話すと、奇妙な感覚に襲われる。……この人は俺に会いに来たんじゃないか? 遼平は幼少期、生死の境を彷徨ったことがある。その記憶とつくみとが不思議と繫がってくる。遼平がつくみと結婚すると、別れた恋人の友莉が失踪してしまう。その捜索によって知った関係者の出自や記憶が大分のある地域に奇妙に収斂し、人間関係が因縁めいた連環の形となっていく。やるせなさ、ずるさ、だらしなさが随所に描かれながら、どこまでも澄んだ読み心地がする物語。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
遼平は長年付き合っている彼女がいるにもかかわらず、つくみに出会った時自分に会いに来たと感じた。+建設会社営業の仕事の裏側
白石一文らしい傑作。最近あまり面白くないなと思ってたけどこれはいい。脇役を絡めたストーリー展開など読みどころ沢山。
(子供の頃、自分の命を救ってくれた◯◯がつくみであるかどうかというスーパーナチュラル話が白石らしい。そっちも嫌いではないが、それ以外が意外と面白い)
Posted by ブクログ
遼平は会社の懇親会でアルバイトのつくみと
初めてまともに話をして
彼女と昔から知り合いのような・・・
不思議な感覚に襲われ、
それ以後、彼女のことが気になって・・・
普通の恋愛ものかな?と思いつつ読み進めていくと
ミステリーのような、ホラーのような、
なんとも言えない感じで
すごく面白くて夢中になれる展開だったのだけれど
結末が、ちょっと、消化不良・・・
Posted by ブクログ
信仰や転生や神様をうまくブレンドして構成されており、一気読み確定です
大分県がキーワードであり、4年間住んでいたので親近感もわいているので、高評価になっているかも
最後の方は少し雑なまとめ方なので、✡−1で✡4としました(最後モヤモヤ感が残ります)
Posted by ブクログ
章毎に物語を引き継ぐように語り手が変わり話を進めていく手法は、話の展開への興味を喚起し次から次へとページをめくってしまった。
謎の女性つくみとの運命的な出会いと、遼平が子供の頃に助けられた白猫のようなつくみ。
遼平とつくみの結婚までの話かと思えば、それから派生する様々な出来事と関係者たちの出自が不思議にも大分県津久見市に集約されていく。
ファンタジー的でもありながらミステリアスな話の展開に、このような終わり方なのか…と、作者に放り出されたような結末に不思議な読後感があった。
様々な証言を集めて真実を描く…、のではなく混沌とした話を混沌と終わらす。すっきりしないが、気になる小説になった。
Posted by ブクログ
幼馴染の友莉と結婚するだろうと思っていた遼平だが会社のパートとしてやってきた つくみに出会いあらがうことができなくなる 弟の耕平その恋人 謎の七輪優作 様々な人達が瓜生島と猫のキーワードで繋がってくる
Posted by ブクログ
松谷遼平は、幼馴染の友莉という恋人がいたが、会社のアルバイトで入ってきた8歳下の隠善つくみと会ってから奇妙な感覚に襲われ、ずっと以前からの身内のような気持ちになる。
すぐにつくみと結婚した遼平だったが、その後友莉の失踪で捜索を進めるうちに関係者たちの出自や記憶が、遼平の母の実家・瓜生村と繋がっていることに気づく。
そして、つくみが突然いなくなった後、彼女も瓜生村に行ったのではと…。
遼平がそこで体験したのは…。
異常とも思える人と人の奇縁にあり得ないと思ってしまう。
だが土地の記憶が関係ある人を結びつけているのだと思うとこのような魔訶不思議さもあるのでは…とも感じる。
登場人物がみんな少し狡さやだらしなさを纏っている雰囲気に疲れながら最後は幻想的な場面だった。
Posted by ブクログ
一気読みでしたが、何とも言えない読後感…
読み終わっても謎が解けたわけではなく、前半に際立ってたつくみさんの不思議だけど惹き寄せられる姿が途中から消え去って、個人的には残念な気がしました。この不可解さも白石ワールドといえはそうなのかも知れませんが。
Posted by ブクログ
なかなかストーリーを理解するのがむずかしくて、これどうやって終わるの?って思いながら読んだ。
読み終わっても何かスッキリしない感じでした。
ファンタジー寄りなのかな?
Posted by ブクログ
352ページという長めの小説でしたが、とても読みやすく、また単なる恋愛小説ではないところに引き込まれてしまいました。
長年付き合っていた幼なじみの友莉がいたにも関わらず、職場のアルバイトの女の子「つくみ」を「この人は俺に会いに来たんじゃないかな?」なんて思い、友莉を捨ててつくみと結婚してしまう遼平。
読んで行くとつくみという女性が本当に遼平に会う為に来た女性なのでは?と思わずにはいられなくなりました。
ファンタジーというより、日本の昔話のような世界観。最後まで種明かしはされないので読者の思うように解釈して欲しいということなのでしょうか?