あらすじ
作家・野々村保古は、最愛の女性ことりと、四匹の猫といっしょに暮らしている。十五歳下のことりと知り合ってから二十年、二人はかたときも離れることがなかった。還暦を前にした野々村は、知人の死をきっかけにこれまで出会った人たちへと思いを馳せるようになる。そんな時、ある事件からことりへの疑惑が生じ……。人生という「奇跡」の意味を考え、小説の淵源へと迫る著者渾身の自伝的作品。
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Posted by ブクログ
本著は小説家としての孤独や葛藤、繋がりと喜びを説く本である。
創作活動全般、知的活動、表現全般の人にとっても通じ、そうでない仕事をしている人においても、「自分一人では生きていない。周囲に支えられて繋がって生きている」と人間であれば、業種業界分野問わず、共同体の中で生きていることを改めて知るきっかけとなるだろう。
本著で述べている通り、小説家は孤独と葛藤と繋がりと喜びが混じり合う業種であり、その寂しさとも繋がりの中で生まれる温もりの両方を知ることができる。
「君」とは「繋がる全ての人」であり、私たちがふと忘れてしまいがちな日常の営みのありがたみを思い出させてくれる。人は一人では生きてはいけない。家も食べ物も衣類も交通もスマホもネットもサービスも本もみんなが繋がっているから成り立っているのだ。
君とはあなたであり、私であり、繋がる全てであり、温もりが伝わる良書といえる。
Posted by ブクログ
自伝的小説ということでちょっとエッセイに近いような作品でした。
それもあってかちょっと古い時代の思考のようなものが見え隠れしていてそれほど面白く読めませんでした。なんとなく理屈っぽい作品でした。
Posted by ブクログ
作家の野々村保古は、最愛の女性・ことりと4匹の猫とともに暮らしている。 15歳下のことりと出会ったのは、野々村が40歳の時だった。以来20年、2人はかたときも離れることなく生きてきた。還暦を目前に、野々村はこれまでの人生における「出会い」について考える。
そんなとき、ことりが母の介護のため一時的に家を離れることに。すると、二人の間に微妙な空気が流れ始め……。彼女にいったいなにが起こったのか!?
人生という奇跡の意味に迫る、作家生活30年を迎えた著者渾身の自伝的小説。
事実に基づく部分もあるせいか、ややエッセイ的な側面もある小説。読みやすかった。
Posted by ブクログ
白石一文さんは、少し前によく読んでいました。
何か考えが、男尊女卑で古いし、学歴社会を否定しながらも、登場人物は優秀で一流企業で働き、女性は美人ばかり…
いけすかないーと思いながらも、何故かひきつけられるところがありました。
本作も同じような傾向でしたが、以前よりインパクトがなかったです。
今どき、女性は家で夫を支え…のようなことを書けば、それこそボコボコにされるでしょうが…
白石さんご自身の考えが変わった、ってことなのでしょうか…
芽が美(乃が美のことですね)のパン!買ってきましたが、他の生食パンとの違いはわかりませんでした。
紀の善の抹茶ババロアは、すっごく美味しかったーどの作品に出てきたか忘れましたが。